●intermezzo
――海、行かないか。
なんとも時期外れな事を言っている自覚はあったのだろう。鷹神・豊(中学生エクスブレイン・dn0052)はばつが悪そうに口をすぼめ、灼滅者たちにそう問いを投げた。
曰く、イヴ・エルフィンストーン(中学生魔法使い・dn0012)が、海へ行きたいと言い出したらしい。
二人で行くのは少々まずいので、誘いをかけて回っているのだという。琥珀の眸を横に滑らせ、細い眉を下げ、恥ずかしそうに彼は呟く。
――俺な、道覚えるの苦手なんだよ。イヴ君は日本語が危なっかしいし。
曰く、駅から海までは行けても、海から駅に帰れるかはやや不安らしい。
いつもの強気もすっかりなりをひそめた少年らしいさまに、灼滅者たちは苦笑した。
季節外れの海は人気もほとんどなく、波の寄せて返す音と、冬の海鳥たちがあげる鳴き声が、磯の香りを運ぶ冷たい海風に巻かれて、ただ静かに響いている。
たまに車が通りがかる音がしたとしても、都会の喧噪にはほど遠い小さな雑音だ。
それらは、ふたりで交わす会話を無粋に呑みこんでしまう事はない。
けれど、ひとりで囁く泣き言くらいは隠してくれるかもしれない。
防波堤に座って、かすかに弾ける波の飛沫を浴びながら、深い紺色の海を眺めるのもいい。
食べ物を広げるにはまだ寒いけれど、過ぎる冬を噛みしめるには向くかもしれない。
きらきらと太陽の光を反射しながら波間へ消えていく泡に、遠い空を舞う鳥たちに、なにを思うだろうか。
波の打ち寄せる浜辺を歩けば、砂に埋もれた綺麗な貝殻がいくつも見つかるだろう。この季節の釣りは厳しいものだが、そのぶん一匹の喜びを深く感じる事も出来る。
足をとられればひどく冷たく肌を刺す波と、他愛無い鬼ごっこに興じるのもいい。
少しくらいはしゃいでも、ここに咎める者など誰もいるまい。
冬の海は、なにより大らかな静寂ですべてを包みこむ。
濡れた砂に書いた文字も、描いた足跡も、波に呑まれてすぐに消えてしまう。
話した言葉は鳥の声と海の音に流され、いつかは忘却の彼方へと漂着する。
けれど、だからこそ託せるものが、送れる時があるかもしれない。
いつが泡と消えてしまったなんでもない今日は、冷たくも暖かい海の底で、いつまでも深い眠りにつくのだろう。
●昼の海
「んー、気持ちいいなー。寒いけど、いいお天気で良かったよ!」
海と空の青が繋がって、どこまでも続きそうな景色に気分も晴れる。碧月はうんと伸びをし、周りを眺めた。こんな何でもない日もずっと続いたら、幸せ。
濃淡の紺と銀の乱反射、白む水平線に澄んだ空。何より翳りの無い皆の顔。律がいい日だねと呟けば、豊は微かに笑う。
古い釣竿を振るうジャンゴを物珍しげに眺め、イヴは海岸を歩く。敬厳の礼儀正しい挨拶に今日は帽子はありませんがと笑みを零し、おじい様の思い出を聞きながら宝探し開始。晶も貝を拾いつつ散歩する。
この冬の海が故郷ハワイにも繋がっている。アロアには少し不思議で、でも何だか嬉しい。冷たい海水をそっとすくえばやっぱり冷たくて、思わずつめたっ、と大声をあげた。
九十九里浜の波に期待を寄せ、海音は張り切ってボディボードの準備体操。お気に入りのフィンにリーシュコード、ドライスーツで準備万端。
「それじゃ、今日もよろしくお願いします!」
笑顔で一礼、ざぶんと波へ飛び込んだ。大好きな海はいつだって暖かい。
サーフィンにはまだ早くとも海の青には心惹かれる。触れずにいるのは勿体無い。
