道しるべを君に

    作者:陵かなめ

    「お母さん、90点取ったよ!」
    「どうして百点が取れないの?!」
    「お父さん、お友達ができたの!」
    「あんなガキは、我が家とは格が釣り合わん。すぐに付き合いをやめなさい」
    「お母さん、将来は獣医になりたいと思っています」
    「馬鹿なこと言わないで。どうして由緒正しい我が家から畜生の世話役など出せると思うの?!」
    「お父さん、新作のケーキが焼けたんだよ」
    「男が女々しい趣味を持つな!! 料理道具だと? 全て処分させたぞ」
     そしてあの日、父に勘当を言い渡された。
    「お前はどうして完璧にできない? 男児が料理? 我が家の跡取りが獣医? ふざけおって!! 出て行け」

     僕は一人、アパートで暮らすようになった。父や母は、もう僕に興味が無いのだろうか。噂では、跡取りに養子を取る話が出ていると言う。
     ああ、今日もそれを思うと無性に暴れたくなる。
    「グアァ……アアアァァァァァァァ」
     どこか、知らない廃ビルで、叫んでも暴れても壊しても、足りなくて。
     僕はどうしてこうなってしまったんだろう?
     僕はどうすればよかったんだろう?

    「困ったことになったようなんだ」
     椎名・亮(イノセントフレイム・d08779)は教室に集まった灼滅者達に話を切り出した。隣には須藤・まりんの姿もある。
    「こないだ札幌のゾンビ退治をしたんだけどさ、その後、ちょっと調べてみたんだ。そしたらビンゴ。イフリートに闇落ちしかけてる奴がいるらしいんだ」
     亮はそこでまりんに説明を代わった。
    「その子、九折下・怜(つずらおりした・れい)君はね、小さな頃から名家の跡取りとして厳しく育てられたんだ。けど、将来の夢や趣味のことでどうしてもご両親と折り合いがつかずに、勘当されちゃったの。辛いよね」
     怜は現在、自分の中の獣の衝動に戸惑い、抑えきれない時には廃ビルで暴れてしまっているという。
    「普通はね、闇堕ちしたダークネスはすぐに人間の意識が消えてしまうよ。でもね、怜君は元の人間の意識を遺して、ダークネスになりきっていない状態なんだ」
     もし怜が灼滅者の素質を持つのであれば闇堕ちから救い出して欲しい。
     完全なダークネスになってしまうのであれば、その前に灼滅をお願い、と、まりんは語った。
    「怜君が廃ビルで暴れようとしているところが接触のチャンスだよ」
     怜はまだ人間の姿を保っており、廃ビルに足を踏み入れる時に声をかけ中でじっくり話し合うのが得策のようだ。
     怜にはまだ言葉が通じる。暴れ始める前に説得すれば戦闘力を下げることができ、KOすれば助け出すことができるだろう。
    「怜君はね、ずっとご両親の期待に応えようと頑張ってきた。何とかご両親に自分の思いを理解して欲しいと願ってきた。それは、何よりご両親のことが大好きだったからだよ。だからご両親を否定するんじゃなくて、気持ちの持ちようとか、今後の関わり方を提案できたらいいね」
     むしろ、大好きな両親を悪し様に言われることがあるようなら、心を閉ざしてしまうだろう。
    「戦いになれば怜君はファイアブラッドと同じ力を使ってくるよ。気をつけてね。廃ビルは誰も寄り付かない場所だから、周囲は気にせず存分に戦えると思う」
     伝えることはおしまいだと、まりんは持っていたファイルをパタンと閉じた。
    「怜は苦しんでる。助けてやりたいんだ。力を貸してくれ!」
     最後に、亮が締めくくった。


    参加者
    玖城・隼人(紅蓮騒刃・d01081)
    東雲・軍(まっさらな空・d01182)
    楯縫・梗花(さやけきもの・d02901)
    識守・理央(迷走する少年期のヒロイズム・d04029)
    月見里・月海(純粋なるライラプス・d07093)
    柏葉・宗佑(灰葬・d08995)
    黒蜜・あんず(帯広のシャルロッテ・d09362)
    黒須・誠(黒の十字架・d10536)

