その少女、世界を壊す『ラグナロク』!

    作者:空白革命

    ●ありふれた女、神津零梨。
     日本社会に暮らす多くの大人達にとって、学校という場所は想像に難くなく、一度は足を踏み入れている空間だろうと思う。
     故に終業のチャイムの音もまた容易に想像がつこうものだ。
     その想像をもう少しだけ進めて、まばらに席を立つ男女の高校生徒の姿を思い浮かべて欲しい。
     どこにでもあるような学ランの男子生徒たちと。
     どこにでもいるような制服姿の女子高生たちだ。
     長く使われ過ぎて微妙に傷の目立つ木材とパイプの椅子に、ワンセットの机。
     若干凹凸の目立つ木目の床と、開けるたびにガタガタと音の鳴る引き戸。
     そんな、誰にとっても想像しやすい、ごくありふれた教室が『彼女』の日常風景だった。
     彼女。名を神津・零梨(かみつ・れいり)。
     名前の響きから『カミツレいり』などと覚えられ、ニックネームも自然と『カミツレちゃん』になりつつある。
     高校一年。あと数か月で二年生。
     長い黒髪と(控えめに述べるならば)標準的な体型をし、学業成績は中の上。
     それなりの数の友達と、それなりの数の悪友と、それなりの数の天敵をもつ、ごくありふれた女子高生である。
     彼女が時折窓の外を眺めてはぼうっとした顔をするのも、年齢から考えればやはりごく普通のことだろう。
     ただその時間が、人より少し多いだけで。
     夕暮れ時になると、なぜだかぼうっとした気持ちになるのだ。
    「カミツレちゃん、またタソガレてる」
    「ん……あ、そう?」
     丸眼鏡にショートカットの、どこかふんわりとした女子に声をかけられ、神津はついていた頬杖を外した。
     振り向いて見れば、相手の顔が近くにあった。
     螺螺・愛子(つぶら・まなこ)。零梨のクラスメイトであり、良き友人である。
     眼鏡の奥できゅうっと目を細める愛子。
    「もしかして恋の悩みぃ? 青春だねーぇ。やっぱり幼馴染でお隣さんの『彼』かなァ?」
    「やだ、違うって。それよりごめん、待たせてた? 帰ろっか」
    「うんっ!」
     大きくうなずいて、学生鞄を後ろ手に持つ愛子。
     二人はいつものように教室を出て、どうでも良いような雑談を交わしながら、そう長くない帰路についたのだった。
     いつものように。
     いつものようにだ。

     他人の家と言うのは、実際に入ってみなければ分からないもので、知らぬ人の家庭は想像しにくいものだとは思う。
     しかし神津家は予想に反して分かりやすい。
     黒縁の眼鏡をかけた人の好さそうなひょろりとした父親。
     髪を後ろで縛った優しそうな母親。
     そしてつぶらな瞳の柴犬。
     新興住宅地のなかほどにある二階建ての一軒家に住み、父の帰宅時間はおよそ8時。夕飯は必ずみんなで食べる決まりがある。
     一般的な尺度はさておいて、おおよそ想像に難くない……乱暴に言ってしまえばどこにでもありそうな家庭だった。
     零梨はいつも通りに夕食を終え、自分の部屋ですこしばかり休憩してから宿題を軽くこなし、入浴やその後の気怠い時間を過ごしてから、やはりいつも通りにベッドに入った。
     ここだけは不思議な話かもしれないが、零梨が……というより神津家が、今までこの『いつもどおり』なサイクルから外れたことは無い。友人知人に話して不思議がられることはあるものの、うちは規則正しい家族なのだろうと、彼女は納得していた。
     ただ、何故だろう。
     眠りに落ちる寸前や、家でぼうっとしている時などにしばしば、妙な違和感を覚えることがあった。
     それはまるで、ここが自分の家でないような、別の家族が自分にいるかのような、地に足のつかない、ふわふわとした感覚だった。
     勿論、世の中にそんなファンタジックなことがそうそうある訳がない。
     彼女も規則正しい家庭事情と同じく、思春期に起こる何某かの情緒なのだろうと、納得していた。
     納得していたのだ。
     彼女はこれまでの十数年間。
     納得して、過ごしてきたのだ。
     だから――。

    ●そして生まれるラグナロク
     神津零梨という女子高生がいた。
     家族を失い、思い出を失い、拠り所であった友やクラスメイトも失い、彼女に残されたのはただただ膨れ上がった力だけだった。
     どこにも行くあてなどなく。
     どんな未来も絶望的で。
     永久に続くであろう孤独を想い。
     彼女は、闇に堕ちていった。

