~宮古島・うえのドイツ文化村地下秘密基地~
「ゲルマンシャーク様が3分間だけ復活なさったぞ!」
「全員整列! ゲルマンシャーク様のお言葉を拝聴しろ!」
注目するドイツ化ご当地怪人達の前に、ゲルマンシャークがゆっくりと姿を現す。
そして、確固たる威厳ある口調で、怪人達に檄を飛ばし始めた。
「いずれの勢力も大きく減衰している現状で、蒼の王コルベインを制する者達が現れた!
我が復活も未だ遠い。お前達は危急に、ご当地パワーを高めなければならぬ!
ならば、取るべき方法はひとつ!」
怪人達を静かに見回したゲルマンシャークは、声高らかに宣言する。
「グローバルジャスティス様よご照覧あれ!
これより『第2回ご当地怪人選手権』を開催する!
急ぎ、出場選手を集めるのだ!」
「よく集まってくれた。まずは先日の不死王戦争の勝利に祝いを述べさせてもらうぜ。流石だな」
教室に集った灼滅者達を嬉しそうに見渡して、神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)は右の親指を立ててみせる。
武蔵坂学園の灼滅者の活躍により、蒼の王コルベインは倒された。
人類や灼滅者にとっては素晴らしい快挙だったが、これをきっかけにダークネスの世界にも動きが出ることが予想される。
今後はそうしたダークネスの動きにも気を付けなければならないと語ると、ヤマトは一拍の間を置いてから大仰に右腕を横へ振り抜き、いつものセリフを放つ!
「そして早速……時が、来たようだな!」
そのまま黒板に貼られたフリップの隠しを一気に剥がし、黒板を力強く叩いた。
「そう……『第2回全国ご当地怪人選手権』の!」
フリップにもその通りのことが書いてある。
ご当地怪人選手権。
この言葉に心当たりがある者もいたのだろう、教室がざわついた。
それが落ち着くのを見計らって、ヤマトが続きを語り出す。
「どうやらご当地幹部ゲルマンシャークが動き出したらしい。山梨県の富士急ハイランドで、第2回全国ご当地怪人選手権を開くつもりのようだ」
既にゲルマンシャークの招集を受けて多くのご当地怪人が山梨を目指しているという。
「つまり、その集ってきた怪人達を倒せってことか?」
「いや、そうじゃない。理由は幾つかあるが……」
何しろ集うご当地怪人の数が半端ではない。
また、この選手権の期間だけ闇堕ち状態となっているご当地ヒーローも多くいるようなのだ。
全面対決となれば彼らを救うことも難しく、また富士急ハイランドにも大きな被害が出てしまう。
「お前達には、現地に赴いて施設や一般人に被害が及ばないように対応してもらいたい。警備の方法は任せるが、ご当地怪人選手権に出場するのも一つの手かもしれないな」
現地にはご当地幹部ゲルマンシャークの飛行船も現れるらしい。
富士急ハイランドの平和を守り、ご当地幹部ゲルマンシャークの野望を突き止めるのだ。
もしゲルマンシャークの目的が分かれば、今後の対策を立てることが出来るかもしれない。
●怪人バトル選手権
幾つかあるご当地怪人選手権の中でも、純粋に強さを競うイベントが、このご当地怪人バトル選手権である。
試合はトーナメント形式で行われ、ご当地怪人、闇堕ちしたご当地ヒーローが参戦しているが、なんと灼滅者達も4~6名でのチーム参戦が可能だという。
怪人にはヒーローが付きものだからだろうか。
トーナメントでは、この選手権の間だけ一時的に闇堕ち状態となった仲間と戦うこともあるだろう。
そもそもご当地怪人達の戦いの為、色々な意味で一筋縄ではいかないことも考えられる。
それらを恐れないのならば、富士急ハイランドの平和を守る為、参加してみて欲しい。
富士急ハイランドの平和とご当地怪人バトル選手権の優勝は、君達にかかっている!
■このシナリオは『TRPGリプレイ連動シナリオ』です
このシナリオは『サイキックハーツRPGリプレイ(2)灼滅者に刃は輝く』との連動シナリオです。
是非、第2回全国ご当地怪人選手権を、お楽しみ下さい!
●このシナリオは『参加無料』です
みなさん気軽に右下の『参加する』をクリックし、参加してください。
ただし、参加するには自分のキャラクターが必要です。まだキャラクターを持っていない人は、ここから作成してください。キャラクター作成も無料です。
https://secure.tw4.jp/admission/
●リプレイには『抽選で選抜された100人』が描写されます
このシナリオは学園シナリオです。参加者は必ずリプレイで描写される訳ではありませんが、冒険の過程や結果には反映されます。
なお、今回のシナリオでは、抽選で選抜された100人のキャラクターが描写されます。抽選はトミーウォーカーが行います。
●ご当地ヒーロー限定、『選手権だけ闇堕ち』!
