その純白の封筒は、特別な誘いへの招待状であった。
エンボス加工で浮き上がる桜色の花と水引結びリボンの絵が施されたフラップを開けると、様々な質感のカードが覗く。
ポストカードに会場案内状。付箋紙は依頼状だ。
その中から封筒と揃いの加工の二つ折りのカードを取り出した。
結婚式、披露宴の招待状だ。
その純白のガードに記された文面に目を落とせば、きっちりとしたフォントが祝宴の誘いを知らせていた。
来たるはれのひの幸せに想いを馳せながら、
「そういえば、みんなと会うの久しぶり、かな?」
楽しみ。そう微笑み、そっとカードを封筒に戻した。
久しぶりに顔を見る人もいるだろう。
あれから10年。あの人たちは、どんな人生を過ごしていただろう。
どんな仕事に。どんな生き方を。どんな過去を紡いで、どんな未来を描いているのだろう。
再び交わる道は、あのはれのひにつながっている。
そう思うだけで千曲・花近(信濃の花唄い・dn0217)の髪飾りは嬉しそうに揺れ、表情はさらに柔くなるのであった。
●
朝の爽やかな光が祭壇の十字架を清らかに照らしている。
神への宣誓を終え、向かい合ったビアンカと千早。
ベールを上げてうかがえた清らかな表情は、恋に落ちたあの日から変わらない。
「愛してるよ……」
と、千早がその柔らかな唇にキスを落とすべく顔を近づけたその時、パタパタと小さな影がふたつ二人に近づいて、男の子が間に割り込んだ。
可愛らしい乱入者に教会内がざわつく中、彼は千早をキッと睨みつける。
「キスなんて、ダメ!」
「もうっ、せっかくのお式なのに!」
一方の女の子は、二人の間に割り込んでいった男の子の腕をグイっと引っ張った。
千早とビアンカはお互い顔を見合わせてちょっと困ったように微笑み合うと、
「ルカ、大丈夫。お母さんも僕も含めて、四人でこれからも一緒だから」
「そうよ。四人これからも一緒だってことを、神様に約束するの。ね、千姫(ゆきひめ)」
と落ち着きを取り戻した子どもたちの手を取った。
「愛してるよ、ビアンカさん」
大切な人たちの前で誓いのキスを交わし、微笑み合う。
「ええ、私もよ。これまでも、これからも――」
そして願わくば、これからも増えるであろう家族とこの幸せな生活が続きますように――。
●
お嫁さんになりたい。
そう告げられたのは、もうずいぶん昔の話。
彼女が結婚できる歳になったら。と考えてはいたものの、現実はそう甘くはなかった。
人々を守る仕事に就いた康也は多忙を極め、ようやく事が運べたのは、ごく最近のこと。
タキシードに身を包んで祭壇の前に立つ康也の心は落ち着かない。
彼のとなり。紗雪の胸の去来するのも――。
『お嫁さんになりたい』
この気持ちは今も変わらず。だから。
紗雪は向かい合った康也を見上げ、もう一度。
「康也さんのお嫁さんに、してください。大好きです、ずっと一緒にいてください、ね」
埋められない身長差はもどかしいけど、ちょっとだけ背伸びをする紗雪。
康也は彼女の唇を迎えに行くと、優しいキスを落とした。
「俺も、ずっと守るし、ずっと大好きだ!」
「いやー、あの康也が遂にかぁ」
祝福のパイプオルガンの音に掻き消えるくらい小さく呟いた高明。
知り合ったときから気にかけていた弟分の晴れ舞台は感慨深く、自然と鼻の奥がジンと痛む。
「……あ、ちょいタンマ、何だか泣けてきた」
と、顔を背けてハンカチで目頭を押さえた。
参列席の一番後ろ。
「康也くんと彩雪さんっておつきあいは長いと思うのだけど、なかなか結婚しようって切り出せなかったのかしら」
まぁ、今更つつくのは野暮ね。と笑う愛莉の横で、雄哉は穏やかに二人を見守っていた。
