ノースランド・ゾンビども

    作者:君島世界

     彼は雪中ランニングが好きだった。大好きだった。
     踏み固められたアイス状の雪を、スパイクブーツでがりがりと砕いていく感触も好きだったし、逆に新雪をざくざくと踏み分けていくのもたまらない。重い靴をはいたままの縄跳びはその加重が心地よかったし、全てのメニューを終えて眺める万歩計のカウントは、彼に運動の尊さを感じさせた。
     その日も彼は、早朝からお気に入りのコースである広い公園を走っていた。野球場が二つも入ったこの公園の敷地内の、半分以上雪に埋もれた遊具のある広場が、今日の彼の目的地だった。
     駆け足を腿上げに変え、ナップザックからロープを取り出す。そのまま休憩も挟まず縄跳び運動を始めたとき、……それは現れた。
     ――ゾンビ?
     数にして十体は下らない。肉は腐り落ち、目はらんらんと獲物を狙う、そんなゾンビとしか言いようのないものが、いきなり雪を砕いて現れたのだ。
     対するその男は、運動用の三つの道具しか持ち合わせていない。何の前触れもなく現れたこのとっぴな非日常に、スポーツ大好き男の生存を掛けた戦いが始まる――。
     
    「――まあ、その男の人は必死に逃げ出して、なんとか生き残れたみたい。んで、ゾンビのほうは公園を横断して、閉鎖中のグラウンドに立てこもってるんだってさ」
     須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)は立て板に水のように説明を続ける。今回の依頼は、北海道に現れたゾンビ集団の撃退だ。
    「で、そのグラウンドね。そのマウンド……普通ならピッチャーがいてバッターにボールを投げる所あたりに、ゾンビが十体まとまっているの。近寄るものには襲い掛かってくるけど、外野くらいまで逃げ出せば追いかけては来ないから、今のところは被害にあった人はいないよ」
     次いで、まりんは敵のフォーメーションについて説明を始める。
    「ボスっぽい強力な一体がいて、そいつは一番後ろ、スナイパーとして、基本は物を投げて攻撃をしてくるの。それは手裏剣甲のサイキック相当の効果を発揮するよ。
     他の九体はストリートファイターに似た素手攻撃をしてくるよ。クラッシャーに五体、ジャマーに四体だね。弱った人から攻撃してくるとか、ある程度は連携してくるから、こちらも負けないように集団行動を心がけてね」
     ふと、まりんが教室の外を見た。窓の向こうには、クリスマス以来の雪が降り出している――この勢いなら、もしかしたら積もるかもしれない。
    「あ、思い出した。現場の北海道は雪ですごいことになってるけど、灼滅者の皆は雪に足をとられたり、寒さで動きが鈍くなったりはしないよね、っと。
     それじゃ、さくっと行ってパパーっとやっつけちゃってね! がんばれ、みんな!」


    参加者
    藤堂・悠二郎(闇隠の朔月・d00377)
    篠崎・結衣(ブックイーター・d01687)
    フラン・レンナルツ(中学生シャドウハンター・d02065)
    月雲・彩歌(月閃・d02980)
    文月・咲哉(ある雨の日の殺人鬼・d05076)
    桐屋・綾鷹(和奏月鬼・d10144)
    下総・水無(フェノメノン・d11060)
    風舞・氷香(孤高の歌姫・d12133)

