「今日もすごい風ねー」
「びゅうびゅうと、すごい音……まるで天狗が風を起こしているみたい」
「天狗ぅ? あはは、あんたも意外と子供っぽいとこあるのね」
「あー、ひどいー」
下校途中の女学生2人。彼女達にとってそれは、何の変哲もない日常だった。
「……きゃっ!」
風が一瞬だけ2人の側で強烈な空気を切る音を上げて、それから急速に遠ざかるまでは。
「うー、耳が痛いよー」
「……ねえ今、なんか通り過ぎなかった?」
「さ、さあ? それよりも、なんだかお尻がすーすーして……」
2人は制服のスカートの下を探り、そして悲鳴を上げた。
「い、いやあぁぁっ……!?」
長机の向こう側に、神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)と藤柄田・焼吾(厚き心は割れ知らず・d08153)が並んで座っている。2人の距離は2メートルほど離れているだろうか。
「さてお立ち会い。ここに取りいだしたるは、何の変哲もないハンカチ」
ヤマトは1枚の白いハンカチを広げ、その表裏をひらひらと灼滅者達に示す。
それから、パンと音を立てて、掌を打ち合わせた。
一瞬の後にハンカチはヤマトの手元から消えてなくなり――そしてそのハンカチを、今度は焼吾がひらひらと広げてみせる。
「……とまあ、これはごく普通の手品だ。タネを知った上で練習すれば、誰にでもできる」
ドヤ顔モードのヤマト。焼吾はハンカチを投げ渡しながら、彼に尋ねた。
「ヤマト、手品に協力しろって聞いたのはいいんだが、何か話でもあるのか?」
「ああ、そうだったな。実は手品じゃない、もちろんタネもない超常の力で暴れる都市伝説の未来予測が視えたんだ。天狗の都市伝説だ」
天狗、と言えばヤツデの団扇。
その団扇の生み出す風は、単に涼む目的だけではなく、様々な神通力を秘めている。
「特に一番厄介なのが、今の手品みたいに布製品1つを直接手元に引き寄せて、奪ってしまう風だ。
単に奪うだけじゃなく、その布で別の相手を縛ったり目隠ししたり、拘束する目的に再利用することもあるらしい。
もっとも、あまり大きな布を奪うことはできない。だいたい50cm四方くらいが目安かな」
「なるほど。だが、そんなに厄介なのか? 50cm四方くらいなら小さいし、拘束と言っても大きな問題にはならない気はするが」
「小さくても、問答無用で取り上げられてしまえば困る布ってのもあると思うぜ。
そう、例えば……スカートの中に穿いてるようなモノとかな」
その時灼滅者に電撃走る。
もっとも覿面に反応したのは焼吾である。顔が赤くなったり青くなったり、見ていて楽しい。
「な、なるほどよくわかった……こ、これはずぼんとかすぱっつとかかつようして、ごじゅっせんちのぬのがろしゅつしないようにしないといけないなあ……」
「そうだな。そうしておけば奪われる可能性は小さくなるだろう。
だが、奪うのが無理だったり面倒くさいような布に対しては、カマイタチのようなものを放ってズタズタに切り裂くこともある。結果的に被害が余計に拡大する恐れもあるから、注意しろ」
ヤマトはそう忠告してから、最後に長机のこちら側の灼滅者達に向き直った。
「天狗は夕方、ちょうど下校時刻の頃に、住宅街近くの通りに出現する。
……何に対して恐れを抱き、そして何を期待するか。それは貴様らが灼滅者である以上は、自己責任で選び取るものだ。
いずれにせよよろしく頼む」
参加者 | |
---|---|
水月・鏡花(鏡写しの双月・d00750) |
雪村・忍(わんこ系さつじんき・d01336) |
エウロペア・プロシヨン(舞踏天球儀・d04163) |
九十九・緒々子(回山倒海の見習いヒーロー・d06988) |
藤柄田・焼吾(厚き心は割れ知らず・d08153) |
如月・春香(クラッキングレッドムーン・d09535) |
撫桐・娑婆蔵(鷹の眼娑婆蔵・d10859) |
凸囗・凹(ハピネスウォーター・d11705) |
●白
「色んな意味で空気を読んだ都市伝説キター!