あまり表に出ることは無い雄哉だったが、お世話になった人たちのはれのひにお祝いをと思い参列したのだ。
式は滞りなく終わり、アフターセレモニーは教会の外で。
フラワーシャワーが康也と紗雪のこれからの多幸を約束するように舞う中。
槌屋の兄さんに加賀谷の姉さんと呼ぶのもこれが最後だと思うと、伊織の心も晴れやかに。左手薬指の指輪もきらりと輝く。
「ほんにおめでとう。二人の道行きが幸せなものである事を心から祈っとりますぇ」
ぱっと花びらを撒けば、二人も一層笑顔を見せる。
思えばこの二人や高明たちとの縁も学生時代に請け負った依頼から。それがこんなに長く続くとは。
(「あのあほカラスにも感謝、しといたるべき、なんやろか」)
そう思わず苦笑した伊織の隣には、高明と桜花夫妻。
「これは兄貴分としては、負けとられへんのとちゃいます?」
「バッ……! 弟分に負けるわけないだろ!」
伊織につつかれていたずらっ子の様な笑みを浮かべた高明も、手のひらいっぱいの花びらを弟分夫婦に捧げた。
「何はともあれ、おめでとうお二人さん! これから二人の新生活、慣れない事で大変だと思うが……なに心配すんな、少しだけ結婚の先輩である俺達が色々教えてやっからよ!」
サムズアップした高明。康也からの笑顔の返事に、妻が抱く我が子の頭を優しく撫でる高明。桜花も微笑んで花びらを舞わせる。
「康也さんも紗雪さんも末永くお幸せにですわ! 康也さんは仲間思いで頼りになる方なので、紗雪さんの事を必ず幸せにできると思いますわ♪ ね、パパ?」
桜花の言葉に頼もしく頷いた高明を見、
「そん時は頼むぜ、高兄!」
と応える康也と微笑む紗雪の頭上には、またしても花びらの雨。
「槌屋先輩、加賀谷先輩、ご結婚、おめでとうございます。お二人とも、お幸せに」
「康也くん、紗雪さん、結婚おめでとう!」
雄哉と愛莉も寄り添って彼らの門出を祝う。
参列者が作った花びらのトンネルを潜り抜けて、康也と紗雪はゆっくりと踵を返すと深々とお礼のお辞儀をした。
「皆、来てくれてありがとな! 色々あったけど、二人で一緒に歩いて、一緒に強くなるって事で、これからもよろしく!」
にかっと笑んだ康也。一方の紗雪はにっこり笑んで。
「昔は色々と……はい、ご心配をおかけした二人ですが、ここからは元気にただただ進んでゆきます。ちゃんと手綱はとりますよっ」
「た、手綱? つけんの?」
夫婦最初の可愛らしいやり取りは参列者たちは笑いの渦に包まれる。
「……というのは勿論冗談です、が。ありがとうございます、と、これからもよろしくお願いします」
もう一度お辞儀をする二人を包み込んだのは、今日の小春日和の様な暖かな仲間たちの祝福だった。
●
高校時代から一緒だった彼女。それが澪音。
今日、このはれのひに彼女と結ばれる。
そう思うと一層気持ちが引き締まる――と思いきや、慣れないタキシードと教会の荘厳な雰囲気に緊張しきりの広樹。祭壇でもう一人の主役を待つ。
パイプオルガンの音と共に扉が開き、教会の中に進み出たのは、純白のドレスに身を包んだ澪音と彼女の5歳の息子。
この結婚式は、この小さな彼の願いから実現したもの。
(「澪音姉、素敵……」)
ヴァージンロードを歩く彼女にほぅっと感嘆の息をつく蓮花にとって、広樹と澪音はずっと憧れの二人。
(「私も、いつか……」)
と心に描く蓮花の瞳は、いつにもましてキラキラと輝いている。
「きれいね」
抱き上げた娘が耳元で小さく呟くと、風樹は彼女に頷いて遠い過去に想いを馳せた。
一番結婚から縁遠いと思っていた彼女が嫁ぐとは。
(「初めて恋の相談されたときはびっくりしたものだが……」)
みとわもまた、彼らの恋の紆余曲折を知る一人。
