炎は何を想う

    作者:聖山葵

    「みー?」
    「マダテキガイルカモシレナイ。ツカレテイルトオモウガモウスコシシンボウシテクレ」
     どこか心細そうな鳴き声に言葉を返したのは、一人の少女だった。
    「にー」
     どこかすがるように少女を見たそれは唸り声にも似た少女の言葉に納得したのか一声鳴くと後は沈黙し。
    「ぐるる」
    「がうぅぅぅ」
     呼応するようにいくかの唸り声が周囲から上がった。少女の言葉は、やりとりをかわした炎を纏う猫だけに向けたものではなかったのだ。
    「バベルノクサリガアル。ソウカンタンニミツカリハシナイ。イマノウチニ……」
     ひとかたまりとなって夜の闇を照らしながら、少女に率いられたイフリートの群れはただひたすらに疾走する。
    「はっ、はっ、はっ……」
    「うぉぉぉぉぉん」
     荒い息づかいと地面を蹴り飛ばす足音に時々咆吼が混じり、それらは音の主と共にどこかへと去って行く。そう、どこかへと――。
     


    「鶴見岳から脱出したイフリートの行方が解ったんだって?」
    「ほぅ、耳が早いな、少年」
     呼び集めた灼滅者達の前で説明の準備を始めていた少女は、扉を開けて顔を出した鳥井・和馬(小学生ファイアブラッド・dn0046)の第一声へ微かに驚きを見せた。
    「最初の説明が不要となったようだが、君達を呼んだ理由はそこにある」
     豊かな胸を持ち上げるように腕を組んだエクスブレイン――座本・はるひ(高校生エクスブレイン・dn0088)が明かしたのは、少女の姿をした個体を含む三十体前後のイフリートが固まって移動を続けているという事実。
    「もっとも、居場所はわかったものの、今回は前回と事情が異なる」
    「事情?」
    「そう、事情だ」
     首をかしげた和馬に頷いたはるひは、告げる。
    「イフリート達は戦闘状態にないのだ。即ち、大人数で接触しようとすればバベルの鎖によって事前に察知される」
     結果として接触に失敗することになるのだろう。
    「じゃあさ、予知されても逃げ切れない規模の人数で包囲するとか」
    「少年……それなら接触は可能だろうが、他のダークネス組織を刺激してしまうおそれがあるのだよ」
     よって大規模作戦も行えない。
    「もちろん、接触しないというのも一つの手ではある。だが、ここは敢えて少人数による情報収集を試みたいと私は決めた」
     補足出来たと言うことはチャンスでもあるのだ。
    「情報は重要だ。バベルの鎖による事前予知を無視出来ないようにな」
    「あ、うん。確かにね」
     一つの事実を口にしたエクスブレインの少女に和馬は頷き。
    「よって……少年、私はもっと少年の事を知りたいと熱望している」
    「へっ?」
     続く言葉に顔を引きつらせる。
    「そう、一緒に風呂に入って背中を流すという名目であんな所やこんな所まで全て調べ尽くしたいと思うほどにっ」
    「ちょっ、どこをどうしたらそんな話に?!」
     いつの間にはるひに後ろからかガシッと捕獲されていた和馬は思わず叫ぶが、エクスブレインの少女は取り合わない。
    「それはさておき、情報収集の話だが……相手は三十体を超えた数のダークネス、戦闘になれば勝ち目は全くない」
     たとえ全員が闇堕ちしたとしても敵の数は灼滅者達の四倍近い数になる。矛を交えようとすれば蹴散らされるのはこちら側だろう。
    「よって、無理のない範囲で情報を集めてきて欲しい。どうやって接触してどの程度の情報を得るかは、現場に赴いた君達の判断に任せる」
     自由に行ってくれ、とはるひは和馬を捕まえたままの姿勢で言うが、イフリート達の戦力は圧倒的だ。接触から始まる情報収集に慎重な行動が求められるのは言うまでもない。
    「私から言えることはこんなところだ」
     無事の帰還を祈らせて貰おう、とエクスブレインの少女は灼滅者を送り出し。
    「あれ、オイラは?」
     説明を終えたはるひに対して和馬が問いかけたのはある意味当然とも言えた。なぜなら一人少女に捕獲されたまま教室に残されたのだから。
    「決まっているではないか。私の母性本能をこれ程も刺激したのだ。しばらくこの感触を堪能させて貰おうっ!」
    「変態だーっ!」
     とんでもない決まっているに和馬は悲鳴をあげるが他の灼滅者達は去り、教室には他に誰も居ない。
    「しかし、無茶をしなければいいが」
     じゃれ合いにかまけているように見えて一応立ち去った灼滅者達を心配する姿にいっぱいいっぱいの和馬が気づくことはなかった。
     