    ■リプレイ

    ●衝動の残り香
     廃材を避けながら黒蜜・あんず(帯広のシャルロッテ・d09362)は廃ビルを捜索していた。
     窓ガラスのない窓枠から外の様子を伺うと、また吹雪いてきたようだ。特に今は見ているだけで寒々しいと思う。ビルの中は風が吹かないだけ少しはマシだけれど……。
     辺りを見回せば、粉々に砕けた廃材の欠片が散乱している。
     これが衝動の結果なのか。
    (やりきれないわね……両親に認めてもらいたかっただけなのに……)
     今から出会う少年の事を思い、決意を新たにする。
    (大丈夫……きっと今回も助けられる。あたしはそのために救われたし、たくさんの仲間を救ってきた)
     自分と同じ境遇の人間を、また助けたいと思う。
     夜になり気温がグッと下がってきた。窓から入り込む雪を横目に、あんずは捜索を続ける。
     同じく、廃ビルの一階を捜索していた柏葉・宗佑(灰葬・d08995)は豆助(霊犬)を抱えながら身震いした。
    「雪がすごい。やっぱり寒いね」
     廃ビルの外は、降り積もった雪で真っ白だった。その上に、まだ白を重ねるのか。
     少年……九折下・怜はまだ現れない。
     積み上げられた廃材を見つけ、腰を落ち着けているのは月見里・月海(純粋なるライラプス・d07093)だ。
     足をぷらぷらさせて怜を待つ。
     その隣で、黒須・誠(黒の十字架・d10536)が壁に背を預けて呟いた。
    「悩み成長していくのが青少年のあり方だと思うのよね」
     私たちも含めて……と、笑う。
     廃ビルの中には、識守・理央(迷走する少年期のヒロイズム・d04029)、楯縫・梗花(さやけきもの・d02901)と玖城・隼人(紅蓮騒刃・d01081)も待機している。
     一方、東雲・軍(まっさらな空・d01182)は廃ビルの入り口が見える場所で怜の到着を待っていた。
     ダウンジャケットに雪が積もっている。払っても払ってもきりがないので、ある程度は諦めることにした。
     手袋やマフラーがあるので、寒さは何とか我慢出来る。
     軍は、入口に続く道の先に目を凝らした。
     ゆらゆらとおぼつかない足取りだが、まっすぐ廃ビルに向かってくる人物が見えた。
     少年とも青年とも取れるような、しっかりとした顔立ちの中にどこか幼さをのぞかせる。
    「よぉ、怜だな? 探してたぜ」
    「……探していた? 僕を?」
     ビルの入口に手をかけ、怜が立ち止まる。
     何より、誰も居ないはずの廃ビルへ、夜遅くに入り込もうとしている怜こそおかしいのだが。
     怜は自分の状態も忘れて、訝しげに軍を見る。
    「中で話そうぜ」
     軍が怜を先導するようにビルの中へ入った。
     しばらく戸惑っていた怜も、結局軍を追いかけてビルの中へ足を進めた。

