怪物の咆哮

    作者:天木一

     朝の早い時間から老人はいつも通り畑に向かう。
    「まったく今年は寒うていかん」
     畑の野菜の出来の悪さを思い、思わず顔を顰める。
    「なんじゃこれは!」
     辿り着いた畑が踏みにじり、荒らされている光景が目に飛び込んできた。
    「熊でも出たんか……」
     無造作に荒らされた跡に、獣のような痕跡を見つける。その時、声が聞こえた。
    『グゥゥゥウゥゥゥオォォォァ!』
     響く唸り声。それは凄まじい速度で近づいてくる。老人が振り向くとそこには、青く巨大な何かが迫っていた。
    「ひ、ひぃ……!」
     驚愕し身動き一つ取れない老人に、その化け物は腕を振り下ろす。ぐちゃりと、果実を潰すように老人は砕けた。
    『グゥゥォォォォォォォォオ!』
     後に残されたのは山間に響く化け物の咆哮だけだった。
     
     五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)が皆が揃ったのを見て口を開く。
    「鶴見岳の戦いでソロモンの悪魔が主力として使役していた『デモノイド』が殺人事件を起こします」
     場所は愛知県の山間部。そこで畑仕事に向かった老人が襲われる。
    「何故そんな場所に単独でいるのかは分かりません。ですが放置しておけば犠牲者は増える一方です」
     デモノイドは暴走状態と思われる。無作為に破壊活動を行なっているようだ。生き物を見れば優先的に襲ってくる。
    「犠牲者が生まれる前に皆さんに灼滅して欲しいんです」
     畑にやってくるところを向かえ討てば老人よりも早く接触できる。
    「デモノイドの武器は拳か、身体を変形させて作る刃です。ですが決して油断しないでください。ソロモンの悪魔が主力としていただけあって、強力な戦闘力を持っています」
     1体でも灼滅者達に匹敵する戦力を持ってる。優位に戦うには戦術を練る必要があるだろう。
    「次々に色んな場所で事件が起きて大変ですが、皆さんの力だけが人々を守る事ができるんです。どうかよろしくお願いします」
     姫子は頭を下げ、灼滅者達を見送った。


    参加者
    伊舟城・征士郎(銀修羅・d00458)
    色射・緋頼(兵器として育てられた少女・d01617)
    樹・咲桜(ガンナーズブルーム・d02110)
    桐谷・要(観測者・d04199)
    天代・鳴海(夜葬・d05982)
    姫乃川・火水(ドラゴンテイル・d12118)
    埜渡・慶一(黄昏の均衡・d12405)
    真神・蝶子(胡蝶の夢・d14558)

