札幌ゾンビ注意報

    作者:泰月

    ●静寂を破る者
     北海道の冬は厳しい。既に、札幌市内でも各地で雪が積もっている。
     市内のとある公園も、公園内の施設の大半が雪で閉鎖されており訪れる人は少ない。
     だが、ある夜。雪で真っ白に染まる公園の静寂は突如破られる。
     始まりは公園の端にある、遊具スペースだった。
     ズボッ。ボコッ。ボコボコッ。
     ズボッと雪を突き破って出たのは、人の腕。続いて肩、頭、胴体と雪を押しのけ這い出てくる。まさか雪の下に居たとでも言うのだろうか。
     常人ではありえない事だが、彼らはそもそも生きてはいない。
     瞳のない虚ろな眼窩。所々肉が削げ落ち露出した骨。あるべきものがあるべき場所にない、生者ではありえない不完全な人体。
     それは一体ではなく次々と雪の下から現れ。やがて、動く死体――ゾンビ達は、妙に整った動きで木々に囲まれた公園の奥へと消えて行った。

    ●ゾンビ巡回中
     その日、教室に集まった灼滅者達を出迎えたのは、メガネをかけ長い髪を2本の三つ編みで纏めた控えめな印象の少女だった。
    「あの、みなさんにお願いがあるんです……」
     見た目の印象を裏切らず控えめに切り出した、園川・槙奈(高校生エクスブレイン・dn0053)。
    「札幌の公園にゾンビが現れるのを、予知しました」
     その公園は園内にボート池や球場やテニスコート等の施設がある。現在は園内の施設は全て冬季閉鎖中だが、冬でなければ訪れる人も多いと言う。
    「被害の出ない内に……お願いします」
     ゾンビの数は10体。内、公園内を巡回するものと、閉鎖中の球場を拠点に居座っているものが5体ずつ。
    「巡回している5体も、その内球場に戻ってきます。……先に、球場にいる方を倒して、待ち伏せするのが良いと思います」
     ゾンビが公園から出ることはない。雪の中を探し回って時間と体力を奪われるより、確実に居場所がわかる敵から片付けた方が良いだろう。
    「また、このゾンビはボロボロの軍服を着て、銃剣を持っています」
     何処で調達したというのか。槍のように振り回したり突いたりだけでなく、固めた雪を撃ち出して来ると言う。
    「どれもそう強い攻撃ではないみたいですが……小さい雪玉は、服の隙間から入り易いです」
     うわぁ冷たそう。
    「私はみなさんを見送ることしかできませんが……どうか、お気を付けてくださいね……」
     何処か不安そうに槙奈は灼滅者達を送り出す。
    「暖かくして行ってくださいね……今の北海道、なまら寒いですから」
     なんでそこだけ訛った。


    参加者
    荻原・克(デスパンチ・d00372)
    十七夜・狭霧(ロルフフィーダー・d00576)
    雀谷・京音(長夜月の夢見草・d02347)
    ピアット・ベルティン(リトルバヨネット・d04427)
    御津島・連夜(中学生ファイアブラッド・d09954)
    森沢・心太(隠れ里の寵児・d10363)
    君津・シズク(積木崩し・d11222)
    伊賀・紅朔(中学生ファイアブラッド・d11526)

