正母の会

    作者:陵かなめ

     人影まばらな鉄道の駅の一角に、数名の若者の集団が見えた。
     女性が集団の中心で話をしているようだ。
    「女性専用車両など、女性に配慮された鉄道は増えています」
     赤いマントを羽織り、ロングウェーブの髪を一纏めにしている女性は、穏やかな口調で話し続けた。
    「けれど、痴漢や暴力行為の噂はなくなりません」
     女性の言葉を聞き、そばにいた若者達が悲痛な叫び声を上げる。
    「赤花様。そのような非道な行い、許せるわけがありません」
    「赤花様。耳をふさぎたくなるような、恐ろしいお話です!!」
     赤花と呼ばれた女性は、落ち着き払って集団に声をかける。
    「どうか、聞いて下さい。私達『正母の会』は、そのような非道な行いを許しはしません。さあ、皆さん、勇気を出して行動に移りましょう」
     折しもその時、電車がホームに到着するアナウンスが流れた。
     赤花と3人の若者が、一斉に動き出す。
    「非道な行いをする可能性のある人間がいなくなれば、安心して女性が乗車できるでしょう」
     赤花の言葉に従い、『正母の会』の面々は目についた電車待ちの乗客を線路に突き落とし始めた。

    「確かに、痴漢は良くないよ。それに、暴力沙汰もね」
     須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)はため息をつきながら、こう切り出した。
    「ソロモンの悪魔に強化された一般人がね、電車がホームに入る直前に、乗客を線路に突き落として回っているようなんだ。突き落とされているのは、別に痴漢をしていた人じゃない。本当にただの一般人なの」
     この集団は、『正母の会』と名乗り、痴漢行為を働くかもしれないと言う理由で、一般人を次々殺して回っているというのだ。『正母の会』のメンバーに、未来を正確に予想できるような人物はいない。ただ、もしかしたら痴漢を働くかもしれないと無理矢理理由をつけているだけだ。
    「皆には、『正母の会』の幹部と強化一般人を灼滅して欲しいの」
     エクスブレインが予測した未来に従えば、ダークネスの予知をかいくぐり、『正母の会』に迫れるだろう。
    「狭いホームだし、すぐ近くを電車が走っている危険な状況だけど、どうか、お願い」
     まりんは一度皆の顔を見て、話を続けた。
    「戦いを仕掛けるタイミングは、電車の入ってくるアナウンスが流れて『正母の会』がホームに姿を現した時だよ。襲われるはずだった一般人を守りながらの戦いになると思う」
     すぐに電車が来るので、タイミングを見計らって電車に乗せるのも手だろう。
     気をつけたいのは、『正母の会』が現れる前に乗客を逃してしまうと、『正母の会』のメンバーは去っていってしまう。そうなれば取り逃がしてしまうだろう。
    「赤花と呼ばれる赤いマントを羽織っている女性が幹部。他に強化一般人が3名いるよ。襲われる乗客は4名。あまり乗客のフォローに人数を割いちゃうと、こちらが危ないと思う」
     特に、幹部の赤花は魔法使い相当の強力なサイキックを使ってくる。気をつけたい。
    「相手の戦力を侮ることはできないよ。皆、十分用心してね。無事で帰ってきて」
     最後に、まりんはペコリと頭を下げた。


    参加者
    高嶺・銀(見習いガンナー・d00429)
    アリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)
    津宮・栞(漆の轍・d02934)
    音羽・彼方(笑わない殺人鬼・d05188)
    羽場・ネロ(超時空音痴姫・d09671)
    祁答院・哀歌(仇道にして求答の・d10632)
    前園・茉莉花(マレウスマレフィカルム・d14278)
    秋乃・信(夢の羽間・d15306)