    ■リプレイ

    ●夜明けの時刻
     東の空が白く輝く。周囲はその光に照らされ、闇夜が晴れて薄っすらと朝靄が立ちこめる。
     冷える山地にある大きな畑の前に、灼滅者達は集まっていた。
    「ここですね。視界を遮るものはあまり無いですね、戦場にしても問題なさそうです」
     伊舟城・征士郎(銀修羅・d00458)はデモノイドとの初めての対峙に備え、調べた過去の情報を元に行動をシミュレートする。
    「こんな平和そうな所、デモノイドとは似つかないな」
     朝一番の戦闘は腕がなると、埜渡・慶一(黄昏の均衡・d12405)は体を動かし暖める。毎日行なう早朝の鍛錬のお陰で、朝の運動には慣れっこだった。
    「犠牲者が出る前になんとしても倒しましょう」
     無表情に周囲を見渡すと色射・緋頼(兵器として育てられた少女・d01617)は、被害が出る前に必ず倒してみせると強く思う。
    「そうだね、敵を倒すのが最優先だけど、出来る限り被害を抑えたいね」
     畑を踏み荒らさぬよう、足元に気をつけながら天代・鳴海(夜葬・d05982)は戦いの位置取りを考える。
    「はわわっ……今回が初依頼だけど、皆の足を引っ張らない様にしないといけないの」
     緊張に身を固くして、真神・蝶子(胡蝶の夢・d14558)は手のひらに人の字を書く。
    「敵は強いけど、みんなと力を合わせれば、怖いものなし。絶対に大丈夫だよ」
     そんな蝶子の様子を見て、樹・咲桜(ガンナーズブルーム・d02110)が励ますように声を掛ける。
    「うん、そうだよね、ありがとう!」
     蝶子はその言葉に頷くと、少し余裕を取り戻して頬を緩ませる。
    「デモノイド……ソロモンの悪魔の作り出した兵器ね。他のダークネスと比べて実力はどの程度かしら」
     強くて量産でもされては厄介な事になると、桐谷・要(観測者・d04199)は難しい顔で考える。
    「デモノイドって、何なんだろうな……真っ当な生き物じゃない。あれで生きてるって言えるのかな……なんてな。止めなきゃいけないのに変わりはないよな!」
     姫乃川・火水(ドラゴンテイル・d12118)は考えても仕方ないと、頭を切り替えて戦いの準備をする。
    「しかし、デモノイドはどこに向かっているのかな?」
    「もしかして……あの人、最期が近いからお家に帰りたがってるの?」
     鳴海の何気なく口にした疑問に、隣にいた蝶子がふと思いつくままに答えた。
    「帰る……か。どこに帰ろうとしてるのかしらね」
     要は誰に聞かせるでもなく、一人呟いた。
     遠く獣の如き唸り声が木霊す。それが徐々に近づいてくる。
    「どうやら来たみたいですね、皆様準備は宜しいですか?」
    「いつだって構わないぜ!」
     征士郎の問いに火水が大きな声で答える。他の仲間も皆頷いた。

