別府温泉満喫ツアー

    作者:春風わかな

    「みんな集まってくれてどうもありがとう!」
     教室に現れた灼滅者たちに気が付いた須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)は読んでいた雑誌から顔をあげると手を振った。
    「それじゃ早速今回の事件について話をするね……」
     説明しようとしたまりんの手からばさばさと雑誌やらパンフレットやらが滑り落ちる。
     苦笑しながら灼滅者たちが拾い上げようとするとそのタイトルの一部が目に入った。
     湯めぐり。温泉。別府。
     これは、もしや……と互いに顔を見合う灼滅者たちを見やり、こほんと一つ咳払いをするまりん。
    「別府温泉の近くでイフリートの目撃情報が多数発生しているのって聞いたことある?」
     どうやら鶴見岳のマグマエネルギーを吸収して、強大な力を持つイフリートが復活しようとしているらしい。
     サイキックアブソーバーによってイフリートの出現は予測できたが、詳細は不明。強大なイフリートの力の影響なのか、直前になるまで予知が行えないようだ。
     まりんは手際よく説明をすると、改めて灼滅者たちの方を向き直る。
    「だからね、みんなには別府温泉周辺で待機しててもらいたいんだ。それで出現を確認次第すぐにイフリート迎撃に向かってもらいたいの」
     普段のダークネス事件みたいに予知してからじゃ間に合わないからね、とまりんは眉を寄せた。
    「現れるイフリートは1体だけ。眷属とかは連れていないよ。そこまで強くはないみたいだけど、すぐ近くに温泉街があるから……」
     万が一迎撃に失敗したら平和な温泉街に甚大な被害が出ることは想像に難くない。
     それは絶対に絶対に阻止してね!とまりんは強く念を押すが灼滅者達も想いは同じ。
    「イフリートの出現がわかったら、すぐに皆に携帯電話で連絡をするよ」
     今のうちに番号を交換させてねと慣れた手つきで灼滅者たちの番号を登録する。 
     なお、肝心なイフリートの出現のタイミングは予測できていない。
     到着後すぐに連絡を入れる事になるかもしれないし、数日後になるかもしれない。
    「イフリートが現れるまでは別府観光をしてみるのはどうかな?」
     先ほど落とした雑誌とパンフレットを灼滅者たちに差出ながら説明を続ける。
    「温泉はもちろん、お土産を見たり、美味しいものを食べたり……もちろん、宿でのんびりして普段の疲れを癒すのもいいよね」
     ただし、観光のあとにはイフリート退治が控えていることをお忘れなく。
     個人行動も団体行動も自由だが、いつでも互いに連絡がとれるようにあらかじめ打ち合わせをしておいた方がいいだろう。
     いつ連絡が入ってもいいように準備は怠らないようにしてほしい。
    「あ! 携帯電話の圏外に出たり、電源を切ったり、長電話をして連絡に気づかないとかダメだからね!」
     ちゃんと充電されてることも確認しておいてね、とまりんは付け足すとにっこり笑顔を浮かべて手を振る。
     「いってらっしゃい! みんな別府を満喫してきてね!」 


    参加者
    風巻・雛(ナッハヴェーラー・d00113)
    畷・唯(血祭御前・d00393)
    水綴・梢(銀髪銀糸の殺人鬼・d01607)
    王華・道家(フェイタルジョーカー・d02342)
    ゼノビア・ハーストレイリア(ピースメイカー・d08218)
    森村・侑二郎(無表情イエスマン・d08981)
    近衛・一樹(氷結のカーミラ・d10268)
    小田切・真(少尉・d11348)