     この世に『ラグナロクダークネス』が生まれた日の、ことである。

    ●エクスブレインは告げる
    「神津・零梨という少女が、強大なダークネスに変わる。それが、俺達の見た予言だ」
     武蔵坂学園の教室。
     エクスブレインの神崎・ヤマトが、灼滅者達に振り返って告げる。
    「事の起因にはヴァンパイアが影響しているらしいが、通常の事件よりも重大な破滅を引き起こすであろう理由は、神津・零梨という少女が、普通の少女では無かった為だ……」
     すこしあって、ヤマトは続ける。
    「サイキックアブソーバーは、彼女の事を『ラグナロク』と呼んでいた。ラグナロクというのがどのような存在か、今のところはまだ曖昧としている。
     狂乱するサイキックアブソーバーから引き出せた情報は3つ。
     彼女は『特殊肉体者』、つまり一般人である事。
     闇堕ちした彼女は、其の名の如く大規模な破滅を齎す事。
     そして最後のひとつが……」
     部屋の明かりが灯り、周囲が照らされていく。
    「破滅はまだ起きていない。それは変えることのできる未来だ。
     最後のひとつは、彼女の闇堕ちを『抑制』する方法についてだ」
     にわかに、周囲の灼滅者達が色めき立つ。
    「彼女には、体のどこかに『契約の刻印』が刻まれている。
     これは、日々膨れ上がる膨大なサイキックエナジーに対する、彼女自身の無意識の抑制心が具現化したものだ。契約の刻印とはつまり、彼女自身の心の壁なのだ。 
     これが『彼女自身の希望の喪失』と共に破壊された時、彼女は闇堕ちしてしまう」
     静まり返る武蔵坂学園の教室。
    「逆に、彼女が自ら、誰かへの信頼や愛情をもって心の壁を破壊したならば、彼女の内に眠る膨大なサイキックエナジーは、彼女を変質させることなく、契約の刻印を通して外部に放出されるようだ」
     つまり今回の主目的は、『神津零梨に接触し、信頼関係を築くこと』という訳か。
    「これは長期間の作戦になる。ヴァンパイアの作戦を事前に破壊してしまうと予知情報が使えなくなるので、ある程度は奴等の企みに乗る必要もある。だが、ヴァンパイア共の陰謀を水際で食い止めつつ、彼女との信頼関係の構築も行なってくれ。
     彼女が心の壁を取り払うことができたならば、彼女は『もっとも信頼する1人』を選び、無意識のうちに自らの刻印に触れさせるだろう。それができれば、成功だ」
     ヤマトは改めて、灼滅者達に向き直る。
    「ヴァンパイアの陰謀を阻み、彼女自身の未来を拓いてやってくれ。頼んだぞ」

    ●このシナリオは『ドラゴンマガジン』連動シナリオです
     このシナリオは、1月19日に富士見書房から発売された『ドラゴンマガジン3月号』との連動シナリオです。
     このオープニング内容は、断片的なものになっています。
     幸せに暮らし、学園生活を送っていたはずの少女、神津・零梨がなぜ、どのような事件に巻き込まれて数多くのものを失い、ラグナロクダークネスとなろうとしているのか……。その経緯は、ドラゴンマガジン3月号で詳しく語られていますので、そちらをお読みください。
     ドラゴンマガジンは、全国の書店やインターネット通販サイト等で購入できます。
     また、このシナリオのリプレイは、3月19日に発売される『ドラゴンマガジン5月号』に掲載され、全国書店で販売されます(PBWでの公開は、5月号の発売日以降になります)。

     また、この結果は富士見書房から刊行されている「サイキックハーツRPG」のサプリメントの内容にも、影響を与えます。

    ●このシナリオは『参加無料』です
     みなさん気軽に右下の『参加する』をクリックし、参加してください。
     参加者は必ずリプレイで描写される訳ではありませんが、冒険の過程や結果には反映されます。今回のシナリオでは、プレイングの内容によって十数人程度を選抜し、描写する予定ですが、それ以外の人のプレイングも、作戦の成否に大きく影響を与えます。

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     キャラクター作成も無料です。
     https://secure.tw4.jp/admission/


    ■リプレイ

     世界を壊す少女『ラグナロク』の事件を追う上でなくてはならない存在。
     それは灼滅者である。
     天を駆け、凶弾を薙ぎ払い、闇を切り裂く者たち。
     彼らが『ラグナロク』神津零梨を救出する上で、どんな活躍をしていたのか……。
     これは、そんな英雄憚の端々をつなげた、物語の一側面である。

    ●第一作戦、『ラグナロク培養事件』より(その1)
     ――ヴァンパイア世田谷禍也によって仕組まれたラグナロク培養所。
     強化一般人によって作られた『かりそめの故郷』はある日突然、少女零梨に牙をむいた。
     そんな事件に、武蔵坂学園の灼滅者たちは果敢に介入を始めたのである。