    ●青い怪物
     山林の中、次々と木が薙ぎ倒される音。そして唸りが近づいてくる。
     それは鳴海が一般人避けに張っておいた、殺気による結界を無視してやってくる。
     どんどん音が近づいてくる。木がまるで跳ね飛ばされるように吹き飛んだ。そして、林の切れ目から飛び出してきた青い怪物。それは人型をした化け物、デモノイドだった。
    『グゥゥォォォォォォォォオ!』
     怪物は灼滅者達を視界に入れると、一直線に向かってくる。全ての生き物を殺す、破壊衝動のままに行動しているようだった。
    「……悲惨だな、俺が止めてやるっ」
     理性を失っているその姿に慶一は一瞬、同情の心が浮かぶ。だが敵が射程に入った瞬間、黒い殺気を放つ。受けたデモノイドは少々の傷など意にも介さず、そのまま突っ込んでくる。
    「さっさと終わらせるよ!」
     咲桜の足元から影が伸びると、デモノイドの体に巻きつく。縛り上げようとするが、デモノイドは怪力でそれを千切ると腕から刃を生やして襲い掛かる。
    「その咆哮に込められた想いは、憎悪か悲哀か。或いは魂無き叫びでしょうか……」
     征士郎の顔に一瞬、哀れみの表情が浮かぶ。しかし、だからこそ負けるわけにはいかないと決意が瞳に宿る。エネルギーの障壁を張り、デモノイドの突進を受け止める。
     だが、デモノイドはそれでも止まらない。障壁ごと征士郎を押していく。その時、横に並び共に敵を押し返す人影。
    「すげえ力だな、でも止めてやるぜっ!」
     オーラを纏った火水が体全体で敵を押し返す。畑に入る直前にその巨体は停止した。
    「先手必勝です」
    「援護します」
     緋頼の指先が複雑に動く、その先には鋼糸が伸びている。それはまるで指の延長のように正確に動き、デモノイドの足に巻きついた。敵は鋼糸を切ろうと腕を差し入れてもがく。
     要の瞳に鎖が宿り輝く、指輪に集まった魔力が弾丸となって放たれる。腕に撃ち込まれたデモノイドは、体が痺れて鋼糸を千切ろうとしていた動きが鈍る。
    「何者でも命を奪うものを野放しにはできない、だから此処で止めるよ」
     鳴海もまた鋼糸を放ち、更に足を絡めとって動きを止めようとする。
    『グゥゥオオオオオ!』
     咆哮と共にデモノイドが突進する。絡みつく鋼糸に足が斬られようとも気にせずに動く。肉が削げ、体液が噴出す。目の前まで近づくと、そのまま腕の刃を振るった。
    「守りはオレに任せろ! そっちは攻撃に集中してくれ」
     緋頼を狙った攻撃を火水が受け止めようとする。だが勢いを殺しきれずに吹き飛ばされ、地に転がる。更にデモノイドが攻撃しようとするが、そこにすぐに征士郎とビハインドがフォローに入る。
    「私も居ますよ!」
     二人が仲間を守る盾となって隙を作らない。
    「火水お兄さん! すぐに癒すからね」
     蝶子が天使の如き優しい声で歌う。その声は火水に届き、あっという間に傷を癒す。
    「助かったぜ!」
     起き上がった火水は、蝶子に礼を言いながらすぐさま前線へ復帰する。
    「やらせないよ!」
     征士郎に向けて放たれたデモノイドの拳に、咲桜の影が巻きつくと、引っ張って方向をずらす。拳は空を切ってその勢いは突風のような風を巻き起こす。
     その隙に鳴海と緋頼が左右から攻撃を仕掛ける。
    「こっちだ!」
     影を宿した鋼糸がデモノイドの皮膚を切り裂く。振り向いたデモノイドは薙ぎ払うように腕を払う。その腕を蹴り、スカートの裾をはためかせながら跳び上がる少女。
    「上ですよ」
     巨大な腕の型をした武器を、緋頼はデモノイドの頭上から体ごとぶつかるように叩き込む。腕から放たれる霊力の網が体を縛り上げる。
     鈍い手応えと共にデモノイドの顔が歪む。だがデモノイドは怯む事無く拳を頭上に放つ。
    『グゥゥォォォォォォオアァ!』
    「危ない!」
     征士郎が緋頼の前にエネルギー障壁を張る。拳はそれを押し破り突破するが、その間にビハインドがふわりと割り込み、代わりに拳を受けると、凄まじい勢いに上空へと吹き飛ばされる。
    「特殊な能力は無いみたいだけど、力と耐久力が高い。かなり手強い相手ね」
     要は魔力の弾丸を撃ち込みながら、その瞳は冷静に敵の行動を観測し、能力を測っている。
    「正面は危険です。まともに正面からは行かないようにしましょう!」
     そう仲間に声を掛けながらも弾丸を撃ち続け、牽制の攻撃を続ける。
    「了解だぜ!」
     回り込む火水にデモノイドが斬り掛かる。大きく腕を振り上げた。
    「いいのか、背後ががら空きだぞ」
     死角から忍び寄った慶一が、影の刃で足を斬り付ける。デモノイドはバランスを崩し、刃は軌道を逸れて攻撃を外す。だがそのまま倒れ込むように体当たりの体勢に移行して、火水に圧し掛かろうとする。
     それを火水は転がるように身を投げ出して避ける。だが間に合わない、押し潰される。そう思った時、火水の体に糸が巻きつくと、一気に引っ張り出しされた。すぐ後に青い巨体が地響きを立てて倒れ込み、地面が大きくめり込む。
     見れば糸は緋頼と鳴海から伸びていた。咄嗟に二人が鋼糸を使って助けたのだ。
    「サンキュー!」
     火水は親指を立てて笑みを浮べる。そしてまたデモノイドの前に立つ。