    ■リプレイ

    ●不死の囚人
     一面、積雪に埋もれた閉鎖グラウンド。一見平和に思えるこの場所は、しかし非常識な何か――ゾンビどもによって占拠されていた。
     やつらはマウンド付近の狭い範囲を徘徊しつづけており、その部分だけ黒く地面が見えているほどだという。あちらから積極的に襲い掛かってくるというわけではないようだが、放置もならぬということで、武蔵坂学園が灼滅者たちを派遣した、というわけだ。
    「この時期の北海道だと、結構寒さが辛いイメージがあったんですけれど……鎖の効果かしら、それほどでもないですね」
     月雲・彩歌(月閃・d02980)は、棒立ちになって体温を逃がさないように、踵で足踏みの感触を何度か試しつつ言う。その間に見る公園内の眺めから故郷雪国を思い出し、彩歌はふと郷愁に浸った。
     そんな彩歌の隣には、初の作戦戦闘ということで緊張を隠せずにいる桐屋・綾鷹(和奏月鬼・d10144)がいる。
    「話によれば、現場はおしくら饅頭ならぬおしくらゾンビですか……。入りたくも無いですね」
     そんな不気味な集団で暖を取るのはごめんだと、綾鷹はESP『寒冷適応』を発揮する防具を選んできていた。その襟から顔だけ覗かせているのは、綾鷹のナノナノ『サクラ』だ。
     そのサクラに手を振って、しかし全身を引っ込められたことに、風舞・氷香(孤高の歌姫・d12133)は残念そうな微笑を浮かべる。氷香の着るドレスはかなりの軽装であったが、寒い地域出身である彼女自身が寒いのには強いのだという。
    「なんであれ、一般人に被害が及ぶ前に倒しましょう。雪遊びにはよい場所のようですし」
    「しかし、こんな寒い日にも飽きずに出てくるなんて、ゾンビには別の意味で感心しちゃうよ、ボク」
     言いつつ、スピードを緩めとろとろ進むライドキャリバーに横座りになっているのは、フラン・レンナルツ(中学生シャドウハンター・d02065)だ。行儀よく揃えたその指先は、よく見ればわずかに震えているのが目に見える。
    「……寒いのは嫌いですのに、何でこの季節にゾンビが現れるのでしょう……と、愚痴っても仕方ありませんか」
     篠崎・結衣(ブックイーター・d01687)は文字通りマフラーに埋まったまま呟く。口元が吐息に温まるのは便利に思いつつ、それ以上は積極的に口を開かない――独り言は続けようがないからだ。
     その風情を知ってか知らずか、下総・水無(フェノメノン・d11060)が言葉を繋いだ。
    「まさか野球がやりたい、なんてことは無いでしょうし。……あーあ、意思の無い死人相手ではテンション上がりませんねー、殺し屋的には」
     と、伸びをしながら話す水無の行く先に、ようやく目当ての閉鎖グラウンドが見えてきた。工事中につき立ち入り禁止、と掲示されたフェンスの奥を覗けば、確かに問題のゾンビどもがたむろしている。
    「遮蔽物の無い場所に立て篭もりとはな。拠点にゃ向かんだろうに……。『仕方ない、行くとするか』」
     最後の言葉こそが、彼の封印解除コード。文月・咲哉(ある雨の日の殺人鬼・d05076)は開封された愛刀『十六夜』の鞘を手に、強引な横蹴りでフェンスを倒し開いた。
     一瞬のノイズを叫び、鉄柵は抵抗なく雪に沈む。その上を踏み越えて、続く藤堂・悠二郎(闇隠の朔月・d00377)もまた己のスレイヤーカードを取り出し、軽く口付けた。
    「さあ、プレイボールだ。悪いけどコールド勝ちさせてもらうよ」
     悠二郎は引き出したロケットハンマー『流星撃』を軽々と回し、肩に担ぎなおす。指差すのはゾンビども――それらは気配に気づき、今や遅しと侵入者迎撃ポジションについていた。