     神津零梨に襲いかからんとした強化一般人の体に、細い鎖のようなものが巻き付いた。
     それだけではない。彼の周囲を高速で飛び回り、腕や足を次々と拘束していくではないか。
     先端に赤い宝石をつけた、どこからともなく伸びてきた鎖である。ダウジングペンデュラムという振り子型の道具に近いが、間違ってもペンデュラムは人を拘束するための道具ではない。
     コツンと、子供用の赤いパンプス靴が道路を叩いた。
    「く、くそ……たかが十人かそこらで何ができる! こちらは百人あまりの強化一般人を……!」
     彼女は……灰咲・かしこ(d06735)という小学一年生の少女は、手元に振り子を引き戻し、ぶらんと再び地面に垂らして見せた。どういう理屈か、鎖だけは男に巻き付いたままだ。
     年齢不相応な口調で、顎を上げる。
    「言っておくが、この『作戦』に当たっている人数は、千人だ」
     彼女に続くように、たくさんの足音が近づいてくる。
     夜闇を裂いて現われる光のように。
     雨の降る雲間に覗く光のように。
     花弁を開いた雌しべが初めて見る陽光のように。
     それは燦然と現われた。
     彼らの名を。
    「『灼滅者』、という」

     ――こうして始まったラグナロク培養所鎮圧作戦。
     灼滅者たちはなみいる強化一般人たちを前に、怒りと悲しみを力に換え、挑みかかるのであった。

    「はいはい、あなたの隣の殺人鬼! 葉月十三、ただいま参上です!」
     葉月・十三(d03857)という、ワイシャツには白衣を羽織った青年が、民家の屋根にたっていた。
     両手をズボンのポケットに入れたまま腰を折って顔を突き出し、体を妙にねじり片眉を上げる。そしてまるで機械のように感情のない顔をして、彼はゲラゲラと笑ってみせた。
     その異様さたるや、一般生活を送っているとはとても思えないが……ところがどっこい彼は高校一年生である。
     東京は武蔵野市に存在する『武蔵坂学園』、それが彼……いや、彼らの母校である。
     小中高エスカレーター式の当校はしかし、というかやはり、常人の通う学校ではない。
     非、常人。それも『灼滅者』という超常の力をもった者だけが通う、世界でも非常にまれなコミュニティなのだ。
     しかし、そんな特殊性をもつ彼らの活動が世間へ派手に露呈することはない。その理由はおいおい語っていくとして……。
    「神津さん、カツミレさん? まあどっちでもいいとして、あなたの歪んだ運命を殺しに来ましたよ、っと!」
     十三は屋根から飛び立つと身体を上下反転させてスピン。ポケットから大量のメスを抜き、一斉に投擲した。
     メスといえは切開手術などに使う刃物のことだが、これはただの刃物ではない。十三の影が摩訶不思議に具現化し、鋼のようになったものだ。
     それは十三の眼下に群がる連中へ次々と突き刺さっていく。連中とはつまり、零梨を殺そうとしていた近隣住民たちだ。
    「あ、ぐ、あああっ……!」
     眼球へ深々と刺さったメスを引っこ抜き、うめき声を上げる老人。
     しかし、彼らももはや人間ではないのだろう。無事な方の目で、着地した十三を睨みつける。
     対する十三は無表情のまま、今度は大げさに体をのけぞらせて言った。
    「偽りとはいえ、神津さんと過ごした日々まで偽物だったのか? そんなマリオネットみたいな人生楽しいか!? 心があるんなら抗え、でもって俺が殺してやる。そのクソッタレな人生をブッ殺してやる!」
    「知ったような口を叩くな、若造が!」
     老人はステッキの柄を十三へと投擲した。横向きに回転して飛ぶステッキはしかし、十三にぶつかることはなかった。
    「若造か……まあ、そうだよな」
     それはさながら、大きな鳥が獲物をさらっていくかのような光景だった。
     鮮やかで、それでいて豪快な。
    「俺ら全員、誰一人とっても大人になれた奴なんていない筈だ。なんつっても学生だからな。分からねえことだらけだよ。実際、因数分解とか意味わからねえし」
     確かに彼には翼が生えていて、猛禽類のような鋭い目をしていた。そういう意味では鳥だったのかもしれない。
     しかし彼の翼は炎でできていて、空を飛ぶことはできなかった。だから鳥ではないのだろう。
     敷島・雷歌(d04073)。
     彼らのような人間を、炎の血を流すもの……『ファイアブラッド』という。
     雷歌はキャッチしたステッキを握力だけでへし折ると、胸ポケットより一枚のカードを取り出した。
     老人へと一歩ずつ歩み寄る。
    「でもな、もっと分かんねえことがある。あのカミツレってやつのことだ」
     カードはいつの間にか剣になっていた。手品のように、名刺サイズより一回りほど大きいくらいのカードが、二メートル近い大剣に変わっていたのだ。
     大剣はやがて炎をまとい始め、彼の赤茶けた髪と目も相まって、炎そのものが迫ってくるような光景に、老人はごくりと息をのんだ。
    「お前ら、十年近くあいつと暮らしてきたんだろ。楽しかったり、苦しかったり、泣いたり笑ったりしてきたんだろ。そうやって生きてきた時間が幻だと? ふざけんじゃねえ!」
     炎がいっそう燃え上がる。雷歌は地面を蹴り、炎のように吠えた。
     老人は懐から裁縫バサミを取り出して飛びかかってくる。それに連動するように、シャープペンシルを握った小学生や包丁を振りかざした主婦たちが前後左右より飛びかかってきた。
    「見失ってんじゃねえよ、縛られてんじゃねえよ! お前らまとめて、『元』に戻してやるからな! ……いくぜ、オヤジ!」
     身体ごと一回転した雷歌の大剣は、老人たちを全員まとめて跳ね飛ばす。
     同時に、彼の背後から現われた霊的な存在、ビハインドが荒れ狂う霊障波を連射しはじめる。
     いや、彼らだけでは無い。灼滅者たちはおのおのに武器をたずさえ、戦いの中に飛び込んでいった。

