銀閃

    作者:牧瀬花奈女

     虫の声が聞こえる。
     昼は比較的静かだった山の中は、夕になるとにわかに騒がしくなった。
     顔の周りに近寄って来た蚊を頭を振って追い払い、少女は口元を引き結んだ。
    「おねえちゃん、帰りたいよぉ……」
     少女と手を繋いだ少年が、そう言って鼻をぐずぐず鳴らす。
     二人は、迷子だった。
     好奇心に任せて入り込んだ山は、幼い姉弟にとっては迷いやすい地形だった。帰り道を探してうろつく内に、辺りは夜へ近付いて行く。
    「もー! 年長さんなんだから、泣かないでよ!」
     そう言って弟に頬を膨らませる少女も、年の頃は小学校に上がったばかりといったところ。少しずつ暗くなって来る山道が不安なのは、彼女も同じ筈だった。
    「とにかくね、てっぺんまで行けばあとは下りるだけなんだから。そしたら帰れるんだからね! 泣かないの!」
    「う、うん……」
     少女がそう言って強く手を引くと、少年は空いた方の手で目を擦り頷いた。
     彼女の言う『てっぺん』は、そこからそれほど遠くはなく。二人は程なくして、山の頂上にある広場にたどり着いた。もしかしたら、彼らはそこから自力で帰り道を見付けられたかもしれない。
     遊具のいくつか置かれたその広場に、何もいなければ。
    「おねえちゃん、あれなに?」
     滑り台の近くに素早く動く影を見付け、少年は首を傾げた。けれど少女が、弟の問いに答える事は無い。風の吹くような音を立てて二人との距離を詰めた影は、瞬きする間に少女の喉をかき切っていたのだ。
     そして、少女を裂いた銀の閃きが少年に襲い掛かるのは、彼が姉の身に起こった出来事を理解するよりも先だった。
     
    「皆さん、揃ってますね。では説明を始めます」
     五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)は集まった灼滅者達を見ると、そう言って微笑んだ。
    「今回、皆さんには、はぐれ眷属の討伐をお願いしたいんです」
     姫子の告げた場所は、ある地方都市の外れにある山。そこで迷子になっていた幼い姉弟が、偶然に鎌鼬のテリトリーに踏み込み、殺されてしまう未来が感知されたのだという。
    「未来予測によると、皆さんが現地へ着くのは、二人が鎌鼬のテリトリーに入ってしまうより、ずっと前です。まずは、この二人を山から下ろしてあげてください」
     幸い、この姉弟は人懐っこい。大きな声で話しながら歩いたり、ラジオを鳴らしながら歩いたりすれば、迷子の心細さも手伝って、向こうから灼滅者達に近付いて来てくれるだろう。
     山から下りて二人を大きな通りまで連れて行ってやれば、後は自分達だけで家まで帰る事が出来る。鎌鼬のテリトリーへ向かうのは、それからでも遅くはない。
    「鎌鼬がテリトリーにしているのは、山の頂上にある広場です。数は10体。そのうちの1体は、強い力を持つボス格の個体になります」
     この1体が、他の9体を率いているみたいですね、と姫子は付け加えた。
     何事も無ければ、広場へ着くのは日が落ち切る前。照明は特に必要無いだろう。広場にはいくつか遊具が置かれているが、戦いの邪魔になる事は無い。
     鎌鼬の武器はその名の通り、鎌と化した前足。素早い動きと共に繰り出される刃は、時に一人を、時に一列をまとめて切り裂く。しかしその刃は、後衛にまでは届かないようだ。
     ボス格の個体はそれに加え、一人の足首を切り裂き、灼滅者の回避率を下げる能力も持つ。しかもこの攻撃だけは、後衛にまで届くという。
     戦いが始まると、鎌鼬たちはおおよそ3列に並ぶ。ボス格の個体がいるのは、いちばん後ろの列だ。
    「通常の鎌鼬は、普通のイタチくらいの大きさですが、ボス格の個体だけは人間の大人くらいの大きさがあります。体力と攻撃力も通常の個体より高いので、注意してくださいね」
     そこまで言うと、姫子は改めて灼滅者達を見た。
    「数は多いですが、そこまで強い相手ではありません。皆さんで力を合わせれば、きっと勝てると信じています」
     頑張ってくださいね、と微笑んで、彼女は灼滅者達を見送った。


