●星の在処、星の行方
授業を終え、校舎を出てキャンパスを抜けて帰途につく。
冬は日が暮れるのが早い。既に空は濃紺に覆われ、街灯が連なり光を燈す。歩を進める度に頬を掠める風は冷たい。
建物や街路樹が黒というより青の濃淡で彩られるのは、冬の夜ならではだ。
「あ、鴻崎だ。お疲れ様ー」
「小鳥居」
声をかければ、言葉は白い息になる。マフラーを揺らしながら小鳥居・鞠花(中学生エクスブレイン・dn0083)が手を振れば、先を歩いていた鴻崎・翔(中学生殺人鬼・dn0006)が振り返る。
2人は学年も違う上にキャンパスも離れている。こうして偶然出会うことは極めて稀だ。
「鴻崎とこんな時間に会うと思わなかったわ。別に今日は他のエクスブレインから呼び出しがあったわけじゃないんでしょ?」
「ああ……旧校舎でトレーニングをしていたんだ。俺に出来ることはまだまだ限られているから、出来る限り鍛錬を重ねたい」
「殊勝ねぇ」
鞠花はといえば先生の資料集めの手伝いで遅くなったのだという。灼滅者の皆が灼滅のため授業を抜け出してる分の補習用と言われれば、心当たりがある翔は返す言葉もない。
クラブ帰りの生徒たちだろうか、周りにもざわめきがさざめく。時々通りすがる、足音と車のエンジン音。
口から立ち上る吐息につられて視線を上げる。ふと思い出したように鞠花が呟いた。
「あ、そうだ。どうせこんな時間になっちゃったんだし、鴻崎も少し付き合ってよ」
「……? 何かするのか」
目を瞬かせる翔に、鞠花は悪戯っぽく笑顔を見せるも返事はしない。とはいえ断る理由も特に見つからなかったので、翔は鞠花の後を追った。
辿り着いたのは学園から程近い小さな公園。
高い建物の合間にあるそこで、鞠花は天を指差した。翔がつられて視線を上げると、雲ひとつない夜空に輝く綺羅の星々が広がる。
上等の天鵞絨に小さく散らばる宝石たちは、冴えた光を放ちながらも優しい。
「東京でも何だかんだで、結構星って見えるものね」
鞠花が目を凝らせば、翔も感嘆の息を吐かずにはいられない。
「こんな公園があるなんて知らなかった。小鳥居は星に詳しいのか?」
小さな遊具が少しだけ。あとは休憩用のベンチが並ぶばかりの公園は、通学に使う大きな道からは目立たないところにある。鞠花は翔の問いを笑い飛ばした。
「そんなことないわ。小さい頃から冬になったらオリオン座見てたなーってこの間思い出して、寄り道してたらこの公園見つけたのよ」
翔も少ない天文知識を手繰り、夜空を探す。中心に三連星を戴く、リボンを結んだような形の星座。
目に留まれば宝物を見つけた気分になって、子供みたいだなと自嘲しながらも、嬉しかった。
「……こうして夜空を眺めるのも、たまにはいいな」
翔の声が夜空に溶ける。
冬の空気を肺に吸い込むと、軋むような音がする。
澄んだ冷気が染み渡る。
星が、きらめく。
君は星に何を見るだろう。
願いだろうか、祈りだろうか、誓いだろうか。
それとも物語だろうか、神話だろうか。
何も感じずともいい。
静かな時間に浸り、揺蕩い、瞳に輝きを映せばいい。
君は星と何を見るだろう。
●星紡
都会は星が見えにくいというがこの近辺でも綺麗だ。帰り道に何気なく見上げる星空がレイシーには好ましい。
星が光りながらお喋りしているとレオノールが微笑めば皆も笑う。いつもの神社、境内の石段に腰掛け空を仰ぐも、琥珀にはどれがオリオン座かわからない。卍が空を指し目印になる星を教える。
何万年も前の光が届いただけでも奇跡だ。三人で見れたなら尚の事。冬空の下数えるのは、星と共に紡ぐ思い出。