     ――この後、強力なヴァンパイア世田谷禍也の強襲によって灼滅者たちはピンチに陥るが、勇敢さと類い希なる観察眼を持った少女の抵抗により禍也は撤退。
     住民たちの半数近くを死なせてしまったものの、神津零梨の両親をはじめとするごく親しい人間たちは人の心を取り戻し、『ただの人間』へと戻っていった。
     こうして事件は収束し、平和な時が訪れる……と、思われたが……。

    ●第二作戦『クラスメイト一斉闇堕ち事件』より(その1)
     ――神津零梨が親しい住民たちに襲われるという事件が収束してから数日。
     まるで眠りに落ちる瞬間を遮るかのように、そして正確に計られたかのように、神津零梨のクラスメイトが一斉にヴァンパイアへ闇堕ちするという事件が勃発した。
     灼滅者たちは彼らを倒すべく……そしてなにより友情を取り戻させるべく立ち上がったのだ。

     町中、喫茶店前。
    「ぶっ飛べ」
     それは野球帽に野球服の、見たまんまな野球少年だった。
     服装を裏切ることなく、彼は野球用の金属バットをフルスイングする。
     しかしバットはなんと、少年の腹部へと叩き込まれたのだった。
     『灼滅者』、那賀・津比呂(d02278)は身体をくの字に曲げ、こじゃれたカフェテラスを飛び越え、大きなガラス戸を突き破り、柱に衝突。しかし勢いは止まらず柱をへし折り、身体を複雑にスピンさせながら更に後方にある壁を破壊。キッチンと思しき場所でワンバウントすると、ガス台へと派手に激突した。
    「あんにゃろ、なりたてだっつーのにどういうパワーだよ……!」
     津比呂は頬についた生クリームを親指で拭い、ペロリと舐めた。
    「どういうって、『ダークネス』のパワーだよ。お前ら『灼滅者』の何倍もあるっつー、な!」
     野球少年は球体のオーラ(オーラとしか言いようのないエネルギー体である)を右手の上に浮かべるとバットスイングでもってかっ飛ばしてきた。
    「何倍って何倍だよ、自慢じゃねえが数学苦手だぞ俺は!」
     津比呂は素早く立ち上がると、高速で迫るオーラ球めがけてバットを構えた。
     バットと言っても釘バット。野球にはまず使わないアイテムである。
     それをいい加減なフォームでスイング。オーラ球は釘バットに接触し、ぐにゃりと変形。
    「あ、違ぇ! 算数だコレ!」
     釘バットを振り切る津比呂。明後日の方向へ跳ね飛んでいくオーラ球。
     野球のルールならファールだが、戦闘ならば話は違う。津比呂はすぐさま反撃に出ようとする……が、ふと異変を感じた。
     振り向いてぎょっとする。ついさっき激突したガス台から、思い切りガスが漏れていたのだ。
     直後、津比呂を巻き込んで爆発。
     飛ばされてきたルートを逆戻りして、津比呂はカフェテラスへと転がり出た。
    「お前……なんでそこまで必死に抵抗すんだ? ハッキリ言えば他人事だろ」
     尻を突き上げる形で俯せに倒れる津比呂を見下ろして、野球少年は帽子のつばをつまんだ。
    「馬鹿、男なら理由は一つだろ」
     ニヤリと笑う津比呂。
    「乙女のピンチに駆けつける! 好感度上がる! そうすれば……あのおっぱい様にタッチできるかもしれないだろ!」
    「お、お前……!」
     野球少年は目を血走らせ、大きく見開いた。
     がしりと手を握る。
    「だよな!」「おう!」
     この瞬間、男の友情が生まれた。
     悲壮感とは何だったのか。

