●帰ってきてしまった鍋パーティ10years!
学生時代。皆で和気藹々と楽しんだ鍋パーティーをもう1度。
その思いを胸に【夜の塒】【若葉の社】【丘の上の廃鉄塔】【ダンボールのひみつきち 】の4クラブが集ったのは、晩秋の星空が垣間見える、とある武家屋敷だった、けど……。
「今年はどんなお鍋になるか……楽しみやなぁ」
「うん、あの紫色の鍋……今年もあるし増えてない?」
座敷に足を踏み入れ、にっこり微笑む八千草・保(遥望春陽・d26173)の直ぐ後ろで、風峰・静(サイトハウンド・d28020)は既に遠い目をしている。
何故だろう。懐かしさを通り越して、既に絶望的な既視感しか感じられないのは……。
「栄ある10年目の同窓会が闇鍋パーティとは、流石は灼滅者様方でございます!」
「やめろ、まだ闇鍋とは決まって——」
灼滅者達の顔に感極まった里中・清政(執事エクスブレイン・dn0122)に、ワタル・ブレイド(魔法使い・dn0008)が脊髄反射でフラグを圧し折ろうとした時だった。
「あ、おにいちゃんたちも来てくれたんだ!」
大きく手を降る月夜野・詠(星空サイコロ・d27418)に「あ、積んだ」とワタル沈黙。
清政も11年前の阿鼻叫喚を鮮明に思い出したのだろう、静かに十字を切ってます……。
「全員揃ったみたいだし、ルールを確認してもいいかな」
このまま放置すると、お通夜になってしまう。
そう察した月居・巴(ムーンチャイルド・d17082)は仮面の位置を直しつつ、ワタルに訪ねる。
我に返ったワタルは軽く咳払いし、漆黒のローブの裾を翻しながら、指を2本立てた。
「おう、今回の鍋パーティのルールは、主に3つだな」
——1つ。1人1品、鍋に入れる食材を持ってくること。
——2つ。持ってきた食材を入れた鍋は、必ず食べること。
——3つ。肉と魚は禁止。持って来ても食べることはできません。
「いちおー、鍋は3つ用意しているが、全部使わなくてもいいからな!」
「紫色の鍋が2つあるのは……うん…まぁいいや」
ワタルの脳内はきっと「1番マトモな鍋を食う」だれど、どう見てもカオス2倍と察した静は、ちょっとだけ涙目であーる。
「1つめは……あ、トマト鍋やね」
保が蓋を開けてそっと覗いた鍋は、既に温かな湯気が漂っていて。
コトコトと煮込まれたトマトの香りは優しく、他の野菜やお米を入れても美味しそうだ。
「残りは全部紫色の鍋だけど、何時もの鍋に、圧力鍋があるよ!」
「どちらも出汁と具材は入っていないから、片方で焼き物も作れそうだね」
楽しそうに紫色の鍋を交互に見つめる詠の横で、巴も興味深く2つの鍋の中を覗く。
一見すると只の鍋である。しかし、この紫色の鍋から肉が皆無のスーパーベジタブルDEねばねばヘルシー鍋やら、出汁100パーセント激甘ブラックが爆誕したのは、紛れもない事実である。
「ぶっちゃけ圧力鍋なら何とか美味しくなると思っただけだが、これも吉と出るかカオスと出るかは、アンタ達次第だからな! 押すなよ早まるなよ!」
「皆様の発想力に期待しております。……いえ、本当にお願い致しますッ!」
例に及ばず、ワタルと清政も強制参加。
どの鍋にいれるか決めていないけれど、ワタルは豆腐、清政は糸こんにゃくを持って来たとのことなので、自由に使って欲しいと付け加える。
晩秋の星空に囲まれた武家屋敷で楽しむ、10年後の鍋パーティ。
10年前のあの日のように、少年少女に戻った気持ちで、みんなでワイワイ楽しもう!