    ■リプレイ

    ●ようこそ、温泉大国へ!
     大分県別府市。温泉湧出量、源泉数ともに日本No.1を誇るまさに温泉大国という名がふさわしい街だ。一泊し朝御飯を食べた後、灼滅者達は温泉組と食べ歩き組の二手に分かれて早速観光開始。
    「ウフフ☆ ボク達灼滅者だって命の洗濯が必要さ!」
     温泉組メンバーの前で身振り手振りを交えて大げさに語るのは王華・道家(フェイタルジョーカー・d02342)だ。ピエロの如く振舞っているがこれは彼の通常仕様だ。
    「そしてココがその舞台、別府温泉~♪」
     ばっと広げた道家の手の先にはのんびりと通りを歩く観光客達の姿が。
    「さ、ボク達も思い切り観光しようYO! 温泉♪ 温泉♪」
    「温泉~♪ 温泉~♪」
     にこにこ笑顔を浮かべて道家の真似をするのはゼノビア・ハーストレイリア(ピースメイカー・d08218)。右手にはめた黒ヤギのヴェロ君も節に合わせてぴょこぴょこと頭を振る。
    「ねぇねぇ、私まずこの温泉に行きたい!」
     別府行きが決まった時から美容に良いとされる温泉を色々調べてきた水綴・梢(銀髪銀糸の殺人鬼・d01607)が持参したパンフレットを広げた。大きく花丸がつけられたその温泉は美肌になれると評判の温泉で梢の一押しの湯だ。
     いいんじゃない? と風巻・雛(ナッハヴェーラー・d00113)があっさり賛成する。道家とゼノビアも異論はないためその瞬間彼らの目的地が決定した。
     さっそく地図を持った梢を先頭に温泉へと向かう4人。都会の喧騒から離れまったりとした時間の流れる場所を歩いていると今回の事件のことなど忘れてしまいそうだ。
    (「やだねェ、せっかくの憩いの場で物騒な」)
     楽しげな観光客を横目に雛はまだ現れぬイフリートに対しひっそりと溜息をついた。
     迷うことなくあっさり目的の温泉へと到着した4人は扉を開けて館内へと入っていく。
    「えーっと、連絡があった時に備えて男女に分かれて入浴すればいいわよね」
     受付の前で梢が確認すると、あ、と雛が小さな声をあげた。
    「オレ実は肌弱いんだよね~、だから皆が温泉入ってる間は外で待ってるな」
    「えー!? そういう大事なことは先に言ってよ!」
    「せっかくの温泉なのに……勿体ない!」
    「雛くん……温泉入れないの? 残念なの~」
     3人3様の反応を受けアルカリ泉ならちょっと入ってみようかな……と呟く雛。
     受付で確認をしてみるとここにはアルカリ泉の湯もあるとのことだったので女子二人から順番に温泉に入ることにした。

    「そうだ、王華も良かったらこれ食わねー?」
     温泉に来る道すがら買っておいた温泉饅頭のことを思い出した雛が鞄から饅頭の入った袋を取り出す。温泉の蒸気で蒸された一口サイズの饅頭はまだほんのりと温かい。
    「ありがとう、雛くん! おいしそうだNE♪」
     礼を言って道家も饅頭に手を伸ばす。が、でも……と彼は続けた。
    「ボクのことは『ミッチー』と呼んでほしいナ!」
     饅頭を片手にばちっとウィンクをする道家だが、雛は適当に受け流しつつ饅頭をぱくり。
    「温泉地って独特の雰囲気があるよね、結構好きだな」
     受付前のロビーで女子達を待ちつつすれ違う観光客を見遣り、雛と道家はのんびりと饅頭を齧りイフリート出現の連絡を待つ。
     そんなこんなで待つこと約1時間。
    「お待たせなの~」
     美肌湯を満喫したゼノビアと梢が出てきて男子組とバトンタッチ。
     ――心なしか温泉に入る前に比べてお肌がしっとりすべすべになったんじゃない?
     自分の頬を触ってその温泉効果を実感しすっかりご機嫌になった梢。そして売店で買ったコーヒー牛乳をぐっと一気に飲み干した。
    「まったく、これだけはやめられないわ!」
     梢の隣に座ったゼノビアは机の上に広げた大きな紙を眺めながらゆっくりとコーヒー牛乳を味わっている。
    「ん……? それ地図?」
     梢がゼノビアの手元を覗き込む。それは別府市の地図だった。
    「これを見て……何かわからないかな~と思って」
     事前に調べることが出来た内容で気になるポイントは全て書き込んである。共通点はないか。印と印を線で結んでみたらどうなるか。ゼノビアは細かく丁寧に一つずつ確認する。
    「こことここ、線で結んでみたらどう?」
     梢もまた一緒に地図を覗き込んで気になるところを挙げていく。
     二人が地図分析に夢中になっていると道家と雛の二人が温泉から出てきた。いつの間にか時間が経っていたらしい。ちなみに入浴後というのに道家のメーキャップは完璧で入浴前と何ら変わりがない。
    「そういえば、食べ歩き組の皆はどうしてるかな?」
    「ゼノビアが電話してみるの~。もしもし~?」
     ほんのりと湿った髪をかきあげながら呟いた雛にゼノビアがハンドフォンを使い左手を耳に当て食べ歩き組と情報を交換する。彼らも別府観光を楽しんでいるようだ。お互いにまだ東京から連絡が来ていないことを確認して通話を終えると再び観光へ戻っていくのだった。