波打ち際へと歩むエレナの後ろから焦って止める声がした。風邪ひくって、なんて大袈裟な心配が可笑しくて嬉しい。世話焼きな後輩の眸は海と同じ、深く優しい藍。
「平気よ。ちょっとだけ。ハンカチも持ってきてるから」
「……じゃあ、ここにいて下さいよ」
蓮次は先輩の為に走る走る。カイロ代わりの暖かいお茶を求めて。息を切らして帰ると彼女の手は案の定もう冷えていたけれど、ありがとと微笑む優しい声と顔にはどうしたって、弱い。
「零の本当の名前は分かんねーけど、きっと可愛い名前だったんだろうな」
ゼロからはじめよう。大切な意味の名だけど男みたい。綺麗な貝を大事に抱える愛らしい相棒にはやはり合わなくて、優奈は笑う。
波が洗った砂浜に丸い貝がひとつ。どんな装飾品にしたら可愛いだろう。次々浮かぶ名案にいつしかお散歩は中止、華月の両手に綺麗な貝が溢れた。一つ一つ貝を耳に当ててみる。潮騒よりも海鳥の合唱が聴こえたけれど、これもきっと海の声とそっと瞳を閉じた。
冬の海の散歩はなんだかロマンチックで、意外に賑やか。もやもやを隅に追いやり縁樹は平和な風景を謳歌する。両親へお土産を拾う彼女も一景へ刻まれた。
防波堤に腰かけ水平線を望み深呼吸。頬を撫ぜる風を防ぐ気は七には端から無くて、冷たさごと飲み下した。
「潮風、気持ちいい……」
風が身体を巡る。心地良さに言葉をつぐむ。今日ばかりは魔女に声を奪われたかしらなんて、柄にもない考えにふと照れ笑い。
ショールの羽を揺らしてテトラポットの上を往けば、此の侭飛べる気がした。古い古い海の歌を思う侭響かせ、硝子の風に心を曝す。落ち着く。ざわつく。不思議な空気が芙蓉を包む。空に翳した手さえもこのまま光に溶けて消えたら、それすら幸せの形に思えた。
普段は隠した緑の瞳が雄大な冬の海を映す。街では聞けない今日の音に耳を傾け、樂は砂浜を歩いた。寒い。けど、良い音。思い出に刻む旋律がまたひとつ。
綺麗な正反対に触れたら、優しさに戸惑っていた。不器用だから。多くは望めないから。ただ砂につけた足跡みたく簡単に、大切なものは毀さない。潮風が燐音の髪を撫ぜていく。
家族と暖かな想い出を分かち合った海は、今のるりかには遠い。
「一緒にこれ食べよ?」
淋しいわけじゃない。ただ彼がひもじい顔をしていて、美味しいものは誰かと分けた方が美味しいから。
見知らぬ少女と食べる豆乳クリームたい焼きは、甘く暖かく峻の空腹を満たす。先輩だし男だ。礼はいつかと名乗り合う。
――また、会えるといいね。少女は満たされた笑みで歩き出す。
灰一色とばかり思っていた。孤独な青と紺が交わる冬の海は淋しくも綺麗だと今は思う。手元に残る微糖の珈琲が冷めるまで峻は波を眺めた。
「覚えてるよ。あの海も先輩達の名前も」
自分こそ辛い癖に笑うから。徹太の言葉に豊は黙って肩を竦めた。
「頑張れば変わること、おまえに見せたかった。鷹神は俺達のヒーローで、仲間だ」
――ありがとう。
豊は泣きそうな顔で笑う。俺のヒーローは飛ばない。いつだって泥塗れで地を走る人達だ。
波打ち際に腰を下ろし、波に濡れたら一了の負け。お一人様の賭け事は意味も面倒もなくて楽だ。いつしか意識を波間に攫われ、濡れた足先の冷たさに飛び起きた。
寒い。帰ろう。小さな感情が幸せで、少し笑んた。だいじょうぶ、海とおんなじで俺凍ってねエ。
心地良い微睡みから目覚めれば一面の海と空。ユリカゴ。置いて行かれた様な不安に無意識に名を紡げば、母なる影は隣に寄り添っていた。集めた中から差し出された、綺麗な虹の貝殻。