●始まりのミラクルMARUっと圧力鍋
「ああ、ついに来てしまったんだね、この時が」
「きっとすごい美味しいよ……! ふらぐやないよ、たぶん」
皆が思い思いの具を投入して待つこと10分。風峰・静(サイトハウンド・d28020)と八千草・保 (遥望春陽・d26173)が、嬉々と2番目の鍋——通称MMA鍋に手を伸ばす。
「あっという間に料理が出来上がるんですね、すごいです…です…!」
月夜野・噤(夜空暗唱数え歌・d27644)が視線を巡らせると、残り2つの鍋はもう少し時間が掛かりそう……。
まずは、この鍋が記念すべき10年を祝う、ファースト鍋になるのは間違いないだろう。
「さて、まずはMMA攻略だぜえ! 見ろ、いつぞやのリュブリャナぶりのコールラビー!
これを刻んで入れてみたぜえ」
「修太郎おにいちゃんと郁おねえちゃんは闇鍋初めてなんだよね! 先に好きなの選んで食べて良いよ!」
球体から茎がにょきにょきと生えた不思議な野菜を高らかに掲げる神西・煌希(戴天の煌・d16768)に、月夜野・詠(星空サイコロ・d27418)も一緒になって闇鍋初心者達を煽ってます、どうします?
「えっそれ入れたの? うそ……、えっ待って……?」
「きみたちやみなべ初心者にももうちょっと優しくしてくれたまえよ」
突然の宣言と指名に大條・修太郎(一切合切は・d06271)はポケットに納めていた胃薬をぎゅっと握り直し、椿森・郁(カメリア・d00466)も一瞬遠い目を浮かべる、が。
「ほな、お鍋しよか」
にっこり。
10年前と変わらず物腰穏やかに微笑む保に、否と返すものは此処にはいない。
むしろ、否と言ってはいけない空気が、此処にはあった……。
「何だか、とてもいい香りがします…です…」
恐る恐るが半分、好奇心半分の噤が、慎重に鍋の中を覗く。
温かな湯気と共にふわりと磯の香りが広がると、美味しそうな匂いに思わず顔を見合せた静と詠も、隣に並んだ。
「え、全然グロっ……くない? 詠、何いれた?」
「僕は焼きそばだよ! わくわくするねっ!」
静が入れた健康的な緑が印象的なあおさ海苔は、絶妙な配合で大量の麺に絡んでいる!?
誰もが「何で美味しそうなんだ!」と戸惑う中、お椀を手にとった保がぱくんと一口。
間を置かず、煌希もどれどれとモグモグ。
「静さん、詠さん、これ美味しいよ?」
「中々の旨さだなあ、そば飯に近い味わいだぜえ」
保と煌希が同時に見せたお椀の中に、出汁はない。
けれど、焼きそばと中華麺が絶妙に赤飯に絡み合った様子は、まさにそば飯!
噤がもう一度覗いて見ても、刻んだコールラビーとネギに黒豆と糸こんにゃくと豆腐という、ヘルシーなラインナップだ。
「黒豆も柔らかくて、つやつやだなあ」
「出汁がなくても美味しい……」
圧力鍋で柔らかくなった黒豆に修太郎の箸も進み、慎重にネギと麺を口に運んだ郁も、黒に近い深赤の瞳を、ふわりと緩める。
「僕達は天才か……?」
見た目に反して、仄かな甘みを持つ煌希のコールラビーに、静も舌鼓を打った。
「ほら、キャベツの芯やブロッコリーの茎の部分みてえな」
「劇的なビフォーとアフターです…です…!」
天藍に輝く双眸を悪戯っぽく細めた煌希に、噤も嬉しそうにほにゃっと笑みを零す。
「ワタルさん、清政さんも、楽しんでくれはったら嬉しいな」
「おう、そうするぜー」
「お邪魔させて頂きます」
ほっと胸を撫で下ろしたワタル・ブレイド(魔法使い・dn0008)と里中・清政(執事エクスブレイン・dn0122)に気付いた保が2人を手招くと、ふと郁が箸を止めた。
「ワタルくんもすっかり大きくなって……」
