とあるスーパーの店先に、美味しそうないちごのパックが並んでいた。
セール品なのだろうか、「特価」と書かれた値札を見た客が1つ2つとパックを買い物カゴへと入れていく。
「ありがとうございますー」
店内へと消えていく客にそう声をかけながら、いちごパックの補充を開始する男性店員。
「……なんで『こいのか』じゃないの?」
聞こえたきた可愛らしい声に男性店員が振り返る。そこには、小学校低学年くらいの少女が彼を見上げるようにして立っていた。
いちごを模した帽子を被り、いちごのプリントが入った白いブラウスに赤いふわふわスカートを身に着け、足元はやっぱりいちごのワンポイントが入った白いソックスに赤い靴を履いて……とにかくいちご要素満載の少女の恰好に、男性店員の動きが一瞬止まる。
「なんで『こいのか』じゃないの?」
少女が再び問いかける。どうやら少女は怒っているらしく、先ほどより口調がきつくなっている。
「なんでって言われてもなぁ……」
どう説明したものかと悩む店員の胸中など知らぬ少女の怒りは、何故かあっという間に頂点に達したらしく。
「ここは長崎県なんだから、『こいのか』じゃないとダメなのーーー!」
叫ぶなり、少女はきれいに並べられたいちごパックの山を盛大にひっくりかえした。
「この間の事件の帰りに、変な話を小耳に挟みま、した」
灼滅者が集まる教室で、風早・真衣(Spreading Wind・d01474)が口を開いた。
「それで、エクスブレインさんに確認して貰ったん、です」
そこで一旦言葉を切り、真衣は少し後ろに控える一之瀬・巽(中学生エクスブレイン・dn0038)に視線を向けた。
巽が軽く頷くと、真衣は灼滅者たちに視線を戻して言葉を続ける。
「『こいのか』といういちごに拘るご当地怪人さん? がいるん、です」
こいのか、とは長崎と大分で共同開発されたという新しい品種のいちごの名前である。
「小学生の女の子なんで、すが、まだ完全に闇堕ちしているわけではないらしい、んです」
もしかしたら、灼滅者としての素質があるのかもしれない。
「もしかしたら、闇堕ちから救ってあげられるかもしれないそう、です」
そこまで言うと、真衣は再び巽に視線を移した。
真衣の話の後を引き取り、巽が説明を始める。
「彼女の名前は『岩永・静香』。いちご農家の娘だ」
彼女の実家では、前出の「こいのか」という新しい品種のいちごを栽培しているらしい。
新種故にまだ流通も少なく世間一般に対する知名度も決して高くない。
「自分の好きな地元『長崎』と自分の好きな『こいのか』を世の中に広く知ってもらいたい、というのがそもそもの始まりだったと思われるんだが……」
どうも間違った方向に思いが爆発してしまったらしい。
「彼女はこの町にいる。ここのスーパーマーケット付近で待ち伏せていれば会えるはずだ」
長崎県某所の地図を広げながら、巽が言った。
「かなり特徴的な恰好をしてるから見間違えたりする心配はないと思う。攻撃方法はご当地ヒーローと同じだと思ってくれていい」
接触後の説得や戦闘にはスーパーマーケット裏の空き地を利用するといい、と巽が付け加える。
「どうやって空き地に誘うか、どう説得するかは皆に任せる」
「どうしようもなくなったら仕方ありません、が……せっかく完全に闇堕ちする前に見つけてあげられたので、できれば救ってあげたいん、です」
そう言うと、真衣は灼滅者たちを見回しぺこりと頭を下げた。
「よろしくお願いし、ます」
参加者 | |
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荒城・夜月(茨を纏う月虹・d01005) |
結城・桐人(静かなる律動・d03367) |
野々上・アキラ(レッサーイエロー・d05895) |