    参加者
    秋篠・誠士郎(流青・d00236)
    歪・デス子(非売品・d00522)
    片瀬・悠人(高校生ストリートファイター・d00746)
    夕月・輝(愛書狂と読書狂の残念なお嬢様・d00939)
    ベルデ・ビエント(虜獣・d01067)
    錠之内・琴弓(色無き芽吹き・d01730)
    新城・七波(藍弦の討ち手・d01815)
    ゲンガー・シャルフリヒター(暗影に蠢めきし狂演者・d06815)

    ■リプレイ

    ●捜索
     灼滅者達が到着した時、山は夕の橙に染まりつつあった。近くの茂みに潜んでいるらしい虫たちが、競うように様々な音色を奏で始めている。
    「この依頼……2度、山にのぼることになりますね、面倒な」
     これから登る事になる山へ目をやって、ベルデ・ビエント(虜獣・d01067)は呟いた。とは言っても、幼い子供が二人だけで歩き回れる程度の山。道行きがそれほど困難になる心配は無いだろう。
    「まだ、灯りは必要無いみたいですね」
     周囲の様子を確認し、新城・七波(藍弦の討ち手・d01815)が、念のためにと用意した照明に触れる。同じくLEDランタンを持参した夕月・輝(愛書狂と読書狂の残念なお嬢様・d00939)も、そうですねぇ、とのんびりした口調で頷いた。そろそろ日が短くなって来る時期ではあるが、太陽が山の向こうに落ちてしまうまで、まだ時間がある。
    「よし、暗くなる前に行こうぜ」
     そう言って一歩を踏み出したのは片瀬・悠人(高校生ストリートファイター・d00746)。彼に続いて、灼滅者達は山の中へ足を踏み入れた。
     山道の傾斜は緩やかだが、木々の葉で陽光が遮られる分、視界は暗くなる。
     幼い子供ガこんナ山道に入ルとハ感心しナイけどネ。仲間に続いて歩きながら、ゲンガー・シャルフリヒター(暗影に蠢めきし狂演者・d06815)は胸の内で呟く。特に変わった所の見えない、ごく普通の山だが、何か子供心をくすぐるものがあったのだろうか。
     風に撫でられ、木々がざらざらと葉ずれの音を鳴らす。はぐれ眷属の話を聞いていなければ、とても長閑な光景に見えたかもしれない。
     悠人がラジオのスイッチを入れ、ボリュームを上げる。賑やかな音楽が周囲に響いた。
    「うーん、迷うって怖いことですよねぇ……」
     ノイズ混じりの音に負けないよう声を張って、輝が言う。そうだなと相槌を打つ秋篠・誠士郎(流青・d00236)の足元には、霊犬の花が寄り添っていた。
     仲間の言葉に頷き、返事をしながらも、錠之内・琴弓(色無き芽吹き・d01730)は辺りに注意を払う事を忘れない。そんな灼滅者達の最後尾を、歪・デス子(非売品・d00522)が静かに歩いていた。
     学校のこと。部活のこと。気候のこと。そんな他愛の無い話をしながら、彼らは山道を行く。もちろん、周辺への警戒は忘れずに。
     がさがさと、何かがこちらへ近付いて来る音が聞こえたのは、琴弓が小さな子供でも知っている童謡を披露し始めた頃。灼滅者達が思わず足を止め、様子を窺えば、幼い子供が二人、彼らの前に飛び出して来た。
    「人だー!」
    「ひとだー!」
     小学校に上がったばかりと思しき少女と、彼女によく似た少年が、ほぼ同時に同じ言葉を口にする。心細い思いをしたのか、大きな目の縁には少しだけ涙が滲んでいた。
     エクスブレインの言っていた、迷子の姉弟だ。咄嗟に誠士郎が駆け寄る。見たところ、怪我などはしていないようだった。
    「どうした? 迷子か?」
     悠人が身を屈めて問い掛けると、二人は大きく首を縦に振った。兄ちゃんが判る所まで連れてってやろうか? と重ねて問えば、おねがいしますと涙の混ざった声が返って来る。
    「我々もちょうど、下りようとしていたところです」
    「途中まで、お姉ちゃん達と一緒に行こう」
     ベルデの言葉に続けて、琴弓が柔らかく笑う。つられたように、少女の方が笑った。
     