ってかマジであるのかよ……ピンポイントすぎだろ……いやーみんなエロ脳なんだなあ……」
「……私の中の藤柄田先輩の『背が高くてカッコ良くて癒し系』という印象に、『ちょっとだけえっちい先輩』というのが付きました」
しみじみとした口調で、割ととんでもないこと言っている藤柄田・焼吾(厚き心は割れ知らず・d08153)を、部活の後輩である九十九・緒々子(回山倒海の見習いヒーロー・d06988)がジト目で眺める。
緒々子は従兄から借りた高校男子用制服を着用していた。が、なにせ小学生の緒々子とはサイズがまったく合っていない。サスペンダーとベルトでズボンがずり落ちないようにしているものの、布は余ってぶかぶか、手は袖の中に隠れてしまって萌え袖状態。
そんな準備をした理由は一重に、これから戦う都市伝説にあった。
「嫁入り前の娘っ子らを辱めて回ろうなんざ看過出来やせんぜ!」
「不埒な輩は即、灼滅すべきよね」
撫桐・娑婆蔵(鷹の眼娑婆蔵・d10859)に、水月・鏡花(鏡写しの双月・d00750)が応じる。
50cmまでの布を、時にスカートの内側からも奪ってしまうという天狗。連中をわかり易く一刀両断にしたのは雪村・忍(わんこ系さつじんき・d01336)。
「あはは、えっちな天狗さんだねー♪ しかも変態さんだ♪ しっかり懲らしめなきゃだねー♪」
「ふむ、ひどい都市伝説もおったものじゃの。きっと噂の主は男子中学生か中年男に違いないな? 一丁揉んで成敗してくれようぞ!」
エウロペア・プロシヨン(舞踏天球儀・d04163)に補足するなら、噂の主の何割かはきっと焼吾(男子中学生)。
彼女が纏うは日本の着物、にしては袖のパーツがやけに長く、逆に裾がとっても短い。萌え袖2号、そしてぱたぱたと風に舞う紺碧のミニ丈裾。その下には黒のタイツが、すっぽりとエウロペアの下半身を覆っている。
「……」
如月・春香(クラッキングレッドムーン・d09535)は静かに目を閉じ、殺界形成に集中していた。
なにせすぐそこに住宅街が見える。人がいっぱいいる。
そして自分達はこれから、他人に見られると不都合な状態になる。いろんな意味で。
「もっテけドロぼー……?」
いや、凸囗・凹(ハピネスウォーター・d11705)に限って言えば、今すでに不都合かもしれなかった。
凹の防具は裾の短いローブ。その上から囮用に、様々な色のハンカチがセロハンテープで無数に貼ってある。カラフル蓑虫。
でもって、その下には何もない。うん、はいてない。
「そろそろかな……っと!」
1枚の白いハンカチを掌で弄んでいた焼吾は、それが一瞬ちかっと輝くのを見た。
次の瞬間にはもう、ハンカチは存在しなくて。
「あはは、変態さんだー♪」
忍の声に見上げると、4体の天狗が姿を現していた。
そして、天狗の1体は確かに、さっきまで焼吾の物だったハンカチを握っていた。
●縞
愛用の魔導槍『Freya』を手に、黒のニーハイに包まれた鏡花の両脚がアスファルトを蹴った。
チェックのスカートが風をはらみ、はためく。かなりのミニ丈だが、鏡花はこれを着けての戦闘にも慣れているのか、裾を乱すようなこともない。
それでも黒の絶対領域の奥に時折ちらっと覗くのは、青いちっちゃな布、しかも白い縁取りまでついた可愛いデザインのショーツ。きっとお気に入りの下着なのだろう。
「こういうのは順々に、恐怖を与えるように屠るが定石ってイトコのにーちゃんが言ってたです! 乙女の敵に容赦はいらないのです」
緒々子も彼女を支援すべく、ブレイジングバーストを準備する。
「焼き鳥になりやがれ、です!」
槍の穂先が届き、炎が放たれる――その瞬間、緒々子の視線が閉ざされた。
「なっ!?」
後ろから別の天狗に、目隠しをかけられたらしい。ほどいてみるとそれは焼吾のハンカチだった。