オリオン座のペテルギウスは超新星爆発が近いという。いつ何時とは知れないが、その瞬間も今と同様寄り添って見上げられるなら幸せだと静流は呟く。彼と同じ毛布を被り、星座や神話が変わっても一緒にと友梨も願った。
日和が見つけたオリオン座に、宗佑が添えるのは隣に輝くおおいぬ座とこいぬ座の話。つい霊犬たちを思い浮かべるのは二人ならでは。
傍にきみがいる幸福に感謝し大切に抱いて帰ろう。
皆と暮らす、あの家に。
「皆さんもおしるこドリンクいかがです?」
「ありがとうございます由愛さん」
部活帰りに寄り道を。各々が温かい飲み物を持参する中、柵にもたれた臣を始めおしるこに舌鼓を打つ者も多い。
寒い夜ほどぬくもりが身に染みる。星を見上げてつい綺麗と零し、櫂は乗った記憶のないブランコに腰を下ろした。
思いがけないブランコの小ささに隣に座った七が笑いかけ、こういう感覚も楽しいと感慨に浸る。傍にはシートが敷かれ、その銀色が宇宙服みたいだと司が笑う。
寝転べば眼前に満天の星空。けれど生憎星座には疎い。
「適当に繋げて新たな星座を作ったらダメか?」
小鳥遊座とか、と言い出せば七や臣まで乗って神話まで出来上がる。挙句神は凍える民に衣を分け与えろと主張され、由愛と流れ星の話をしていた葵は慌てて防寒グッズを掻き抱いた。
イヅルもシートに寝転ぶ。こうしてわいわいと星を見るのも悪くない。薙乃も冬の夜空を皆で見れてよかったと微笑を浮かべる。
星座や天体に詳しくなくても綺麗だと思える。眺めるだけでいいのだろうと冬崖は息を吐く。身を寄せ合い星の結び目を追いながら、皆と星座を紡ごう。士騎の想いは寒空に広がる。
星が好きで同じように輝きたくて。地元とは輝きが違うと感じる星を観て、それでも芳樹は涙が止まらない。ジャングルジムに登った紡は悴む指先を天に伸ばす。声は届くだろうか。歩む時間が星の如く輝くよう、願いを。
二人掛けベンチで中華まんを手に昔語り。今日は何の星が見えるか教えて欲しいとねだる桂花と距離が近づき、千秋は戸惑いながらも悪い気はしない。
今度はお家でと彼女は誘う。同じ時間をまた重ねられるように。
ゆずるに誘われ鴻崎・翔(中学生殺人鬼・dn0006)は隣で星空を眺める。ふと彼女が掌に零したのは金平糖。
お星さま、食べてる気分。悪戯な笑みと転がる星に翔は目を細めた。
星を仰ぎ胸に過るのは、エクセルも國鷹も昔の記憶だ。
彼が手を伸ばせば、指の冷たさが伝わってきた。けれど確かなぬくもりを持つことも知っているから守りたい。彼女も優しい手のぬくもりを感じるように応えた。
夜空に探し物をする相棒は星と同じくらいきらきらしていると燐音は和む。頭を撫でられ疑問符を浮かべる狭霧だが、安らぎの時間を過ごせる今に感謝する。
星とつく世界は本当に綺麗で目が眩みそうになる。
今日も自主訓練の帰り道。ふと空を見た那月の瞳に星が映る。
「悪くないな」
こうして上を向いたのはいつ以来だろうか。
●星謡
スーパーの袋を八重華に任せ、密は彼と並んで歩く。
「何年振りだろうか。誰かの隣で、星空を見上げたのなんて」
声が言葉が優しく耳朶を打つから、
「君が買い物に付き合ってくれたら、いつでも一緒に見れるよ」
呟いて繋ぐ手を握り返せば、返事代わりに指先が絡む。
クラブ帰り、遅くなった登が暗い道を歩けば頭上に輝くのはオリオン座。暫し立ち止まり、思索の時間。
冷たい空気の中煌きは一層冴え往く。彬がお名前で呼んでも、と問えば小鳥居・鞠花(中学生エクスブレイン・dn0083)は笑顔で快諾した。
深々と降る、星の光は果てないもの。
