●KJJ48 15周年記念ライブ『テメェら、会いに来いよ!』
開催されるそうだと梅澤・梅澤(おっぱいが黄金色の梅澤・d13269)は言った。
吉祥寺駅のファミレスではその話題で持ちきりだ。
もう一度言う、『駅番』プロデュースの『KJJ48』が。
あの『KJJ48』が15周年記念ライブを行うのだと梅澤・梅澤(おっぱいが黄金色の梅澤・d13269)はそう言った。
「『放火後☆JOYタイム』の感動も新たに迎えた『やべっ!チョココーラとメントスの組み合わせ』も中々だった。
その後、『勝訴する嫁入りダンス』の不思議なリズム感に魅了されたファンも多くいるとは思う」
梅澤は神妙な顔でそう言った。
そう、今ではKJJ48は吉祥寺に留まる事無く日本中、そして世界中で活躍するビッグアイドルへと成長していた――!
「15周年記念ライブがここ吉祥寺駅東口で行われるとなれば事件だ。
15周年記念シングル『佰玖もスレを耕したけど炎上は怖いぜ』が発売される」
どよめくファミレス内。吉祥寺駅を守る駅番たる者、やることは一つだ。
「久々に集いし我々駅番メンバーはこのライブが平穏無事に終わるよう、10年ぶりの吉祥寺駅パトロールを敢行する。
パトロールが日課だったあの頃の思い出話に花を咲かせつつ、『KJJ48』の凱旋ライブ、その成功を見守ろうではないか」
――つまり?
つまりはとりあえず吉祥寺駅に集まって思い出話に花を咲かせようという訳だ。
吉祥寺駅に某ポスターを貼ったとしても。
吉祥寺駅にピラミッドを形成したとしても。
まだまだ、我等が同窓会は始まったばかりなのだ。
●緊急任務!
かつて、暴力と犯罪渦巻く魔窟であった吉祥寺駅に集いし仲間を見遣るのは、勿論!
あご髭にニット帽、いかにも『メディア的な何かをクリエイティブしてます!』感満載な恰好のこの漢こそ!
――誰??
いや……パッと見、誰だか分からないかもしれないが。
刹那、駅構内に響く声!
「ようし駅番白虎隊! これよりKJJ48ライブ会場のパトロールを行う! 驚異となりうるものは逃がさず排除しろ! 押忍!」
【駅番】番長、梅澤・大文字の号令。応える声は勿論!
「「「「「「「「おしにん!」」」」」」」」
「やっぱりこれがないとね!」
「白虎隊って名前も懐かしいね」
号令聞くまで誰か謎だったのはさておき。夏蓮の言葉に頷く蓮次に。
「これでこそ駅番だよな!」
善四郎も昔のノリを思い出しはしゃいで。
「これがあるとやっぱり違いますねえ」
杏理は、こうして人数揃うと壮観だと周囲を見た後。
「しかし何で集まってるのかわかんないくらい統一感ないねホント」
傍から見たら謎すぎる集団に、青の瞳を細める。
「……三十路でこの号令もなかなかアレだな」
「番長はいつだってわたしたちの番長ですから、三十路超えてたってお似合いですよ。みんなだってほら、全然変わってないし!」
何気に一番外見変わったの番長だけど。花色の言う通り、大文字はずっと駅番の番長だし。
年齢境遇バラバラな謎集団なのにすぐ連帯感が生まれるこのメンバーが昔も今も好きだと、改めて思う蓮次。
そして何故この日、駅番白虎隊が大集結したかというと。
「KJJをお守り出来るなんて光栄なことです!」
いまや世界で活躍する『KJJ48』の15周年記念ライブが吉祥寺駅東口で行われるのだ!
そんなライブを成功させるべく。駅番白虎隊、10年ぶりのパトロール開始である!
●吉祥寺北口
「皆でパトロールするのは嬉しいわね」
この吉祥寺で自分の店を持つ舞依。時々会っていた人もいるけれど、久々な面々も。
「え、火華さん? マタギちゃんも妹子さんも番長もいる、みんな10年分老けててうけるー!!」
10年ぶりに来日したリーライナは、アラサー白虎達に声をあげて。
「KJJのメンバーも老けててうけるー!! え、まだ現役なんですか?」
何気に貼った某ポスターの横の、新曲の広告ジャケ写を見て高速瞬き。
「仕事に追われててなかなか会えないから、こうして皆でパトロールできるのも感慨深いね」
一誠は現在、栄養ドリンクがお友達な「社畜の人」。そんな顔色悪げな社畜とは対照的に。
「俺の方の近状はまた仕事でハワイ行ってきたよー位かなぁ」
ワイハ帰りのアクセ屋・善四郎は、めちゃ日焼けしてる!