これが気に入ったのか。当たり前みたく隣で微笑み頷く顔に、息が止まる。
慣れぬ潮の香りに追憶は望めない。ねぇアリス。友人の悪戯な問いに彼は目を細めた。
鉛筆を握る暁の隣に座りスケッチブックを覗けば、線で出来た海が在る。波、泡、映す光、全て。
「君の鉛筆の先には、残るのかな」
泡と消えた今日が。
「今はアレね。アタシが忘れてもアンタが記憶して、その逆も」
零した囁きすら消えたとしても、流れた欠片を拾いあえる。暁は鳥と二人の人影を線の海に添えた。
君程絵心は無いけれど、貝殻と流木を拾って何か作ろうか。戯れにじゃれ合い笑った、何でもない一日の止り木に。
広い海なら暗い底まで沈めるのに、私が生きるのは平坦な地。こんな恐ろしい世界には生きたく無かった。ふらりと近づく足音、パラソル差した青髪の娘。顔を覗かれる前に眼目はフードを深く被る。
『深海立ち入り禁止。』
予感はあった。顔も知らない電子の海で出逢ったひと。
『深い海には魔女が居るよ?』
掲げたスマホを漂う音のない呟き、やはり返ってきた文字列に溜息。来ては返す波も、浮いては消える泡も、ひとみたい。ニゲラは黙して彼の背を追う。人肌みたいな海の香りに包まれて、リアルの海にふたりきり。
歩こう。そう言って、光流と千佳は靴を棄てた。深い青、静寂、溶ける鳥の声。澄んだ世界の水と地の境界を、ふたり歩く。
裸足で踏む砂も波も冷たいけれど、高い空を映す水の色は優しい。名前を呼べば振り向いてくれる彼のよう。重なる視線が妙におかしくて、笑った。
鬼ごっこには満たないと彼女は言ったけど、小走りで追ってきた手を捕まえた。冷たい足と暖かい手、笑顔と温度が混ざり合い、モノクロの景色と心は色づいていく。
浜辺に続く足跡と、一回り小さな足跡が波に消えても、繋いだてのひらは確かに暖かい。
色鉛筆とスケッチブックを砂浜に広げた手が悴んでいた。海を、風を、音を、ぎこちない描線に封じて持ち帰ろう。立ち止まった日を覚えておく。
風は冷たいのに不思議、深く呼吸出来た。大丈夫。また頑張れる。集めた貝を海に返し希沙はありがと、と笑った。
眺める海に映すのは、心惹かれた深海に眠る姫の話。
「海の底には本当に人魚が棲んでいるのでしょうか」
藍の問いに華凜は微笑む。棲んでますよ、と。
お姫様も、人魚も、妖精も、信じた数だけ世界の扉が開いて本当になる。心は鍵なんだよ――遠い昔に聞いた大切な言葉。
「私は、信じてます。だからきっと……絶対に、棲んでるん、です」
胸に溢れる熱が絡めた指先から漏れぬよう、漣に心音を融かして囁く。
人魚に逢いたい訳ではなく、識りたかったと藍は零す。
君を知れた幸せ。初めての海が君とで、良かった。
袋に溜まったごみは放置されていたものばかり。次は貝を拾いに来ようと一息つき、栞は磯の香りを胸に満たす。故郷の海を汚される憤りを知ったから。気配りは細やかに控えめに、皆の記憶へ確かに届いた。
もっと綺麗な砂浜なら鳴砂が起きるという。やっぱり物知りですねと感心顔のイヴに、いろはは浜辺で見つけた綺麗な硝子瓶を手渡した。
「多分イヴの故郷の物かもしれないね」
「えっ、本当ですか!」
この瓶に貝殻を入れたら宝物になりますねと屈託なく笑む。
「心配したのですよ。故郷が恋しくなったのかと思ってね」
「少し……でもイヴ平気です、皆さんがいます。貝って占いにも使えるんですよ」