    ●温泉街で食べ尽くせ
     別府3日目。
    「この温泉の近くを散策してみるのも面白そうね。いろんなお店がありそうだわ」
     温泉組が行くという温泉の位置を地図で確認していた食べ歩き組の畷・唯(血祭御前・d00393)が仲間に提案した。二組の距離が離れていては合流時に支障が出るかもしれないと懸念していた唯はできるだけ温泉組の近くにいたかった。
    「いいんじゃないでしょうか」
     地図を覗き込んだ森村・侑二郎(無表情イエスマン・d08981)が無表情のまま唯の意見に同意する。
    「イフリートが出現しなければ楽しい観光で済むんですけどね、ハイ」
     別府を訪れるのは今回が初めてという侑二郎。イフリートのことなど気にせず観光を楽しめれば良いのにという思いは皆共通だろう。
     そこで温泉近くまでバスで移動した一行はバスを降りたところで予定通り二組に分かれて散策を開始する。
    「ターゲットが現れたと連絡が来るまではゆっくりと観光を楽しみましょう」
     落ち着いた雰囲気を纏った近衛・一樹(氷結のカーミラ・d10268)の提案に異論のある者などおらず4人は温泉街の散策を開始する。
     せっかく別府に来たのだからここはやはり別府の名物が食べたいところ。とり天、旬の魚、地獄蒸し、デザートの温泉プリンに定番の温泉饅頭……選り取り見取り、選びたい放題だ。今日は何を食べようかとわいわい話しながら4人は通りを歩く。
    (「この地でイフリートが活発に出現するのは何かしらの理由があるはずですね……」)
     小田切・真(少尉・d11348)は難しい顔をしたまま歩きながらも休むことなく思考を巡らせていた。一昨日別府の街に到着してからずっとそのことが頭にひっかかっていたのだが、散策を始めれば色々と誘惑も多いものでなかなか思考が先に進まない。
    「せっかく温泉に来ているんですから、やはり温泉らしいものを食べたいですね」
     侑二郎の意見で本日4人が選んだのは地獄蒸し。温泉蒸気を使って海鮮や卵、野菜等好きな食材を一気に蒸しあげる。調理方法は至ってふつうの蒸し料理なのだが食べてみるといつもの味とは全然違う。
    「これ美味しいですね」
     一樹の率直な感想はズバリ全員の感想。食材の旨味がぎゅっと濃縮された蒸し物は美味しくてあっという間に食べ終えてしまった。
     地獄蒸しに満足した一行は再び通りに出て散策を再開する。時折ポケットの中の携帯電話を確認するが着信の気配はない。
     ふと、通りを歩く真の視線がとある店から離れないことに唯は気が付いた。何だろう? と思い目で追ってみるとそこには『温泉プリン』の文字。
    「あらプリンですって。美味しそう、食べましょうよ」
     唯の提案に真が真っ先に頷いた。プリンはいらないと辞した一樹を除く3人がお買い上げ。唯はプリンを買うついでに店先にいたおばさんに最近変わったことないかと尋ねるが、心当たりはないねぇと首を横に振る。
    「すみません、ちょっとあの店に寄ってもいいですか」
     濃厚なプリンを堪能している3人に断りを入れ、一樹は斜向かいの和菓子屋へと歩いていく。気になっていたのは店先で売られていたのは薄皮で粒あんとお芋を包み込んだお饅頭。早速買って一口頬張ると控えめな甘さが口いっぱいに広がった。
    「これも美味しいですよ。皆さんどうですか?」
     一樹に勧められて食べてみると確かに美味しい。ちょうどクラブの皆へのお土産を探していた侑二郎はこれにしようと箱を手に取った。これなら皆もきっと喜んでくれるだろう。
    「私も1つお土産に買おうかしら」
     和菓子店の人にもそれとなく聞き込みをしていた唯が箱に手を伸ばした時、真の顔に緊張が走った。――電話がかかってきたのだ。
     急ぎ店の外へと出て携帯電話を手に取るとディスプレイには須藤まりんの名前が表示されている。真は急いで通話ボタンを押した。
    「もしもし? 観光中ごめんね。イフリートの出現場所が予測できたよ!」
     マイク付イヤホンに手を当て、まりんからの情報を聞き漏らさないようにする真。
    「温泉組にも知らせないといけないですね」
     侑二郎が制服のポケットから携帯電話を取り出そうとした時、一樹の携帯電話が震えて着信を知らせる。今日の電話の主もゼノビアだ。一樹は通話ボタンを押すと温泉組へ告げた。
    「――皆さん、観光は終わりです。ターゲットが現れました」

