良い湯だな♪ 別府温泉

    作者:相原あきと

    「サイキックアブソーバーが俺を呼んでいる……時が、来たようだな!」
     神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)は、集まったキミ達を見て言い放った。
    「とはいえ、実はまだ時は来ていないのだがな」
     集まった灼滅者達の頭に疑問符が浮かぶ。
    「実は別府温泉周辺でイフリートの目撃情報が多数発生している。どうやら鶴見岳のマグマエネルギーを吸収して、強大な力を持つイフリートが復活しようとしているらしい」
     神話の存在である巨大生物「幻獣種」。
     全身に灼熱の炎を纏う獣「イフリート」はまさしくその幻獣種であり、圧倒的な破壊力と殺戮欲は神話の獣そのものだ。
     そのイフリートの中で……さらに強力な個体が目覚めようとしている?
     ごくりと灼滅者達の喉が鳴った。
    「サイキックアブソーバーによってイフリートの出現は予測可能だが、強大なイフリートの力の影響なのか直前になるまで予知が行えない」
     ヤマトはそう言うとシュバッと携帯を取り出す。
    「そこでだ。普段のように予知があってから移動を開始しては間に合わないため、お前達には別府温泉周辺で待機してもらい、出現が確認され次第、全員の携帯電話に連絡を入れるので、そうしたらすぐに迎撃に向かって貰いたい」
     ヤマトが言うには多数目撃されているイフリートは、眷属などは連れておらず強力な個体というわけでは無さそうだ。
     しかし迎撃に失敗すれば平和な温泉街の人々が被害にあってしまうだろう。
    「温泉街にイフリートが到着する前に迎撃し、撃破してくれ」
     どこに現れたかなどの詳細は出現が確認した時に携帯電話で伝えるので、現状ではこれ以上の敵の情報は無い。
     結局のところ――。
    「イフリート出現がいつになるかは予測できていない。到着後すぐに連絡を入れる事になるかもしれないし、数日後になるかもしれない」
     数日後……。
     集まったうちの1人が思わず呟く。
     それだけ長い時間、出現を警戒し集中力を切らさないでいる。
     それはかなり……しんどい。
    「いや、だから連絡が入るまでは、温泉で鋭気を養ったり周辺施設でリラックスしていて構わない。いざ戦闘という時に集中力が切れたら意味が無いしな」
     つまりヤマトからの連絡が携帯に入るまでの間は、別府温泉やその周辺で遊んでいて構わないということか!
     思わず顔を見合わせ笑みを見せる灼滅者達。
    「ただし、いつでも出動できる心構えでいてくれ」
     それと携帯電話の圏外に出たり、電源を切ったり、長電話をして連絡に気づかないといった事が無いようにも気をつけて欲しい。
    「着信拒否にもするなよ……それじゃあ、頼んだぞ。俺は次へ行く」
     そう言ってヤマトは教室を後にする。普段より忙しそうなヤマトに誰かが聞くと。
    「この事件、もっと多くの灼滅者達に依頼する必要がある……だから、別の教室に集まって貰っている灼滅者達にも似たような説明をな」
     別府温泉観光は心躍るが、灼滅者達はどこか普段とは違う様子に何かが起こりそうな気配を感じていた。
     それとも、それは考え過ぎだろうか……。
     ともかく……事件の地、別府温泉へ。


    参加者
    秋篠・誠士郎(流青・d00236)
    遉・太一(名に反し祀られぬ闇の力・d00866)
    近江谷・由衛(朧燈籠・d02564)
    四季・紗紅(小学生ファイアブラッド・d03681)
    蒼崎・鶫(ラブラドライト・d03901)
    リュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから!・d04213)
    ルリ・リュミエール(バースデイ・d08863)
    虹真・美夜(紅蝕・d10062)