なら綺麗な貝殻を探そうとアンカーは微笑む。君に会いに来たんだからと言われ、イヴは驚き照れ笑いを返した。
波間に聞こえた鼻歌にイヴが振り向けば、ご機嫌そうに寄り添い歩く庵胡と瞳の姿。確か同級生よねと瞳が挨拶すれば、庵胡も短い尻尾をぶんぶん振ってご挨拶。
「わあ、可愛い!」
「貝殻探し、お手伝いする?」
わんと一声吠え砂浜を掘る姿が愛らしくも頼もしい。同じく貝を探していた桐子の風花とは、いつしか真剣勝負に。どっちも頑張れと声がする。
遮る物のない雄大な風景、優しい波の音に皆の笑顔。桐子のもやもやも吹き飛ばし、海は全てを受けとめてくれる。夏には寮や部活の皆と。きっと違った景色が見える。
「皆ー、体が温まるハーブティー持ってきたんだぞ!」
群がる皆にパスカルは弾ける笑顔で紙コップを配る。楽しい事の手伝いは楽しみながら。共に楽しめた時の喜びは、一入だ。
良かったな、楽しそうで。遠くからイヴを見ていた豊は頷いた。
「ところでなんで教鞭持っとん? 趣味?」
「へ?」
賢そうに見えるかと――素の回答に壱世は大笑いし、ぼちぼちやりやと珈琲を投げ渡す。向かうは夕闇、分岐点。何故か珈琲ばかり貰うなと、豊も笑った。
●夕の海
透き通ったオカリナの音が風に乗る。菫がリーアと命全てへ贈る鎮魂の響き。
海を染め始めた夕景色を眺めると、茉莉花も感傷的になる。私が戦う理由は――幸せそうな皆の姿を見てやっと解った。みんなのためなら、戦える。マリーはもっと強くなるって。
少女は大きな覚悟を抱く。蝙蝠の髪飾りを外せば、薄いレースは夕日に染まった。
海に沈みゆく夕日が楽しみだった。橙と藍が混ざり合う水、ひよりの大好きな冬の夕焼け。
この素敵な光景を、一緒に見れたら良いな。
そう思う人が出来たから、だろうか。綺麗で切なくて――胸がきゅっとする。隣を抜ける風はいつもより少し、冷たかった。
夕刻の海が感傷を誘うから、今日は隣の彼女の明るさに甘えよう。
――寒空に追う海鳥の声遠く 潮騒囃子に背押され踊る
もう声を聞けない先輩達を想った華丸の歌はどこか淋しげで、それでもオデットは眩しく笑む。華丸には音楽に聞こえるのねと。
――波音が寄せては返すアンコール 夕暮れの幕下りてゆくまで
私には拍手に聞こえるわと彼女は空を指す。
「渡り鳥が目指して飛ぶのはどこだと思う?」
明日よ――その答えに、視界が滲んだ。焦り、見失い、迷う日々はもう終わり。追い風に乗って、明日を踊ろう。
お前が人魚姫なら最後、どうする。
問われたきすいは得意げに笑む。わたしはきっと王子でも婚約者でもなく、魔女を道連れに泡となる。
「だから、頼ったっていいんだぞ」
逞しい人魚が目を細め紡ぐ言葉は、波となり皐臣の心を揺らす。強がりが、折れてしまう。
「……昔の事を思い出しちまうんだ」
どんな記憶。まだ言えずに色々だと濁し、黙り込む。
拾ったシーグラスを綺麗でしょと掲げるきすいを、皐臣は確かな形として記憶に焼く。海に似た濃紺の硝子は言葉無い約束と記憶の欠片。いつか、話の続きを。
海は生命の源、だが時に荒れ狂い牙をむく。まるで人間の心。理解しえぬ他人のよう。けれど水は光を映せば必ず輝くから、道標になりたいと直人は願う。誰かの心を照らす太陽に、月になる。
己の闇を、罪に痛む胸を、優しく抱いた侭進む道は正しいだろうか。波が揺れれば煌介の心も揺れ、けれど揺れない想いひとつ。痛みを知らぬ純白の強さに焦がれた。初めて芽生えた君への想いを護りたい。