    ●言葉にならない迷い
     すでに怜の到着を悟っていたのか、ビルの中では仲間達が揃っていた。
    「ハロー、まよえる子羊くん。自己紹介しておこっか」
     誠が優しく声をかけると、怜は戸惑ったように一同を見た。
    「東京にさ、同じ力を持つ人の学園があるんだ。僕達は、そこから君を探しに来たんだ」
     梗花の説明に、ようやく怜が口を開く。
    「僕を探していたって言うのは、聞きました。けれど、あなた達は一体? 同じ力を持つとは?」
     質問を重ねながら、怜は入り口から殆ど動かない。かなり警戒しているようで、いつでも逃げられるようにということだろう。
     ともあれ、まずは怜の警戒心を解いたほうがいい。
    「こう言うことだ」
     言葉短く、隼人が怜に向かい合う。
     隼人の左肩から炎が現れた。まるで翼のような、しかし緩やかにたゆたう炎。
    「まさか……、その、炎……」
     驚愕の表情で、怜は隼人の炎を見た。
     それから、炎が出現した光景を当たり前のように眺める面々を見比べる。
    「ああ……、そうか。確かに、同じ……なのか……?」
     炎を見せることで、怜から徐々に警戒心が抜けていったように思う。
    「これで、わかってくれたか?」
     隼人の問いかけに、怜は小さく頷いた。
    「僕達は、今の君のように未熟な能力者を迎えに来たり、戦ったり、勉強したり、遊んだり……君と同じように、悩んだりしてるんだ」
     学園について理央が補足する。
     皆の見守る中、怜はぽつりぽつりと事情を説明し始めた。
     ずっと両親に従うように生きてきたこと、自分の嫌なことを飲み込んできたこと、しかし将来の夢についてどうしても譲れなかったこと。
    「友達はね、居ないんだ。父が僕に似合わないって言って会うのを邪魔したり、仲良くなりかけた相手の家に威圧を掛けたりね。皆、最初は同情してくれたりしたんだけど、結局は離れていってしまった。父に責められたら怖いし、面倒くさいとも思うよ。で、結局僕も、今までそうしてきたように獣医になることを諦めるしか無いのかなって、ね」
     一旦話を区切り、怜は首を振る。
    「いや、違うか、父は自分の望むように進路を希望しない息子は、もういらないかもしれないな。だったら、僕は自由に生きられるわけなんだけどね」
     乾いた笑い声を上げ、自嘲気味に怜が締めくくった。
     どこか投げやりな印象もある。
     このまま放っておけば、怜は遠からず闇堕ちしてしまう。どうにか説得したいのだが、怜はこの現状をどう思っているのだろうか。それが聞きたいと思う。
     話し終えた怜に隼人が問いかける。
    「じゃあ、お前はどうしたいんだ? 親と仲直りがしたいのか、それともこのまま自分の夢に向かって進むか」
     皆が見守る中、怜の答えは簡単だった。
    「わからない」
     どうしたら良いのか、どうすれば良いのか。
     言葉にならない迷いに、怜の表情が歪んだ。
     誰よりも両親のことは良く知っている。
     両親にはじめて逆らって、勘当されてしまった。自分を押し通したい、それを両親に認めて貰いたい。けれど、両親が認めないこともわかっていると。怜は頑なだった。
     けれど、闇堕ちしてしまったら両親と話をすることも将来の夢も失ってしまう。その思いを込めて、月海は語る。
    「あたしは賢いことは言えないんだけど……、怜さんはどうすればいいか分からないんだよね。だったら、他の人に話してみるのがいいよ。思ってることを口に出したら気持ちが軽くなったり、考えがまとまったりするんだから」
    「……」
     答えない怜に梗花が言葉を重ねた。
    「まずは、一人で悩まないこと。ご両親含め、いろいろな人と話し合うといい。ご両親のことばを聞くのも大事だけど、しっかり君の意思を話すんだ」
    「僕の意思か……。けど、僕が何か言ったとして、父や母は今度は本当に僕を……、見限るかも。それが、辛いんだ」
     風が吹かない、雪が振り込まないというだけで、ビルの中は冷え込み寒い。
     誰かの吐いた息が白く天井に上っていった。