ルーツ『ご当地ヒーロー』の灼滅者は、不思議な選手権パワーに汚染されたとか何とかで、このシナリオでだけ、『ご当地怪人』に闇堕ちすることができます!
怪人になるときは、プレイングの一行目に【ご当地怪人としての名前】を書いた上で、怪人として、どうしたいかをプレイングに書いてください。
闇堕ちするのは会場内(リプレイ)でだけです。このシナリオに怪人として参加しても、他の場所では普通にふるまってください。
もちろん、「システム的な闇堕ち状態の制限」も受けず、リプレイが終わったら勝手に戻ります。
●開幕
山梨県は富士急ハイランドでついに始まった第2回全国ご当地怪人選手権。
園内の特設ステージでは、『ご当地怪人バトル選手権』決勝リーグが始まろうとしていた。
ゲルマンシャークの意を受けて集った数多のご当地怪人に加え、富士急ハイランドの平和を守る為に訪れた武蔵坂学園の灼滅者、更には選手権パワーに汚染され闇堕ちしたご当地ヒーローが参加した予選は、まさに激戦。混迷を極めた。
恐らく決勝リーグはそれを上回る激戦となるだろう。
最強のご当地怪人の座を巡る、またはそれがどう繋がるのか不明だがゲルマンシャークの野望を阻止する為の戦いが、いま始まる!
ご当地怪人バトル選手権、決勝リーグ。
ご当地怪人バトル、レディ・ゴー!
●仁義なきご当地バトル
選手権は性質上、圧倒的にご当地怪人同士の戦いが多い。
まずは決勝リーグでも上位に残った幾つかのバトルをご紹介しよう。
「みんな、もっと狭山茶を飲めー!」
「とりあえず静岡茶を飲め!」
こちらはいるまの怪人狭山っちゃクイーンこと桜湖対深緑の騎士シズオカチャーこと政宗。
衣装もお茶色なお茶系ご当地怪人同士の宿命のバトル!
二人共、余所のお茶を全く認めていないわけではない。
ただご当地のお茶が一番という思いが譲れないだけなのだ。
互いに互いのお茶を飲ませ合うというお茶お茶しいバトルの隣では、似て非なる物同士の譲れぬ戦いが繰り広げられている。
「いざ、尋常に勝負ッ!」
手足の生えた殻入り落花生に見えるライドキャリバーに乗り落花生バーストをばら撒く落花生怪人ピーナッツマンこと獅子に対するは、仙台ずんだ餅怪人ことクラレット。
「ずんだ餅うめーべ! おかわりすっか!?」
こちらもずんだ百裂拳でご当地名産を無理矢理食らわせていく。
豆豆しい戦いは、周囲を巻き込むまいとするピーナッツマンの紳士さが災いしたか、僅かにずんだ餅怪人が有利だろうか。
一方こちらは、会津そば怪人こと灯花対戸隠蕎麦怪人メノーンこと瑪瑙の蕎麦対決。
「ふふふ、十割、つまりは100%でパーフェクトな怪人が、会津そば怪人なのです!」
右手にねぎ、左手にざるを持ち襲いかかる会津そば怪人。
「会津八割そばビーム!」
だが闇堕ちの影響で混ぜ物をしてある本音がぽろり。
「蕎麦打ちダイナミック!」
そこへメノーンの全身を覆う蕎麦が伸びて絡みつき、天高く掲げてから地面へ叩き付けた!
「美味しければいいじゃないですかー!」
でも表示は正しくね!