――卑下は、もうしない。海の紺だけが誓いを聴いた。
呆れられるなんて杞憂なのに、怖くて。素顔に意味は無かったのに、いつしか花幸のマスクはつまらない己が漏れる事を隠す道具となった。
「もっと素直になんないと、駄目かぁ」
いつかは誰かと並んで海へ。海の見える町に居た頃、素直だった自分に戻れたら。
防波堤に座る彩希の思考は脚と共に宙を彷徨う。兄を手にかけた日。今でもその正否は海の底だけど、両親は今も昔も私を見なくて。恋人に甘えるばかりの今は幸せ? 答えを返さぬ波に自嘲の笑みを隠す。
――戦いに飛び込む時の方が、余程悩まずに済むのに。
「……ここに居たんですね」
普段の仲間に弱い顔見せられない。でもやっぱ一人は無理だったわと、錠は泣き腫らした眼で笑う。
還ってこい。もう一度会いてェ。水底の親友への魂の慟哭に、イヴも涙した。
消えてしまいたい。居なくなりたい。冷たい言の葉を鳥が遠くへ運んでくれるなら。緋織のうたう小さな歌を波が攫う。想いを深海へ沈めていく。
「……ごめんなさい……」
大切な人達も居るのに。祈るように零した言葉も眠るだろうか。小さな歌が、また響く。
歌なんて、だいきらい。
でも小さな嗚咽も歌も、今は海の大きな歌声が寄り添い隠してくれる。わたくしの歌は美しくないけれど、誰も何も傷つけない日が来たら、貴方の優しさに溶かしてくれますか。口遊む懐かしい音。閏の大好きな歌。思い出して、泣いた。
ヘッドフォンを外した篠介の唄が響く。凍える心を抱えた君に、待つ人も無い孤独な君に、いつか届くだろう暖かな唄声。分かってるんだ。大事なものは泡とは消えず、闇の中でもいつも傍にある。
お母さんに逢いたい。暗さを増した海が真白の寂しさに共鳴し心を揺する。ずっと一人で頑張ろうと、我慢できると思っていたけど、それは違うと言ってくれた人がいたから。
――ちょっとだけ、泣いてもいいですか。
小さな心も身体も震えていると知っていた。揃いの白いマフラー、暖かい飲み物に予備の上着。用意できなかったのは器用な言葉一つ。慟哭を唯受け止め、有貞は真白の手を握る。有難うの言葉を聞きそのまま小さな手をひいた。
「なあ、さっきカニいたぞ」
辛い時は一緒に歩こう。あの日の帰路をなぞる様に。
生きる事。生き延びた意味。真の強さ。人との絆。修羅に至る道。魔道への誘い。灼滅とは救いか――闇からの声。
久遠の内を巡る言葉はやがて闘気となる。洗練された型、未だ武骨な型。迷子候補の影が歩み寄るまで、波の様に舞いの様に一心に繰り返した。
じきに日が沈む。冷めきった珈琲を喉に流し込み、モーガンは腰を上げた。砂と虚ろを身から掃う。
人々を眺めゆっくりと物思いに耽っていたら、いつしか日が暮れた。一人で過ごすこんな日も偶には悪くないと思いながら、流希も帰路へ着く。波打ち際に書き残した歌は、さて何処に流れ着くだろう。
――人と波 共に戯る 冬の海。
作者:日暮ひかり |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年3月1日
難度:簡単
参加:57人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 1/素敵だった 17/キャラが大事にされていた 10
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