    参加者
    ミレーヌ・ルリエーブル(首刈り兎・d00464)
    来栖・清和(武蔵野のご当地ヒーロー・d00627)
    梅澤・大文字(手乗り番長・d02284)
    フィズィ・デュール(麺道三段・d02661)
    垰田・毬衣(人畜無害系イフリート・d02897)
    住矢・慧樹(クロスファイア・d04132)
    弐之瀬・秋夜(スタイリッシュ馬鹿・d04609)
    蘚須田・結唯(祝詞の詠い手・d10773)

    ■リプレイ

    ●走り出して
    「……そろそろだね」
     暗い山中だからこそか、遠くから近づいてくるそれははっきりと見て取れた。
    (「仲良しこよしとはいきそうにないわね、見た目は可愛いのに惜しいわ」)
     全身に炎を纏う獣が三十を超える群れを作って進んでくるともなれば、見間違いようもない。炎の明るさがあるからこそ遠目にも良く見えたのか、ミレーヌ・ルリエーブル(首刈り兎・d00464)は群れの一体、一回り小さい炎の猫に目をやり嘆息する。
    (「イフリート達との対話……これをきっかけに、手を取り合う、なんて事は……」)
     この接触に蘚須田・結唯(祝詞の詠い手・d10773)が望む結末が用意されているかは、まだ解らない。ただ、灼滅者達は選んだのだ。遠巻きに様子を窺うのではなく、直接イフリート達の前に姿を現し言葉を交わしてみると言う接触方法を。
    「イフリート……俺はどうしても、宿敵っつうより同族意識みたいなモンを感じてしまうんだよな」
     徐々に大きくなる群れを眺めつつ、住矢・慧樹(クロスファイア・d04132)は呟いた。
    「何となく解るよ」
     そう共感して見せたのは、イフリートの着ぐるみに身を包み、自身もイフリートと化していた過去を持つ垰田・毬衣(人畜無害系イフリート・d02897)。
    「まぁ、それはさておきだ。時間の方はもうあんまりなさそうだぜ?」
     接触までに残された――心の準備をする時間は。弐之瀬・秋夜(スタイリッシュ馬鹿・d04609)の示す先に見えた移動する炎はもう随分大きくなってきている。
    「漢は拳で語るものッ! ……だが、今回はそーゆーワケにゃぁいかねぇな?」
     断言した梅澤・大文字(手乗り番長・d02284)は、一呼吸置くと他の灼滅者達に背を向けたまま言葉を続け、笑う。
    「いいだろう! この、100人の部下を持つ人情溢れる業炎番長、漢・梅澤のコミュ力を見せてやろう!」
     おそらく誇張も入っていると思われる宣言が、大言壮語で終わるか事実であるかを証明するかは、まさにここから。
    (「さて、一つ間違えれば全滅しかねないわけだし、慎重にいきましょう」)
     自分に言い聞かせるように胸中でこぼしたミレーヌは大文字の言をさらりとスルーし。
    「大丈夫、一度ちゃんとお話したかったから、機会を無駄にしないように頑張るよ」
     毬衣もまた聞かなかったことにして、秋夜へ頷きを返した。
    「いよいよか」
     イフリート達がこちらに気づくのも時間の問題という距離まで来て、来栖・清和(武蔵野のご当地ヒーロー・d00627)はイフリートに背を向ける。
    「足並みそろえ、警戒心を抱かせないようイフリート達と並ぶようにでございましたね?」
     接触は、フィズィ・デュール(麺道三段・d02661)が口にしたとおり、まず併走しながら行う手はずだった。故に、ある程度近づいてきたら走り出す必要があって。
    「今だ、行こう」
     タイミングを見計らい、灼滅者達は走り出す。
    「やい! イフリート共! おれだ!」
    「はいなー、お急ぎの所申し訳ないですが、ちょっくらお話よろしいですかー?」
    「今日は、皆さんとお話をするために来ました!」
    「今日は戦いに来たんじゃないんだ! 少しだけ、俺達に時間をくれないか?」
     走り出しながら、口々に声をかけ――ようとし。
    「えっ?」
    「あれっ? わっ、たっ、たっ」
     声をかけるべき存在を一瞬見失って、思わずつんのめる。
    「い、一体何が……あ?」
     一行が振り返れば、そこには灼滅者達が走り出そうとした辺りで足を止めたイフリートの少女を含む面々の姿があった。