    ●咆哮
     その戦いはまるで闘牛。猛る獣をいなし、隙を突く。油断せずに勝負を終局へと一手一手詰めていく。
     戦場に歌が響く。蝶子の声が傷ついた者を癒す。それはまるで戦場に舞い降りた天使のよう。
    「大丈夫、私にまかせて。戦うのは未熟でも『癒しの子』って言われてたんだから」
    『グゥォォォォォ!』
     その歌声を打ち破るような獣の咆哮。耳が痛くなるような空気の振動。
    「来ます、皆さん気をつけてください!」
     要の呼びかけと同時にデモノイドが動く。両腕から刃を生やして前衛の灼滅者達の間に飛び掛かる。右腕の一撃で征士郎とビハインドが吹き飛ばされ、左腕の一撃で火水と緋頼が弾き飛ばされる。
     征士郎とビハインドは障壁を破られ、刃が肩を抉っていた。火水は斧で受けたが、そのまま衝撃で飛ばされ。緋頼は縛霊手で受け、後方に跳んで衝撃を逃すと、くるりとターンしてステップを踏むように着地していた。
     デモノイドはまだ動きを止めない、刃で仕留めようと駆ける。だがその速度が鈍る。見れば足に鋼糸が新たに絡まっている。
    「力比べする気はないけど、黙って見てる訳には行かないからね」
     鳴海が少しでも動きを止めようと、鋼糸で縛りつけていた。僅かに動きが止まったその瞬間、光線が奔る。
    「SHOOT!!」
     ライフルから放たれた光線はデモノイドを焼く。咲桜の狙い済ました射撃は、混戦する味方の間を抜けて敵を貫いた。
     怯んだデモノイドに要の魔法の弾丸が撃ち込まれる。傷口に食い込むと神経を麻痺させていく。
    「今のうちに回復してください」
    「傷の痛みを代わる事は出来ないけど、怪我は俺が癒すよ」
     鳴海は鋼糸を離して弓を手に取ると、癒しの矢を射る。放たれたそれは癒しの風に乗り、味方を治癒する。
    「駆け抜けて癒しの風、みんなを癒して」
     蝶子の周囲に吹き抜ける優しい風は、仲間を包み込むと傷口を塞いでいく。
     魔弾を正面から受けながら、デモノイドは駆け出す。何発被弾しようとも突撃は止まらない。要に急接近すると刃を向ける。そこに横から一筋の光。矢が彗星の如く飛翔し、刃を砕く。
    「もう一発だ」
     慶一が二の矢を射る。それは狙い違わずもう片腕の刃も打ち砕く。刃を失い、大きく振りかぶり拳を放つ。唸りをあげるその暴威に、咲桜が守護の符を投げつける。
    「任せて!」
     念じれば、符は結界となり、敵の拳の勢いを僅かに止める。だが拳は勢いを止めずに貫き、要を襲う。そこに復帰した火水が現れ、拳を抱きとめるように受け止めた。
    「っ……へへ、まぁまぁの攻撃、だな。ほら、こっちも一発お見舞いし返してやれ!」
     火水は拳を離さない。動けないデモノイドの周囲で銀閃が舞う。ずるりとデモノイドの右腕が地面に落ちた。どろりと液体が流れ、腕が形を保てずに液体へと変化していく。緋頼は体液のついた鋼糸を振るう。
    「お返しです」
    『グギァァァァァ! イタイイタイイタイ』
     デモノイドが喋った。痛みを訴える唸り声。だがその体は戦う本能のままに動く。残った腕を振り回し、砲弾のように拳が放たれる。
     火水はなんとか攻撃を受け流す。でたらめに続く攻撃を征士郎とビハインドが受け止める。
    『ヤメテ、ドウシ、テ。ワタシガ、コンナメニ……』
     苦しい苦しいと、デモノイドは呻く。
    「これ、どうするんだ! なんとかできないのか!?」
    「無理です、せめて苦しまずに倒すしか我々に出来ることはありません」
     火水が攻撃を凌ぎながら問う叫びに、征士郎の冷静な声が返す。だがその声は僅かに震えて聞こえた。
    「そんな……」
     蝶子は仲間を癒しながら息を呑む。
    「倒すしかないなら、せめて……」
     鳴海は心臓を狙い鋼糸を操る。だがデモノイドの分厚い胸板に阻まれ致命傷に至らない。それを見て察した要と咲桜は顔を合わせて頷く。
    「確実に当てるわ」
     要の撃つ魔法の矢が、動くデモノイドの動きに合わせて曲がり、胸の傷跡へと着弾する。咲桜はそこに銃口を合わせた。
    「すぐに終わらせてあげるからね」
     ライフルから光線が奔る。デモノイドの胸を直撃し焼き溶かす。そこにあるはずであろう心臓を焼いた、だがそれでも怪物は止まらない。
    『イダイイダイイダイ……』
    「私にはあなたを癒してあげることが出来ないから……だから」
     蝶子が槍を構える。大きく振るうと風が巻き起こる。風は刃となってデモノイドを斬り裂く。
    「俺が……止めてやる!」
     強い決意の光を宿し、火水は大きく跳躍する。力を足に宿して蹴りを放つ。それに対してデモノイドは拳で迎撃しようとする。
    「これ以上、苦しむ事はありません」
     征士郎がエネルギーの盾を叩きつけ、ビハインドも同時に攻撃を放ち、拳を払った。火水の蹴りが顔面を貫き吹き飛ばす。それと同時に胸を一筋の矢が貫いた。
    「もう眠れ」
     慶一が弓を下げ、悼むように呟く。顔の上半分を砕かれ、胸に穴を開けて、それでもまだデモノイドには息があった。
    『タスケテ、オガァサ――』
    「ごめんなさい」
     それ以上は聞いていられなかった。緋頼が鋼糸を縦横に動かし、確実に息の根を止める。怪物の咆哮は止んだ。
     青い体は形を保てずに、どろりと溶け始める。それはすぐに小さく、地面の染みとなって消えた。