公園は普段の明るさとは少し違う夜の顔。早見盤で星座を探し流れ星が見れたらと話すうち、帷の心に言えない願い事が宿る。すずめはにっこりと笑み、一回だけ願いを口にした。
また星見に来よう。春も夏も秋も。
高校生のお兄さん達の引率で小学生達は天体観測。
「まずはオリオン座からだ。南側の空に三つ並んだ星があると思うが……」
一等詳しい風樹が夜空を指しながら丁寧に説明する。雪は真剣に耳を傾け、一生懸命星空に視線を巡らせる。
「星にもいろんな色があるんだね。金平糖みたい」
蓮花が息を零せば秋夜と目が合った。絶対食べたいって思ってた、気がする。ワイワイやりたい気持ちが高じて一にちょっかいを出せば反撃された上よじ登られる。肩車で天に届けと手を伸ばすも、星はどうしても掴めそうにない。
昔の人が星座を紡いだのなら。
「きっと今の私たちみたいに、星を見上げてお話をしていたのかな」
「そしてこんなふうに、どきどきわくわくしていたのかな」
嬉しくて、真白とカズヤは囁き合う。星座以外の星の知識について語っていた宥氣は流れ星を見つけ胸中で祈る。これからも皆と楽しく過ごせますようにという願いは口に出ていて、彩雪は微笑んだ。
闇の中でもこうして集まり話せることが、夜に輝くオリオン座の光のようだと思ったから。
下校途中で聖が何気なく幾つかの星座を指差す。アリアーンが褒めると聖は少し照れて俯く。
本音が言えるのは静かな夜ゆえ。過去の話を聞き、それでも聖は告げる。思い出せずとも過去が全部消えるわけじゃないと。
デジカメのレンズ越しに見る世界、それでも星は美しい。彩葉はシャッターの無機質な音も心地良く感じる。
星空は何処でも綺麗。二人で見るから余計にと思えばセドナの頬に朱が上る。慌ててカシオペア座の話題を出せば射雲に見えないことを指摘される始末。
「また……一緒に見たいな」
好意を自覚した呟きには、了承と微笑が返される。
星を見つけふと気が付けば少し寒いと呟いた鵺白の言葉を逃さずに、蓮二はコートを広げて後ろから包むように抱きしめる。
温もりが幸せで、好奇心が悪戯心を助長する。振り返り耳に手を添え、彼の頬に口付けを。
星々は其々の光を放ち、何を歌っているのだろうか。瞬きが音に音楽になる、ギルドールにはそう思えた。
付き合い始めて一ヶ月。手を繋ぎ公園に寄り道すれば、夜空では様々な星座達が二人を迎える。教えるのは綾鷹、教わるのは眞沙希。歩くうちに目の前を流れ星が横切る。彼女はずっと一緒に居られるようにと小さく囁いた。
星に願いをというわけではないけれど。
「叶うのならもう一度あの人に会いたいですねぇ……」
流希の頬に、涙が伝う。
絶賛喧嘩中ながらも涼花は軍の後ろに歩いて下校する。心配の声も虚しく追い払われるも諦めきれずついて行く。
天にはいつも二人で見た星空が変わらず在る。夏に公園で滑り台の上から星を見た記憶は鮮やかだ。冬の星空も好きだが寒さには勝てない。
彼はため息ひとつ。夜道暗いから送ると言えば、彼女は幸せで泣きそうになりそうになりながら、笑った。
●星奏
ゆまが手製ホットチョコレートを振る舞えば皆の指先も喉も温まる。アナスタシアが星座盤と星空を交互ににらめっこしていたら、百舌鳥が空を見上げて指先で星を繋いだ。
その滑らかな解説に一夜漬けだろと慧樹がほっぺにパンチを繰り出すも、返事はただ好きなだけという台詞と笑顔。本当はわかっている、楽しそうな様子に自分まで嬉しくなったということを。
今同じものを皆で見上げる瞬間を、大切に。
思い出すのは長野にいた幼い頃、二人で星空を眺めた記憶。
有名な星座しか知らなかった桔平と梗鼓は星をでたらめに繋ぎ、二人の名をつけた新しい星座を作ったのだ。