咬山・千尋(中学生ダンピール・d07814) |
イルル・タワナアンナ(勇壮たる竜騎姫・d09812) |
百島・アコ(和華蘭ガール・d11707) |
金岡・劔(小学生ご当地ヒーロー・d14746) |
陸芒・和司(幻刻リアリズム・d14859) |
●
とある町のスーパーマーケット。店頭には様々な野菜や果物と共に苺が並んでいる。
平日の午後、昼下がり……まだ混み合う時間ではないのだろう、時折見える店員の姿も心なしかのんびりしているように見えた。
「新品種の苺とは楽しみじゃの」
店頭に並ぶ苺に視線を送りながらイルル・タワナアンナ(勇壮たる竜騎姫・d09812)が呟く。
「全部終わったらみんなで一緒に食べられたらよかね」
くすっと笑う百島・アコ(和華蘭ガール・d11707)に、イルルもまた笑顔で頷く。
「――あ」
小さな声と共に、アコの視線がイルルの後方へと向けられた。釣られるようにしてイルルも後ろを振り返る。
「……あれが静香殿じゃな」
「そうと思うよ」
2人の視線の先、苺を模した帽子を被った可愛らしい少女が歩いていた。2人は互いに頷きあい、その少女へと近づいていく。
「こんにちは。ちょっとお話してもよか?」
アコに話しかけられ、少女は少し驚いた様子で立ち止まった。
「長崎産の苺の新品種が採れると聞いたのじゃ。是非識りたい故、友と共に色々教えてくれんかの♪」
「新しい苺……? もしかして『こいのか』の話?!」
キラキラと目を輝かせる少女――岩永・静香に、イルルが「そうじゃ」と同意する。
「アコも長崎出身っちゃけど、よかったらこいのかの話、聞きたいなあ」
「そうなの?! あのね、こいのかっていうのはね……」
「ちょ、ちょっと待つのじゃ!」
2人の言葉を聞くなり早速語りだそうとした静香の言葉をイルルが慌てて遮る。
「えー、なんで?」
「だってここじゃゆっくり話せんし。裏の空き地にお友達もおるけん、そっちで一緒にお話せん?」
アコの提案に、静香は数回目を瞬かせ――。
「いいよー」
実にあっさりと、その提案を受け入れたのだった。
●
「……苺にも結構種類ってあるものなんだな」
スーパー裏の空き地。スマホを弄りながら陸芒・和司(幻刻リアリズム・d14859)が呟いた。彼自身は福岡の某苺(品種名:福岡S6号)くらいしか判らない。
「ボクは苺といえば関西の……」
主に関西圏で流通している苺(品種名:あかねっ娘)のことを思い出した荒城・夜月(茨を纏う月虹・d01005)の表情が一瞬緩む。
「……じゃなくて」
ぷるぷると頭を振り、表情を引き締める夜月……だったが。
「こいのか、かぁ、食べてみたいなぁ!」
まだ見ぬ苺に思いを馳せた瞬間、またしても表情が緩んでしまった。夜月の場合とにかく苺が好きなわけである意味仕方ないと言えなくもない。
「こいのか、まだ食べたことないなぁ。どんな味かな?」
夜月に釣られるようにして、咬山・千尋(中学生ダンピール・d07814)も呟く。
「あ、来たみたいだぜ」
不測の事態に備えてあたりを警戒していた野々上・アキラ(レッサーイエロー・d05895)が仲間たちに声をかけた。
灼滅者たちが空き地の入口へと視線も向ければ、見知らぬ少女がアコやイルルと共にこちらへと歩いてくるところだった。
3人の少女が灼滅者たちの前で歩を止める。それを確認し、結城・桐人(静かなる律動・d03367)は極力目立たぬようにと使用していた旅人の外套を解除した。
「友達って、この人たち?」
尋ねる少女――静香に、アコとイルルが頷く。
「お家でこいのかって美味しい苺を作ってるんだって?」
静香に視線を合わせるようにして腰を屈め、夜月が話しかける。
「オレ、横浜から来たんだけど、向こうじゃレア物の高級品なんだ。採れる所に来たら食えるかと思って」