    ■リプレイ

    ●まもなく電車がまいります
    「まもなく電車がまいります。危険ですから白線の内側でお待ちください」
     聞き慣れたアナウンスが流れる。
     時を同じくして、赤いマントの女性を中心とした集団がホームに現れた。
     赤花と取り巻きの強化一般人に間違いない。
     それを確認し、灼滅者達が行動を開始した。
     乗客の元へ走ったのは祁答院・哀歌(仇道にして求答の・d10632)だ。
     乗客を守るため乗客のふりをしていた高嶺・銀(見習いガンナー・d00429)も、すぐに戦う態勢を整える。
     駅内の下見をしていたアリス・バークリー(ホワイトウィッシュ・d00814)と、壁際で情報確認をしていた音羽・彼方(笑わない殺人鬼・d05188)は、まっすぐ赤花に向かった。
     前園・茉莉花(マレウスマレフィカルム・d14278)と津宮・栞(漆の轍・d02934)も姿を表し、前衛の位置につく。
     秋乃・信(夢の羽間・d15306)は中衛、羽場・ネロ(超時空音痴姫・d09671)は後衛に位置を取った。
    「赤花……襲色目でしょうか?」
    「何を……?」
     突然現れた灼滅者達を見て困惑する赤花に、彼方は声をかけた。
     何と答えられても、別に関係ないのだが。
     赤花の答えを待たず、彼方のガトリングガンが火を吹いた。
     ようやく自分達が攻撃されたのだと気が付いたのか、赤花と取り巻き達が戦う姿を見せる。
    「ごきげんよう、『正母』赤花殿。そしてさようなら」
     アリスは言い終わると、相手の反応を何一つ待たず魔法の矢を赤花に飛ばした。
    「愚かな……正義の理で動く私達に刃を向けるなど! それも、駅のホームで暴力行為を!!」
     負けじと、赤花がマジックミサイルを撃ってくる。
     アリスと赤花の魔法が、お互いを相殺するように激しくぶつかった。
    「赤花様っ、お怪我は?!」
    「援護します!!」
     取り巻き達は赤花の後に控え、赤花の周りに守りの符を飛ばした。
    「貴方達は、乗客を。このままでは、私達の目的が――」
     ガトリングでうけた傷が癒え、赤花は取り巻きに指示を出す。
     取り巻き達は、赤花を気にしながらも、支持に従い乗客に狙いを定めた。
     そこへ、茉莉花が躍り出た。
    「クハッいいね、サイッコーについてる、初っ端からゲロカス共ぶち殺せると思うと」
     言いながら、楽しげに口の端を持ち上げる。
     感動のあまり、笑いが止まらない。だいたい、幹部がたかだか三人とは。随分と侘しい組織じゃないか。
    「さぁ、いい声で泣いてくれ偽善者共」
     それは楽しげにガンナイフを構え、躊躇なく射撃を開始する。
    「痴漢、暴力行為……それらを許さずに女性を守るという意思は、同じ女性としてとても誇らしく思います」
     信もまた、ガンナイフを構え敵を見据える。
     立ち位置を判断し、できるだけ沢山の敵を巻き込む場所に狙いを定めた。
    「でも、度が過ぎる”守る”という意思は、その分だけ守る対象の存在を無視する事になるのかもしれません」
     茉莉花と信、激しい二人の銃弾に、取り巻き達は悲鳴を上げる。
    「初陣ゆえに雑魚の敵の牽制……余は謙虚であるなぁ」
     よろめく取り巻き達を見て、ネロが優雅に胸元からハバネロを取り出した。
     それをおもむろに食べ、影で触手を作る。
    「たっぷりのハバネロに絡まれるが良い」
     ネロの影が、取り巻きを絡めとった。
    「え、なぁに?」
    「なになに? 撮影かなんか?」
     戦いの様子に乗客が気づいたようだ。
     哀歌は戦闘場所に近い乗客から声をかけていった。
    「私は警察関係の者です。気をつけて下さい。痴漢冤罪を押し付け、危害を加えるような者達です」
     敵は過激派カルトだと、説明した。
     関係者を思わせる哀歌の言葉に、乗客は何となく納得した感じで頷く。
    「こちらへ。私についてきて下さい」
     哀歌は同じ要領で、客を保護していった。
     遠くで電車の近づく音がした。
     到着まであと僅か。乗客を守るため、できるだけ危険から遠ざけようと思う。

