ハリウッド映画、サスペンスアクションで名を馳せた有名監督の最新作。その公開初日。
行列を為した日中の熱気は、夜になっても映画館の中に残っているように感じられた。
もうすぐレイトショーが始まる。
かろうじて残っていた席はスクリーンの眼前。それでも入れたことに、急ぐ男の足は浮き足立っている。いかにも仕事帰りのスーツ姿。
指定された館の扉を開けると、暗闇と大音声、そして圧倒的な大画面が彼を迎え入れた。
――上映中は静かにしましょう。携帯の電源は切ってね!
「よかった、まだ始まってない」
彼はほっと安堵に微笑み、それから。
最後列からまとめて首を飛ばしていった。一列ずつ。
音はといえば、右から左へ横切る鈍い銀色の糸が、風を切るに伴うものだけ。
スクリーンで、カメラを被った男が達者にパントマイムを踊り出した。
――上映されている映画を録画し、アップロードするのは犯罪です!
ごろごろと足元に転がっている首を避け、中央の席に座っている胴体を持ち上げ通路に落として、男はようやく人心地をつく。
「……さて、間に合ったのは僕なのかな。それとも彼らなのかな」
どちらでもエキサイティングだ。
浮かれ調子の微笑を浮かべ、ひとまずは始まった映画に意識を向けた。
●
「六六六人衆のひとり、序列五四三位の行動を予測しました」
教室に集まった灼滅者達へそう告げた五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)は、表情に拭いきれぬ憂いを纏わせていた。
「バベルの鎖の力による予知も、エクスブレインの未来予測までは読み取れません。ですが」
姫子は髪を揺らすようにして、緩やかに首を横に振る。
「――ただの殺戮ではありません。灼滅者を待っている、そんな意思を感じます。……恐らくは、これは罠でしょう。皆さんを闇堕ちさせるための」
分かった上で、それでも赴いて欲しい。
エクスブレインの彼女に纏い付く憂いはそう語っていた。
ダークネスを灼滅することこそが灼滅者達の宿命。
「ゴトウ、と名乗っているその男は、レイトショーの上映前に駆け込んだ映画館で大虐殺を始めようとします。接触の機会はその一点。また、話題作の公開初日ということで人の入りは多く、予め避難させておくにも工夫が要るかもしれません」
それだけ大勢の人間が上映前を一斉に出て行かせるのはさすがに察知されるだろう。そうなるとゴトウの動きが読めない。現れないならそれはそれで未然に防いだとも言えるが、エクスブレインの予測を逸脱した殺戮行為に走る可能性も、日を改められてしまう可能性も出てくる。
「予告編の間に遅れて入ってくるサラリーマン風の男がゴトウです。皆さんがいることで敵の目的の一端は果たされるでしょう。万が一そうでなくても、気を惹く手段に頭を悩ませることはないと思います。そこで人々を逃がすことなら、可能だと思います、が」
慎重に区切られた言葉には意味がある。
六六六人衆と対峙しながら、人々を逃がすための束の間、人員を割く。――それがどんなに危ういことか。
それに。
「……皆さんの闇堕ちを望んでいるということであれば、戦いながらも逆上を狙って一般の方々に手を掛ける可能性は高いでしょう」
後藤の武器は鋼糸。
また、上映直前の館内は薄暗い。大スクリーンの光が頼りとなるだろう。
「今回は灼滅ではなく、一般の方々の避難が任務です」
少しだけ念を押すように姫子は言った。
「どうか、……ご無事で、帰ってきてくださいね」
参加者 | |
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結月・仁奈(華彩フィエリテ・d00171) |
藤堂・悠二郎(闇隠の朔月・d00377) |