「あー、卒業後は実家の魔術結社を継げと言われたんだが、まだまだ見聞を広げたくて世界を駆け回ってる。……決して逃げてるとか、ウマいもの巡りしてる訳じゃないからな!」
「ワタルおにいちゃん、それって、ニートっていうんだよっ!」
「うるせー、詠こそぐんぐん背が伸びやがって! 煌希はオレに丈よこせ!」
「ワタルもいい意味で変わってなくて嬉しいぜえ」
図星を刺されて煌希に八つ当たりを始めたワタルを横目に、清政も瞳を細めて。
「郁様は栄養士、修太郎様はサラリーマン、保様は神社の宮司、詠様は児童養護施設の職員、静様は探偵でございますか。皆様素晴らしゅうございます」
「里中くんは私と同学年だったんだ、今も執事をしているのかな?」
「はい。わたくし灼滅者様方と四六時中共にいたく旧校舎の一角を間借りしましたところ、とても快適でございますッ! ……ダンボールも意外と暖かいのでございますが」
「もしかして、お金がないのです…です…?」
「それって、ストーカーじゃ……」
ワタルと清政の自由すぎる将来に、噤と修太郎が心配の眼差しを向けた時だった。
トマトの香りに激甘な何かが混ざった、香ばしさが交差したのは——。
本日のMMA鍋のレシピ。
出汁「無し」
具材「焼きそば、中華麺、お赤飯、コールラビー、黒豆、ネギ、糸こんにゃく、あおさのり、豆腐」
とっても美味しくできました!
●今度こそ始まりのヘルシートマト鍋
「すごい香りがします…です…」
「大丈夫、僕達なら何だって切り抜けられるはずさ」
この鍋は、誰もが1番マトモになりそうだなと、期待していた鍋でもある。
だがしかし、このトマトと野菜に勝ち抜き戦を挑むような甘ったるい香りは、如何なものだろうかと噤と静は思う。
——そして、オープン・ザ、鍋の蓋ッ!
「誰なのトマト鍋に大福いっぱいいれたの! 泣くけど怒らないから挙手してよ!!」
「とまとは万能やから、ええんやないかな?」
今にも泣きそうな静に、変わらずのんびり微笑むのは隠れダークフォースな保でして。
「保は安定の癒し枠かと思えば、カオス枠だなあ」
「すごくおいしいものができあがるかもしれないよっ! できないかもしれないけど」
煌希と詠が揃って中を覗くと、他の具材はキャベツ、ゆで卵、お米、豆腐、糸こんにゃくという、至ってシンプルなラインナップ。
しかし、それをチーズの代弁者だと言うが如く大福の餅と餡子が主張するだけで、ミラクルを起こしてしまうのが、闇鍋であーる。
「よし今のは見なかった」
「こんなおそろしい鍋の前にいられるか私は最初の鍋に帰らせてもらう!」
眼前のミラクルに、修太郎と郁が脊髄反射の勢いで踵を返さんとした、その時だった。
半歩前に歩み出た噤が2人に大丈夫だと、にっこり微笑んだのは。
「それじゃあいただきます…です」
笑顔でぱくり。
……そして。
「食べられないことは…ないです…です…?」
雨に打たれる子犬の如く震えながらも修太郎達に笑みを返す噤は、勇者のよう!
……まあ、誰も保を止めなかった辺り、全員が猛者かもしれない。
「さて前回以上のカオス鍋となるのか、こうご期待ってやつだなあ」
「一緒にじごくへいこうよってのが本音だけどね!」
闇鍋初心者達に不敵な笑みを浮かべ、煌希と静が良く煮込まれたキャベツを口にする。
2人に刺激を受けた詠も、両手に大皿を乗せて……——え!?
「おいしい具材つめこまないとだね! 料理スキルならまっかせて!」
——どっぼーん!!
右手にひよこ型饅頭を乗せた皿を、左手の大皿には先程の焼きそばの残りを乗せた詠が、無駄に助走を付けながら勢い良く大量投下!
「君は何を作るつもりなんだろうね!!」
「え、そのまま食べたほうがいい? それだと鍋の具材が減っちゃうよ!」
静が詠の胸元を掴んでぐわんぐわんと揺らすけれど、時既に遅し……!