「皆、息災だったようだな」
そう友人達に再会の喜びを伝える久遠は。
「俺は現在、スーツアクターや殺陣師を生業にしている」
「お休み前の巡業中はありがとうー!」
今は産休中だが、久遠や風雪とはエンターティナーの仕事でも交流していた夏蓮。
そして蓮次は、謎の火事多き吉祥寺署の消防士。今はオフィスワーカーだけど、元自衛官だった実季。花色も街を守る警察官だ。
夏蓮は、戌の日の水天宮で熾を見たというが。
「おいおい、サインは勘弁してくれ。今日はプライベートなんだ」
襲い来るクリスをあしらう熾は、巫女に大人気なイケメン知的クール俳優。
そして杏理はモデルだけでなく執筆業でも大活躍。『サイキックハーツになった灼滅者、かつての戦いの日々!』という帯が掛けられた自叙伝は、本屋にずらり並んでいる。
いや、二人とも現場で大文字ともすれ違ったが……外見がああなので気付きませんでした。
そんな各方面で活躍するエキバー達。方向性が行方不明な人も多いですけど。
「番長は一瞬誰かと思いましたし、火華さんは職業忍者……?」
「私ですか? 忍者やってますよ」
「しかし忍者ってマジ忍者なんですか?」
それってニートじゃね? 的な声にも慣れっこな火華は。
「何度も言わせないでください忍者ったら忍者なんですから苦無とか見ますか?」
ビルの屋上でマント靡かせ、何か色々見てるNINJAですよ!
そして忍者にラーメン奢らせたり週間少年漫画雑誌一緒に読んだり時々迷子インコ捕まえたりしているらしい探偵の恭太朗。
「改めて集結すると……うん、まさにエキバーって感じですね」
でもやはり、10年の時を感じるのは。
「皆は結婚だの子供生まれたりだのでホントも十年経ったんだなーって思うよ」
「さすがに子持ちになってる人もいるようでなんだか感慨深いですねぇ。私は2回くらい結婚しましたがいまは独身ですよ」
結婚や出産、そして離婚まで。
「にゃーれは冷やさないようにね」
夏蓮は今、新しい命を宿していて。花色は現在三児の母だが、まだまだ梅澤Jr.は増える予定!
「ああ、出産祝いとかありがとな」
大文字はあご髭を撫でつつ、皆に礼を。
実季からはベビータオル、善四郎はベビーリング、杏里もフランスで選んで贈る予定だ。
そして火華と熾も、二組に贈り物を!
「……いや手裏剣と巫女服は要らねえ」
「巫女服3着もいらないですし。手裏剣はかっこい……えっ、だめ? そう……」
手裏剣郵送済の火華の横で、巫女服を出す熾だが。
――巫女服は引き裂きます!!!
飛び蹴りツッコみをし、巫女服を破る舞依。
「真面目とネタの混ざり具合がまさにエキバーだよこれ」
「アクセも手裏剣も居間に大事に飾ってるからね!」
英夫婦も、意外と真面目だけどやっぱりネタな皆に礼を言いつつ。
ふと子供の将来を案じる蓮次に、番長から貰った鉄下駄を帰り履かせようと持ちかける夏蓮であった。
そんな様子を微笑ましく眺めながらも。
「……はぁ、私も早く番見つけなきゃな」
そう呟いた婚活中の実季に。
「ポリでよかったら紹介しましょうか。とゆか、芸能人だって紹介していただけるのでは!? イケメンを!」
花色はツテがありそうな面々に、期待の視線を。
それに応えるべく熾は、実季に、まさかのクリスを紹介!?
……とりあえず、ポリとの合コンに期待です!
それから、彼女欲しいと切実にシャウトした後。
「ところでにゃーれさんがボクの動画見てくれてるって聞いたけど、大丈夫?」
社畜がお送りする箱動画の、胎教的影響を心配する一誠。
「ぶっちゃけリアクション我が家でウケてるから自信持っていいよー!」
生配信で減給されたり、動画再生数やフォロワー数やらのノルマが厳しい社畜だけど。
「箱くんチャンネル登録しとくからね……」
「せめてイイネ! しとくわね……」
彼女いなくても、エキバーがいるから!