夜月に続くようにしてアキラが口を開く。
「この辺で採れるんだろ?」
「そうだよー。こいのかはねー……」
こいのかがいかに素晴らしいか、いかに美味しいかを語り始める静香。本当に「こいのか」が好きなのだろう。
(「でも、あんな事をしたら「こいのか」が逆に悪い印象を持たれちゃうかも」)
エクスブレインから聞いた静香の所業を思いだし、金岡・劔(小学生ご当地ヒーロー・d14746)は胸元に抱えたクマのぬいぐるみをギュッと抱きしめた。
「それだけ、大切に思えるんだ。こいのかは、美味しいのだろうな」
嬉々としてこいのかについて語る静香の言葉を、桐人がさり気ない口調で遮った。
「そうだよ!」
頷く静香を真っ直ぐに見据え、桐人は更に言葉を紡ぐ。
「だが暴力で訴えても、想いの全ては伝わらないぞ」
その言葉に静香の笑顔が凍りつく。
「大切に思う気持ちは、お前も、お前が否定した苺の農家も一緒だ」
「自分の好きなもんば知ってほしか、広めたかっちいうとはよかと思う。でも、乱暴ばして無理矢理広めようとしても、静香ちゃんの大好きなこいのかのほんとの良さは伝わらんばい」
自身とあまり変わらぬ年頃のアコにまでそう言われ、静香はどこか不機嫌そうに頬を膨らませた。
「……こいのかの話するんじゃなかったの……?」
静香の声のトーンがあからさまに低くなる。騙されたとでも思っているのかきつく唇を噛む彼女の言葉を否定するかのように、イルルがゆっくりと頭を左右に振った。
「長崎産の苺に興味があるのは本当じゃよ? ただ折角なら『優しく美味しく』識りたい。力技より更に好きになれるであろうからの」
「余所の苺農家も、きっとあんたと同じくらい苺を愛してるんよ」
諭すような口調で千尋が話す。
「作物は丹精こめて育てるもんでしょ? あそこのはダメ! とか言われたら、作った人はきっと悲しいよ。静香ちゃんなら、きっとその気持ちが分かると思うけどなぁ」
「他の苺農家の人達も君と同じかそれ以上の気持ちで自分達の苺を広めたいと思っていると思う」
静香を怯えさせないよう気を遣いながら、和司が千尋に同意してみせる。
「そこで力尽くでの方法を使うのは、君自身だけでなく他の農家の人達の思いも踏みにじる事になるんじゃないか?」
「苺って、どれにもそれぞれ美味しいところがあるじゃない。全部を否定してこいのかだけにこだわってたら味がわかんなくなっちゃうよ!」
どんな品種であっても大好きな苺には変わりない。だからこそ、他の苺を否定しないでほしい――夜月がそう訴えると、自らのスカートの生地をギュッと握りしめた静香の口から小さな呟きが漏れ始めた。
「でも……でも……」
「急に有名になるより、じわじわ有名になる方が長続きするって、テレビで言ってたぞ。オレもそう思う! 『こいのか』も、これからじわじわ有名になるところじゃないのか?」
だからわざわざ人に嫌われるようなことをしてまで宣伝する必要はないのだと、むしろそれは逆効果なのだとアキラも訴える。
「おいしく食べてほしい、喜んでほしいって作ってる大切なイチゴなんだから、誰かが悲しんだり恨んだりするやり方は止めよう?」
ね? 劔が静香の顔を覗き込むようにして話しかけると、静香が癇癪を起したかのようにこう叫んだ。
「わかってるっ! けど!! 止まらないんだもん――!!!」
●
静香の様子が変わったことに気付いた灼滅者たちが咄嗟に戦闘態勢を取る。
その直後、静香の首に下げられた苺のペンダントから必殺のビームが放たれた。
狙われた劔がその手にガトリングガンとバスターライフルを構えたまま一旦後方へと飛びずさる。そこへ割って入った桐人の体を、静香のご当地ビームが直撃した。
「あっ……」
静香が小さな声を上げる。