辛うじてマトモだったリゾットもどきに絡み合う焼きそば。赤いトマトスープにプカプカ浮かぶひよこ型饅頭と目と目が合っちゃった噤は、そっと視線を逸らす。
思わぬ自体に硬直した修太郎を心配して、保が柔らかく微笑んだ。
「どないしはったん、修太郎さん。郁さんも遠慮せんとどうぞ」
「ここは地獄……? 僕のゆで卵とか可愛いもんじゃん」
「……三十路になっても知らない事はたくさんあるね……うッ!」
半ば放心状態の修太郎の傍で、恐る恐る口にした郁が糸が切れたように崩れ落ちるッ!
初心者にも一切合切遠慮しないのが、此処の闇鍋ルールらしいですよ! ……たぶん。
「衛生兵! えいせいへーい!」
「郁さーーーん……!?」
安らかな顔で倒れた郁に、懸命に声を掛ける修太郎と保にデジャブを感じたのだろう、煌希が懐かしそうに、双眸を細めた。
「HAHAHA大丈夫だぜえ、死にはしねえ。死には」
「煌希! 観戦に徹してないで君も食べるんだよ!!」
闇鍋初心者2人の反応にケラケラと笑う煌希の口に、静が問答無用でひよこ型饅頭を押し込むのは忘れない。だって僕達運命共同体ですから!
「みんなで何時ものお鍋、嬉しいです…です?」
「郁、修太郎も大丈夫? ……ごめんね。闇鍋は食うか食わせるかの戦いなんだ」
カクンと首を傾げる噤から、静は意味ありげに視線を逸らす。
返事がない只の屍と化した郁と修太郎に加え、念仏のようなものを唱えながら食するワタルと清政が視界に入ってくるのは、どうやら気のせいではないようだ。
「静おにいちゃんこのまま終わらなさそうだし、全力でやっつけなきゃ!」
「詠ちゃん?」
常連者が何とか行けるラインナップは、初心者殺しには十分過ぎるのは間違いない。
弾む足取りで最後の鍋に向かう弟に、噤は不安を隠さずにはいられなかった。
本日の至って普通のトマト鍋のレシピ。
出汁「トマトスープ」
具材「刻んだキャベツ、ゆで卵、お米、大福、ひよこ型饅頭、焼きそば」
——至って普通じゃなくなりました!
●愛と憎しみのミラクルMARUっと投げ鍋10years
修太郎達を阿鼻叫喚地獄絵図に陥れたトマト鍋から一転し、最後のカオス鍋。
せーので蓋を開けた瞬間、漆黒の出汁が視界に広がり、先程よりも濃厚で鼻腔を突くような甘ったるいカオスフルが、これでもかと言わんばかりに9人の鼻腔を刺激した。
「……なあ、この鍋の真ん中に浮かぶ物体、想像以上にヤバくねえか?」
「これはクロフというんよ。中はマーマレード、甘酸っぱいよ?」
——保、またお前かあああああ!!!
煌希が漆黒の出汁を吸いに吸い切った巨大物体を真っ直ぐ指差すと、即座に保がスロベニアのドーナツを丸ごと入れてみましたと、にっこり微笑み返す。
「色がすでにやさしくない、ような……」
「うん、煮詰まるとすごいね」
保の巨大ドーナツとの覇権争いに破れたのか、詠が大量投下したひよこ型饅頭達は鍋の隅っこでプレスされ、哀愁漂わせる虚ろな瞳と目が合った静は無言で十字を切る、が。
「風峰くん、なんでコーラを出汁に入れたの……?」
「ごめんね郁。追い打ちをかける方が楽しいことに気付いてしまったんだ」
——静、お前も元凶かあああああ!!!