     ――ダークネスと灼滅者の戦闘が起こったのは町中だけでのことではない。
     むしろその戦いは、零梨の通う学校でこそ激化したのだ。

     校舎三階、渡り廊下。
     普段なら生徒たちが平和に行き交うその場所で、二つの拳が正面から激突していた。
     一方は玖珂・双葉(d00845)、シルバーアクセサリーをじゃらじゃらとつけた黒髪の『灼滅者』である。
     もう一方は護摩木・不動、上半身裸の上に直接学ランを羽織ったヴァンパイアである。
    「粘るじゃねえか、そんなに『ラグナロク』が欲しいかよ!」
    「『ラグナロク』ぅ? こちとら女の子を一人助けてえだけだ、見くびんな!」
     双葉は空いた拳を振り上げると、鎖をぐるぐると腕へ巻き付けた。最後はナックル代わりに拳で握り込み、不動の顔面に叩き込む。
     が、同時に不動の拳が双葉の顔面へとめり込む。
     お互い、左右へと身体を跳ねさせ、周辺の窓ガラスが外向きに砕け散った。
     その途端、汐崎・和泉(d09685)が渡り廊下の端から駆け込んで来る。
     腕周辺に小型のエネルギーシールドを展開すると、拳を覆うように装着。双葉が直線上から外れた瞬間を狙って急加速し、不動めがけて全力のパンチをぶち込んだ。今度は窓ガラスどころではない。床ごと破壊して和泉たちは校舎三階の高さから落下した。
     が、それで終わるほどダークネスと灼滅者は小さくない。
     和泉はポニーテールにした金髪を暴風に靡かせながら、祈るように両手を組んだ。むろんお祈りの為などではない。組んだ両手を高く掲げ、拳から激しい炎を吹き上がらせた。
    「目を覚ませ、『ただの日常』ってのは、そんな簡単に捨てていいものじゃなかった筈だ! 生きるってのは、そういうことじゃないのか!」
     両手をハンマーに見立てて不動へ叩き込んだ。
     自由落下を超える速さで地面に叩き付けられる不動。
    「四季咲、やれ!」
    「どの四季咲?」
    「全員だ!」
    「何……!」
     膝立ちで起き上がった不動の周りを、三人の少女が囲い込んだ。そして、彼の頭上を覆うように跳躍し、上下反転する四季咲・玄武(d02943)。
     玄武は蛇型の影を無数に実体化させると不動の腕や足へと巻き付けた。
    「行くよ、お姉ちゃんたち!」
    「四季咲四姉妹!」「四重!」「灼滅地獄!」
     火炎放射、ビーム射撃、オーラシュートが三方向から同時に叩き込まれる。まさに集中砲火である。
    「ぐおお……!」
     不動はがくりと膝をつき、その場に倒れ伏した。
     遅れて、和泉と双葉が彼のそばに着地する。
     まだ意識があったのか、それとも根性故か。不動は拳を地面に突き立て、ゆっくりと身体を起こした。
    「トドメを、刺さねえのか」
    「まあな。俺らは別にお前を殺したいわけじゃねえ」
     耳に小指を突っ込みつつ双葉は言った。
    「さっきも言ったろ、俺は助けたいだけなんだよ。お前とか、神津とか……」
    「というか、さ」
     指輪のついた指を鉄砲のように突きつけ、玄武が彼の顔を覗き込む。
    「聞かせてよ、君の気持ち。クラスのことも、カミツレちゃんのことも別にいい。君がどうだったのか、聞かせて」
    「……ちっ」
     不動は穏やかに笑うと、目をつぶって俯いた。
    「俺の負けだ、マジでよ」
     彼らの戦闘にそんな決着がついたところで、校庭に自転車が停まった。
     豪快にドリフトしながらブレーキをかけ、砂埃を盛大に巻き上げての駐輪だが。
     自転車から降りる泰三。
     その瞬間、彼の自転車が吹き飛んだ。
    「なっ!」
     振り返り、目を見開く泰三。空中をくるくると回転しながら飛んでいく自転車が見えた。
     だがそれ以上に、『彼女』の姿が目についた。
    「螺螺愛子……」
    「うん、そうだよ」
     眼鏡をかけた、小柄な少女。
     神津零梨の親友にして、ヴァンパイアに墜ちた少女。
     学校の屋上から、大砲の弾のごとく豪快に着地した、少女。
     愛子は振り向き、ニッコリと笑った。
     笑って、固まった。
     別に、突如石にされてしまったわけではない。(確かに灼滅者の技にはそういうものはあるが)
     強いて言うなら、思考が石化したのだ。
    「えっと、人違いじゃなかったら……榎本くんだよね?」
    「いかにも俺は榎本泰三だ。この三日間別のクラスの生徒と名乗ってお前に接触してたけど、あれは嘘だ」
    「嘘だったの!? 制服違うしみんなが変な目で見てるからおかしいなって思ってたけどあれ嘘だったの!?」
    「いかにも嘘だ。そしてお前が好きだ、付き合ってくれ」
    「つっ……!」
     愛子はまたも固まった。石化じゃなく。
     こうもダイレクトに反応してくれると、泰三も思い切ったかいがあるというものだった。彼は元々、あまり喋る方ではない。
     愛子は両手をばたつかせると、顔を真っ赤にして叫んだ。
    「あの、状況分かってる? 私ヴァンパイアで、榎本君は灼滅者で、今学校を壊そうとしててね」
    「分かってる。お前は俺が絶対に守ってやる、だから安心しろ!」
    「分かってなぁーい!」
     愛子は両手で頭を抱え、うあーとか言いながら空を見上げた。
     悲壮感とは何だったのか。