学生のころから、はっきりとは聞かずとも澪音の気持ちは知っていた。だからこそ、その想いが実ったことが自分のことのように嬉しくて。
そう思うだけで目頭が熱くなる。
(「ボクはまだ、あのひと以上に大事だと想える相手にめぐり合えないけれど……」)
澪音の幸せそうな顔は『だれかを想い続けること』もまた、悪くないと思わせてくれる。
「いいよねー、美人だし映えるー……」
ミナも手にハンカチを握りしめ。
隣に並んだウェリーに抱かれた小さな息子・アキも、じっと花嫁を見送った。
宇宙も澪音の清らかな横顔を見送りながら思う。
数年前、自分の中では『最強な女性』だった澪音が結婚すると聞いた時にはほんと驚いた。
(「でもやっぱりこういう場面はおめでたいよな」)
祭壇にたどり着いた澪音は、ここまでエスコートをしてくれた小さな紳士ににっこり微笑み、親族席に消えてゆく彼の姿を目で追った。
それはどんな聖母の横顔よりも美しく。
「とても綺麗だよ、澪音」
今まで何度呟いたかもわからない。だけど、今日ほどこの言葉がぴったりとあてはまる日はないだろう。
友達だった時。思いが届いた時。行った場所や交わした約束は今でも鮮明に思い出せる。
「病める時も健やかなる時も……君を愛し共に歩むことを誓います」
「何時いかなる時も貴方と共にあることを誓います」
二人が誓うのは、今。そして、愛し子も交えての未来――。
披露宴は立食パーティ。
「澪音さん、おめでとう。お久しぶりです、藤原さん! また会えてほんとに嬉しいですよ。改めて結婚おめでとう、お幸せに」
「遠くフィンランドからありがとう」
広樹がウェリーとミナを労うと、
「ううん。でもさすが澪音! ウェディングドレスばっちりだったよー」
綺麗な親友に寄り添うミナ。
「ありがとう、ミナ」
微笑む澪音を優しく見守る広樹の背後、
「藤原、澪音のこと泣かせたら、承知しないからなー!」
と背中を肘でつつくみとわの悪戯な笑顔は、あのころと変わらない。
「みとわ、大丈夫よ」
と笑んだ大親友の晴れやかな表情は、またみとわの涙腺を刺激する。
「そうだ、お祝いに唄でも披露しましょう」
と、小さな息子のハーモニカ伴奏で歌い始めたウェリー。それは英語の歌詞の結婚式の歌。
歌は仲間たちを一層笑顔にし、賑やかにする。
「みんな変わってないな」
料理運びの手伝いをしている宇宙も、目の前の賑やかで楽しい光景に笑みを零して祈るは――何時までもこの平和が続く様に。
が、気が付くと尻尾に子どもたちがじゃれているのに気が付く。つつかれたり引っ張られたり。
初対面でもいつも間にか仲良くなれるのは、子どもの特権だ。
「こら、痛いから! 本物だからっ!」
と言葉で言いつつも、尻尾をパタパタ揺らして遊んでやる面倒見の良さを発揮する。
「私も近い将来に、こんな素敵な結婚式ができたらな」
蓮花もいずれ来る日を夢見ずにはいられない、
風樹はそんな彼らを輪の外から眺め、微笑んで目を細める。
(「平和になったこの時代。これからも仲間が、子供達が幸せになれる様に――」)
トンと拳を置いた胸の奥で、星が輝きを増すのを感じ。
「これからもこうしてみんなで集まって笑えるよう……幸あれ」
広樹がグラスを天に掲げる。
仲間たちも各々手にしているグラスを掲げ、もう一度乾杯をして、仲間たちの未来に祈りを込めた。
●
いつもの髪飾りを今日は桜で満開にして、タキシードに身を包んだ花近は祭壇に。
「こっそりですけど私、学生時代から見守っていたのです。学園祭の時も仲睦まじそうでしたもの」
そんな彼を見、ふふと微笑んだまほろの隣では、
「私はあの子、良い子すぎて心配だったのよね……」