蒼月・悠(蒼い月の下、気高き花は咲誇る・d00540) |
夜鷹・治胡(カオティックフレア・d02486) |
槌屋・康也(荒野の獣は内に在り・d02877) |
秋桜・木鳥(銀梟・d03834) |
月岡・朗(虚空の紅炎・d03972) |
村山・一途(赤い夢の住人・d04649) |
●Movie theater murder
時刻は二十時になろうとしていた。
レイトショーを迎える人々の表情に共通しているのは、平日の一日がつつがなく終わったことに対する疲労感とこれから始まるひとときへの期待。そして、紛れもない無気力感。
スクリーン横の非常扉に手を掛けていた少女に意識を馳せる者はいない。特に出て行くわけでもなくスクリーン前の座席に戻っていく姿があれば、なおさらに。
「出口として使えると思うよ」
少女――結月・仁奈(華彩フィエリテ・d00171)は、夜鷹・治胡(カオティックフレア・d02486)と村山・一途(赤い夢の住人・d04649)にそう手短に報告し、彼女たちの隣に座った。
「近ぇな、画面。首が痛くなりそうだ」
「結月さん夜鷹さん、缶おでん食べますか。さっき槌屋さんにもらいました」
「じゃあ、終わったら皆で一緒に食べよう」
「そうだな。……皆で」
対峙する相手は五四三番。人を殺すために殺す闇。
落ちていく館内の照明と入れ違いに、スクリーンに息吹が灯る。
横を見た首をそのまま後ろへ巡らせて、仁奈は改めて配置を見た。
座席の後方にはふたつ扉がある。非常口とは異なる正規の扉。左右それぞれの傍に佇む仲間達を流し見た後、その扉のちょうど中間にあたる位置、最後列に座っていた秋桜・木鳥(銀梟・d03834)が館内をざっと見渡している。何気なく首に遣られている手。
「全く。映画は静かに見たいんだけどな」
「……そうだな」
その後ろに佇む月岡・朗(虚空の紅炎・d03972)がいささか緊張した面持ちで返した。立ち見の体裁になる。木鳥とは対照的に仲間達を見ていた朗の視線は、近い距離にいる槌屋・康也(荒野の獣は内に在り・d02877)からスクリーン前の三人へと移る。
よし、と決意の滲む短い言葉をそこにいる彼女らが察せたかは分からない。それを境目に、彼の目つきが変わったのも。
「……誰ひとり殺らせはしない」
藤堂・悠二郎(闇隠の朔月・d00377)の零した静かな決意が、口付けたスレイヤーカードを変容させながら空気に溶け込んだ時。
彼の佇むすぐ傍、向かって左側にあたる扉が薄く開かれた。零れる光が視界の隅を刺す。
――サラリーマン風の、スーツ姿の男。
仁奈が迅速にサウンドシャッターを展開する。
「静かに!」
蒼月・悠(蒼い月の下、気高き花は咲誇る・d00540)の声が毅然と響くと同時、伊達眼鏡に触れていたその手によって右手側の扉が開かれた。もう一方の手にはより強い光を放つLEDライト。
それは紛れもない合図だっただろう。かねてより吹いていた王者の風が、観客達の感情をより強く言葉に添わせる。確かに静まり返ったその刹那に、扉付近にいた康也がWOKシールドを手に飛び出した。
「ぜってー守りきる! それが俺の役割だ……!」
狙いすましたシールドバッシュ。――それを命中させるためには、至近距離に入らなければならない。
「――ッ!」
手応えなどほとんど感じ取れなかった。鋼糸が身体を斜めに横切る、軋む鋭さは全く割に合わない。
悠二郎が派手に切り裂かれた康也へと治癒を施す。クリエイトファイアによる炎が薄暗い館内を鮮やかに照らし出した。飛び散った血を一般人が血だと認識する前にと、悠は先ほどよりも高らかに声を張り上げる。
「不審者乱入による避難訓練です! 速やかに慌てず押し合わずに外へ出てください!」