    ■リプレイ

    ●氷点下の世界
     マイナス5度。これ、札幌市の12月のとある日の最高気温である。最高気温なのにマイナスの日があるのである。
     ゾンビ退治に札幌の訪れた灼滅者達を出迎えたのは、そんな北の大地の洗礼だった。夜になれば当然さらに下がって冷え込む。さもありなん。
    「こんなに寒いのに、ゾンビ退治なんて憂鬱っすねー」
     十七夜・狭霧(ロルフフィーダー・d00576)の言葉も無理もない。ダウンジャケットのフードまで被っているが、それでも寒い。雪は好きだが、一面の銀世界を背景に戦うのはありがたくない。
     横を歩く荻原・克(デスパンチ・d00372)の防寒対策も中々重装備だ。厚手のパーカーに手袋は良いとして、引き上げたマフラーで口元を覆い、上からは目深に被ったニット帽。目と鼻しか見えていない。だって顔に痛いほどの寒さだもの。
    「今日は頑張って札幌の平和に貢献します!」
     もこもこと着込んではいるが、克の祖父母が札幌に住んでいる事もあり、最近のゾンビ事件は気になっていた。やる気は十分だ。
    「北海道は寒いでござるな。里も寒かったゆえ耐えられないほどではござらんが……」
    「もっと寒い所に旅行に行った事があるから、耐えられない程じゃないかな」
     今以上の寒さを体感した経験のある、伊賀・紅朔(中学生ファイアブラッド・d11526)と御津島・連夜(中学生ファイアブラッド・d09954)も少し余裕が見える。とは言え、彼らは着込んでいるだけだ。寒いもんは寒い。
    「……あげる。寒冷適応でいらなくなったからあげるだけよ。余ってたの!」
     と、着込む仲間達に君津・シズク(積木崩し・d11222)が差し出したのは服用のカイロ。彼女は寒さに適応するESPを使っているので、確かにカイロは不要だろう。余ってた、と言う割に人数分きっちりあるのだが。
     シズクが不器用な気遣いを見せる一方で、同じようにESPで防寒対策を取った雀谷・京音(長夜月の夢見草・d02347)は、それでもぷるぷる。
    「ん~……寒い。寒いの苦手なんだよねー……」
     寒さに平気になっても、苦手は苦手。さらに、除雪され一箇所に纏められた雪の塊を目的地までの道中に何度も目にした。それらは、彼女の身長よりも高い。ESPで快適になっても、こう視覚的に寒いと寒い気分になってしまう。
    「うん、里の雪山に比べれば、充分動るべ」
     一方、森沢・心太(隠れ里の寵児・d10363)は寒さをものともしていない。彼もまた寒さに適応するESPも使っているが、それに加え、秘境と呼べる程の地で育った心太にとって雪は見慣れたものだ。
    「(ちゃんとできるかなぁ…。うぅ…ピア頑張なの)」
     寒さに意識が向かうメンバーの中で、ピアット・ベルティン(リトルバヨネット・d04427)は、これが初の実戦である事に緊張気味になっていた。本人は頑張って大丈夫なふりをしているのだが、それでも辺りをきょろきょろしてしまい、既に緊張は仲間達の知る所である。
    「早く終わらせて、暖かい飲物に有り付きましょ!」
     そんな緊張をほぐすかのように、狭霧がハイテンションに告げる。彼が指差した先、球場の中で敬礼している5体のゾンビの姿があった。