     ――灼滅者の結束と魂の叫びにより、多くのクラスメイトは闇に飲まれることなく救われたのだった。
     そこに悲壮感はなく、最後には笑顔があったという。
     しかし、このように計算され尽くされたかのようなタイミングで事件を起こしたヴァンパイア世田谷禍也……彼の計画が、ここで終わるとは思えない。

    ●第三作戦『ラグナロク・ダークネス覚醒事件』より(その1)
     ――世田谷禍也の真の狙いは神津零梨の闇堕ちである。
     そう。彼女を絶望させるため、両親や近隣住民に牙を剥かせ、級友に襲わせ、心を病みに落とすという作戦……しかしそれは作戦の最表面に過ぎなかった。
     彼は何者かの邪魔が入ることを予め想定し、神津零梨が絶望へと至る布石を丁寧に丁寧に置いていったのだ。
     それは例えば救出した灼滅者たちへの疑心暗鬼であったり、トラブルに巻き込まれるにつれて覚醒が進むラグナロクパワーへの恐怖であったり、何より『起こってしまった事実』へのどうしようもない失望であった。
     それらが一気に花開き、彼女の闇堕ちはついに始まってしまった。
     『ラグナロク・ダークネス』神津零梨を救うべく立ち上がる一千人規模の灼滅者たち。
     同じく彼女を自分たちの女王とすべく最後の杭を穿ちにかかる百名にも及ぶヴァンパイア結社。
     壮絶な戦いの火ぶたが、切って落とされたのだった。

    『こちらチームSG、防衛網突破されました!』『こちら行灯愛好会、これ以上は命がもたん。撤退する!』『お兄ちゃん闇堕ちしようとしてる、誰かとめて!』『星空芸能館一同……ごめん、こっちも、無理……』『メカぴ研及びご当地の友混合チーム、こちらも撤退します、ごめん……』『負傷した者は撤退しろ、間違っても闇堕ちなんかするな。味方の被害が増えるだけだぞ!』『こちら吸血研究会、俺たちまだ無事だ。戦えるやつは合流してくれ』『チームAileです、誰か、誰でもいいから来て!』『死んじゃう、みんな死んじゃうよお!』
     イヤホンから聞こえる無線通信に、いや悲鳴に、ジャック・アルバートン(d00663)は瞑目した。
    「状況は芳しくないか……第一作戦に千人、第二作戦にもまた別の千人……」
     ジャックは学園野中でも肉体派で知られる男だ。筋肉の鎧に包まれた屈強なボディは頼もしさに溢れていたが……いまや、その体はボロボロだった。大剣を杖のようにつき、動かなくなった片腕と片足を庇いながら立っている。軽く咳き込み、大量の血を吐いた。
    「今回の作戦に関しては、二千人は参戦しているはずなんだが、な……」
    「ふうん……たったそれだけか?」
     相手は、いわゆるゴスロリ衣装を着た少女だった。ずいぶんと幼い容姿の、なんなら幼女と呼んでもいい外見だ。しかし……彼女の両手には重火器が握られていた。右と左に合わせて二つ。二丁拳銃……ではない。
     GAUー8アヴェンジャー。平たく言うと、戦闘ヘリに搭載される機関銃である。それを二つ、両肩に担ぐように装備していた。
     片眉を上げて、幼女はシニカルに笑って見せた。
    「今回の作戦に関しては、百人しか参加してないはずなんだが、な」
     これが『なりたて』のヴァンパイアと熟練したヴァンパイアの違いである。神津零梨のクラスメイトたちは闇堕ちからそう経っていないからこそあの人数で制圧できたが、熟練した連中を相手取るとなると絶望の方が先に来る。
     今現在における、灼滅者とダークネスの関係をよく表わしていると言えた。
     そんな状況で、ジャックはにやりと笑う。
    「叫びがいがあるってもんだ……なあ?」
     ジャックは剣を振り上げ、全身全霊を使って幼女へと躍りかかる。
    「ロックンロォール!」
     襲い来る弾丸を身体で受けて、ジャックは幼女のすぐそばまで接近する。そんな彼の腹に銃口が押し当てられた。
    「クレイジーだぜ灼滅者、死なない程度に殺してやる」