とため息をついた銘子。ふと目線を前の方にやると、あの子が選んだ彼がその時を待っている。
昔、混沌とした温泉の依頼で一緒になったことがあったけど。
「流石に今日は頼もしいわね」
彼になら……と、まるで親族の心境に近い気持ちを抱きつつ。
「お二人が今日という日を迎えられたこと、たくさんお祝いしなくてはですね」
にっこりと笑顔のまひろに、銘子も穏やかに頷いた。
パイプオルガンの響きが教会内を満たし、その時がやってくる。
扉を開けて歩いてくるのは、桜のブーケを手に純白のドレスに身を包んだ桜。
ドレスには刺繍やビーズで桜模様があしらわれて、まるで桜の姫君が秋の日に降り立ったよう。
「桜様、本当にお綺麗……!」
ほうっとため息のまひろ。一方の銘子は、あら、とつぶやき。
「白無垢かと思ってたけど。ドレスも素敵ね」
「ふふ、私も実は白無垢かと思っていたんです」
控えめで可愛らしい花嫁が行くのを見、その登場に見惚れている花婿も見。奈央は納得する。
花近の好みはこういう女性だったのか。どうりで何時ぞやの甘い罠紛いが通じなかったわけだ。
花近の元までたどり着いた桜が、
「花近さん、どうしました?」
と小首をかしげて尋ねると、花近は目を細める。
「桜の花のお姫様に……見惚れちゃった。桜、すごくかわいい」
「ふふっ、では花近さんは王子様ですねっ……花近さんも、とっても似合っててかっこいいのです」
言い合って顔をぽっぽと赤らめる二人は穏やかに微笑み合って、ゆっくりと祭壇に向かった。
二人の雰囲気通り、暖かで和やかな式は順調に進んでゆく。
(「自分も、いつか……」)
と不意に思い、奈央は小さく頭を振るう。
別に予定はないけどね。
式は滞りなく進み、退場時。
銘子とまほろが二人の頭上にパッと撒いたのは、花嫁をイメージしたフラワーシャワー。桜の花びらと一緒に跳んでいる紙風船は花婿イメージ。
「おめでとう。桜ちゃん、花近くん」
「桜様、花近様、おめでとうございます」
降りくる花は、まるで桜吹雪。
「きれい……ありがとうございます、銘子さん、まひろさんっ」
目に涙を溜めつつ満面の笑み祝福に応える桜を見て。
神様なんて信じてはいないけど、いるのならどうか二人の未来が輝かしいものでありますように――。
まほろはそう願わずにはいられなかった。
扉にたどり着いた花近と桜は教会内を振り返り、深々と頭を下げ。顔を上げるとお互い向かい合い、もう一度口づけを交わした。
「桜、俺を選んでくれて本当にありがとう。これからもよろしくね」
「えへへ、こちらこそよろしくお願いします……ずっと、愛してます」
披露宴は空中庭園とつながる会場で。
「あの花近君がやっと結婚だなんて、ねぇ」
席で安堵の息をついたのはアンカー。
「あんな綺麗な嫁さんつかまえるとは、なかなかどうして隅に置けませんな」
とニヤニヤしつつもビールを傾け、いやまてよ逆かもしれないぞ。と、ふと思った。
高砂から人が退いたタイミングを見計らい、奈央を伴って進み出る。
「依頼では体を張ってたわけだけど、これからはお嫁さんをしっかり守ってください……もしかしたらさらに――?」
と、桜のお腹当たりを見て一言多め。
「ま、まだだよ! アンカーさんも、俺の妹分大事にしてよね」
顔を赤らめ慌てた花近が逆襲すると、アンカーは余裕の笑み。
「勿論だとも」
とその証を輝かせ。
「そういえば奈央ちゃんって、そういう――」
「セクハラ」
奈央にぴしゃんと言われてしまって、ごめんと慌てて花近は口を手で覆った。
「まぁ、いいわよ。特に予定はないけどね」
別にチャラくてヘタレで椎茸が苦手で和装が似合う軟派野郎のことなんて、何とも思ってないから。