「大丈夫だよ。落ち着いてね。非常口はこっちだよ」
気力を削がれてどこか怯えた様子を見せる観客達は、飛び入りの訓練について疑念を抱く余地を持ち合わせていなかった。百五十名ほどの彼らが列を作り始める。左右の扉以外にも、すかさず入った仁奈の誘導によって非常口へ導かれていく。
その動線から遠ざかるため、スクリーン前を横切るようにして治胡と一途が駆けて離れる。
まずいな、と治胡は眉間を寄せた。蜂の巣をつついたようなパニックを免れた分、人々の動きが遅い。それに加えて、
「なるほど。間に合ったのはキミ達だったようだね」
五四三番・ゴトウはうっすらと笑った。人のよさそうな、毒気のなさそうな愛想の良い微笑。
「狙いは此方だろう、戦うのなら来いよ」
両扉の前から離すべくと、階段を数段下がった位置に立つ木鳥が投げ掛けた静かな挑発に、ゴトウはゆるりと首を振る。
「そう、狙いはキミ達だ。それは間違いない。ところで、ねえキミ、面白いね」
後の言葉は康也に向けられていた。彼の果敢さに対してではない。切り裂いて上がる炎に向かう子供じみた感動の呟き。
映画を観るついでに他の観客を殺した。殺しや戦いを楽しんでいるという以前に、呼吸するように凶器を振るう。
気を惹く手段に頭を悩ませることはないだろう、と確かに姫子は言った。確かに意図も好奇心も明確だ。しかし。
――この男は果たして、理性を棄てて挑発に乗るような手合いなのか?
否、もっと掘り下げればこうなる。
――挑発をすることで動かすことが期待出来るような、そんな相手か?
「CGみたいだ。もっと見せてくれる?」
スクリーンの中では予告編が始まっている。
外の売店まで筒抜けの"避難訓練"は、しかし騒々しさのない、足音だけが淡々と続く奇妙さな静けさを伴っていた。
●五四三番を持つ男
制約の弾丸がゴトウと康也の間を突き抜けて壁に着弾した。
射手――スタイリッシュモードを発動した一途がスクリーン前に佇み、ソフト帽のつばの下から目を覗かせる。
「おや、その格好は」
これから始まる本編の主役を模倣したその姿は、画面から一足先に飛び出したかのような錯覚を見るものに抱かせた。
ゴトウも例外ではない。面白がる口調。
「今日の私は不死身のヒーロー……スクリーンの前で殺してみたいと思いませんか?」
「せっかくだけど、僕が映画を愛するのはね。決して手を出せないからなんだ。そこでは人間は脆くない」
「なあ、ならアンタお勧めの映画教えてくれよ。俺達からは、――俺達がそう脆くないことを教えてやるさ!」
治胡が一途に負けず劣らずの装いを発揮して獰猛に笑んだ。床を蹴る勢いで階段を駆け上がる。
「下らねぇ真似しなくてもご希望通りにしてやってイイ――俺を倒せたら、な!」
距離を詰めて当て込むシールドバッシュ。その直前に悠二郎から防護符が割り込み、治胡の全身を切り裂かんとする鋼糸の勢いを僅かに軽減する。それでも無傷というわけにはいかず、赤々と燃える炎が階段の上でたたらを踏んだ治胡の身体から流れていく。
キミも発火するのか、などと笑いながら身を反転させたその先。挟み撃ちで放たれた康也のレーヴァテインを踊る軽やかさでステップを踏んで回避したゴトウは、戦線離脱に似た脈絡のない唐突さで左扉へ向けて駆けた。
――右手側の扉には悠二郎。左手側の扉には。
「蒼月!」
治胡の半ば叫ぶに似た声を代行したのは木鳥。雲耀剣がゴトウの肩口を掠める。避難を終えるまで戦線維持を優先していた朗が更に追駆し、一般人の誘導に専念したまま迎撃態勢を取る悠へとフェニックスドライブを開放。
間近に迫った鋼糸を、しかし悠は避けてしまうわけにはいかなかった。――避難がまだ終わっていない。
展開するシールドリング。不死鳥の加護と光の盾を食い破り、鋼糸がその細い身体を刺し貫いていく。
