高校三年生危機一髪というか危機ピンチヘループ!

    作者:旅望かなた

     センター試験まで、あと少し。
     なのにインフルエンザで寝込んでしまった。
     ついでに電子辞書を落として壊してしまった。
     しょんぼりして寝込んでいるうちに時は過ぎて――、
     
     そして、ついに試験当日。
     見事な白紙答案の山が出来上がっていた。
     めちゃくちゃ難しい数学。
     暗号で書かれている現代文。
     そもそも存在自体が暗号な古文。
     相対性理論を全部説明してくれみたいな理科。
     オーストラリアの歴史を有史以前から原稿用紙100枚で、みたいなムリゲー社会。というかマークシートじゃない。
     クイーンズイングリッシュを要求される英語。
    「できるかああああああああ!」
     そう叫んで鉛筆を投げ出した瞬間、教室中の生徒達が一斉に振り返って。
     ぽんと肩を叩かれ、振り向けば無表情にドアを指さす教官。
    「君、退場ね。全部0点になるから」
     
    「こ、この夢がエンドレスリピートなんだって! ひいいいいマジ勘弁だよね!」
     嵯峨・伊智子(高校生エクスブレイン・dn0063)が思わず震えあがりながら灼滅者達に説明を始める。
     まだ受験までは遠いけれど学生としては人ごとではない。
    「えっと、志田・久門(した・くもん)くんっていう高校三年生の男の子が、試験前にインフルエンザで倒れてしかも電子辞書が壊れちゃって、心が折れかけたところをシャドウに憑かれて悪夢を見せ続けられてるんだよね!」
     そう、テスト当日に、難しすぎる問題に悩まされる夢を。
    「というわけで、このシャドウをばばーんと倒して、心置きなくセンター試験を受けられるようにしてあげちゃって!」
     そうだねもうすぐ試験だもんね!
    「とりあえず悪夢の中にソウルアクセスで乱入して、ばしっと解決お願いするね!」
    「え、解決の内容は?」
    「んー……」
     唇に指を当ててちょっと考えた伊智子は、小悪魔の顔でにこっと笑って。
    「応援とツッコミと実力行使?」
    「あーやっぱり?」
     そもそも解けるわけない問題に、とか。
     いろいろ、ツッコミ入れたい場所はあるだろうし。
     久門は励まして実力を出し切る事が出来れば受かる実力だし。
    「で、なんか久門くんが元気を出したら、シャドウが現れて戦っちゃうから! あと、先生とか生徒は配下だから、ツッコミ入れてる間になるべく倒しとくとあとで楽だと思う!」
     なお、先生とか生徒は、割と弱い。
     近距離単体攻撃あたりでげしっとしたら、下手すると一撃でいける。
     それが、合わせて20人くらい。
    「まま、ソウルボード内ではあんまシャドウ強くないっても流石にダークネスだし、油断せずにいこー! って感じでオナシャース!」
     そう言って、伊智子は灼滅者達を送り出した。


    参加者
    アリス・ヴィントシュティレ(寡黙な暗殺人形・d01211)
    夕凪・千歳(黄昏の境界線・d02512)
    四方屋・非(ブラッドファング・d02574)
    モーリス・ペラダン(奇喜怪快・d03894)
    犬蓼・蕨(白狼快活・d09580)
    マリー・レヴィレイナ(愛がなければ視えない・d11223)
    穹・恒汰(本日晴天につき・d11264)
    凍風・冷華(凍りついた花・d12278)