    ●救出
     姉弟を伴っての下山は、一度同じ道を通っているせいか、行きよりもスムーズだった。
    「もう、絶対に危ない所にいっちゃだめですよぉ?」
     めっ、と輝が人差し指を立てて言うと、二人はごめんなさいと眉を下げる。
    「子供ダケで夜道ハ危ないヨ? ホラ、怖いお化ケとカも出るカモだシサ」
     少し冗談めかした声音で、ゲンガーもそう言う。両親の言い付けを破って山に入った、という訳ではなさそうだが、子供だけで遅くまで出歩くのは、やはり良い顔をしたくない。
    「秋の暮れは早い……父や母が心配していることだろう」
     次からは家族と一緒に行けばいい、と誠士郎は穏やかに諭した。はぁい、と揃った声で返事が来る。
    「喉渇いてないか?」
     振り返って姉弟の様子を確認しながら、悠人が声を掛ける。琴弓が飴玉を分けてあげた時には、嬉しそうな声が上がった。
    「元気デスネ」
     怪我とかしてたら応急手当が必要かと思いましタガ、と独り言つデス子に、何事も無くて良かったですと、七波が微笑む。
     山を下り、彼らが大きな通りまでたどり着くのは、それから暫くしてからの事。
     ここで大丈夫か? と尋ねる悠人に、姉弟は元気良く頷く。家まで送ってやりたい気持ちはあるが、そういう訳にも行かない。
    「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう!」
    「ありがとー!」
     手を繋いだまま、こちらへ大きく手を振る二人を見て、ベルデは目元を緩めた。姉弟で仲が良いのは、良い事だ。
     二人が通りを渡って角を曲がり、姿が見えなくなると、灼滅者達は踵を返した。
     これで小さな姉弟の危機は回避されたけれど、彼らにはまだ、大切な仕事が残っている。
     