奈央が無意識に呟いていた人物像が具体的過ぎるのは、触れない方がいいかもしれない。
二次会はシックな和風ダイニング。
花近に声を掛けたのは紫月と柚羽、そして紗夜。
同年代の奴が芸能人とはな。と呟いた紫月の職業は薬草研究者。
「専攻が薬学だったから、その流れだ。まぁ、たまに頭抱える案件はあるが、遣り甲斐はある」
「研究者なんてすごいね」
と羨望の眼差しの花近に、
「し―ちゃん先輩ね。仕事と並行して『チョコミントに適した最高級ミント』の研究もしているのだよ。まー、し―ちゃん先輩らしいよね。何年立ってもブレないところが」
と、にんまりと笑んだ紗夜。
「ミっ、ミントだって立派な薬草なんだよ。それに次世代に最高のチョコミントを残すべく……! 断じて私利私欲では……!」
紗夜の視線が刺さり、口ごもる紫月。柚羽はコホンと一つ咳払い。
「私は古書店の代理店長をしています」
「わ、店長さんだなんてすごい! 大変?」
「お客様が限られてるのもあり時間に融通が利くので、そんなことは」
「その古書店の真の店長は僕でね」
ポンと柚羽の肩に手を置いて、紗夜がにんまりと笑んだ。
「普段は希少本や曰く付きの本を見つけては自分の店に置いてる。そんなこんなであんまり店にはいられないから、カノさん先輩に代理店長をしてもらってる」
「へぇー共同運営なんだねー。ね、お店に珍しい民謡の本とか置いてある?」
期待の眼差しを向ける花近に紗夜があったかなーと曖昧に返事をすると、柚羽もちょこんと首をかしげる。
「でもレア物は高いよ? それでも手を伸ばす人が居るから成り立つ仕事だ」
「だよねぇ、レアでも欲しかったら買っちゃうもん! で、そういえば二人は……」
花近の問いに、紫月と柚羽は顔を見合わせた。
「はい、結婚しまして、六つと四つになる子がおります」
「今日は知り合いに預けてきてるけどな」
紫月の説明の後に写真を取り出した柚羽。そこには銀髪赤目の女の子と黒髪黒目の男の子が映っていた。
「こちら上の子が鈴雫(すずな)。男の子のほうが下の子の睦月(むつき)です」
「わ、凄い二人そっくり! 可愛い!!」
「それと、血は争えませんよね……だってこの子たち、チョコミントが大好きなんですから」
私はそのような嗜好にさせた覚えは無い。と呆れ顔の柚羽に対し、紫月はすっとぼけたように目を宙に泳がせた。
そんな光景が花近には、とても幸せそうに見えた。
三人に変わり、花近に話しかけたのは――。
「Hey 花近! Congratulations!」
「ローラちゃんなんて格好だよ!」
セクシーな出で立ちのローラに、思わず目を逸らした花近に、
「Oh 10年前から全く変わってないのネ」
と困ったように肩をすくめたローラは、豪州で歌手をしている。
「あのネモフィラ畑では悲しげだった背中が、今日は喜びに満ちているヨ! これも私が学生時代に人生について語って聞かせたおかげだネ。先輩に感謝シナサイ」
あの日は悲しげでも、人生についてのお話しが役立ったことも。と口ごもる花近。
「そしてとうとう年貢の納め時だヨ」
「……うん、俺の傍ではずっと綺麗な桜が咲き続けるから」
「今度のリリース曲は愛の唄カナ? 末永くお幸せにネ」
とローラは大きく成った背をポンっと叩いた。
あの青い世界で一人、桜の樹をどこか寂し気に仰いでいた青年は、もういないのだ――。
作者:朝比奈万理 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年10月18日
難度:簡単
参加:26人
結果:成功!
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