    ●切込隊長
    「先手を取りましょう! サクラ、援護を!」
    「ナノッ!」
     雪原裂いて疾走する綾鷹と、その胸から飛び出したナノナノ、サクラ。サクラはくるくると回りながら上昇すると、最高点で両の翼足を広げた。
    「ナ~~ノ~~ナ~~ノ~~~~ッ!」
     力を込めた鳴き声と共に現れるのは、身の丈の何倍、何十倍もありそうな竜巻だ。雪を巻き上げ、敵陣へ襲い掛かるその威力を迂回するようにして、綾鷹はなおも走り続ける。
     その姿勢から綾鷹は、花札を模した護符揃え『五光遊戯』から札を指先に引き出した。見れば絵柄は鶴にうぐいす、桜の絵符――これぞと思い、綾鷹は気合とともに投げつける。
    「役揃いて、彼の敵をまどろみの淵に誘わん! はっ!」
     綾鷹の放った導眠符が中衛を追いたて、サクラの竜巻が前衛を払う。間髪いれずに、次いで結衣が白いマフラーをたなびかせてゾンビどもの群れに急接近した。
    「……次、あのぽっちゃり系ゾンビ。行きます」
     結衣に指摘されたとおりの容姿を持ったゾンビは、先の竜巻で最も大きなダメージを受けた個体だ。狙われていると知り、たじろぐそのゾンビと接触する数歩直前、結衣は全力で足元の雪塊を蹴り上げる。
     巻き上がる白い雪煙は、周囲と混ざりゾンビの視界を溶かした。前方周囲を閉ざされたゾンビは、その立ち込める幕の裏、一瞬黒い影がよぎった部分に全力の拳を叩きつける。
    「!? グオワァッ!」
     しかし、空振った。そちらとは反対側、雪は煙らず本来なら向こうの景色が見えているはずの方角から、染み出すようにして結衣は龍砕斧と奔り、切り抜ける。
    「……死角は生きている時と変わりません、か」
     振り向き、斧を返さず下段に構える結衣の眼前で、バランスを喪失したゾンビが形ごと崩れ落ちた。
    「グウゥ……、ヴォオオアアアア!」
     数を頼るゾンビは、徒党を組んで一人の灼滅者に襲い掛かろうとする。タイミングと方向をわずかに違え、倒れこむようなそのゾンビの連続攻撃を、しかし後方にとんぼを切って回避する巧者がいた。
    「……なるほど、明確な司令塔はなし。どいつもその場の空気ってやつか、面倒くせえ」
     着地した咲哉は、そう冷静に判断していた。休む暇なくボスゾンビから投げつけられるガラクタを側転で避けると、その先にいる仲間、悠二郎に手を挙げて気づかせ、協働を促す。
    「了解しました。では俺と文月さんで、挟殺の形になりますね」
    「自信があればゲッツー狙っていくぞ。手っ取り早い」
     同意を確認した二人は、呼吸を合わせてグラウンドを駆け出した。司令塔がないのなら、優先すべきは『弱っている個体』だ――!
     先を行くのは、手の内の柄を雪面に擦るほど身を低くした咲哉だ。前方下向き、常人なら転倒するほどに傾いたバランスを疾走で補い、急停止からその勢いを鞘に隠した刀先に全て叩き乗せる。
    「囲まれる前に、この初手一刀へ全力を掛ける!」
     ゆらぎなく、水滴のような弧を斜めに描いて、咲哉の日本刀が閃いた。切られた鯉口の反射光が網膜から消えぬ内に全ては終わり、バックステップする咲哉へ追いつこうとして、ゾンビの上体が泳ぎ、地に落ちる。
    「ほらどうした、しまっていけよ? じゃないとかっ飛ばしてやるからな」
     次のターゲットをめがけ、敵陣を横断していく悠二郎。掴み止めようとやたらに伸ばされるゾンビどもの腕を、足さばきとロケットハンマーの振り回しでいなし、狙うゾンビの至近にたどり着く。
    「狙うよ、ホームラン!」
     そしてついに、悠二郎は切り札の噴射ロケットを点火した。一息の溜めから跳ねる様に振り上げられたハンマーは、ゾンビの真芯を捕らえ高々と打ち上げる。
    「おおりゃあああぁぁぁっ!」
     数十メートルの高さにまで舞い上げられたゾンビは、空中で弾けるように灼滅された。地に落ちるまでには完全な塵となり、雪の白を汚さず風の中に消える。