気がつくと、狙っていた天狗は離れた位置まで移動している。鏡花の悔しそうな表情を見るに、彼女の攻撃もよけられたらしい。
どうやら一杯食わされたようだった。その天狗が、ふっと笑ったように見える。
「な、何がおかしいのよ」
腹立ちまぎれに鏡花が怒鳴った、その刹那――彼女のスカートの内側で、ちかっと光がまたたいた。
次にチェックのスカートが風に舞った時、青いちっちゃなショーツはそこにはなく。
「……!」
その光景を娑婆蔵は真正面から目撃し、鼻血を吹き出した。
真っ白で、形が良くて、可愛らしくて。下着を失った鏡花のお尻は、あまりにも無防備だった。
「えっ……? くっ!」
鏡花はスカートを掌でさりげなく押さえた。それでも天狗の周囲で吹き荒れる風は、プリーツを容赦なく巻き上げ、柔らかな肌色をちらちらと晒してしまう。
事態を予想していた鏡花の表情に、動揺は見られない。
ただ彼女の内心の恥じらいを反映してか、耳たぶだけがほんのわずかに紅みを帯びて、そして少しずつ熱くなっていく。
「恥ずかしいだと……それは大変だはやくなんとかしないと!」
彼女の元へいそいそと焼吾が向かい、回復の術を施す。離れた位置からでもキュアはできるって? 別にいいじゃないか! 後ろからいい眺めなんて思っちゃいないぜ!
しかし防御ダウンの効果が消えても、なくなった布は戻らない。
「よゆー! わらわよゆー!
くくっ! この国の伝統衣装であれば取られる布の心配も皆無ッ!」
エウロペアは自らの力を高めるべく、優雅に、そして流れるように舞っていた。豊かに張った腰がしなやかにくねり、紺碧の着物の胸元には小さな汗の玉が飛び散っている。
見ると彼女の黒タイツの両太腿のあたりには、細い切れ目がすっと入っていた。その位置はなんとなくガーターを思わせる。
とは言え、エウロペアの衣服の被害は、まだ軽微なものであった。
「きゃあ!」
春香の悲鳴が上がった。常の彼女には似つかわしくない、女の子らしい声。
「うぅ……くっ」
己の迂闊さと悔しさに頬を染め、天狗をにらむ春香。
戦闘用の追加装甲が脇腹や二の腕を護っていても、肩口から胸へと引き裂かれた服はごく普通の布。必死に隠した腕の隙間から、ほっそりした彼女の外観とは対照的な、柔らかで豊満そのものの白い肌が覗く。
「ちょ、イトコのにーちゃんから借りた服に何しやがるですか!」
緒々子は借り物の制服を、背後からえぐられていた。
制服の下に重装備をしてきた緒々子だが、それらもまとめて悲惨な目に遭っていた。引きちぎられたスパッツとショートパンツ、ずたずたに伝線したストッキング。背中から膝裏までむき出しにされ、かろうじて紺色ブルマが緒々子のお尻をくるんでいる。
そんな緒々子の無防備な背中を、さらに連続攻撃が襲った。
「……っ」
かろうじて鏡花が割って入る。しかしその代償は小さくなく、黒ジャケットの胸元にはすっぱりと大きく裂け目が入っていた。
ジャケットの内側から覗くのは、ショーツとお揃いのデザインの、青色の白縁取り付きハーフカップブラ。しかもストラップレスで、鏡花の豊かな胸のラインは半ばを隠せていない。
これが何を意味するかというと、つまり縦に50cmの長さがない訳で。
ちかっ。
「ああっ、やっ……!?」
当然のように、ブラまでも鏡花は抜き取られてしまった。
「よっしゃ天狗良くやった……じゃない、なんてことを!」
ぷるんっ、と露出した2つの円いふくらみに、焼吾が快哉を上げる。
「や、やだ……」
鏡花はかあっと頬を染め、左腕で両の胸を隠した。
ディフェンダーとして我が身を仲間の盾とする道を選んだ以上、こうなることは覚悟していた。服だって無事で済むとは思っていない。