    ■リプレイ

    「わたしがわからなければ、わかる人がいるわけがない!」
     犬蓼・蕨(白狼快活・d09580)が狼型イヤーデバイスとテイルデバイスを全力でぴーんとさせながら、腕を組んで言い放つ。
    「受験というものは学生にとっては大変な難関……そこにつけこむなんて……シャドウは酷いわね……」
     悪夢はすべて消し去りましょう。そう、シャドウハンターたるアリス・ヴィントシュティレ(寡黙な暗殺人形・d01211)は静かに宣告。
     今回の救出対象、久門の部屋に入りそっと見渡せば。
    「たくさん参考書がある……」
     夕凪・千歳(黄昏の境界線・d02512)がちらりと見渡した限りでも、基礎を強化する問題集がまとめられており、机の周りには応用問題や過去問の問題集がいくつも置いてある。
    「こんなに頑張ってきたのに報われないなんてこと無いようにしてあげないとね」
     千歳の言葉に、深く頷く四方屋・非(ブラッドファング・d02574)。応援団の如き学ランと合格鉢巻が、豪快な動作や言葉に良く似合う。
    「受験かぁ、まだオレには全然わかんねーけど、なんとなく怖そうってのはわかるぜ……」
     穹・恒汰(本日晴天につき・d11264)も考え深げに頷く。武蔵坂学園がほぼエスカレーター式であり、中学二年生の恒汰には受験はまだまだ遠い話だけれど、それでも普段のテストの怖さを思えば。
     小学五年生のマリー・レヴィレイナ(愛がなければ視えない・d11223)にもまだわからない世界だけれど、きっと苦しんでいるのだろうと思う。久門の、ひどく歪んだ寝顔からも。
     だから、アリスは急ぎソウルボードへの道を開いた。早く、彼を助けるために。
    「こんなのさっさと終わらせて帰ろうぜ!」
     威勢よく恒汰が言い放ち、久門のソウルボードへの道へと飛び込めば。
    「……彼にとっては、最も大事な時。助ける力があるのだから、助けてあげないとね」
     ゆっくりと凍風・冷華(凍りついた花・d12278)が頷き、それに続く。表情は変わらなくとも、彼女の想いは久門を助けたいと願う。
    「ところで、危険とピンチがダブ……イエ、ループとヘルプをかけているのがスベ……」
     モーリス・ペラダン(奇喜怪快・d03894)が何事か呟いた。
     ええい誰が滑ったって言うんだ。ループとかなんのことだ。
    「余り言ってはいけマセンネ、ケハハ」
     そしてなんでいつの間にかソウルボードに入っていてさりげなくマルチスイングツッコミなんか入れてるんだ!
     ちなみに彼のビハインドであるバロリは、さりげなく久門の肩を、安心させるようにポンと叩いてから戦いを始めるというサービス精神である。
    「……え、あ、その?」
     難問に頭を悩ませていたはずの久門も、思わず顔を上げて茫然。
     そこに恒汰が飛んで行って、がしがしっとその机の上にある問題に目を走らせて。
    「いやいやいや無理じゃんこんなの! 原稿用紙1枚1分って書けたら超人だし!」
     げらげらと笑い飛ばしながら恒汰がばんばんと隣の生徒を叩く。螺穿槍で。
     当然吹っ飛ぶ隣の生徒(シャドウの配下)。
    「おいこら、そんなことをしたら退場……」
    「分かるか、そんなもん!」
     げしぃ。
     非が思いっきり無敵斬艦刀でツッコミを入れる。一刀両断される教官。
    「というか、こんな悪問。誰も解けないだろ。全部0点なら問題作成者の方が罰せられるぞ、普通」
     豪快極まりない物理ツッコミとは裏腹に、至極真っ当な理論ツッコミ。
     そして思いっきり、蕨が教官を教卓にフォースブレイクで叩き付け、蕨が新試験官として君臨!
    「こんなものわかるわけないじゃないかー! だいたいそこの生徒くんだって落書きしてるじゃない!!」
     蕨さん生徒壁にめり込んでる。
    「難しい数学? ならばシンプルに考えましょう」
     モーリスがニィと笑って、バロリと共にびしりと生徒の一人に指を突きつける。なんかさっき「このくらいの数学、ちゃんと解けないなんて……」とか笑ってたヤツだ。
    「私とバロリが協力すれば1+1が2では無く101デス!」
     距離を詰める!
     まずはバロリの霊撃パンチ――に続いてモーリスが目にも留まらぬ閃光百烈拳!
     吹っ飛ぶ生徒!
    「つまり100倍デス!」
     決めポーズ!
    「……ソウ言う問題では無い?」
     気のせいデス、と自信満々に頷いたモーリスに、みんなはツッコミのタイミングを華麗に逃した。
     ……それって、2分の101倍だから、55.5倍じゃ、ないかなぁ……? 