    ●大打撃戦
     灼滅者の猛攻に晒され、あるいは催眠で同士討ちを繰り返し、ゾンビどもは一体また一体と倒されていった。その決壊しつつある堤防の裏側に立つボスゾンビは、しかしまるで義務であるかのようにマウンドを守り、様々なガラクタをこちらへ投げつけてくる。
     一投、己に向かったガラクタを、水無は魔力を込めたマテリアルロッドで打ち払った。それは接触地点で直撃の軌道からわずかにずれ、背後に爆発を上げる。
    「(……あ、面白いこと思いつきました)」
     唐突に思い浮かんだアイデアを、水無はさっそく実行に移した。反撃として、周囲にボール大のマジックミサイルをいくつも浮かべていく。
    「お返しです。……ヘイ、ピッチャー! 油断してるとライナーいきますよ!」
     水無は手元のミサイルを自分のスイートスポットに据えて、なんとそれをマテリアルロッドで叩き発射したのだ。続けざまにミサイルを打ち出すその姿は、まさに地獄メニュー千本ノックを繰り出す鬼コーチ。
    「――これが、私の魔法です。痺れるでしょう?」
     両手持ちのマテリアルロッドは、快音と手応えをもって彼女に効果の程を語った。とはいえさすがはボスというべきか、全弾を顔面で受け止めながらも、ボスは再度中腰に構えてガラクタを手にする。
    「寒いのに元気だなぁ……。あれ、もう死んでるんだから、ゾンビに元気ってのもおかしいかな?」
     フランはそんなはてな顔のまま、バスターライフルの装填を続けていた。コッキングレバーを引き、流れ作業で肩に構えて照星を合わせる。
    「じゃ、ボクはボスのほうにまわろうかな。キャリバー、キミは前列に圧力かけててね」
     エンジン音の返事を残して、彼女のライドキャリバーは命令を実行した。ばら撒かれる銃弾の射影や音をも感覚の外に追いやって、フランは照準に集中していく。
     ふ、とボスとフランとを繋ぐ光条以外のものが、刹那、彼女の世界から消えた。その後響いた轟音は夢の名残のように聞こえ、しかしボスゾンビはフランの攻撃にもかかわらず立ち続けている。
    「……異常なほどのタフさですね。……近寄れないと話になりませんか」
     雪原を動き回り、この戦いを広範囲から見つめてきた氷香が言う。
     今戦っている仲間たちの内には、近接距離にこそ最大ダメージをたたき出すサイキックを備えている者も多い。メディックとして動いている氷香だが、今は敵陣を崩すべき時だと、そう判断した。
    「……援護します。……さあ『唄』を紡ぎましょう――」
     足を止めず、弓手に天星弓『氷風の舞』を持ったまま、氷香は朗々と歌を奏でる。本来恐るべき誘惑の魔曲に魅かれたか、狙われるゾンビが歌い手を地にさらおうとその腐手を伸ばしてきた。
    「――――♪」
     しかし、たおやかに歩むその身は、裾も飾り布の端すらも無粋の手に触らせはしない。声は至近、氷香を飾る蒼と碧の武器がまるで協奏でもするかように、唄は高らかに響き渡った。
    「最後の、一体っ! ……これで、ボスの守りもなくなったようですね」
     氷香の前に膝を突くゾンビを横目に、彩歌も自分に殴りかかってきた別のゾンビを斬り捨てる。これで前中衛に立っていたゾンビは全て灼滅され、今度こそ、の思いを込めて、彩歌は銘刀『斬線』をふるい、切っ先に滑る腐った血を落とした。
    「安らかに眠れないその状態が、既に十分厄塗れですか……。ならば災禍ではなく、あなたにはせめて――」
     刀身に纏う清浄な霊気が、ケガレを自然と祓っていく。まるで手入れしたばかりのような輝きを取り戻す斬線を、彩歌はボスゾンビの至近にて、淀みのない動きで『納刀』した。
    「――終わりを」
     ……はたして、何時斬り落としたのか。そして吹く風は、二つのものを揺らし、流した。一つは彩歌のつややかな黒髪、もう一つは骨と筋肉の支えを失った、ゾンビの首……。