     ――絶望的な戦力差を必至に耐え続けた灼滅者たち。
     その間にも何百人という若者たちが神津零梨の心へ呼びかける。
     結果、神津零梨はギリギリの所で自分を取り戻し、闇堕ちをキャンセル。
     世田谷禍也の計画は阻止されたのだ。
     そうしてついに、抑えし力を解き放つ禍也。
     計画を強引にでもすすめようとする彼を止めるため、灼滅者たちは現在使える全戦力をもって対抗したのだ。

    「へぇ、受け入れちゃったんだカミツレちゃん……あんな自分を、あんな絶望的な現実を……それだけ、『君たち』が頼もしかったって、ことかい?」
     世田谷禍也。
     彼は地面から十メートルほどの高さにある大時計に腰掛けていた。
     ただ腰掛けているわけではない。彼の周囲にはレイピアや機関銃やハンマーやといった様々な武器が浮遊し、彼自身からも光や影が入り交じった複雑怪奇なオーラがわき出ている。臨戦態勢なのだ。
     しかし余裕はあるのだろう。オーラで作った肘掛けで顎肘をつき、優雅に足を組んでみせる。
     目を細め、禍也は言った。
    「僕の計画はね、彼女を十数年育て上げて、『立派に』絶望してもらって、ラグナロク・ダークネスに目覚めて、僕らの女王として迎え入れる筈だったんだよね。だって言うのにさ、灼滅者なんかと仲良くしちゃって、絶望を克服なんかしちゃって、ダークネスの力を受け入れちゃってさ……自分の力に、しちゃうんだからさ。あんまりだよ、カミツレちゃん」
     そして禍也は、近くにあったハンマーを手に取った。
    「このままじゃあ失敗どころじゃない。人類に希望が生まれることになる。悪いけど……彼女には死んでもらうよ」
    「そうはさせない」
     と言ったのは、誰だったか。もしかしたら、全員だったのかもしれない。
     校庭に集まった数百人の灼滅者……だけではない。これまでのすべての事件に参戦したおよそ三千人の灼滅者がそこにはいた。
     百名あまりのヴァンパイア結社のメンバーたちが死屍累々に倒れている。
     たとえ世界の支配者であるダークネスといえど、三千人の灼滅者には勝てなかった。そういうことだろう。
     しかし……たったひとりのダークネス。
     結社を束ね、高度な計画を実行した強力なヴァンパイアである禍也となれば、話は違う。

     ――ヴァンパイア『鎌ケ谷禍也』、一名!
     ――VS
     ――『武蔵坂学園』灼滅者、約三千二百二十名!
     大戦勃発!