    ■リプレイ

    ●ここは南国
     別府の湯。
     温泉湧出量、源泉数ともに日本一を誇る温泉大国。
     赤や青、白などの色がこの世のものとは思えない地獄温泉各種に、砂湯、泥湯、むし湯なども人気が高い。
     この地でイフリートが出現するという予測を聞き集まった灼滅者達は、その出現タイミングの連絡が来るまでこの温の街で待機していた。

     リュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから!・d04213)は仲間達3人と共に別府の大通りを歩いていた。通りに並ぶ土産屋の軒先に様々な食べ物や小物が陳列されていた。
     きょろきょろと視線を移すリュシールに、虹真・美夜(紅蝕・d10062)が「見て行く?」とそれとなく。
    「ち、違います。何か異常が存在しないか街の観察をしているのです」
    「そう」
     世話好きなお姉さんのごとく優しく微笑むと、もの珍しいフリです! と否定するリュシールの言い分を美夜は肯定してあげる。
     一緒に行動しているのはリュシールと美夜、そして四季・紗紅(小学生ファイアブラッド・d03681)とルリ・リュミエール(バースデイ・d08863)だ。
     土地勘を養うという大義名分を掲げつつ、4人は気になったお土産屋やお茶屋などに入って食べ歩いていた。
     食べ歩けるよう携帯販売していたとり天を皆で分けながら、紗紅は別府の観光地図を見て次はここにと指を差す。
    「だんご汁というのがあるようです、行ってみませんか?」
     もっちり手延べだんごが入った野菜たっぷり味噌仕立て。
     朝から間食ばかりの4人だったが、そろそろ昼食は悪くない。
    「そんなに食べて大丈夫?」
     小学生3人に1人だけ高校生な美夜が聞けば、ばっと前にルリが飛び出し振り返ると、3人に向かってビシリとポーズ!
    「ここは食のコロッセオ! 食べたい料理を全制覇しよう!」
     のんびり紗紅が頷けば、天真爛漫な素が出てコクコクとリュシールも頷く。
     満足気なルリはそのまま2人を連れだんご汁のお店へと先頭を歩いて行く。
     美夜のエスコートはまだまだ終わらないらしい。

     食べ歩きの4人とは別に行動する灼滅者達もいた。
     3人の……いや『3人と3匹』の灼滅者達、霊犬同盟のメンバーだ。
    「別府って温泉で有名だけど他には何があるのかって思ったけど……観光地ってだけあってさすがだよな?」
     遉・太一(名に反し祀られぬ闇の力・d00866)は今いる温泉宿の一室をぐるりと眺めるように言う。
     そしてその足は暖かな温泉につかっていた。
     彼らがいるのはとある温泉宿、4人用の部屋には内風呂だけでなく足湯まで完備されている。学園からの資金に感謝。
     太一と同じく足湯につかりながら別府の地図にチェックを入れているのは秋篠・誠士郎(流青・d00236)だ。
     太一と蒼崎・鶫(ラブラドライト・d03901)と共に地獄巡りをしつつ、別府を調査していたのだ。今は他の観光客がいない個室の宿で、足湯をしつつここ数日の調査結果をまとめている。気を張り過ぎないのも大事だと誠士郎。
    「ねぇ、まだ連絡は来ないの?」
     不機嫌そうに男子2人に言うのは鶫だ。
     すでに目立つ建物や広場や大通り、戦闘に不向きな狭い場所や行き止まりは大雑把にだが把握し終わった。
    「呼び出しがあるまで自由行動だなんて、逆に落ち着かないわよ」
     不満げに口を尖らせる鶫の側に、霊犬のヴェインが寄って来たので犬用のおやつをあげてあげる。
     それを見た誠士郎の柴犬な花が人懐っこく鶫に駆け寄り、太一のアラタカも寄ってくる。
    「ちょっと! ちゃんと並びなさいよ!……もう、しょうがないわね!」
     口は悪いがなんだかんだで霊犬達に懐かれている鶫を見て、男2人が笑う。
    「縁とは不思議なものだな」
    「ん?」
     誠士郎の呟きに太一が聞き返す。
    「いや、学園に来るようになってから霊犬の会う機会が増えてな、とても……」
     最後まで言わずに微笑む誠士郎。
    「ま、俺もちょっとは解るぜ? この学園にいると楽しくって戦うのを忘れてしまいそうになるんだよな」
     二人の雰囲気を察したのか、花とアラタカがちゃぽちゃぽ足湯に入りつつやってくる。
    「ちょっと! 私をのけ者にして何の話よ!」
     鶫が内緒話をされたと思ったのか声を上げるが、2人はこの一時の平和に再び笑みを浮かべるのだった。