    ●白の中で
    「臨兵闘者皆陣列前行」
    「いっくよー!」
     紅朔が静かに唱えて九字を切り、ピアットが元気な掛け声を上げる。それが2人の解除コード。仲間達も続いて解除コードを唱え、それぞれの手に殲術道具が握られる。
    「う……ぁ……?」
     物音か、或いは気配に気づいたか。ゾンビ達が灼滅者達の方に向き直る。
     視線を向けた京音の目に映るのは、見慣れぬ軍服をまとい銃剣を手にしたゾンビの姿。元が英霊であれ一兵卒であれ、没した今となっては下手に歩き回られると迷惑。
    「安らかに眠り直してもらおうね!」
     決意を込めた言葉と共に、魔力を宿した霧を展開すれば、狭霧と紅朔も同じく霧を生み出す。3人が一斉に生み出した霧は前に立つ6人を包み込みその姿をゾンビから隠す。だが、この霧の目的はそこではなく、灼滅者達の力を強化する為のもの。さらに、そこに心太が広域展開したシールドの障壁が重なる。数の多さ故、全員には行き渡らずとも半数以上の強化が完了。
    「こんな寒い年末に、それも北海道で活動とは。ダークネスの眷属も働き者だね」
     横一列になって向かってくるゾンビ達を、仲間の展開した霧を突き破って連夜が放出した殺気が覆い尽くす。
    「凍えちゃえーなの!」
     ピアットの掛け声と共に、ゾンビの周りの熱が急速に消える。ただでさえ低い気温の中、僅かにあった熱が奪われ2体のゾンビが氷に包まれる。
    「届け……っ!」
     2人の攻撃で、横一線だったゾンビの隊列が乱れた。
     そのタイミングを逃さず、シズクが踏み込んだ。ハンマーを振るうより僅かに早く突き込まれた銃剣を、回転して避ける。完全には避けきれず刃が掠めた肩が赤く染まるのを意に介さず、ぐるんと弧を描き遠心力をたっぷり乗せて叩き込まれた一撃は、お返しとばかりにゾンビの肩を粉砕した。
    「冬でよかったわ。蒸し暑い所で腐ったものなんて見たくないもの」
     衝撃でちぎれ飛んだ半ば腐った腕を見ながら呟く。今日のシズクは積木崩しじゃなくてゾンビ崩し。
    「働けーい」
     克の指示で前に立ったビハインドのコーディくんが、雪の弾丸を主の代わりにその身に受け、霊障で物を飛ばして支援する。その隙に克が撃ち込んだ爆炎の弾丸が片腕のちぎれたゾンビの体を燃やす。
    「順調だな!」
     振り回される銃剣をククリナイフで弾いて直撃を避けた連夜の言葉通り、戦闘の滑り出しは順調。全員が何らかの光源、その多くは頭や首や腰につけられる物を持参しており、暗闇で敵を見失うこともない。
    「死角にご注意っと!」
    「生命無き屍体に生きる術なし――……潔く涅槃に還りなさい」
     狭霧と京音が同時に見せる殺しの技巧。高速で死角へ回り込んで振るわれた銀刃黒柄のナイフと日本刀、2つの刃が纏う軍服ごとゾンビを斬り裂く。
    「まずは一体、でござるな」
     2人が仕留めたゾンビがバラバラになるのを視界の端で捉えながら、紅朔が自らの親指の腹を噛み千切る。滲む血は炎に変わる。炎を宿したリングスラッシャーで別のゾンビを斬り裂き、燃やす。
     まずは一体。とは言え未だ姿を見せない敵を含めれば、まだ一体とも言える。戦いはまだ始まったばかりだった。