    「チームPKN、到着したよ! あれを倒せばいいんだね!」「同じくチームHKSP、全員戦えるよ!」「どーも、レトロゲーム部も生き残ってますけど、いけますよ。あと三分くらい」「仮眠部だ。とりあえず何したらいい?」「いいから全員撃ちまくれ!」
     容赦のない機関銃射撃やビーム射撃、火炎放射に魔法の矢に手裏剣にオーラショットに影の刃にチャクラムにと、ありとあらゆる射撃攻撃がない交ぜになって禍也へと殺到した。
    「はっはー、何それかゆいよ!」
     禍也は一度に四百四十四個のエネルギーシールドを展開。全弾防ぎきると、相手の中心へとまっすぐ突っ込んだ。そう、弾丸のごとくまっすぐである。
     直後、禍也を中心とした周囲数十メートルが爆発。数百人の灼滅者がいっぺんに吹き飛んだ。
    「大丈夫かみんな!」「死ぬかと思った!」「チーム藍屋、無事です!」「三途の川が見える……」「誰かこいつ引き戻せ!」「ヒャッハーけが人は消毒ダァ-!」「誰かこいつ帰らせろ!」「チーム、世紀末ロストリンクのものです、ほんとごめんなさい!」「チームSGまだいけます!」「しぶといなお前ら」「同じくチーム星葬、反撃準備完了!」
    「楽しそうだねえ?」
     首をかしげる禍也。彼を囲むように……いや、彼を中心とした三百六十度×百八十度の全方位を覆い尽くす灼滅者たち。
    「我らご当地の友、見せ場だぞ! 者どもであえー!」「ノリノリですねえ」「あいつらだけにご当地ヒーロー代表みたいな顔させんな、いくぞ!」
     数にして百八十七人の少年少女が空中で同時にキック態勢をとると、禍也めがけて一斉に突撃する。
     それは命中した、命中したが……。
    「すごいね君ら、かすり傷だよ!」
     レイピアを持ってくるんを回転する禍也。ただそれだけでらせん状の衝撃波が発生。攻撃していた灼滅者たちは五百人ほど纏めて天に放り投げられた。
    「こちらチームフィニクス、援護します!」「実力差がハンパないぞ、勝てるのか?」「バカ、何のために三千人集まったと思ってるんです!」「何のためだっけ……」「あのおっぱいに惹かれてつい」「青少年らしさ晒してないで攻撃しろ攻撃ぃ!」
     屋上からダイブする者、禍也を遠巻きに囲む者。それぞれが独特の構えをとると、すさまじい炎をあげて禍也へと突っ込んだ。その数三百二十二人!
     驚くほど巨大な火の鳥となり、禍也へと炸裂する炎。
     しかし禍也は力強く大地を踏みしめ、地面から四百台近い高射砲を出現させた。炎を伴ったすさまじい射撃を浴びせられ、半数以上が撃墜される。
     余った炎は禍也に浴びせられたが、それでも彼はピンピンしていた。
    「チーム銀月です、援護するので負傷者は下がってください!」「相手を一人と思うな、巨大ロボとでも戦ってるつもりでいけ!」「無茶言うなや!」「はいはい殺人鬼連合いきますよーっと!」
     禍也によって開かれた空白地帯におびただしい殺気が満ちた。それも実体をもって相手を死に至らしめるという、まか不思議な物理的殺気である。しかもそれが五百二十四人から一斉に浴びせられたのである!
    「いいじゃん、でも……まだまだあ!」
     死神のような大鎌と騎馬用のランスをそれぞれ両手に持つと、禍也は灼滅者の一軍へと突撃。大量に跳ね上がった砂埃をさらに吹き飛ばすように、七百人の灼滅者がはね飛ばされていく。
    「ひなたぼっこ部、まだ生きてるわね? 手伝って!」「吸血研究会、援護する! 僕らにとっても宿敵だ、全力でいくぞ!」「即席ダンピール連合、一緒にやらせてください!」「OK、これが最後の見せ場だと思ってぶち込め!」「いわれなくともお!」
     禍也の前方で赤いオーラが輝く。数にして三百六十四! そのすべてが禍也めがけて突っ込んで来るではないか! 執念故か、全弾彼の体を貫通し、大量の血をぶちまけさせる。
     だが、しかし!
    「あーぶないあぶない……」
     口から漏れた血を舐めて、禍也は微笑む。その直後、周辺一帯を濃い霧で覆った。ただの霧ではない、魔力をもった霧である。禍也は巨大なグローブを両手にはめると、霧の中を縦横無尽に駆け回った。
     そして霧が晴れた時には、八百人近い灼滅者が倒れ伏していたのだった。
     だが、禍也とてこれだけのダメージを受けて無事でいられるわけはない。その場にがくりと片膝をついたのだった。
     灼滅者の力で、高位のヴァンパイアに膝をつかせたのだ!
    「少しは楽しかったよ。悪いけど、もう終わりにするよ」
     どこからともなく降ってきた、全長十メートルほどの巨大ビームライフルを片手でキャッチ。そして右から左へ、ビームを横薙ぎにぶっ放した。
     そして……!

     ――神津零梨たちが自転車をこいで現場へと到着したのは、その直後のことである。
     彼女たちは禍也との最終決戦に挑み、見事勝利。
     自らを受け入れ、そのうえで他者を受け入れるに至った零梨は完成されたラグナロクとなり、ヴァンパイアに打ち勝ったのだ。
     そして、神津零梨をめぐる大きな事件は、幕を閉じたのだった。

    ●未来のためのエピローグ・アウトサイド
     ヴァンパイア組織のトップであり『ラグナロク』を巡り策謀を巡らせた少年、世田谷禍也は跡形もなく消滅した……と、思われていたが。
    「あーあ、負けちゃった」
     高速道路を走るダンプカー。その真上に少年が腰掛けていた。暴風をまるで感じさせずに、涼しい顔で空を見上げている。
    「ねえカミツレちゃん。今日は確かにいいことがあったかもしれない。でもこの先、きっとつらいことばかりだろう。今日のことなんて笑い話にしちゃうくらい、苦しい目に合うと思う。そして何度も心が折れちゃって、死にたくなったりすると思う。でもさ……」
     ぱたんと寝そべり、ほほえんだ。
    「君はそうやって、強くなっていけるんだね」
     弱くても、不幸でも、どうしようもなくても……それでも、いいんだね。
    「君は……君たちは、不完全なまま、寄り添っていくんだ」
     彼の行き先はわからない。
    「バイバイ、武蔵坂学園のみんな。カミツレちゃんを、頼んだよ」


    !重要連絡!
     このリプレイは、PBW参加者の為に書き下ろされたものです。
     このリプレイの元となる物語は、ドラゴンマガジン2013年5月号にて掲載されていますので、是非、ご覧下さい。

    作者:空白革命 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年3月19日
    難度:難しい
    参加:3222人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 385/感動した 41/素敵だった 34/キャラが大事にされていた 26
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