    「カンニングは禁止だよー!」
     槍を大回転させてさらに捻りを入れてどーん!
     蕨試験官の攻撃で生徒がホームラン!
     ちなみに居眠りしていると永遠の眠りが与えられるぞ!
     黒板は汚かったのでもう大穴が開いてるぞ!
    「と、とりあえず落ち着いて」
    「これが落ち着いてられるかー!」
     ちゅどーん。
    「というか悪夢を見せてる当人の配下に言われたくないぞー!」
     ちゅどーん!
     そんな中、久門の周りには頼れる灼滅者達が集まって。
    「それとサイコロ鉛筆なんてどーだ? オレの得意技!」
    「え、いや、その……」
    「大丈夫大丈夫、これめっちゃ難しいんだろ?」
     恒汰が元気いっぱい笑って、久門の背中をぱしぱし。
    「だったら周りも皆難しいって思ってるって! だから解答欄埋めたら勝ちだ!」
    「そ、そうか! その手があったか!」
     あ、納得しちゃった。
    「な? 超難易度なんだろ?」
    「え、いやそれほどで」
     ばしぃ。
     机に叩きつけられて消える生徒の背後で、千歳がにっこりと笑っていた。
    「そもそも相対性理論の前に、慣性の法則はちゃんと説明できるのかい?」
     にっこり。けれどなんだか、背景がどす黒いのはなんでだろう。
    「え、えっと」
    「お前が0点だ、馬鹿野郎!」
     さらにそこで言い淀んだ生徒を非の斬艦刀が真っ二つに。
    「じゃあ、いっそ世界史で中国戦国七雄の」
    「うおおおおおおお!」
    「そ、それじゃ古文で源氏物語の」
    「どりゃあああああ!」
     ひどい全部気勢でかき消しやがった!
    「流石非さんだ!」
    「俺達には出来ない事を平然と!」
     椅子に乗り机に片足を乗せ、ダブル大物武器で格好いいポーズを決めてドヤ顔する非。
    「大丈夫。一問一問丁寧に解けばいいんだよ」
     その間に千歳が近づき、今度は裏なき素直な微笑みで。
    「……あれは、解いているうちに入るのか?」
    「多分入らない」
     久門のツッコミに一瞬思わず真顔になってから、再び笑顔で。
    「あれだけ努力したことは絶対裏切らないから」
    「……ありがとう」
     まだ少し不安げだけれど、久門がその言葉に深く頷く。
    「私は……まだ小学生だから受験とかわからないけど、基本さえ覚えれば後はそこから応用していくだけよ」
     アリスは静かに久門の瞳を覗き込み、深く頷いて。
    「しかり受験勉強してきたのなら、試験で出題される問題がどんなものか知っているはずデス。一度も見たことのない問題が、出題範囲外から出るわけがありマセン!」
     片言ながら必死の日本語で、マリーが励ましの気持ちを込めて伝える。
    「頑張ってね……」
     アリスがしっとりと微笑む後方で「クイーンズだかキングズだか知りマセンガ私が本場のブロークンイングリッシュというモノを教えてあげマス!」と叫び声が聞こえた。毎度おなじみモーリスである。
     大きく息を吸い込んで。
    「ディス・イズ・クーゲルシュライバー!」
     回り込むようなフック!
     ぶっ飛ばすようなストレート!
     そしてトドメに思いっきりブレイク!
     さりげなく霊障波で追い打ちをかけるバロリ!
    「要は忌が伝わればイイのです!」
     そんな彼の手には、ボールペンが握られていて。
     ちなみにクーゲルシュライバーは『ドイツ語で』ボールペンの意味である。
    「ヤハハ、悩むだけバカらしいデショウ?」
     キメ顔で言い放ったモーリスに、こくこくと頷く久門。
    「英語は簡単……ネイティブ、デス!」
     マリーが笑顔で微笑む。そして、流暢な英語で、落ち着いた優しい口調で話しかける。