    ●接触
    「考えてみれば、飛び出してきた敵とわざわざ併走する必要なんて無いわよね」
     こうして足を止め警戒するか別方向に逃げるか、もしくはそのまま襲いかかってくるか。
    「何だか初っぱなから躓いてないか?」
    「大丈夫です。問答無用で攻撃された訳じゃありませんし、ここからです」
     言われてみれば、警戒こそしているものの、攻撃を仕掛けて来てはいない。
    「……っあー……ハ、ハウアーユー……?」
     微妙な空気の中、再度口を開いたのは、大文字だった。
    「……グルル」
     返ってきたのが痛いほどの沈黙ではなく威嚇めいた唸り声だったのは、是非もないだろう。そもそもバベルの鎖がある以上、未来予知が出来るイフリートの少女達からすればこれはあり得ない出来事なのだから。
    「ウゥゥゥ」
     比較的大柄なイフリートが炎を纏う猫など小さな者を庇うように前に出て身体をかがめる。一言で言うなら、臨戦態勢がもっとも相応しいだろうか。
    「これ……は?」
     だが、飛びかかって来ないことも事実。一同の呼びかけが届いたのか、それとも単に灼滅者達の出方を窺っているのか。
    (「とはいうものの、このまま見つめ合っていても仕方ないよな?」)
     沈黙し続けたところで状況が好転する保証もなく、第一にそれでは役目が果たせない。
    「よかった、ちゃんと会えたんだよ。あなた達とお話しに来たの」
    「……ハナシ?」
     切り出した毬衣の言葉へ、群れの最前列にいたイフリートの少女は、オウム返しに一つの単語を口にしただけだったが灼滅者達にとってそれは良い方向への変化に思えた。
    「良かったー! ハナシ、してくれるんだな!」
     一言とはいえ、少女が言葉を発したのだ。
    「チョット変だけど、お会いできてコーエイですっ!」
     慧樹は顔一面に喜色を浮かべ。
    「僕は来栖清和。言葉を交わすことを許可いただけますか?」
     清和は名乗りながら被っていたフルフェイスのヘルメットを脱ぐと身を包む殲術道具までカードに戻し、問いかける。
    「フィズィ・デュールと申します。名刺はありませんがご容赦を」
     続いて名乗ったのは、フィズィ。灼滅者達が望んだで交渉が始められなかったのは、残念だったが、一行には「この場に第三者が襲撃をかけてくるのではないか」という危惧があった。
    「ここに足を運んだのは、聞きたいことがあったからよ」
     ミレーヌからすれば、対価として切れる札はいくつもあり、それで足ると思ったからこそ少女の姿をとるイフリートへ問おうとしたのだろう。
    「今お前らは何から逃れ何処に向かい、何をするんだ?」
     もっとも、人語を話せるイフリートを他に知らぬが故、「今日は戦いに来た訳じゃねぇ、情報が欲しい」と前置きした大文字の問いも同じイフリートの少女に向けられた。もちろん、矢継ぎ早な質問にはならないよう気を配り、ごく普通の会話になるよう心を砕いた上でだが。
    「にー」
     会話の様子を横目で時折窺う結唯は、ESPによって猫の姿に転じたまま、炎を纏った猫のイフリートへ呼びかけるように鳴く。先方が警戒状態のままで移行したやりとりである為、身体の小さなイフリートやあまり戦闘向きに見えないイフリート達は後方に下げられてそのままなのだ。
    (「まだ私達が警戒されているのでしょうか? それとも他のダークネスを警戒して……」)
     だからこそ、結唯からは炎狼の身体に遮られて、猫イフリートの姿は見えない。
    (「しっかし、心臓に悪い光景だよな」)
     結唯同様時々イフリート達の姿を窺いながら、秋夜は第三者の襲撃を警戒しつつ周囲を見回す。想定したほど友好的でない状態のイフリートと仲間が言葉を交わしている状況下で、更に第三者の襲撃に備えて見張りをしているのだ、いくら細かい事を気にしない性格と言ってもこれで平然としていられる筈がない。
    (「そりゃ、上手く話がついてくれるのが一番だけどな」)
     むろん、表面上は取り繕っているだろうが、秋夜も情報を得る為にここに来たのだ。
    「何としてでも、情報をもって帰る」
     そう決めて。だからこそ、気になっていた会話の行方だが、一行は二つ大きなミスを犯していた。誰も気づかなかった大きなミスを。
    「ラーメンは何味がお好きですか?」
     イフリート少女の様子に拙いと思ったのかもしれない。フィズィが真面目な話だけではと軽い雑談を挟もうとした瞬間。
    「ウルサイ、ジャマダ、イノチオシケレバドケ」
     いきり立った少女の怒声が山を震わせたのだった。