     複数人でまとまって行動せず、1人で地図を見ながら別府を探索している者もいた。
     近江谷・由衛(朧燈籠・d02564)がそうだ。彼女は地図を片手に別府の土地勘を養っていた。
    「意外とあるわね……」
     小高い山の上にあった4社目の神社を訪れつつ、由衛はその鳥居をくぐる。
     最初は2社程周れればと思っていたが、小さな神社も含めて意外と社の数は多かった。
     すでにどこにイフリートが現れても駆けつける為の最短ルートは覚えていた為、あとは……と神社巡りを由衛はしていた。
     すでに別府に到着して数日が過ぎていた。
     いまだにエクスブレインたる神埼ヤマトからの連絡は来ない。
     時刻は夕暮れ、神社を赤く夕陽が染めていた。
    「………………」
     思わずその景色に見とれ、やがて色彩は赤から紫へと暗度を下げていく。
     薄暗くなった神社を出ると、山の上から街が見えた。
     観光地として明るい大通りは賑やかに、人々が暮らす住宅街はひっそりと、けれどどこの明かりも人が生きている証拠の灯だ。
     この別府のどこかに強大なイフリートが眠っているなら、その復活は止める必要がある。
     その瞳の奥に灼滅者としての炎を燻らせ、由衛は1人街の宵闇へと歩いて行った。

    「んん~♪ 気っ持ち良い~!」
     温泉に入って伸びをするのはルリだ。
     すでに別府についてから数日が経ち、今日は有名な温泉の1つへとやって来ていた。
    「ほら、肩までつからないと風邪ひくよ」
    「はーい」
     美夜に言われて素直に肩までつかるルリ。
     リュシールと紗紅も同様だ。
    「そういえば、昨日食べた地獄蒸しって魔法みたいだったよね! 野菜がシャキシャキして、味もすごく美味しかった!」
     地獄蒸しとは簡単にいえば温泉蒸気を使った蒸し料理であり、普通のガス蒸しとは明らかに異なった旨さだったのだ。
     リュシールも昨日の味を思い出し。
    「蒸気の温度を勉強すれば、家でも作ってあげられますかね? 弟達にも食べさせてあげたいな……」
    「リュシールちゃんは家族思いなんだね! あ、たしかTVで前に――」
     ルリがテレビで見た地獄蒸しの代替え調理を教えると、ふむふむと真面目にリュシールが頷く。
    「あ、あれ……」
     紗紅が見つけたのは湯の中につり下げられた籠だ。籠の中にはもちろん卵が数個。
    「そう言えば友達から温泉卵を要求されたんだっけ……」
     ぐっと足を伸ばしてリラックスしていた美夜がふと思い出す。
     まぁ、お土産はイフリート退治の後で良いだろう。
    「そうだ、ヤマトちゃんに写メを送ろう」
     ルリが肌身離さず持っている防水仕様の携帯から、別府調査――観光写真――をヤマトへ送信。
     すぐに返信が来た。
    「ん?」
    『羨ましい限りだ。だが、油断はするな』
     ヤマトの反応に思わず噴き出す4人。
     だが、次に来たのはメールではなく直通電話だった。
    『観光の時は……終わりのようだ。イフリートが現れるぞ』