カオスの根元とも言えるコーラに、大量の生クリームと半壊したエクレアとモンブランが屍の如くプカプカと浮かんでいる。豆腐に至っては影も形もなく、郁は絶句する。
「……ほらやみなべ初心者にももうちょっと優しく」
修太郎が恐る恐る鍋の底を探ると、コーラを吸いに吸ったサツマイモと糸こんにゃくがコンニチワしまして、以下省略。
「ここはレディファーストで噤ちゃん先どうぞ……」
「え、詠ちゃん?」
一瞬、沈黙が流れる。
詠からのキラーパスに戸惑いながらも、噤は皆の不安を取り払おうと笑みを返した。
「いただきます…です!」
普段味わえないものが食べれると自分に喝を入れ、一口サイズにしたクロエをぱくん。
——3秒後。笑顔のまま硬直した噤に、ワタルと清政が揃って悲鳴をあげた。
「い、や、だあああああ、オレは帰る! 実家継いでもいいッ!」
「わ、わたくし、そろそろ御茶を淹れたくっ! 皆さまも御茶飲みたいですよね! ね!」
音速の勢いでワタルと清政が踵を返した刹那、保と煌希が即座に退路を塞ぐ!
「ちょっと闇色やけど……もちろん、お二人さんも、食べてくれはるやんね?」
「ここまできたら楽しむ覚悟、もとい勇気はできてるとお見受けしてるぜえ」
2人に視線で示された先をワタルが見やると、覚悟を決めた修太郎が甘ったるいお椀に口を付け、心を無にした郁も虚ろな瞳で箸を動かしていた。
「ここまで来たら何かと戦わねばならない気がする」
「これはつまりみんなのやさしさでできたお鍋」
闇鍋初心者2人の健闘に感嘆の声があがり、ワタルと清政も観念して鍋の元に戻る。
と同時に、もう1つの戦いも雌雄を決しようとしていた。
「ほら、半分こしようか詠。お仕事大変でしょう体力付けて?」
「半分くれるなんて静おにいちゃん優しいなぁ、お返しによそおってあげるよ、山盛りで!」
「ふふ、ボクも加勢するよ」
「えっ」「えっ!」
ころしあいどころか全力のつぶしあいに発展していた静と詠のお椀に、保が容赦無くお代わりを山盛りに乗せて、試合終了ー。
「煌希さん、噤さんもほらほら」
「まあ、具材だけならイケんじゃねえ? ……たぶん」
「何処かで、同じことを聞いた気がします…です」
HAHAHAHきっと気のせいでしょう、たぶん!
妙なデジャブを感じながら煌希がサツマイモを頬張り、こくりと頷くだけで精一杯の噤の口にも、再びカオスの味わいが広がっていく。
「……まろやかでそれでいて舌を刺す様な辛みとほのかな甘い香り……これは何と何の化合物?」
修太郎は好物の生クリームが多めの箇所を狙うものの、もはや絶望しか感じられない。
何処を掬っても追い討ちを掛けるように、絶望的な甘さが嫌でも身体に広がるからだ。
「誰かESPおいしくなあれある?」
「誰も持ってなさそうです…です…」
「そっかないか。いま私の脳内BGMは銀魂映画の主題歌になっているよ」
虚ろな眼差しで周囲を見回す郁に、噤も同意するようにコクコクと頷き返す。
「う、うん、……お、おいしい……?」
「……不味くは……ねえ。が、絶望的に甘過ぎるぜえ」
詠と煌希の口の中では哲学すら超越した甘味が、蠱毒を作り上げようとしていて。
御茶を入れてくれそうな執事も魔法使いと一緒に屍と化していて、返事すらありません。
「次に皆で集まる時は肉抜きすき焼きとかにしよーね!」
「まだまだ、僕達の戦いはこれからだよ……」
見知らぬ甘味の味わいを知った郁が中庭から星空を見上げ、静はふらふらと鍋の元へ。
「うん、まだまだこれからも、続くよ」
かけがえのない日々と思い出を胸に、輝く未来の先も、きっと、また——。
ふふっと小さな笑みを洩らした保に、好奇心に似た悲鳴が湧いたのは、また別の話……。
安定のカオスフルなMMN10鍋のレシピ。
出汁「コーラ」
具材「クロフ(スロベニアのドーナツ)、サツマイモ、大量の生クリーム、和栗のモンブラン、エクレア、ひよこ型饅頭、豆腐、糸こんにゃく」
たくさんの想い出と一緒に、ご馳走様(?)でした!
作者:御剣鋼 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年11月25日
難度:簡単
参加:7人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 1
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