    ●戦い終わって
    「あ、終わった? 終わったよね! やった、ボクらの力でゾンビ退治せいこーう♪」
     最後のゾンビが灰と化したのを確認し、フランはライドキャリバーに寄りかかったままに両手を挙げた。元通りの秩序を取り戻したマウンドの上で、ふと悠二郎が真剣な目をする。
    「……高校に上がったら、野球やってみようかな」
     先の戦いで、悠二郎には何か思うところがあったのだろう。
     ともあれ戦いは終わったのだ。残された時間を、灼滅者たちはそれぞれに有効な活用を行っていた。
    「あのゾンビ、拠点を作っているような感じでした。そういう依頼の話は、最近よく聞きますが……」
     現場の周辺、特に呪術的な痕跡や模様などは無いかと探す結衣。死者をまた殺すような戦いは、こなしても気持ちのよいものではない。
    「ああ、そうだな。さて、この公園はここ……、と。他の依頼との位置関係はどうなってるかな」
     咲哉は広げた地図に赤くポイントし、それぞれの共通点を探そうとする。黙して語らぬ紙上のデータを見透かすように、咲哉はじっと眺めていた。
     グラウンドを片付けながらの調査も一通り終えても、スケジュール上ではこの公園から離れる刻限までには余裕がある。ベンチに座り、静かになったグラウンドを感慨深く眺めていた彩歌が、ふと側の水無に誘いを掛けた。
    「他に何にもなーい広い雪の原っぱを見てますと、……久しぶりに雪遊びとか、してみたくなりますよね?」
    「あら、話のわかる方なのですね、彩歌ちゃん。折角の北海道ですし、……依頼はアレでしたし、楽しい思い出でもないと来たかいがありませんよねえ」
     と水無は落ち着い答えるものの、内心大歓迎でその申し出を受ける。ベンチから立ち上がり、それでは何を、と問いかける水無の背後に、話を耳ざとく聞きつけた仲間たちがやってきた。
    「それじゃあ俺は、肩慣らしに雪合戦を希望しておくよ。みんなは?」
    「……雪うさぎ程度なら。寒いので、なるべくこちらに雪球を投げないでくださいね」
    「かまくらって中に入ると暖かいんだよね? お昼寝できるかなあ」
    「ええ、みんなで大きなかまくら作って、七輪囲んで。楽しかったなあ」
    「仕方ない、面倒臭いが俺がひとっ走りして火元の用意を……いや、あるのか?」
    「サクラはすこしお疲れですか? では、ここらでゆっくり休憩しましょうか」
    「ナノナノ!」
    「え、結局かまくら作る流れなんですか? 普通に雪だるまか、雪合戦かなって思ってたんですけど――」
    「――さて水無ちゃん、雪を集めてきましょうか。レフト方向、まだ新雪同様ですよ」
     順に、悠二郎、結衣、フラン、彩歌、咲哉、綾鷹、サクラ、水無、そして氷香となる。残ったわずかな時間に彼らは、全員が入れるサイズのかまくらを作りあげてしまうのだった。
     そんな楽しい時間も、気づけばあっという間に過ぎてしまうものだ。ふと時計を見た氷香は、姿勢を戻して一行に言った。
    「……そろそろ、戻りましょうか。……どこかに美味しいものを食べに行きたいですし、お土産も買わなくちゃ、なので」
    「さて、北海道の土産ですか……。寒鰤にしましょうかね? まるごと一本で」
     という雪に濡れた袖を絞りながらの綾鷹の言葉に、詳しい者はおおよその価格を思い浮かべてため息をつく。だが、その値段を掛けるほどの価値は、きっとあるはずなのだろう。
     戦いを終えた彼ら灼滅者たちは、和気藹々とした雰囲気で帰途につくのであった。

    作者:君島世界 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年1月23日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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