「殺、らせ、ません……!」
血の滲む決意を喉奥から絞り出す。が。
彼女の身体から"生えた"凶器が、くん、と動いて、その背後を横断している一般人の列の最後尾を分断した。
「や、め」
首ごと掻っ攫うように銀色の糸が踊る。
崩れ落ちた身体。その数三人。階段を鞠のように転がる首の数も、同様に。
身体を貫く糸が抜けた瞬間に、糸が切れると喩えられる無造作さで悠がその場に膝をついた。
一拍の沈黙。――悲鳴。騒然。金属音に似た悲痛さ。
「これは希望通りじゃないなあ」
笑う六六六人衆の男。
「ぶっ……飛ばす、てめええェ!!」
逆上。そう言うに正しい康也がゴトウへと走る。
「落ち着いてゆっくり出口へ向かってください、――大丈夫です、から」
残り少ない一般人へ向け、木鳥が動揺を殺して割り込みヴォイスを仕掛ける。
それと共に悠二郎が殺界形成を展開。恐慌とともに残存する一般人を半ば追い出し、そこでようやく左手側の扉を強引に閉めた。体重を掛けるようにして。
挑発は無駄ではない。そう言い聞かせる。殺されたのは三人。百五十人の中の三人だけ。――違う。三人もだ。
康也の黒死斬がスーツの胴部分を引き裂く。怯まぬ男は、階段ではなく座席の背もたれを渡り石が如く踏み越えて一途が迫る。ティアーズリッパー。だがその俊敏な手首を、ゴトウは掴んで康也へと投げつけた。衝撃を受けて転がった二人とは逆方向、死角となる位置から朗が宵闇丸を振りかぶる。
纏う炎に更に傷を増やしたはずのゴトウが笑ったのを朗は見た。
治胡が攻撃から急遽ソーサルガーダーへ転じ、己に向けて与えたのも。
自分の腹に深々と、束ねられた鋼糸がつくりものの手のように突き刺さるのも。
「ぐ……っ」
「よく燃える。キミ達は放火魔の一団かな」
非常口を閉めきって階段を駆け上がった仁奈が、悠が守っていた扉に飛びつく。閉ざされる。
「殺人者の一団の一員に言われたくないよ。わたしたちが目当てなら、周りくどいことしないでぶつかって、きなよ」
「ぶつかる? はは、これはこれは。殺してしまったら意味がないんだ」
「誰も、闇堕ち……なんて。させ、……ま、せん」
悠が己の傷を迅速に癒しながら、強く感情を吐く。
「いいや。してもらうよ」
――もうすぐ本編が始まるなあ。
ゴトウは確かにそう言って、両手をひらめかせる。鋼糸がその掌の中で踊る。
●その闇
張り巡らされた結界糸は嵐が如く激しく強く、同時に、その場にいた灼滅者達が肌で異常を感じるほどの力を纏っていた。全身に傷を負い凍りついたように動きが滞る前衛達を見定める眼をして、六六六人衆の男は呟く。
「ねえ、そういえば扉閉めちゃったけど。キミ達の誰にも、撤退なんていう選択肢はないんだね。僕に勝てると思ってるのならそれは大きな間違いだと思うよ。――或いは」
悠長な足取りで中央の階段を降りていく。くる、と中途で振り返った。
「或いは。本当は堕ちてみたいんだ。僕達の手を借りて、ダークネスになりたい。そう望んでいる」
「……マジで自己中心的なヤツだな、テメェ」
悠の傍に転がる死体を一瞥し、一途が立ち上がる。スクリーンの光を受けた影が膨れ上がる。
「命は脆く儚く尊く、そして綺麗だ。だから私は人を殺すことには価値があると思う」
影食らいが敵めがけてまっすぐに放たれた。
「だからこそ私は人を殺してはいけないと思う。……それだけです。私は殺人鬼ですから」
ゴトウは避けなかった。影が創り出した造形を面白がるような目で見上げて、呑まれる。
影が掻き消えても尚涼しい顔で立っていることは、その場にいた皆が分かっていた。
誰ひとり驚かず。
誰ひとり、その先を疑うものはいない。
「どうするのが一番いいか。僕はずっと考えてるんだ。でね、映画なら――仲間が欠けた時、覚醒するのは定石じゃないかって」