    ●招かれざる客
     ――rest in peace!
     合流を果たした二組はゼノビアを筆頭に次々と解除コードを口にする。そしてまりんが予測したイフリートの出現場所へと急いで向かった。
    「須藤さんの話によるとイフリートの出現場所は太平山の方からここ鉄輪温泉へと向かっているそうです。戦闘場所は近くにあるゴルフ場の先の森の中が良いだろうとのことでした」
     電話を受けた真がかいつまんで要点を説明する。
    「俺達がいるのはこの辺か……こっちや!」
     眼鏡を外し戦闘モードに入った一樹が携帯の地図アプリで位置を確認しながら目的地へと皆を誘導していった。
    「この辺りよね、イフリートはどこ?」
     まりんが指示したと思しき場所に到着し、呼吸を整えながら梢がイフリートを探すと獣の遠吠えらしき声が聞こえる。
    「あそこにいるぜ」
     雛がくいっと親指で指差した方に皆が視線を向けると炎を纏った獣がうなり声をあげてこちらへ向かってくるのが見えた。
    「あれが宿敵、イフリートですか……」
     ――間近で見るのは今回が初めて、ですね。
     侑二郎が小さな声で独り言ちる。
    「んー思ったよりも小さい気がするNE!」
     侑二郎と同じくイフリートを宿敵とする道家の発言に反応したのか二本の角をはやした炎獣は灼滅者達に気が付き進路を変えた。イフリートの視線の正面に立っていたのは――唯。
    「我が名は畷・唯。人に害をなすものを絶つ者だ!」
     一般人が近づくのを躊躇う程の殺気を纏った唯が灼熱の炎に包まれた獣に月刀【紅】の切っ先を向け真っ直ぐに睨み付ける。これが戦闘開始の合図となった。