    ●危機
    「オーッ! 炎ダメダメ、ミーも一応イフリート、仲良し仲良しネー」
     一瞬即発、もはや戦いは避けられないかと思われるほど険悪化した空気の中、思わず大文字は叫びつつ手を振り、イフリートの少女を静めようとした。
    「……なんでエセ英語になってんだおれ」
     と心の中で自分にツッコミを入れる程度に余裕があったのはある意味尊敬に値するかもしれない。だが、それで戦闘を止められたかというと、話は別で。
    「くっ、これは流石に……」
     戦いは避けられないかと殆ど誰もが思い。
    「キサ――」
     イフリートの少女が再び怒鳴りつけようとした瞬間。
    「アタシは垰田毬衣、元イフリートで今は灼滅者だよ」
     毬衣の名乗りが、少女の動きを止めていた。
    「イフ……リート?」
     口から唸り声にも似た呟きがこぼれると同時に張りつめた空気が幾分和らいだ。
    「オゥ、イエース! ミーも一応イフリートネー」
     すかさず大文字が便乗し。
    「炎が操れるって言うんなら俺もお仲間だぜ」
     秋夜も手を挙げる。
    「これは……」
    「……ひょっとして説得の方法を間違えていたのかもしれないね」
     言葉を交わしていた時と比べて目に見えて明らかな反応にミレーヌと清和は顔を見合わせた。ともあれ、こうして最悪の事態だけは避けられたのだった。
    「綺麗なイフリートの娘様、ぜひお名前を伺いたい」
    「オマエタチガモトモトドウホウダッタトシテモ、ワレワレノジャマハサセナイ」
    「……答える気がなさそうよ?」
     もっとも友好的とはほど遠い空気であるのは間違いない。名前を尋ねても無視したのかそれ以外の理由でか、答えることなく。
    「ソコヲトオセ」
     次にイフリートの少女が要求したのは、道を空けろと言う要求だったのだから。
    「お待ち下さい」
     だが、フィズィにも譲れないものがある。一喝される前に灼滅者達は伝えていた、自分達が一般人を守る為の集まりであると。イフリートの少女には理解された様子もなければ感銘を与えた訳でもなかったが、そこに嘘偽りはない。
    「皆様が一般人を襲えばこちらも止めねばなりません、それはお互い面倒なだけでございましょう?」
     だからこそフィズィは食いついて。
    「グルルゥ……」
     食い下がられたからか、少女は言葉ではなく唸り声を漏らした。まさにもう一度危機が訪れようとした時。
    「アー、ミー人守りたい、人傷つけない、人の居ないところゆく、邪魔しないネー」
    「ホントウカ?」
     エセ英語に言い直した大文字の言葉へイフリートの少女は問いかけた。
    「はっ? あ、ああ。オゥ、イエース」
     一瞬耳を疑った大文字だったが、おそらくあっけにとられたのは他の灼滅者達も同様だろう。
    「ジャマガナイトイウナラバ、ソノホウガイイ」
    「これは……」
    「ひょっとして……」
     大文字の口にした言葉は英語ではなかった。と言うことは英語でなければ通じなかったという線はない。となると、言葉を理解し易いよう簡潔なものに置き換えたぐらいだ。