「ライバルを蹴落とすのは、実力でやろうぜ。暴力や裏工作はダメだ。そんな手を使って一番になっても、後で卑怯者って呼ばれるぞ」
手にした防護符を桐人に向かって投げながら、アキラが静香に声をかける。
「排他的になったり、余所の苺に過剰な対抗心を持ってしまったら駄目。ダークネスにつけこまれてしまうんよ」
緩く首を振り、千尋は自らの得物にオーラを宿した。赤いサイキックソードがより一層紅く輝き、斬り伏せた静香の体からその生命力を奪っていく。
それに続くようにして、千尋のライドキャリバーが静香目掛けて突撃する。
「……しっかりしろ」
先ほど受けた攻撃のせいだろう、胸に湧き上がってくる怒りを必死で宥め、桐人は静香にそう声をかけた。
桐人には静香が「こいのか」に対してみせるような愛着を持てる「何か」がない。だからこそ、これほどまでに「こいのか」を愛せる静香には尊敬の念すら感じている。
(「だからこそ、ダークネスとして終わるのではなく助けたい」)
そのためには勝たなくては――桐人が手にした大鎌を大きく振り上げると、黒い波動となった「咎」の力が静香を襲った。
(「やはり平和裏に、というのは無理なのかの」)
妖の槍を握る手に力を込めながらもイルルは思う。闇堕ちしかかっている以上、救うためには戦って倒さねばならない。わかってはいてもやはり戦わずに済めば、と思ってしまう。
「……仕方がないの」
心の中だけで息をつき、イルルは螺旋のように捻りを加えた槍を静香に向けて突き出した。イルルが槍を引き抜くとほぼ同時、今度は彼女のライドキャリバー「ティアマット」がタイヤを鳴らして静香に迫る。
「こいのかが好きなのはわかるけど……だからって暴力で解決しようとするならキミも苺の敵だよ!」
夜月が宣言すると同時、赤いオーラでできた逆十字が静香の体を引き裂いた。
(「ここ迄愛情豊かなら家で作ってたりするのか?」)
バイオレンスギターをかき鳴らし静香を攻撃する和司の脳裏にふとした疑問が浮かぶ。そうだとすれば、他の苺農家の気持ちだってきっとわかるはずだ。
そう考える和司の視線の先には、灼滅者の攻撃に必死で耐えている静香の姿がある。
(「おんなじ長崎のもんとして、静香ちゃんには目ば覚ましてもらわんばね」)
指にはめた契約の指輪を静香に向けるアコ。指輪から放たれた魔法の弾が、静香の動きに制約を加える。
体に比して巨大なガトリングガンを豪快に片手で構え、劔はその引き金を引いた。ガトリングガンから連射された弾が静香を次々と襲う。
大好きなものを嫌われるのは、きっと彼女だって悲しいはずだ。このままでは、こいのか自体が嫌われかねない。
だからこそ、と劔は思う。
(「彼女を、絶対に止めるぞ!」)
イルルへと向かおうとした静香の攻撃を体を張って防ぎ、夜月が静香に話しかける。
「暴力なんていけないんだよ?」
美味しいものを作るのに必要なのは「美味しいと思ってもらいたい」その気持ちのはずだ。
「わかってるもん! でも、止まらないだもん!!!」
痛みゆえか、思うとおりにならない苛立ちからか……その目に涙を溜めた静香が叫んだ。静香の攻撃には灼滅者たちが想定していたような威力はない、「わかっている」という言葉に嘘はないのだろう。
「回復は任せてくれ!」
その言葉通り、アキラの力だけで十分に回復の手は足りている。
暴力はいけない――が、静香を救うためには戦い倒すしかない。
「くらえっ」
夜月が解体ナイフを静香の体目掛けて振り下ろした。ジグザグに変形した夜月の解体ナイフが静香の皮膚を切り刻む。
更に和司の導眠符が静香に張り付き、静香を催眠状態に陥れる。
桐人のカミの力を使って巻き起こした風の刃が静香の体を切り裂いたその瞬間、静香の体が大きく揺らいだ。
「静香ちゃん、もう少しの我慢やけんね!」