でも、箱動画のサムネはダセェからおれに作らせろと言いたい大文字であった。
そんな、ありとあらゆる人材が揃った今。
「役者は揃ったな」
――KJJはどこで生まれた? 俺たちはどこにいた? KJJは今どこだ? ステージの上だ。俺たちは今どこだ? 世界中にいる。
そして恭太朗は、満を持して声をあげる。
「さぁはじめよう! KJJを俺たちの手で一気に世界に飛び立たせようじゃないか!」
「水城先輩は来てないのか。残念だ」
箱、ネカマ、かみおわ先輩たちと男子会するのもいい、と熾。実はネカマでも男子でもない人含まれてますが。
そんな皆を、改めて番長は見遣って。
「こうやって集まるとやっぱ……変わらねぇな」
元気そうで何より――そう思うのだった。
いえ、ダベッてるだけでパトロールの概念が揺らぐのも、変わりません。
●駅番レジェンドオブ伝説!
「吉祥寺ももうわたしたちがパトらなくてもすっかり平和なんですね。あの戦国時代が懐かしい……」
まず、皆の心に圧倒的存在を放つ思い出といえば。
「駅の思い出って色々あったよね……カレーがトラウマ……もとい強烈だった」
「バレンタインにカレー作ったりしたわね」
野草とか番長とか肉とか肉とか番長とか色々ぶっこまれたアレだが。
「今の年齢だと食ったら確実に胃腸やられる」
結局、カレールー入っていなかった事実。
「それにしても昔を思い出しますね。リスの襲撃にあったり、ドキハ割ったり、電球塗ったり……」
「公園のリスもクリスと元気にしてるかなあ……」
「三鷹から来た敵と戦ったり、新年に座禅組んだりもしたっけ……」
南口でリスとか超横幅のリスとかリスざるとか男性俳優達とかを自然公園に帰したり、夜襲部隊やスリを逃がして駅がわりとリスリスしくなったり。毎年クリスマス時期には青いのを駅番色に染めるべく奮闘し、数の暴力の前に王子が生贄になったり。タワーで集めたドキハひたすら割ったり、スパイラルジェイッで100枚重ねのドキハを割ったりとか。吉祥寺駅を東三鷹駅にすべく攻めてきた『青き鷹連合』と激闘を繰り広げ、駅メロが「アレンジめだかの学校」になるのを防いだり、再度『青き鷹連合』の番長・青鷹・下連雀(一郎~三十郎吸収体)の襲撃を退け、番長が駅長に呼ばれたり等々……思い出は尽きない。
それに、駅番白虎隊といえば。
「あ、ピラミッドやるんですか?」
アラサーでもやっちゃう!? 希望ポジションは最下段で。
それに駅も何度も大炎JOY☆したし。
「カレーも強烈だったが、何故か男色の話か? という問いかけが広まるとは思わなかったぞ」
「……若いって怖……凄いわね……」
駅番メンバーではない久遠にとっても、当時を振り返ると色々と感慨深いし。
「そう言えば王子って今クリスとどうなんですか?」
それなんかさっきいましたよ!
何より、当時からずっと駅番が支えてきたのは……『KJJ48』!
総選挙やブロマイド撮影、歌詞作成など、彼女達を支え応援してきたが。
KJJ48が戻ってきたのはやはり、白虎隊が守るこの吉祥寺駅である。
●大炎JOY☆KJJ48!
(「世界中の会場でライブをしてきたぼくたちだけど。やっぱり原点はここ、吉祥寺駅東口」)
うめめにとって、この場所は特別で。ここでの凱旋ライブに不安はない。
だって。
(「駅番のみんながパトロール(?)してくれて準備万端! 秩序がすごい!」)
ライブ開演を待ちながらふと、『KJJ48』との思い出を懐古する久遠。
学園祭用にメンバーの撮影に臨んだが、何らかの深い事情により微動だにしなかったラブチワ。
「……俺は怖がられていたのだろうか?」
あの時の彼女に何があったかは、いまだKJJ48七不思議の一つかも。
「えっ、ライブの模様ネットで流して良いの?」
じゃ流すー! と嬉々とする一誠に、頷く恭太朗。
彼の算段はこうだ。番長が映像を撮って箱が死ぬほど働いてネットに流し、王子とストラが宣伝して、妹子が衣装提供……これでKJJ48の勢いは更に爆上げ!
「おっライブそろそろかな?」
メンバーの英・夏蓮と同姓同名になった夏蓮は、そんな蓮次の声に顔をあげて。人混みから守ってくれる彼と、全力で声援を!