    ●正しい行い・非道な行い
    「……今なさろうとしている事も、立派な暴力行為。痴漢よりも非道な行いだと思うのだけど、如何かしら」
     栞がチェーンソー剣を振りかざし、赤花を狙う。敵に有利な持続効果を一つでも消し去りたい。それに、電車が発車するまでは、少しでもこちらに注意を向けさせたい。
    「あら。貴方達も、暴力的な行為を許せない?」
     攻撃を受けよろめきながらも、赤花は自分達を囲む灼滅者達を見た。
    「けれど、私達の行いを非道とは。ふっ。良いでしょう、教えて差し上げます。私達は正しい行いをしているのだから、非道であるわけがありません」
     だから、自分達だけは暴力行為も許されるのだと。
     あまりにも勝手な言い様だったが、取り巻き達は尊敬と羨望の眼差しで赤花を見る。
     主張し終わると、赤花が大きく手を広げた。
     瞬間、足元から凍りつく。
     前衛にいたアリスや彼方、栞、茉莉花の体温が急速に奪われた。更に、氷がまとわり付く。
     だが、倒れるようなダメージではない。灼滅者達はすぐに武器を構え直した。
     その時、到着を知らせる軽快なメロディとともに電車がホームに滑りこんできた。
     電車のドアが開く。
     予定通り、降りる客の姿はない。
    「さあ、こっちです。早く」
     銀はドアが空いた瞬間、乗客たちを電車に押し込んだ。
     敵の攻撃は、今のところ乗客まで届いてこない。仲間がうまく抑えているのだ。
    「ええ?!」
    「ちょ、ちょっとぉ」
     ぐいぐいと車内に押し込められ、乗客たちは口々に不満を漏らす。
     だが、ホームに突き落とされる未来よりは、マシだろう。
    「大丈夫です。電車に乗り込めば安全です。後は、我々にお任せ下さい」
     哀歌もまた、客を乗車させていた。
     何度目かの、激しい銃声。
    「まもなくドアが閉まります。駆け込み乗車はおやめください」
     のんびりとした車掌の車内アナウンスが響く。
     早く早く。
     銀が急かすように車掌を見た。
     ようやくドアの閉まる音がする。
    「発車します」
     短いアナウンスとともに、発車音がホームに響いた。
    「くっ。正しい行いをしている私達に、どうしてこのような酷いことを?!」
     電車の姿が遠のいていく。この日犠牲になるはずだった乗客は、無事次の駅を目指した。
     その事実に、取り巻きの一人が憎悪の表情で灼滅者達を罵倒する。
     確かに、痴漢は断固罰せられるべき犯罪だ。けれど。
    「それを憎む心を悪用して罪もない人々の命を奪い、一般人に殺人という罪を犯させる。卑劣な悪魔を許す事はできません」
     本来のポジションに付いた銀が槍を構え、
    「貫け!」
     捻りを加えて突き出した。取り巻きの身体が吹き飛ぶ。
    「うぅ……」
     敵は苦しげに喘いだ。
    「この弾丸は復讐の味だ。アタシの怒りだ。とくと味わえ劣等共」
     ニヤリと笑い、茉莉花は銃口をしっかりと敵に向ける。手心を加えるつもりなど毛頭ない。
     発射された弾丸は、確実に取り巻きの一人を貫き倒した。
    「くそっ。貴様らのような暴力主義者が、電車を脅かすのだというのに!!」
     仲間が倒れたと知り、激高する赤花の取り巻き。
     信は、無造作に繰り出される攻撃を事も無げに捌き、逆にガンナイフで相手に確実な攻撃を仕掛ける。
    「罪の無い人達への無差別な行いは、それこそが非道に値します」
    「はっ。何を言う。私達は正義。正義の行いを非道だと? 暴力をふるう輩は、やはりダメだな!!」
     信と対峙する赤花の取り巻きは、非常に暴力的な攻撃を繰り返しながら、叫び続けた。
     けれど、信は冷静に対処する。
     上段に構えた武器を、真っ直ぐ振り下ろした。
    「……」
     声もなく、取り巻きは崩れ去った。
     最後に残った取り巻きに、哀歌が向かう。
    「貴方達は修羅の道を選んだ。ならば――」
     悪鬼の私と出遭うのも必然でしょう、と。拳に雷を宿し、敵の懐に飛び込む。
     見事な一撃で、敵の身体が傾いだ。
    「過剰防衛というやつだな」
     やれやれ、と、ネロがハバネロを口に含む。
    「違う、私達は、もっと崇高な……!」
     よろよろと立ち上がる敵に、炎を叩きつけた。
    「ハバネロファイアであるぞ」
     そのまま、最後の取り巻きも沈んでいった。