    「あ、うん……ありがとう、頑張るよ……!」
     ちょっと戸惑いながらもその意味を理解し、頷いた久門に、マリーは日本語に戻って「私の英語を聞き取れましたカら、ヒアリングはバッチリデス」と頷いて。英語に込めたのは、心からの応援の言葉。
    「今まで頑張ってきたんだろ? 自信持てよ、受かるって! お前のしてきたことは無駄にならない!」
     がはは、と豪快に笑いながら、「ほれ、手出せ」と非は言って、そのまま久門の手を引っ掴んで。
    「わ、え?」
    「やる」
     合格祈願の御守を手の上に乗せ、ぎゅっと手を包んで握らせる。
    「時には考えすぎず、神頼みもいいもんだぞ」
    「……そうだな、初詣も行ったし、御守ももらったしその辺は安心かな」
     ふっと、緊張が解けたように久門が笑顔を浮かべる。
     それに、ぽつりとアリスが口を出して。
    「この夢の問題文はありえないから……解けなくても問題ないわよ……」
    「夢!?」
     驚いた様子の久門に、ゆっくりと冷華が横から頷く。
    「……大丈夫、落ち着いて聞いて。これは悪い夢」
     はっと気づいた顔で久門は、「そうだよな、夢だよな」と繰り返し、一気に明るい表情になる。
    「あなたは今まで、しっかり勉強してきたのだから……解けないはずはないわ」
     その冷華の励ましに、おうと久門は元気よく頷いて。
    「そうと気付いたらさっさと目覚めて勉強しなくっちゃな!」
    「……そうは、そうはさせんぞ……忌々しき灼滅者達め!」
     地の底から響くような声。振り向けばそこに、一体のシャドウが――ざくっ。
    「ぶっふ!」
    「人を試すのは気分良かっただろ?」
     斬艦刀を振りぬいた体勢で、ニィと笑う非。ライドキャリバーのバロッツァが、エンジン音を立てて生徒をひき潰しながら滑り込む。
    「今度はお前が試験を受ける番だ! 耐久試験をな!」
     その言葉と同時に千歳が一気にWOKシールドを輝かせ、エネルギーの盾を一気に拡大する。
    「さぁて、ボスのお出ましだな?」
     くるりと手の中で回した槍を、そのままシャドウのぶよんとした肉体に突き立てて。普段の朗らかさが、好戦的な積極性へと姿を変える。
    「火力は任せろ!」 
     そう叫んで己の力を高めながら次の一撃を狙う恒汰に、アリスが静かに、ゆっくりと頷いて。
    「戦闘開始……目標を殲滅するわ……」
     一気に巻き起こる殺気が、残った生徒達とシャドウを巻き込んで黒く、渦巻く。冷華が素早くその瞳に鎖を集め、未来を見据える超常の瞳へと変える。
    「ドリャー!」
     そしてモーリスとバロリが怒涛のボクシングスタイルで、両端から生徒達を消し飛ばしていく。マリーが敵が動く前にと、ふわりと抜き取ったタロットカードから導眠の力を乗せて飛ばすのは、剣の五の逆位置。奪取。犠牲。行く手には――嵐。
    「ゴールデン・ブレイク!」
     その頃蕨は、思いっきりその、なんだ、男子生徒の急所を狙ってフォースブレイクをぶっ放していた。
    「ぎゃあああああ!」
     これは痛い。
     直視してしまった男性陣にとっても見ただけでなんか痛い!
    「ええい若者は受験に勤しめ! そして苦しめ!」
     それでも必死に抗うシャドウ、配下も含め次々にトラウナックルが炸裂する!
    「はっ、何だコレ……こないだのテストの記憶……!?」
     その生々しい情景に、『理科 16点』『社会 20点』の文字に、恒汰がはっと高圧的な態度を放り捨て頭を抱える。
    「赤点取ったから何だってんだ……追試……!? 追試が終わらねうわああああ!」
     恒汰は混乱した!
    「え、ちょ、ちょっと待ってトラウマ受けたんだから回復するとかうわあああ!」
     そしてシャドウがずたずたにぶった斬られていく!