    ●イフリート出現
     ヤマトから8人へ連絡が入り、灼滅者達が急行したのは別府インターからさらに山側へと移動した森の中だった。
     霊犬同盟の3人(と3匹)が現場に到着すると、そこにはすでに由衛が来ていた。
     少し経つとルリ、リュシール、紗紅、美夜の4人も到着する。
    「温泉でも入ってたのか?」
    「ええ、そうよ」
     太一の言葉に美夜が返す。4人は慌てて出てきたが、ここに来るまでに髪の毛は乾いていた。少し遅れたのは……まぁ、着替えていた分だ。
     最初に反応したのは霊犬達だ、山の方へ一斉に吠え声をあげる。
     灼滅者がそちらを見れば、真っ赤な炎を纏った伝説の獣イフリートが森の木々を抜けてこちらへと向ってくる。
     一斉にスレイヤーカードの封印を解き、殲術道具を解放する灼滅者達。
    「行かせないわ!」
     鶫の声と共にヴェインがイフリートの前へと立つ。
     その体格差は歴然だが、その横に誠士郎とリュシールが並ぶ。
     獣の本能かダークネスの勘なのか、イフリートが逡巡するように灼滅者の前をウロっとし……。
    「右手側へ」
    「まっかせて!」
     由衛の指示にルリが応え、すぐにイフリートの進路を塞ぐ。
    「左手側も」
    「フォロー済みよ」
     イフリートが引き返そうとするも、由衛の指示と共に美夜が退路を塞ぐ。
     これで陣形は成った。
     イフリートがウロつくのを止め、ドスンドスンと四本足で大地を踏みしめる。
     戦いが……始まる。
     鶫が指輪から放った魔法弾でわずかながらにイフリートの動きを止めれば、それに合わせるように由衛も同じ技を放つ。
     緋色のオーラを纏った無敵斬艦刀を構えたまま誠士郎が飛び込むと、イフリートは誠士郎を追う様に動き、逆側の足を花が斬魔刀で斬りつける。
     ちょこまかと動く灼滅者を捕らえようとイフリートが首を巡らせる。だが、ふと気配に気づいて正面を見れば1人の灼滅者が堂々と歩いてくるではないか。
     まるで、お前の相手はこの俺だ、とでも言うかのように。
    「さっさと終わらせて残り時間を満喫だ!」
     太一が真正面から血のような赤いオーラを飛ばすのと、イフリートの口から真っ赤な轟炎が放たれたのはほぼ同時だった。

    ●炎と踊れ
     幾度の交戦が続き、イフリートもその背に炎の翼を生やし破魔の力を宿した炎を撃ってくるようになっていた。
     自己をエンチャントしつつ戦う戦法だった者達はたまったものではない。
     イフリートが己の有利を感じ取りズシンと一歩、その足を進める。その時だ。
    「この翼、もぎ取らせてもらうわ」
     いつの間にか美夜がイフリートの背に立っていた。
     イフリートが身震いする間も無く美夜のガンナイフが舞い炎の翼を斬り刻む。
    「え?」
     炎の翼が散ると同時、美夜の身体が宙に浮く。
     翼を諦めたイフリートが後ろ脚2本だけで立ち上がり、背中の美夜を振り落としたのだ。
     さらにイフリートの追撃は続く、そのまま器用に後ろ脚だけで反転、そして持ち上げていた前足を一気に美夜に振り下ろす。
     避けれるタイミングでは無かった。

     ズズンッ!