    ●静寂に包まれて
     灼滅者達に勝った喜びの表情は無い。皆言葉も無く、重い空気が漂う。
    「アナタを怪物として生み堕とした本物の悪魔は、私達が必ず止めてみせます。だからアナタは、静かにお休みなさい」
     征士郎はデモノイドが消えた後を見て、強く誓う。こんな非道を成した存在を必ず倒してみせると。
    「そう、もっと根元の敵を倒さないと……」
     戦いを終えて緋頼は息を吐く。しかしこんな存在を生み出した黒幕を倒さなければ、またこんな事が繰り返されてしまう。
    「こんな存在を、絶対に量産なんてさせてはいけないわ」
    「うん、絶対にこんなのダメだよ! こんなの悲しいよ」
     要が俯き、拳を握る。咲桜もまた瞳を潤ませ、悲しそうに声を震わす。
    「オレには倒すことしか出来なかった。やらなきゃならなかった事だって、分かってるけど……やりきれないぜ」
     憤る感情の行き場を無くし、耐えるように火水は歯を食いしばる。
    「ダークネスに関わると、みんな不幸になっちゃうね」
     鳴海は一歩離れて皆の視線から外れる。まるで、その内にある怒りと悲しみを誰にも見られないようにするように。
    「どうか安らかに眠ってくれ」
     デモノイドと成ってしまった悲惨な運命を憐れに思い、慶一はそっと目を閉じ冥福を祈る。
    「こんな花しかあげられないけどやすらかに……」
     蝶子は近くで積んだ花を、そっとデモノイドの消えた場所に添えた。そして目を閉じると歌い出す。
     それは皆の心を癒すように、優しく包み込むような天使の歌声が響く。
     悲しい咆哮はもう聴こえない。今はただ、優しい歌声が山を包み込む。天使の歌はきっと魂を迷うことなく天に導くだろう。
     灼滅者達は黙して、怪物だったものの安らかな眠りを願った。

    作者:天木一 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年2月23日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 9/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 5
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