ふら、と足を踏み出したのは仁奈だった。
「結月さん」
「まるでスクリーンから飛び出してきたような、サスペンス・アクション。……なんて笑えない、ね」
「駄目です、まだっ、……しちゃいけない!」
「駄目なのはわたしだよ。蒼月先輩」
悠二郎の回復を受けた康也の眼は業火の怒りに燃えて、撃ち放たれた妖冷弾は比例するように鋭く輝く。
六六六人衆の男の身体にまともに突き刺さる。流れ落ちていく血の筋は確かに赤い。そのはずだ。
だが。それが何だと言うのだろう。
深手が癒し切れない朗。回復は追いつかず、決定打もない。壊滅状態と言っていい。
そんな中で、更に仲間が傷つけられようとしている。
「こんなんじゃ、――だって、護れない……」
「結月!」
治胡が聞いたその声は切実で、繊細で、さし挟まった名を呼ぶ響きはどこか愛おしげで、何より錯乱と言うに等しく。
最も早く察知したのはダークネスに他ならなかった。
「ふふ。ははは、そっちか。そうか。どんでん返しはいいね。少し伏線が足りないけど、思わぬところから飛んできた」
皆の眼が一様に仁奈へと集まる。
「……うん。ごめんね」
それは何に対しての謝罪だったのか。
仄暗い双眸を持ち上げて、――疾駆する。
それは紛れもない敵だった。排除すべき彼女の敵。
圧倒的な速度で繰り出された螺穿槍に、ゴトウは初めて俊敏な防御行動を取った。スクリーンの前へと追いやるような甚大な攻撃をして、笑い声が上がる。
「素晴らしい! 面白い! エキサイティングだ」
「――……ッ無駄にはしねえ! そうだろ……!!」
「当たり前、だ」
康也の言葉に木鳥が応じ、得物を携え直して駆ける。
治胡が右扉前の階段を駆け下りながら、二人に続いて影縛りをゴトウへと放った。
回避されることを前提とした攻撃はすなわち抑制になる。四人がかりともなれば尚更に。ゴトウが難なく避けるであろうその先に一途の制約の弾丸が飛び、決定的な速度で仁奈が捉える。その身に飛んだ防護符は悠二郎の手から飛んだもの。持ち直した悠のシールドリングが、加勢して更に鋼糸の勢いを殺す。
出し抜けに、ふつりと大スクリーンが暗転した。
映画会社のロゴが映し出される。
「ああ」
血塗れた六六六人衆の男は、へらっと愛想よく笑った。
「途中から観るのはポリシーに反する。終わりだ」
「ゴトウ!」
「楽しかったよ、なかなかね」
男は身を翻し、夢のようにあっさりと非常口から姿を消した。
追うものは――一人の少女。
「結月……!」
誰かが彼女の名前を叫んでも、その足が止まることは、なかった。
無造作に転がっている遺体を前にして、悠二郎が目を伏せた。
「……守りきれなかった」
護れない、と言った仁奈の声が、まだ治胡の耳に残っている。彼の声と彼女の声と己の声が、胸の内で重なる。
だが。
「――今からでも守れるヤツがいるんだ。助けるぜ」
「はい。缶おでんを一緒に食べるって約束もしましたから、ね」
故に、足を止めてはならない。決して。
映画館に静寂が戻る。
作者:蔦草正果 |
重傷:月岡・朗(虚空の紅炎・d03972) 死亡:なし 闇堕ち:結月・仁奈(華彩フィエリテ・d00171) |
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種類:
公開:2013年3月15日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 9/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 2
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