     イフリートの前足が振り下ろされる……だが、その前足は巨大な刀によって受け止められたのだった。
     間一髪、誠士郎だった。
     イフリートが強引に潰すように前足に力を込めるが、銀閃と名付けられた無敵斬艦刀を滑らせ攻撃をいなす。
     イフリートの攻撃力とその荒れ狂う炎は灼滅者達の体力を少しずつ削り取っていた。
     太一も気合を込め自らにまとわりつく炎を散らすが、戦闘が開始された頃の体力までは戻らない。
     とはいえ、疲れてきているのはこちらだけでない。
    「やれ、アラタカ!」
     誠士郎を追って前足を振るうイフリートの横腹に六門銭が命中、さらに花も追撃とばかりに合わせて六門銭を放つ。
     苦悶の声をあげるイフリート。
     よく見ればその身体にはいくつものバッドステータスが積み重なっていた。
     畳みこむなら今しかない。
     バベルの鎖を瞳に集中させ短期予測力を飛躍的に上昇させていた鶫が、さらに集中すべく御守の宝石を握りしめる。
     魔力が満ちる。
     少なくとも鶫にはそう感じられた。
     狙い澄ました一撃は、見事イフリートの足元を中心として急激にその体温と熱量を奪う。
     堪えられず片膝を折るイフリート。
     さらにもう片方の足に高純度に圧縮された矢が突き刺さり、ついにイフリートを寝そべるような姿勢へと変える。
     矢を放った存在――由衛は戦いが自分達の作戦通りに進んでいると感じていた。
     イフリートの炎は厄介だが、自分達の連携はそれを上回っていた。
     もっとも、その厄介な炎も――。
    「光よ傷を治し、悪しき炎を消しされ」
     紗紅が自らを焼く炎を癒しの炎へと上書きする。
     炎の対策はしっかりしてあった。
    「探すモノを見つける前に、貴方にはまた眠っていただきます」
     紗紅が宣言すると共に、1つの影がイフリートへと駆ける。
     イフリートの炎弾が次々に放たれるが、その影――リュシールは天性の音感で相手のリズムを把握、攻撃タイミングを読んで次々と回避しながら……イフリートへ接敵する。
     目の前にやってきた少女を噛み砕こうとイフリートが口を突っ込む。
     しかし、その鼻面をロックするように掴むと。
    「ぐ、ぐっ…で…ぇええええーーーいっ!」
     リュシールは相手の呼吸を利用しその巨体を投げ飛ばす。
     そして投げ飛ばされた先でイフリートは見る。
     目の前で何かを放つポーズを取る敵の姿を。
    「喰らえロマン技! 零距離ビーーーーーム!」
     ルリの手から放たれたビームが、イフリートの頭部を零距離で貫通。
     それが、炎の幻獣へのとどめとなった。

    ●いい湯だな
    「ふぅ、とりあえずは灼滅完了、だな」
     太一がほっとしつつ言えば、皆の緊張の糸もほぐれた。
     別府に現れるというイフリートを、自分達はしっかり倒す事ができたのだ。
    「さ、他の人達と連絡をとりましょう。何かわかるかもしれません」
     紗紅が言えば「確かに」と何人かが頷く。
    「他のイフリート達がどの方向から現れどの方角に向かったか……それがわかれば何かわかるかも……」
     由衛が言い、リュシールも話に乗る。
    「私も……この同時多発には源があると思うんです」
    「それはそうだけど……今は無理みたいね」
     美夜が自身の携帯を見て電波が届いていないと呟く、イフリートを迎撃する為に森の中で戦っていたため、今すぐに電話はできそうになかった。
    「では、街に出てから連絡しましょう」
     紗紅がまとめ一先ずはと皆が納得する。
    「それにしても、未来予知がうまく働かないのも不安だよね?」
     ルリが口元に人差し指を当てて疑問を口にする。
     未来予測がうまくいかない……それは――。
    「ん、どうした鶫?」
     誠士郎がふと不機嫌そうな鶫に声をかける。
    「別に何でもない!」
     ふと、別府に来ている別の子の事を思い出す。
     今から行けば乱入できるだろうか? いや、しないけど。なんで私が。
     ここ数日で鶫の性格を把握した誠士郎が、いつもの事だと切り変え皆に言う。
    「ところで皆、土産は買ったのか?」
     その一言で、全員が土産物屋へと足を向けたのは言うまでも無い。

    作者:相原あきと 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年12月12日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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