忘れるわけがない。手を繋いで、星を楽しもう。
一人で見る星空は少し寂しい。けれど仲間達からの贈り物が一緒だから皆と共に帰っているよう。三ヅ星は嬉しくて空を見上げる。
星が誘うのは子供の頃の想い出。二人で冒険して迷子になった時も星明りが綺麗だった。寄り道していかないかと朔之助が冗談めかして言えば、史明は迷子にならないよう釘を刺す。
結局引っ張られるのも、昔と同じ。
ただ空と星を見る。それだけなのにこんなに気分が良いんだから不思議なものだと良輔は感慨深げ。他の面々に肉まんを配ると温かな湯気が夜空に広がる。
オリオン座の形について話していた菫の表情が、話題が過去に触れた途端に憂う。気付いた緋月は笑顔で星座の話を振る。笑顔になって欲しいから。
互いに何処から来たのかも知らなかったことに気づく夜。今後少しずつ知れたらいいと恢は思う。
地方と都心の星の見え易さの違いに驚く悠埜に、恢は微かに笑んだ。
「ここなら一緒に小さな星明りを探せる。それも、きっと楽しいだろ」
オリオン座の逸話で千尋が好きなのは月の女神アルテミスとの悲恋。叶わぬ恋だからこそ、焦がれるのか。
空の星々に海原は歓声を上げる。オリオン座を見つけた後は一樹が冬の大三角を教えてくれた。身震いした彼女を包み込んだのは、彼の温もり。一緒に星を見られることが大切で、嬉しい。
コーヒーを分け合い暖をとるために、シャーロットとラグナは寄り添いあう。綺麗ですねと零れた言葉に浮かんだ感情は違えど、お互い今このひと時を愛おしく幸せに感じている。
星を通じて、同じものを見よう。
篠介は叔父に教えてもらった星を数える。ふと彼の喪失を、瓦解するように思い知る。流れ星に願いは、届くだろうか。
皆の元に走って駆け寄って、顔寄せ合えば笑顔ばかり。今日の寄り道を楽しみにしていたことがすぐにわかる。
公園で花幸が確保したベンチに座り、あの星が北極星かしらと衣が首を傾げれば、
「あのね、あの星はね!」
部長だからと張り切るフィーネがほんの少しだけ得意げに説明する。けれどジュジュがどれも宝石みたいとため息を吐けば、確かに全部がとても綺麗だ。
皆で手を伸ばし星を掴む素振り。きっと次の約束に届きますように。
冬の空気は冷えて澄んで、星も空も美しく見える。
途中までは和んでいた誠士郎も、星に夢中なあまり電柱と衝突しそうになった傑人には注意を促す。その魅力は抗いがたいから、仕方ないかもしれないけれど。
千華流は星にたった一人の片割れを想う。いつの日かあの星の元へと還れるんだと信じて、手を高く伸ばした。
人は星になるのだと誰かが言っていた。ならばこの散らばる中のひとつに、あの子も居るのかと唯は考える。ただ瞳に煌き映せば、たったひとつが瞬いた気がした。
大切な名は吐く息に揺蕩う。心配性の君と、一夜の逢瀬。
●星咲
寒さに弱い円蔵に対しイコは軽やかにジャングルジムの上、透明な夜天に近づき星をなぞる。二人とも好きなオリオンの傍らの一番星の名を、彼女は何度も大切に諳んじる。シリウス、と。
遠い星の煌きに思い馳せ、寒さに微睡み笑う間に、星も白く滲む。
そっと笑顔を星に向ける。きっとあの星のどれかがとじんわり染みる温かさと切なさは、華凜の胸に過る父の面影。沢山温かさを胸に刻むから。
軽音部帰り、コーヒーを片手に歩を進める。結理が星座を辿れば、錠の思考に以前好きと聞いた童話作家の名が浮かぶ。星語りの行方を攫うように手を取れば、照れ笑いで握り返された。
一緒に行こう。線路の向こう、何億光年彼方まで。