「お、ライブが始まるみてぇだ」
そう舞台に目を向けた番長にとっても、今日はきっと特別だろう。
『さあ『KJJ48』15周年凱旋ライブはっじまるよ~! まずは15周年記念の新曲『佰玖もスレを耕したけど炎上は怖いぜ』!』
うめめの声に、観客も最初から最高潮!
敏腕プロデューサーが作った最高傑作の新曲からスタートだ!
『あたしがいなきゃ始まんないでしょ!』
悪魔も全力でステージを縦横無尽、色濃いメンバーに埋もれないように15年以上キャラが安定しないけど!
――あたしはいつだってこの信じる力で、皆に笑顔を届けてきたんだから!
そんな悪魔達メンバーを見てうめめは思う。
10年前と変わらない48人で戻って来られて嬉しいな、と。
アイドルに年齢なんて無いんです!
「よっしゃ行くぜ最前線」
独自の暗殺技術でサイリウムを振る恭太朗、これが彼のKJJに捧げるティアーズリッパー!
「よーし全力でサイリウム振っちゃうっす☆」
「うーちゃん! うめめー! KJJはやはり可愛いですね!」
アラサーだけど、善四郎も実季も全力応援!
「うわーい! うめめ! うーちゃん! ラブチワー!!!」
一誠は両手のサイリウムを完璧にカラチェン! ずっと推し続けているファンですから!
新曲に、『放火後☆JOYタイム』や『やべっ!チョココーラとメントスの組み合わせ』などの定番曲、古参ファン涎もののc/w曲『吉祥寺愛が齎すプロビデンスの目』まで、まさに神セットリスト。そしてクセになる曲『勝訴する嫁入りダンス』!
『織田無道系女子をウルトラソウッ♪』
「「「「フワッとしてトンッ」」」」
KJJ48とファンの一体感半端ない!
10年で円熟味を増した歌唱力と表現力、圧倒的なステージパフォ。上半身を90度に傾けるKJJ48の決めポーズも、さらに高角度に!
そんなライブを紗矢と楽しみながら、舞依は思う。
この10年で沢山変化もあったけれど。やっぱり皆それほど変わってなくて、変わらずそれぞれ頑張っていて……そういうの、とてもエキバーらしいかもね、と。
そしてデビュー曲『大炎JOY☆Kichijoji』でボルテージは最高潮に!
『あたしのファンたち! 血肉を捧げよ! その右目に真実を! その左目に更なる未来を! そしてあたしに歌唱……力……を』
血を吐き倒れる悪魔、からのアクロバティックダンス!!
『うめめも閃光百裂拳ちゃんもいすき親分もグランドピアノも……レッツエンジョイ大炎JOY!!』
あたしKJJで良かった。だってクソ企画の使い捨てキャラじゃなくなったんだもん☆ と。悪魔が焚く護摩!
『やっぱりここでのライブは最高! みんな、ありがとー!』
うめめの声に、熱気溢れる会場、轟く歓声! 燃え上がる駅舎!!
「駅が炎上している様な演出も良くて……」
「そう、昔の駅の炎上こそが今のKJJパフォーマンスに繋がっていようとはあの頃の僕たちは……」
「駅の炎上……今なんか燃えて……いやこれは安心安全なKJJのパフォーマンスだよね!」
「……え? は? 燃えてる? いや演出でしょ?」
10年前にも何度か見た光景。
「皆すっかり貫禄が出て……だが迸る吉祥寺愛は変わらねぇな。駅燃えてっけど」
そう、吉祥寺駅大炎JOY☆
「Pとして最高の応援ってやつをしてやりましょ……もえ、燃えている!?い、いま!?」
「やっぱりエキバーで騒ぐこの時間が宝物……ってええっ燃えてる!?」
「エッこれマジ炎上ですか?」
「え? 燃やすなんて聞いて……さ、流石うめめ! ちょっと演出の火が強すぎるなー!?」
「この駅もはや固形燃料ですね」
サイリウム振ったり、避難誘導に動いたり、消火班呼んだり、仕事始まっちゃったりするエキバー達に。
また10年後もこうして集まれるといいな、なんて思いながらも。
「駅番白虎隊! これよりKJJ48ライブ会場の安全確保と消火を行う! 押忍!」
吉祥寺駅の平和を守るべく! 大文字はそう、声を上げるのだった。
作者:菖蒲 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2018年12月1日
難度:簡単
参加:16人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 11/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 1
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