     敵は1体だけだがやはりイフリートの力は侮れない。
    「ターゲット発見、これより戦闘行動に移行する」
     愛用のナイフ付サブマシンガンを構えた真が息も付かせぬ勢いで銃撃の雨を浴びせるがイフリートは煩わしそうに頭を振った。そして炎を纏った右腕を大きく振りかぶり前に出てきていた雛に向かって撃ち下ろす。雛はなんとか衝撃には耐えたもののその一撃によるダメージは大きいことが肩で息をしている様子からも伺える。
     すかさずゼノビアが鋭い裁きの光条を放ち、梢はエネルギー障壁を展開して雛の前に盾を作って護りを固めた。
    「――行きます」
     静かに宿敵を見つめていた侑二郎は深呼吸を一つするとナイフで自らの左腕を勢いよく切り裂く。傷口から噴き出すのは赤い血――ではなく炎。一瞬くらりと眩暈がしたが目の前の敵を倒すべく気を持ち直し抜刀して灼熱の獣の脛を斬り付けた。
     そして続けて唯が雲耀剣で斬りかかり、先程のお返しとばかりに雛のジグザグスラッシュはイフリートの肉を抉り、間髪入れずに一樹の魔槍が放った妖冷弾が襲いかかった。
    「ここから先には進ませんで!」
    「ヒュ~! ボクだって負けないYO! カモン! MT5♪」
     口笛を一つ吹き意識を集中させた道家は拳にオーラを集めて炎獣に無数の打撃を撃ち込み、すかさず道家の横から飛び出したライドキャリバーのMT5が機銃掃射で援護射撃。二人の息の合った攻撃はまるでショーを見ている様だった。

     灼滅者達の息付く暇もない攻撃に翻弄された怒りから炎を纏った大きな腕を振り下ろし重い一撃を繰り出す灼熱の獣だが、そのたびにゼノビアと梢の厚い回復によって灼滅者達の傷は癒されていく。
    「みんなもう少しなの~」
     ゼノビアが招いた浄化をもたらす優しい風が吹き抜けると前衛の傷が消えていった。
    (「援軍はいない……大丈夫ね」)
     心なしかイフリートの攻撃にミスが目立ち始めたことに梢は気が付き周囲を警戒する。そして癒しの力へと転換した輝くオーラで仲間を包み込んだ。
     同じくイフリートの挙動を警戒している道家が放ったオーラキャノンの衝撃に耐えきれず炎獣の身体がぐらりと揺れる。
    「一気に畳み掛けましょう」
     表情は変わらぬともやや高揚気味の侑二郎のナイフの刃がジグザグに変形しイフリートの右肩を大きく抉り、真のライフルから発射された弾丸が執拗にターゲットを狙い続けた。
    「お前の炎と俺の氷、どっちが強いか比べてみようや!」
     再び一樹の魔槍から放たれた冷気のつららがイフリートに降り注ぎ、雛のギルティクロスは死への刃となって襲い掛かる。
     灼滅者達の猛攻を受けてもまだ立っていた幻獣だったが。
    「――我が月刀に断てぬものなし!」
     唯が刀を抜刀したのが最期、焔の獣は大きな咆哮を一つ残して倒れ伏した。

    ●戦いを終え
     消えゆくイフリートの身体を暫し無言で見つめていた唯は姿勢を正し深々と頭を下げる。人ではないが正々堂々と戦う姿に敬意を払ったのだ。
    「しっかしまぁ、大物イフリート? 予知に影響与えるぐらいつえーのが復活するとなるとやべーよな」
    「何か大きな事件の前触れ、なんですかね」
     雛と侑二郎はイフリートが残した痕跡を調べながら言葉を交わす。
     真も黙々と周辺を調べながら自分なりに考えを整理していた。
    「ん……ここに丸をつけてっと」
     ゼノビアは持参していた別府の地図に今回現れたイフリートの進路を書き加え、今までの情報も加味しながら何か新情報はないかと地図を真剣に見つめている。
    「さて……イフリート退治は終わりましたが、良かったらもう少し観光を楽しみませんか?」
    「賛成~! 私、まだ他にも行きたい温泉あるんだ!」
    「そうだネ! ボクたちも別府名物を食べたいし♪」
     戦闘中は外していた眼鏡を元通りかけていつもの穏やかな口調に戻った一樹の提案に梢と道家が賛同する。
     灼滅者達が別府温泉を満喫する旅はまだ終わらない。

    作者:春風わかな 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年12月24日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 9
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