    ●赤花
     一般人は無事避難できただろうか。
     電車が遠のく音を聞き、栞はちらりと後の様子をうかがった。
     ホームには自分達以外の人影はない。
     どうやら、今回の突き落としは未遂のうちに止めることができたようだ。
    「なんという事を! 貴方達は、自分のしていることを恥じなさいっ。痴漢や暴漢が、どれほどの被害を生むのか!!」
     赤花が攻撃態勢に入った。
     同時に、栞が影を伸ばす。
     赤花が痴漢に固執する理由も、きっと強い思い入れがあっての事だろうと思う。
     それを考え、胸を痛めているのは事実だ。
     けれど……、
    「手が及ぶ限り、止めたいの」
     その気持を込め、影を絡みつかせた。
    「ソロモンの悪魔に出会って、歪んだ思想を掲げるようになったの? それとも最初から? とにかく危険思想は、芽のうちにさっさと摘まなきゃね」
     妄念に囚われたカルトの殲滅に容赦も遠慮も要らない、と、アリスは両手に集中させたオーラを一気に赤花にぶつける。
    「歪み? 何を言っているのでしょう。私の思いこそ、正義だ!!」
     よろめく赤花は、何とか態勢を整え魔法の矢を飛ばしてきた。
    (「相変わらずソロモンの配下は主義主張と行動一致しない」)
     まあ、そこが面白いのだけれども。
     魔法の矢をものともせず、彼方が赤花の元へ素早く飛び込んだ。
     左拳にオーラを集中させ、炸裂弾の如き連打を繰り出しす。
    「っつ。なぜ、私達の崇高な思いが、理解できないのか」
    「知るか」
     痛みに顔を歪める赤花に、彼方は冷たい一言を吐き捨てた。
     そもそも、恐怖というのなら、ホームに現れる殺人集団こそ恐怖の対象だろうに。
     赤花が次の動作に入る動きを見せたので、ホームのアスファルトを蹴り素早くその場から飛び退いた。
     その時、取り巻きを倒した仲間が次々と合流してきた。
    「……、あの子たちを、倒したというのですね」
     赤花の表情に悲しみは浮かばなかった。
    「これで後はうぬ一人だ、おとなしく灼滅されるのだな」
     取り巻きと対峙していたネロが、最後の通告を突きつける。
     だが赤花は、微笑んだ。
    「いいえ、まだまだ。痴漢や暴力を無くするため、私は倒れるわけにはいきません」
    「まぁ、余も痴漢は嫌いだな、ああいうことはお互いの合意の上するのが良いのではないか」
     電車を貸し切っての痴漢プレイ……アリかもしれない。
     ネロは頷きながら、慎重に敵と距離を取った。
    「そうですか。では、まず私が貴方たちを滅ぼす。その後、痴漢をするかもしれない非道な輩を、成敗しましょう」
     決定的に、言葉が通じない。
     同じ言葉を使っているはずなのに、意思の疎通がまるでできないのだ。
     それは赤花も分かっているのか、大きく手を開いて灼滅者達を見据えた。
    「さようなら。身も心も、凍りつくといい!!」
     前衛にいた者の体温が急激に奪われる。
     気をしっかり持たなければ、本当に身体が凍りつきそうだった。