それでも、1枚、また1枚と剥かれていくカウントダウンは、少女の心を羞恥と熱に染め上げていた。スカートの中を吹き抜け、時にめくり上げてしまう風が、絶望的に涼しい。右手1本で振るう槍がいつもより重い気がした。
●水玉
無論、やられっぱなしではすまさない。
「天狗共がナンボのモンじゃコラァー! 撫で斬りにしてやりまさァ!」
任侠者から一転、ヤクザの鉄砲玉と化したかのように、日本刀を手に突っ込む娑婆蔵。
「あははっ、自分が何やってるかわかってるのかなー♪」
催眠効果で仲間を攻撃している天狗を、忍は嘲笑う。それでもさほど嫌な印象を与えないのは彼の童顔故か。
『……』
彼に向けられた攻撃を、春香のビハインド『千秋』がガードした。
攻撃自体は普通の神薙刃だし、特に忍の服が乱れている訳でもない。でも護る。嬉々として半ズボンの小学生を護る。その勢いに春香も少し呆れ顔。
「……どうしたの千秋? 今日のあなたどこか変よ」
天狗は残り2体。
鏡花は右手で握った『Freya』を頭上に掲げ、魔法の詠唱に入った。
「撃ち抜け、蒼雷っ! ――Blitz Urteils!」
「うわっ、見えない!?」
と、隣から忍のパニック声が聞こえる。
見ると、ちっちゃな青い布が、彼の頭と目とをすっぽりと覆い隠していた。しかも白の縁取りつき。つまりこれは。
「……っ!」
ターゲットを忍に向け変えて、その恥ずかしい布を忍の頭ごとぶち抜いてしまいたい衝動を、鏡花はかろうじてこらえた。魔法の雷弾は予定通り、天狗を粉砕する。
が、妙な足の踏ん張り方をしたのが悪かったのか。ぱきん、とスカートのホックで嫌な音がした。
空気抵抗にプリーツをふくらませながら、スカートがすとんと落ちていく。
すでにショーツは失われてしまっている。鏡花の下半身は、丸裸に剥かれて……。
「ああっ……!?」
「それ以上はいかん! 描写できなくなるのじゃ!」
――エウロペアから前貼り、もとい防護符が飛んだ。
裸の下半身がすーすーと涼しくて恥ずかしい。ぺたっと貼りついたちっぽけな紙切れがあまりにも頼りない。けどそれでも、1番恥ずかしい部分だけは、皆に見られる恐れが一応なくなって。
「あ、ありがと……」
いずれにせよこれでラスト1体。
そいつは何やらボトムらしき形状の黒い布を手にしていた。ブルマ、にしては薄く、スパッツ、にしては短い。
「え、ちょっ、何じゃと!? う、嘘じゃろう!?」
と、エウロペアが慌てた声を上げた。
よく見ると、黒タイツを切られた太腿からミニ着物の奥深くまで、エウロペアの腰は肌色に転じてしまい、鏡花と同じような絶対領域を形成していた。どうやらタイツの切れ目より上は縦50cmに収まった、ということらしい。
これまでずっと余裕ある態度を崩さなかったエウロペアが、思わぬ狼狽を見せたのは少し意外だった。奪われたのはタイツ1枚のはずなのだが。
その最後の天狗に向けて、凹が猛然と突っ込む。
「カミかゼけンざん」
叩きつけられるはヴォルテックスの竜巻。2種類の風が混じり合い、砂嵐が視界を遮る。
風が収まると、立っていたのは凹。そして戦利品ということか、凹は白く細長い布を高々と天に掲げていた。よく見るとそれは天狗の褌であった。
だが、2種類の風がぶつかり合ったのが悪かったか。
「……ひんヤリ」
凹の唯一の衣服であるローブもまた、気流に巻き込まれて千切れ飛んでいた。つまりマッパ。
褌を掲げる凹の姿から後光が見える。まあおおかた改心の光だろう。ついでにその逆光が、見られてまずい部分をいい感じに隠している。
「まいっちんぐ……?」
遅ればせながら腕で隠すような仕草。でも仕草だけで、恥じらいも何もない。いろいろ台無しであった。
●はいてない
天狗の死体は風に流され、消滅した。
「……きえタ」