    ●白に還り
     ゾンビに対して灼滅者達が取った作戦は、各個撃破。眷属であるゾンビの体力は、ダークネスに比べるとかなり低い。数は多いが体力は決して高くない相手に、複数攻撃ではなく威力の高い単体攻撃を多用し1体ずつ倒していくのはほぼ最適と言えただろう。
    「っしゃあッ!」
     ロケット噴射の勢いを乗せてシズクがハンマーを叩き込む。骨が砕ける音がして、衝撃にゾンビの足が止まった所を、狭霧の操る影が飲み込んだ。花開くように影が消えた後には、既に動かなくなったゾンビの姿。
    「はい、一丁上がり! 次!」
     これで3体目。この場の残りは2体。そのどちらも無傷ではなく、既に体は燃えている。
    「速い! ですけど、単純過ぎます!」
     2体の片方のゾンビが心太を狙って雪玉を撃つが、正面からの単純な直線射撃であれば、何度も見せられれば見切るのは難しくない。
     金剛不壊、と書かれたお守りが作る障壁を纏わせた拳を叩き付け、落とす。心太の動きはそれで止まらず、砕いた雪玉の残骸を掻い潜ってゾンビに肉薄、鬼へと変じたもう片方の腕の拳をゾンビの胴へと叩き込む。
     心太に続いて走り寄ったのは、連夜。複雑に変形したナイフの刃を縦横に振るい、抉る。ゾンビの体を燃やす炎が、より体の奥まで届くように。
     連夜が離れた所に撃ち込まれるのは、後方より克が放つガトリングガンの連射。マフラーで覆われていた口元は今は露わになり、そこにはうっすらと楽しそうな笑みが浮かんでいる。
     ガトリングガンの連射が終わり、一瞬辺りを静寂が包む。その中に響いた雪の崩れる小さな音。
    「あれは……残りの5体! 球場の入り口まで来てるよ!」
     音、そして視界の端に映った姿にいち早く気づいたのは京音。
     周辺をうろついていると言う残り5体のゾンビ。それらが戻ってくる事を忘れた者は誰もいなかったが、周囲の足音や気配にまで気を配っていたのは彼女のみだった。どれだけ気を配っても、一人では限界がある。加えて、彼女はこれまで常にゾンビと向き合い戦っていた。幾つかの要因が重なって、残りのゾンビの接近に気づいたのはこのタイミングとなった。
    「まだ少しだけ距離がある。先に居たゾンビを優先して撃破するでござる」
     接近こそ許したものの、不意を突かれる前に気づけたのは大きい。こうなる事も灼滅者達の想定内。こうなった際、先に球場にいたゾンビを片付ける方針は全員が頭に入っている。言葉と共に紅朔が放った血のように赤いオーラの逆十字が、ガトリングガン連射を受け弱りきっていたゾンビを引き裂いて物言わぬ骸に戻す。
     あと一体。それを倒せれば残りの5体も特に問題なく迎え撃てる。だが、その一体は銃口を京音へと向けている所だった。
    「京音センパイ、危ないっす!」
     健在な一体に目を向けた狭霧が気づいて、声を上げたが僅かに遅い。油断はなかっただろうが、増援に僅かに気を取られたか。
    「わぷっ!」
     その僅かを狙い違わず、放たれた雪玉が京音の額を直撃した。
    「だ、大丈夫なの?」
     思わずピアットが癒しの光を掛ける。これが実弾であれば大ダメージは免れなかった所だが、幸いにして雪玉のダメージは小さい。今の回復でダメージはほぼ癒えた筈だが――京音の前髪はおろか、襟の中から入り込んだ雪の欠片が服も濡らしていた。その冷たさが、彼女の中の極道のスイッチを入れる。
    「腐肉風情が……こっちは雪遊びしに来たんじゃぁないのサ! 大人しく土に還ンな!」
     ゆるふわパンキッシュお嬢、任侠口調全開である。ゾンビに思考があればその迫力に、やっちまったとか思ったかもしれない。仮に思考力があっても、そんな暇があったかは疑問ではあるが。
     一気に間合いを詰めると、上段に構えた刀を一閃。その一撃は速く重く、類まれな鋭さを見せた。ゾンビの銃剣の刃を断ち切るばかりかその体も袈裟懸けに斬り裂く。序盤に炎を受け燃やされ続けたゾンビの残る力を奪い去るには、十分な一撃だった。
    「すご……」
     思わず漏れたのは誰の呟きだったか。見事な一撃で斬り捨てたゾンビには目もくれず、京音はキッとこちらに向かう残る5体を見据える。そう、まだ敵はいる。無傷なものが5体。
    「ここからは堅実に行くとするよ」
     そちらに目をやり、連夜と、続いて紅朔もやや立ち位置を下げてピアットに並ぶ。2人は周回中の敵が来る前に先にいる5体を倒せた場合、その立ち位置を変えて後半の戦いに望むつもりでいた。残っていたゾンビを一撃で倒せた事で僅かな時間の余裕が生まれた。1分にも満たない時間ではあるが、予定していた態勢の立て直しには十分だ。
    「僕が攻撃を引き付けます。その隙に攻撃を」
     同じく心太も動く。彼は、さらに前に出た。元の体力が高い彼は、今もまだ余裕がある。敵の攻撃をいくらか引き受けて、味方の消耗を減らす心算だ。残るゾンビを迎え撃つ準備は、万全とは言えないにせよ充分に整った。
     克は手にするガトリングガンに視線を落とし、一度深呼吸。自分の中の暗い想念を見るのは少し怖い。そこから目を逸らしそうになる気持ちを抑え、確りと狙いを定めて撃った漆黒の弾丸が後半戦開始の火蓋を落とす。
     相手は無傷。灼滅者達は消耗していると言え、倒したばかりの敵。各個撃破の基本的な方針は変わらない。
     心太は宣言通り、障壁でゾンビを殴りつけ気を引く事で、敵の攻撃を幾らか引き受けて見せた。その分彼のダメージは増えるが、ピアットの放つ治癒の光が支え、それでも足りない分はシールドで守りを固めて凌ぐ。
     連夜のククリナイフに宿る炎は確実にゾンビを燃やし、紅朔の放つ赤い逆十字がゾンビを惑わす。シズクのハンマーが轟音を立てて打ち据えて砕けば、狭霧は冷静に銀の刃が閃かせ影で飲み込み、京音の日本刀がゾンビを深く斬り裂く。コーディくんも克を狙った攻撃を食い止め、克の射撃は一番の精度でゾンビを撃ち抜いていく。
     灼滅者達の戦い方に、ゾンビが付け入る隙は既にない。誰一人倒れることなく、彼らが10体全てのゾンビを倒しきるのは、時間の問題だった。