    ●思いそれぞれ
     舌打ちして、膝をついたのは茉莉花だった。
     すぐさまネロが回復の歌を歌う。
     だが、茉莉花はまだ赤花に向かって行こうとはしない。
    「油断なんざしねぇ。クソムカつくことにアタシは初陣で……」
     しかも基本的にゲロカスのほうがつえぇからな、と、気合を込めて叫ぶ。
    「テメェらゲロカスは何所にいようと絶対に見つけて殺してやる……ぜ っ た い にだ」
     気合の入った叫び声に、茉莉花の傷が癒えていく。
     再び武器を構え、茉莉花は赤花へ攻撃を仕掛けた。
    「穿て!」
     合わせるように、銀が影を宿した武器を振り下ろす。
     攻撃を受け、赤花がふらりとよろめいた。
     畳み掛けるように栞が指輪から弾丸を放てば、信が漆黒の弾丸で赤花を撃ちぬく。
    「赤い花を咲かせるほどの価値もなく、無為に朽ち果てるがお似合いでしょう」
     緋色のオーラを拳に宿し、哀歌は赤花を徹底的に殴り飛ばした。
     赤花の身体が吹き飛ぶ。
     そこに素早く回り込んだ彼方が、赤花を鷲掴みにした。
    「愚かな……。私という正義を、傷つけるなど……」
    「黙れ」
     呻く赤花に、炎の奔流を浴びせかける。
     最後に待っていたのは光の剣を手にしたアリスだった。
    「サイキック斬り、その身に受けなさい」
     一切の容赦なく、赤花を斬り裂いた。
     まだ次の電車は来ない。
     赤花は静かに崩れ消え去った。

    「これで任務完了ね」
     皆の様子を確認して、アリスが言った。
     相変わらずソロモンの悪魔自身は表に出てこない。
    「出てきたら怖いけど、最近はソロモンの悪魔本体も暗躍してるし」
     彼らをこそ討たなければ。
     アリスの言葉にネロが頷いた。
    「やれやれ、さすがは悪魔だな、いやらしい絡めてでカルト教団を動かしよる。余ももっと鍛えなければ本体が出てきたら困るからな」
     小さな駅のホームはとても静かだ。
    「これで、少なくともあの4人は助けられましたが」
     長く続く線路を見ながら、銀が呟いた。
     突き落とされるはずだった乗客の四人。せめて彼らだけでも、無事助けることができてよかった。
     けれど、銀は考える。
     正母の会の強化一般人は何故騙されたのだろう。
     本当に助けることができなかったのだろうか。
     取り留めもなく浮かぶ思いに、答えはなかった。
    「全員救えないというのは、虚しさしか得るものはないわね。それとも、死は救い?」
     誰にともわからないアリスの問いかけ。
     栞は伏し目がちに小さく呟いた。
    「赤花も……利用された被害者だったのかも知れないわね」
     今となっては、もう何もかも遅いのかもしれないけれど。言わずには居れなかった。
    「それより、背後組織と悪魔本体の関係が気になります」
     戦いが終わり、普段の雰囲気に戻った彼方は思う。
     洗脳されていたからどうしたというのか。
     責任は意志ではなく行動に付随するものだ、と心の中で。
     赤花のマントや、何かソロモンの悪魔に繋がるものを探そうと思っていたけれど、すべて赤花とともに消えてしまった。
     ようやく、次の電車の到着案内のアナウンスが流れる。
     聞こえてくる軽快なメロディを背に、灼滅者達は帰路についた。

    作者:陵かなめ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年3月18日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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