寒いのも悪いことばかりではない。星がとても綺麗に見えるから。
オリオン座を示した蝶胡蘭の動きはぎこちない。勘志郎に手を繋ごうと言われ尚更心臓が跳ねたけれど、そう、寒いし。
ハートレースリボンとマフラーが、嬉しそうに冬風に揺れた。
腕を組み夜道を歩く中、彩希は空いた左手を星へ伸ばしかける。
「まだ本調子じゃないんだろ?」
心配が覗く鷲司の声に、まだ当分空のお星様になるつもりはないと答える。左手は絡んだ腕に添え、離さずにいよう。
奇遇ねという声の主は振り返らずとも知れている。否応なく手を捕らえられ、霖は暁と影を並べる。空、好きでしょ?――宵色の瞳への問いは確信。彼が指差したオリオン座に綺麗ねと言葉が綻ぶ。
星の下、暫しの戯れ。
飛行機乗りから伝わり父に教わった見つけ方で雷歌はオリオン座を探しあてる。受け継いだものは記憶と共に、確かにここにある。想いはきっと、残るはず。
先日はお疲れ様と様子を伺う皓を翔は促し、並んで夜空を仰ぐ。煌きの欠片に誓うのはきみと同じかもしれないなと彼女は告げた。
――次こそは必ず。返事の代わりに翔は頷く。辿る道の果てを望むため、今は往こう。
池のほとりのベンチで樹は拓馬に軽くもたれかかる。静かに星を見上げる中で感情が錯綜する。
早く星になれればいいと思っていた。けれど今は、何も考えずにいたい。
小さくとも輝く幸せな未来を、彼女が自分自身で描けるように。
伊織を迎えに来た小鳩の前にはティノの姿。二人のキャンパスが同じことを知りしょんぼり肩を落とす小鳩の頭を撫でる伊織に、微笑ましく見守るティノ。賑やかで愉快な冬空の帰り道だ。
缶の温かい紅茶でお茶会を。
空気が澄んでいるからか今日は星が近く感じる。透明に近いような、夜空。
その後小鳩が報われない思いをするのはまた別のお話。
星が綺麗に見えるから、紫苑の頭に曲のイメージがきらきらと湧いてくる。
寒い中出歩くのは得意でなくても、部活の皆と想い出を作れるなら話は別だ。明日香はくっつけば暖を取れるのではと、公園の適当な場所で皆と寝転んでいく。寄り添えば温かいですのと永遠が息を吐けば白く夜空に溶ける。楼沙は虫がいないか心配で、ちょっと抵抗があるけれど。
ミキは星の数を数えようとした。数える範囲を想定し始めてから暫く、何と寝息を立て始めた。
賑やかな空気の中、おとめ座のスピカがすごく明るいと聞いていた律は大はしゃぎ。うさぎ座を何より楽しみにしていた楼沙の声も弾む。春仁は星について詳しくないためオリオン座を教えてもらっている。
静かに佇む部員もいる。彼方は星が好きではなく、何故興味が湧くのか理解できない。けれどその分部員たちの姿が興味深く、観察を続けていた。
対照的に幸太郎は星に思いを馳せる。今その星は自らの存在を誇示しているのか、最後の力を費やし生の証を残したのか。独り孤独に考える自分に苦笑する。
部長の歩夏はまた別のことを考えていた。クラブを作ったのが去年の夏。皆がクラブを好きでいて、楽しんでくれたらと願うばかり。
「嗚呼、お星様。うちの部のこと、部員の皆のこと、見守ってあげてください」
――きっと、ねがいごとはかなうよ。
作者:中川沙智 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年2月10日
難度:簡単
参加:116人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 25/キャラが大事にされていた 6
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