    ●見送る白き巨人
     最後のゾンビが倒れ、公園に静寂が戻ってくる。
    「冷たかったねー、大丈夫?」
     極道になっていた京音の機嫌は、ゾンビを全て倒した瞬間に直っていた。今はタオルで濡れた髪を拭きながら、他の仲間にもタオルを配って回っている。
    「か、風邪ひきそう」
     タオルを受け取り、克は濡れたマフラーを外す。戦闘中はずっと我慢していたけれど、戦いの熱が過ぎればやっぱり寒い。
    「大きな雪だるま作るの」
     さすがに疲れた様子を見せる者が多い中、ピアットは安心したのか雪玉をコロコロと転がし始めた。此処ならば雪だるまの材料に困る事はあるまい。
    「雪の中から出てくるなんて春と間違えたのかな?」
    「それではまるで虫でござるな」
    「虫は土の中ですよ」
     雪だるまを作りながら今回の敵について発せられたピアットの言葉に、紅朔と心太がそれぞれ答える。そこにシズクが仲間達の元に戻って来た。シズクは疲れを癒すより、ゾンビの纏っていた軍服を調べようと残骸を集めていたのだ。
    「兵隊さんですか?」
     髪を拭きながら、克が駆け寄る。近頃札幌市内で起きてるゾンビ事件の関係には、彼女も気になっていたのだ。
    「旧日本軍、かも。幾つか漢字が残ってるの。大日本……第7師……25連」
    「詳しく調べたら何かわかるんでしょうか」
     シズクが残骸から読み取れる文字を読み上げるが、ボロボロの布地から読み取れる文字は断片的だ。シズクの脳裏にノーライフキングの存在もよぎるが、これだけでは何とも判断しきれない。
    「そろそろ戻らないっすか? 暖かい飲物に有り付きたいっす!」
    「戻ってあったかいもの飲みたいね!」
    「折角来たんだから。敵も倒したし、色々と見て回りたいね」
     考え込む2人に、寒さに耐えかねたか狭霧が声をかけ、京音も暖かいものを飲みたいと同意すれば、さらに連夜も続けた。学校は冬休みなのだから、多少の寄り道は許されるだろう。
    「そうですね。戻りましょうか」
     3人の言葉に克が同意しシズクも首肯する。今回のゾンビの活動がただの偶然なのか、何かの前触れなのかはまだ掴めない。
     確実な事は、彼ら8人が札幌の一角の平和を守ったと言う事実。ピアット達の手でいつの間にか作られた大きな雪だるまが、その象徴と言えるだろう。
     公園に鎮座する雪だるまだけが、街へ戻る灼滅者達を見送っていた。

    作者:泰月 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年12月31日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 5
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