「ふーむ……残ってない、の」
凹が手にしていた褌も、エウロペアが回収しようとしていた各種ブツも、残念ながら消え失せた模様。
「勝った、のね」
鏡花がぶるっと肩を震わせた。
戦いの間に鏡花の柔肌は、ほぼ全裸にまで剥かれてしまっていた。残されているのは黒ニーハイと引き裂かれたジャケット、そして股間の前貼り符のみである。
「あ、鏡花の姉御、よろしければこれを使っておくんなせえ」
娑婆蔵が上下セット、合計5組の下着を差し出した。彼のこだわりを反映してか、すべて白の無地である。
試しに鏡花がその1つを身体に当ててみると、気持ち悪いほどぴったりとフィットする。
「……どうして、私の下着のサイズを?」
「あっしは殺人鬼にござんす。殺戮経路を見極める眼力なくして、生きては参れやせん」
つまりは、事前に服の上から仲間達の身体をガン見しておき、それだけで下着サイズまで知ったということか。春香がげんなりした表情になる。
「私はいいわ、ちゃんと自分の着替えは用意してあるから……」
「……もらうぞ」
エウロペアが娑婆蔵の手から引ったくるように、下着の1組を奪った。それを見て忍が首をかしげる。
「あれ? エウロペアおねーちゃん、取られたのはタイツだけじゃなかったっけ♪」
「べ、別に構わんじゃろうが!? わらわにくれるって言うんじゃから!」
強引に立ち去ろうとするエウロペア。その立ち振る舞いには、彼女本来の余裕はまるでなかった。何故?
その理由は、突如として巻き起こった一陣の風によって明かされた。
誰の意図も関与しない分、誰にも容赦がなく平等な自然の風。そして今、腰周りの布が1番短くて軽いのはエウロペアで。
「ひゃあっ……!?」
ミニ着物の裾が、完全にめくれ上がってしまう。
上にはミニ丈の紺碧の裾、下には太腿の半ばで切られた黒タイツ。
エウロペアのその間には――何も、なかった。
風が収まるまでの数秒間。灼滅者達の目に、むっちりと豊かに張った裸のお尻が、焼きつけられた。
「あ、あ……」
エウロペアの瞳から、1つ、また1つと涙の玉がこぼれ落ちた。
膝が力を失って、真っ白なお尻がぺたんと地面に落ちる。一瞬遅れて着物の裾がふぁさっと覆い隠す。
つまり、最初からエウロペアははいてなんかなくて。ってことは、彼女のあの黒タイツは……。
「あのタイツ……じ、直穿き……」
また娑婆蔵の鼻から、真紅の液体が溢れ出す。
「今回も強敵だった。ありがとう……じゃない、さらばエロ天狗!」
焼吾は相変わらずマッパの凹と、道にへたり込んだエウロペアの着物の裾とを見比べて、うんうんとうなづいた。
「今日は1ついいことを学ばせてもらったぜ。露出度が高ければエロいんじゃない、露出の過程がエロいとな……へぶっ!?」
「……にゃう、にゃごにゃあご(何を真顔で馬鹿言ってるのよ)」
銀毛の猫が焼吾の鳩尾に跳び蹴りをぶち込む。ESPで猫の姿になった鏡花である。鏡花だけでなく、緒々子は闇を纏い、春香は着替えの服を身に着けて、一応動ける体勢を整えている。
ともあれ目的を果たし、灼滅者達は解散した。
そして後には、ひっく、ひっくと泣きじゃくるエウロペアが残されたのであった。
「もう、やだあぁ……!」
作者:まほりはじめ |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年2月23日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 2/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 16
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