    ●対峙
     山頂の広場は、まだ明るかった。遊具から伸びる影は長いが、戦っている間、明かりに困る事は無いだろう。
     各々の武器を手に取り隊列を整えた灼滅者達は、辺りへ視線を走らせる。
     遊具の隙間を抜けて、幾つもの影がこちらへ迫って来る――そう認識した途端、銀の閃きが視界に踊った。風の吹き抜けるような音を立てて繰り出された刃を、ベルデのチェーンソー剣が弾く。耳障りな音が鳴った。
    「来たか」
     後衛の誠士郎が言葉を紡ぐ間に、テリトリーへの侵入者に気付いた鎌鼬は灼滅者達の前に集う。数は10体。その中で唯一、人間の大人ほどの大きさを持つボス格の個体は、いちばん後ろの列に控えていた。
    「さぁさ、遊びましょうカネ」
     感情の読み取れない声音で言って、デス子は大鎌を地に向けて振り下ろす。虚の力より生まれた無数の刃が、最前列に並ぶ鎌鼬たちを切り裂いた。出来る事なら黒い波動で敵の攻撃力を削ぎたかったけれど、生憎それを生むための咎の力は手元に無い。
     誠士郎の縛霊手が開き、内に秘めた祭壇が広がる。構築された結界は、最後列の小さな鎌鼬たちを捕らえた。きゃんきゃん、と高い鳴き声を発して、花が斬魔刀で前列の鎌鼬に切り付ける。
    「ただの文学少女だと思いましたか? 残念……私は剣士なんだよ!」
     すっと居合いの構えを取った輝が、瞬きする間に日本刀を鞘から引き抜き、鎌鼬の傷を抉った。
    「やってやらああああぁっ!」
     叫びと共に放たれたのは、悠人の硬い拳。頭に強力な一撃を受けて、鎌鼬が悲鳴じみた声を漏らした。素早く距離を詰めたベルデが、唸りを上げるチェーンソー剣で茶の毛並みを引き裂く。
     夕の日差しを跳ね返して、鎌鼬たちが刃を振るう。一撃一撃はそれほど大きな威力を持たないが、立て続けに繰り出された9体の攻撃は前衛に並んだ灼滅者達を確かに蝕んだ。琴弓が優しい風を呼び、彼らの痛みを和らげる。
    「出来ることを確実にする……そうすれば結果はついてくるはず」
     自分に言い聞かせるように呟いて、七波は手にした槍を回転させ妖気を冷気へと変換する。紡ぎ出されたつららは鎌鼬の1体に突き刺さり、その身を氷で縛った。
    「鏖殺領域ガあれバ良かったカナ」
     ボス格の鎌鼬へ漆黒の弾丸を撃ち込みながら、ゲンガーはぽつりと言った。無尽蔵に放出される殺気の助けがあれば、今流し込まれた毒の力は更に高まっただろう。
     ゲンガーのそんな考えを知ってか知らずか、ボス格の鎌鼬は毒の痛みに身を捩りながらも、中衛の灼滅者達を薙ぐ。
     前列を裂いたデス子の大鎌に続いて、誠士郎が再び祭壇を展開する。築かれた結界は、今度はボス格の鎌鼬をも内に捕らえた。
     輝の日本刀が閃き、首元を切られた鎌鼬は音も無く消えて行く。悠人は氷に包まれた鎌鼬へ、炎を纏わせた縛霊手を叩き付けた。氷のひび割れる音と共に、炎に巻かれた鎌鼬も消滅する。
    「jack pot!」
     死角からの攻撃で、前列にいる最後の1体を消し去ったベルデが口ずさんだ。
     中列の鎌鼬たちが甲高い声を上げ、ベルデとデス子を切る。後列からの刃は中衛へと突き刺さった。深手を負った花へ琴弓が天上の歌声を響かせ、七波は裁きの光条で輝の傷を癒す。ゲンガーの足元から伸びる影業が、中列の鎌鼬を背から引き裂いた。
     風のような音を立て、刃を伸ばしたボス格の鎌鼬が切り裂いたのは誠士郎の足首。痛みにほんの少しだけ顔を顰め、彼は巨大な鉄塊にも似た刀を振り下ろす。きゃん、と小さく鳴いた花が、浄霊眼でベルデの傷を塞いだ。
     輝は日本刀の切っ先を中列の鎌鼬たちへ向け、その体温を急激に奪う。気合いと共に悠人が雷の闘気を宿した拳で下から突き上げ、凍て付いた1体を天へと還した。距離を詰めたベルデのチェーンソー剣が、小さな鎌鼬の傷を広げる。
     中列に残る2体が前衛を薙ぎ、後列の3体は七波と琴弓を抉る。しかし癒しを必要とするほどではないと判断した琴弓は、歌姫の如き調べを紡ぎ出した。催眠状態に陥った鎌鼬を、ゲンガーが影業の一撃で葬り去る。
    「冷たき妖しの穂先よ……彼の敵を貫けっ」
     七波が槍をくるくると回し、妖気のつららを鎌鼬に放つ。ばきんと冷たい音を響かせて、また1体が消え行く。
     ここまで来れば、あともう少し。知らず、彼の口元に笑みが浮かんだ。
     