    「くっ……こ、細かい文法なんていいじゃないですか……喋れて読めればいいじゃないですか……!」
     配下からトラウマを受けた千歳が、ぎりぎりと奥歯を噛み締める。親の仕事の関係で英語は流暢なのだが、その分受験英語をやっていないので中学時代のペーパーテストは悲惨の一言であった。
     ぶっちゃけ今でも苦手意識が大きい。
    「なんてこわい……っ。これはすぐに解除しないといけマセン!」
     マリーが思わず震えあがりながら、ナノナノのりんたろうと共にハートマークと防護のタロットを投げつける。力の正位置、それは強い絆と意志と忍耐力。杯の8の逆位置、それは良くない時期の終わり。
    「おわああああ! 一晩で、一晩で終わらな……あれ」
     思わず叫んだ非が、はっと気づいて武器を取り直す。
    「いや、何となく雰囲気に乗せられたが……そもそも受験の経験ないぞ」
    「え」
    「義務教育だってまともに受けていないしな」
     なんか昏い過去があって云々ってそういえばそんな事実もあったなぁ。
    「うん、あったなぁ……」
     なんで非さんまで遠い目をしてるんですか。
    「ははは、わたしにそんなトラウマなどない!」
     蕨さんそれって勉強なんて意にも介してないって事じゃないですか。
    「というわけでバロッツァ! とりあえず久門守りつつばしっと攻撃して弱ってるのからざくっといくぜ!」
     びし、と親指を立てながら、非がキャリバー突撃をかけながら久門への一撃を受けすっ飛んできたバロッツァにジャンプで跨り、ひき潰しそうな勢いで銃口ごと突撃したかと思えば零距離射撃のブレイジングバーストでぶちのめす。
     無茶振りにもよく応える優秀なバロッツァであった。
    「受験のトラウマ……そんなに恐ろしいものなのかしら……」
     なんか素で乗り切った者達もいるが、トラウマに苦しみながらも振り払おうと頑張る仲間達の姿に、アリスが尊敬と驚きのこもった視線を送る。けれど、本当に驚くのはまた後にしなければ。
     一撃一体レベルの攻撃で配下はもうとっくにぶちのめし、あとはシャドウを灼滅するのみなのだから。
    「ターゲットロック……攻撃……」
     照準をしっかりと合わせ、アリスは漆黒の弾丸を解き放つ。冷華が続けて制約の弾丸を解き放ち、モーリスとバロリが左右から一気に距離を詰めてシャドウを挟み撃ち。
     そしてマリーの防護符でトラウマを癒してもらった恒汰も、必死に深呼吸。
    「行くぞ! 罪なき受験生を、解放してもらおうか!」
     その一撃と共に、シャドウの体が弾け飛ぶ!
    「くっ……受験時期、覚えてろよ……!」
     そんな不穏な言葉を残し、しゅおんとその体は消えて行く。
    「ヤー、苦悶をしたので大丈夫デス……ナンテネーデス」
    「……あぁ」
     一応モーリスの洒落をなんとなく納得しつつ、久門に別れを告げソウルボードを後にする灼滅者達。
     今回割と多い海外出身者は、いまいちピンと来ないかもしれない。
    「……頑張ってね」
     冷華が、そっと久門の背に手を置いて。そして彼の手の中には、非が夢の中で渡したのと同じ御守を握らせて。
    「ところで、この悪夢が長引いたせいで当日寝坊とかはないよね?」
    「大丈夫デス、あと一週間ありますカラネ!」
     蕨の疑問に、モーリスがぽむとその肩を叩いて。
     ――そう。
     安らいだ寝顔になった彼は、きっと目を覚まし――上手く、いく。

    作者:旅望かなた 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年1月12日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 11
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