    ●動く心
     いっとき訪れた沈黙。
     辛い表情を浮かべる怜に宗佑は穏やかな声で話し始めた。
    「他人の憶測なんて信じられないかもしれないけれど。獅子の子落としってやつじゃないかな。お父さんお母さんも九折下って名前と戦っているんだと思う」
    「父や母も、戦っている……」
     厳しく育てられたことは分かっていた。それが、自分を跡取りとして大成させるために必要なことだと理解もしていたつもりだ。しかし、考えてもみなかったことだと怜は驚いた。怜にとって両親は絶対であり、強大な力を持ち頂点に立つものだ。彼らが揺らぐことなど……、まして何かと戦うなど。
    「子供は親を選べないなんて言うけどさ。ちゃんと選んで生まれて来るとも言うよな」
     偶然であれ何であれ親子である事は変わらないと軍は言う。
    「怜が両親を想うように両親も怜を想ってるから、逆に行き違ったんだよな……正しいかどうかは置いといて」
     言いながら、軍は自分の父親を思う。父に対する感情は複雑で、とても一言では言い表せない。目の前の怜が浮かべる複雑な表情と自分の感情が重なる気がした。
    「そうだね。ご両親は、君のことを思って、厳しく接したのだと思う。そして君も、真面目だから抱え込んだ。誰も、悪くはないんだよ……互いに互いが大切だからこそ、なんだ」
     梗花も、言葉を重ねた。
     軍は言う。
    「今は理解し合うのが難しかったとしても、必ず理解し合えるって俺は信じてる」
     自分もいつか父の事を理解できる日が来るんだろうか。
     軍の真摯な言葉に、怜は何かを感じ取ったようだ。
    「……、信じているか。そうだね。そうだと、いいね……。僕は……」
     自分はどうしたいのだろうか。
     ビルの中を見てみる。そこには、怜が壊した廃材の残骸がゴロゴロと転がっていた。
     壊しても、暴れても、答えはなかった。
     目の前に現れた、同じ力を使うという者達。彼らの言葉に、怜の心から諦めは消えた気がする。
     では、どうすればいいというのか。
     純粋な迷いだけが残った。
     その様子を見て理央が声をかける。
    「今すぐ答えを出す必要はないよ。僕たちはまだ子供だ。時間が解決することもあるし、じっくり考えれば新しいものが見えるかもしれない」
    「……まだ、子供……」
    「悩まなくっても良いなんて言わないけど、想像だけで悩まないで」
     親を大事にしない子もいないけど、子を大事にしない親もいないんだからと、誠は語りかけた。
    「“大好きだ”って親御さんに伝えたことある?」
    「それは……。そういう事を言えない雰囲気というか……」
     父も母も、どこか一線を引いて関わってきた気がする。
    「もしないのなら伝えてみて。大好きなお父さんお母さんに認めてもらいたいって真っ直ぐに伝えてみて」
    「……、真っ直ぐ」
     伝えることができるだろうか。
     怜は皆の言葉に耳を傾け始める。
     宗佑は動き始めた怜の心を感じながら話しかけた。
    「獣医、諦めないで。いのちを救う仕事は尊い。すぐには認めて貰えなくても必ずきみの努力を認めてくれる」
    「努力を、か。両親が見ているのは、僕の結果だけじゃないかな」
     怜の心は揺れる。
     やはり、両親に認めてほしい。彼らの望む自分ではない、怜が選んだ道を行く自分を認めて欲しいのだ。
     けれど両親にはその思いは伝わるだろうか。
     不安、戸惑い、怜の顔に複雑な表情が浮かんだ。
    「手紙を書いてみたらどうかな。言葉では伝えきれなかったこと、届けてみよう?」
    「手紙、か」
     宗佑の言葉を噛み締める。
     今までは、両親とはまともに話をしたことがないのだと、ようやく気がつく。
    「それは今じゃないのかもしれない……、明日かもしれないし、5年後かもしれない。それでも夢に向って真っ直ぐに前を向いて歩いていたらきっと、ちゃんと認めてくれるから」
     だから大好きな気持ちを、諦めないでと言う誠の思い。
    「……。そうだね。一度、両親に……、手紙を書いてみようかな。正直、趣味と進路を認めてもらえる可能性は低いと思うけどね」
     少しだけ前進した怜にあんずが活を入れる。
    「自分の好きなものが誰にでも認められるわけじゃないの」
    「それは……」
     自分が闇堕ちしたのも、きっとそんな理由だったと思う。自身の経験を思い出しながら、あんずは言う。
    「だけど……もったいないとは思わない? 衝動に任せて全部壊しちゃうなんて。やめちゃうなんて」
     周りには、怜の破壊したガラクタが転がっている。
     けれど、何も変わらなかった。
     つまり、この衝動を、受け入れても、何も変わらない?
     怜の身体を炎が纏い始めた。