    ●殲滅
     ボス格の鎌鼬が刃を振り上げる動きをして、そのまま引っ掛かったように止まる。構築された結界が、その力を発揮したのだ。
     デス子の生み出す虚空の刃が、鎌鼬たちをまとめて傷付ける。誠士郎の振り下ろした刀に続いて、花は銭貨を撃ち出した。尾を引く叫びを上げて、鎌鼬の1体が仰け反る。止めを刺したのは、輝の斬撃だ。ベルデが隣の鎌鼬を無慈悲に刻む。
     前衛を薙いだ刃に耐えた悠人が、自らの後ろに控える仲間へ伸びた攻撃を代わって受け止めた。夏服を赤く染めた痛みは、琴弓の招いた優しい風が癒してくれる。
     七波の槍から放たれたつららが鎌鼬を凍らせ、ゲンガーはその氷ごと小さな体を引き裂く。
     今度は結界に縛られなかったらしいボス格の鎌鼬が、刃の標的としたのは中衛。真横に振り抜かれた鎌に、腕や腹がざっくりと切り裂かれる。だが、治癒を要するほどの傷ではない。
     どっ、と死の力を宿したデス子の鎌が鎌鼬の背に突き刺さり、物悲しい声を上げた1体が消え去る。誠士郎が叩き付けるような勢いで刀を繰り出して、もう1体を粉砕する。
     これで、残るはボス格の鎌鼬だけだ。
     輝が大きな体を氷で包み、ベルデのチェーンソー剣が喧しいモーター音を奏でる。真っ白な氷に亀裂を走らせ、猛き焔を迸らせたのは、悠人の縛霊手だった。
    「お願い、力を貸して」
     琴弓が囁くと、彼女の足元から伸びた影の先端が鋭さを帯び、鎌鼬の脇腹を裂く。七波がつららを撃ち込み、獣の身を縛る氷を厚くした。
     鎌鼬は唸りを上げ、デス子の足首へ切り付けたが、幾度となく範囲攻撃に晒され、毒と氷に苛まれた体に限界が近付いているのは、誰から見ても明らかだった。
     お返しとばかりに振り下ろされたデス子の大鎌が、鎌鼬の足の付け根を深く抉る。誠士郎が刀を叩き付け、花は斬魔刀を振るう。間髪を入れずに打ち込まれた輝の一閃で、鎌鼬の体が大きく傾ぐ。
    「よっしゃ。もらったっ! 砕けろおおおっ!」
     氷の砕ける音を響かせて、悠人の拳が鎌鼬の額を打ち据える。
     傾いだ体はそのまま地面へ倒れ、夕日に染まった広場に鈍い音を響かせた。一拍遅れて、鎌鼬の姿が掻き消える。
     終わった。
     無事に任を果たせた安堵が、灼滅者達を満たして行く。
    「回復役の鎌鼬がいなくて、良かったんだよ」
     鎌鼬は3匹一組。祖母がそう言っていた事を思い出し、琴弓は額に滲んだ汗を拭った。夏の盛りに比べれば涼しくなっているとはいえ、さすがに夏服は暑い。
    「犠牲者ガ出なクテ良かったネ。後味ノ悪いのモ嫌ダし、サ」
     そう言うゲンガーの傍ら、七波は戦いで乱れた広場の土を均していた。
    「さぁ、終わりましたねぇ~。すっきりしましたし、帰りま……あ、あわわわっ!!」
     のんびりとした輝の声が、途中から慌てたものへと変化する。何事かと仲間達が目をやれば、遊具に引っ掛かって転ぶ彼女の姿があった。駆け寄る誠士郎と花に、輝は照れ笑いを浮かべる。
     夜が来る前に、帰ろう。
     誰からともなくそう言って、灼滅者達は広場を後にした。

    作者:牧瀬花奈女 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2012年9月20日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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