    「あの子が怒った理由って俺達の言葉が難しすぎて理解出来なかったってことかな?」
    「ああ、言われてみれば」
     一行が犯した最大のミスがまさにそれであった。結果、少女を怒らせてしまい質問出来るような空気はどこかへ飛んで行ってしまった訳だが。
    「じゃあ、邪魔が入らず進める道を教えるんだよ」
    「ナラバオシエテモラオウ」
     とりあえず毬衣の申し出に、少女は拍子抜けするほど素直に同意していた。
    「ところで、何処に向かうんだ?」
     ただし、道を説明するにしても行き先が解らなければどうしようもない。イフリート達を何とか人気のない場所へ誘導することは出来そうだったが、慧樹の口にした問いは至極もっともなものだった。
    「ハコネダ。ハコネニハ『クロキバ』ガイルカモシレナイ」
     だからこそイフリートの少女も答えたのだろう。
    「クロキバ?」
    「ツヨクハナイガタヨリニナル」
     灼滅者達が少女から聞き出せたのは、それがやっとだった。
    「シュッパツスルゾ」
     元々イフリート達は急いでいたのだ。それが灼滅者達との接触で彼女らからすれば不必要なタイムロスを被った。このまま止め置けば、少女が爆発するのは火を見るより明らかだろう。
    「仕方ありませんね」
    「そうだね、走りながら道を説明するけどいいかな?」
     再度顔を見合わせた清和達は頷き合うと走り出し。
    「アア」
     了承した少女が灼滅者達と並んで走る。まさに最初に想定した接触のように――。

    ●そして
    「行ってしまったね」
     流石にあの空気で同行を申し出るのは不可能だった。清和は遠ざかって行く炎の群れを見送り。
    「そうね。戦いにならずに済んだのは幸いだったけれど」
    「ですね」
     ミレーヌの言葉に、心ここに在らずと言った様子の結唯が相づちを打つ。ふれあおうと思っていた猫のイフリートのことが気になっているのか、手の中で弄ばれた鈴がちりりと鳴り。
    「あの様子だと携帯電話なんて持っていらっしゃいませんよね」
     渡せなかった連絡先を書いたメモを握ったまま、予想はついたですがと嘆息する。
    「けど、情報は得られたんだよ」
    「それに、あの様子なら大都市に向かう事も無いだろうしな」
     なんだかんだ言っても、ケガ一つ無く一定の程度の成果はあげられたのだ。ここで満足しておくべきなのかもしれない。
    「けど、クロキバね。いったいどんな奴なんだろうな?」
     もはや遠くの明かりと化したイフリート達を眺めつつ、秋夜は呟いた。
     

    作者:聖山葵 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年3月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 18/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 24
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