    ●道しるべを
    「僕達は君を迎えに来たんだ。……一緒に、来てほしい」
     言いながら、理央は武器を構えた。
    「どうか闇に負けないで。大丈夫。俺たちも、同じ生き物だから」
     今にも炎をまとった腕を振り下ろそうとしている怜に、宗佑は声をかける。
    「今ある衝動はあたしたちが全力で受け止めてあげるからね」
     大丈夫、必ず助ける。月海はまっすぐ怜を見据えた。
    「君の、優しい炎を守るよ……大丈夫。僕が必ず、守ってみせるから」
     梗花もまた、戦う姿を顕にする。
     それぞれ仲間達も、怜との距離をはかり戦う準備を整えた。
    「ァアア……、僕……は、ァ」
     限界まで集まった炎を一気に振り下ろす。
     前列に居たものは、各々防御し炎をやり過ごす。
    「戻っておいで! 此処に! 大好きなんでしょうが!」
     誠は声を張り上げ、怜に言葉を送る。
    「このままメレンゲになって消えたくなかったら、自分を取り戻しなさい!!」
     あんずが巨大泡立て器を振り下ろす。
    「アアァァァッァ」
     吹き飛ばされ、怜が叫んだ。内から沸き上がる衝動に応えるように、炎が舞い上がる。
    「……九折下の中に潜むイフリートにはご退場願おうか!!」
     同じように炎を操り、隼人が剣を振り下ろす。
     続けて軍が槍を繰り出した。
    「闇に、自分に屈するな! 戦えッ! 一人で駄目なら、僕の手をとれッ!!」
     まるで友に手を伸ばすようだ。理央がオーラを集中させた拳を怜に叩きつける。
    「……、……たィ……」
     微かに、怜の声がする。
    「僕は……、そこに、帰り……たいッ」
     悲痛な叫びに、月海が応える。
    「あたしたちが助けるから……」
     怜の戦う力は、もう殆ど無いと思う。
     月海は力を抑えながら、怜を気遣い攻撃する。
    「僕は理央。識守・理央。正義の味方で魔法使い。……学園に来たら、きっと友達になろう」
     理央は手を伸ばす。
    「……ァ」
     弱々しい、怜の声。
     カクンと怜の膝が折れ、その場に崩れ落ちた。
     辺りには、壊れ崩れた廃材の山。外からチラチラと雪が振り込む。
     怜は改めて、自分の周りを見る。
    「少しは吹っ切れたかしらね」
     お疲れさん、と、誠が怜の肩をぽんと叩いた。
    「ちょっとは落ち着いた?」
     月海も、明るい笑顔で問いかける。
    「ああ。何だか、とても頭の中がクリアだ。……、ありがとう」
     はじめて、怜が心から笑顔を見せた。
    「とりあえずあれよ。闇に打ち勝った自分の強い心と大好きだって気持ちに自信を持ちなさいよ?」
     まともに見つめられ、気恥ずかしそうに誠が横を向く。怜はその様子を可笑しそうに笑った。
     宗佑がそっと手を差し伸べる。
     俺たちがきみの道しるべになる。
     一緒に行こう。
     重みを分かち合う仲間がここには沢山居る。
     思いは伝わっただろうか。
     怜は確かな意志を込めて宗佑の手を握り返した。
    「皆と一緒に行ってみたい。両親とは、今は距離を取ってみるよ。でもいつか、絶対に僕の思いを理解してもらうんだ」
     怜の瞳に、迷いの色はなかった。

    作者:陵かなめ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年1月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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