アコが地面を蹴ってジャンプした。アコのご当地キック「九十九島キック」が炸裂する。
「ストロベリー・ドロップ・キックじゃ!」
高くジャンプしたイルルが急降下して、静香にドロップキックを見舞う。
思わず膝をついた静香に、千尋と劔が迫る。
「静香ちゃんが育てたこいのか、あたしも食べてみたい。やから、怖い怪人になんかになったらあかんよ!」
「君のご当地愛と僕たちを信じて!」
静香が致命的な傷を負わぬようにと細心の注意を払った2人の攻撃が、彼女の体に命中した。
「あ……」
小さな呟きを残して、静香が地面へと倒れこむ――。
●
「えーと、あの……ごめんなさい……」
目を覚ました静香は、開口一番そう言った。
戦闘時の記憶がしっかりと残っているらしく、傍目にもわかるほどしょげ返っている。
さて、どうしたものか――顔を見合わせる灼滅者たち。
やや間があって、夜月が口を開いた。
「苺はとっても可愛いよね、あのフォルムとか、色とか……」
静香の苺帽子の角度を直してやりながら話しかける。
「色んな苺をしってこその苺農家だと思うの。他の苺も大切にしながら、こいのかも布教して行こうよ」
「色々な品種があるからこそ食べ比べたり調理法試したりする楽しみがあるんよ」
千尋が付け加えれば、「うん」という小さな声が返ってくる。
「静香ちゃんがこんなに大好きな苺やもん、こいのかのおいしさば分かってもらう方法は他にあると思うよ」
座り込んだままの静香に合わせるようにしてしゃがみ込んだアコが言えば、両手を頭の後ろに組んだアキラもニカッと笑って同意する。
「1人のファンが2人の友達に広めると3人になって、そいつらがまた2人ずつに広めると……うん、たくさんになるぞ!」
うん、うん、と頷く静香に視線を送り和司はちらりと考える。
(「俺みたいに苺の品種わからない人間が多い中、新しい苺を世間に広めようってのか?」)
例えるならニッチなゲームを流行らせようとするのに近いのだろうか。
(「なかなかの苦行だな」)
とは思うものの、その気持ちは理解できるから素直に応援したいと思う。
「あの、本当にごめんなさい」
ようやく立ち上がりぺこりと頭を下げた静香に、灼滅者たちが困ったように笑う。
「……そうじゃ、皆で苺を喰おう!」
ぽん、と手を叩き、イルルが提案した。
「きっといつもよりおいしいよ」
劔が頷き、夜月も笑顔で静香に問いかける。
「こいのか、食べさせてくれる?」
「……うん!」
静香が嬉しそうに頷いた。
「恋の香って書いて『こいのか』か」
果たして自分に苺の味の違いがわかるだろうか……少々不安に思いながら、和司は苺を口に運ぶ。
「……あ、美味い」
味の違いはともかく、間違いなく美味しい。
「んー、美味しい!」
「甘味と酸味がいい感じ」
「やっぱ美味しかね」
「うむ、静香殿が惚れ込むのもわかるの」
「これ、美味いな!」
こいのかを食べる灼滅者たちの様子を見て、静香が笑う。
「……お互いの気持ちを伝えた後のこいのかは、格別、だな」
こいのかの美味しさにほんの僅かにその目を和ませる桐人。彼は静香に視線を移し、こう問いかけた。
「良かったら、学園に、来ないか」
武蔵坂学園の生徒数はとても多い。
「こいのかの良さを広めるという意味でも、ぴったりな場所だと……思う」
桐人の言葉に静香は少しだけ考えるような顔をして――やがて、小さく頷いた。
作者:草薙戒音 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年3月29日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 12/キャラが大事にされていた 1
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