華やかだったのは、エグゼキューターいちごちゃんこと壱子対かぼすにゃんこと三柑の戦いだろう。
「苺は誰にだって平等なのです。苺を食べない悪い子は、お仕置きしないとね!」
苺風魔女っ娘ドレスを纏ったいちごちゃんに対し、かぼすにゃんはかぼす色の魔法少女風衣装にネコミミ。
「えーっ。あたしはかぼすと温泉のステキなところをみんなに教えてあげたいだけなのにー! もう許さないのにゃん! オシオキするんだにゃん!」
輪切りかぼす型リングスラッシャーを構えるかぼすにゃん。
と、オシオキ同士の華やかながらも激しい戦いであった。
ご当地名物は食べ物だけではない。
ウミネコ・スズ対トキ☆めき・トキりん♪という、鳥類同士の対決もあった。
「愛と正義、そして世界征服の第一歩は八戸から! 海と蕪島の使者、ウミネコ・スズ、見参!」
「トキ☆めき・トキりん♪ 参る!」
ウミネコを思わせる白マント付き戦闘服のこすず、トキの着ぐるみを纏い腹部分から無表情な顔を覗かせている朱鷺の戦いは子供達に大人気で、小さなお友達の歓声の中、蹴り技ウオトリ・スマッシュ対極大ブリの殴り攻撃といった鳥と魚を駆使した熱い戦いが繰り広げられていた。
だが争い合うだけがご当地怪人ではない。
例えば、河内長野の楊枝ん坊こと楊司対大阪タコ焼き怪人こと佐吉。
「これで正解できんかったら日本人失格やで!」
「尖がってるもんは、みんな爪楊枝をつかったらえぇんじゃ!」
大阪の常識問題と共に押しつけられるタコ焼きを、楊枝ん坊が愛用の爪楊枝型の槍で受け止めたその瞬間、二人を不思議な感触が襲う。
「これは!」
タコ焼きに爪楊枝は必須。
数瞬の後に、二人はガシっと熱く手を握り合うのだった。
そしてもう一組。
「お米愛に欠けたわさっ子はほん投げてやるわ!」
おにぎり型頭部を持つ、新潟県魚沼地方の米を愛するお米怪人おこめっこ、こと舞子。
「とりあえずカレー食わせろ!」
実は静岡無関係という静岡カレー怪人こと一眞の戦いは、おこめっこの目がカレー怪人の手にあるカレーを見た瞬間に決したと言ってもいい。
「カレー、ライス……」
そこにあるのは、紛うことなくカレーライス。
「できないっ。お米を愛する人に全力攻撃なんて!」
「よし、じゃあカレー食おう!」
「米は魚沼産でお願いね?」
場内が拍手とカレーの匂いに包まれる一方で、本気で世界征服を狙う怪人も当然いる。
「栃木の和牛こそが至高!」
栃木和牛を全国シェア一位にして日本統一の野望を抱く、栃木県ブランド牛怪人・黒焦げ男爵ウェルダンこと与壱。
「ボクの野望は北海道を王国として独立、いずれは全世界を北海道化することだよ!」
だが対する梟怪人エゾマッツンこと時松の野望も壮大であった。
「食料自給率75%、全国有数の畜産県の実力、なめるなよ!」
怯まず挑みかかったウェルダンだが、エゾマッツンは不敵に微笑む。
「北海道は190%だけどなにか?」
ウェルダンの膝が、がくりと折れた。
負けるなウェルダン! 栃木ブランド牛がシェア一位を獲得するその日まで!
●SR戦隊暴レンジャーVS小倉焼うどんラビット
ここからはリーグ終盤、ヒーローチームとご当地怪人のバトルをお届けしよう。
「お前に小倉の慈悲があらんことを……」
そびえる二つの長い耳、赤いマフラーにラッキーRスーツという出で立ちの小倉焼きうどんラビットこと丈夫が、優雅な所作で一礼する。
意外と礼儀正しいご当地怪人に対するは……。
「ギンギ○ギンにさりげなく! SRシルバー!」
「お菓子くれないと爆発させちゃうよ! SRイエロー!」
「クール枠(願望)! SRブルー!」
「(自称)癒し担当、SRピンク!」
「結構腹黒、SRホワイト!」
「ラーメン大好き、SRブラック! またの名をファンタスティックわさーび!」
六人は順に決めポーズをとると、最後に声を合わせて叫んだ。
「SR戦隊暴レンジャー!!」
背後でお約束通りに爆発がおき、登場シーンを盛り上げる。
爆風が起ころうとも、パンチラは見えそうで見えないのがお約束なので、安心してほしい。
さておき彼らの戦いは、アクロバティックに進んだ。
名前の通りにぴょんぴょん跳ねて六人を翻弄しながら強烈な蹴りを放つ小倉焼うどんラビットに対し、黒が避けながら十字架型の龍砕斧を振り回し、燈がその影から杖を叩き込んでいく。
クラリスがオーラを纏わせた剣の一撃を叩き込み追い込めば、敵は諦めず熱々の焼きうどんをぶっかけてきた。
狙うはラーメン好きを叫んだ焦。
登場だけで満足しかけていた焦はモロに攻撃を食らいかけるが、そこは一葉がきっちり守りきる。
ポージングもこっそり隣で対にしていただけあって、息ぴったりである。
「お千代のふわふわキラキラパワーで、みんなのお怪我を治しちゃうぞ☆」
代わりに傷を負った一葉を千代が癒そうとするが、自称・癒やし系たる由縁か残念ながら前衛に届く回復技がない!
「てへ☆」
そんな一幕がありつつも暴レンジャーは善戦し、どうにか勝利を収めたのだった。
●屋上戦隊おはぎんジャーVS渚の黒湯怪人
やたらと黒い試合場がある。
「あんたらも、この日に焼けた肌のようにしてやる。……って黒-!?」
背中に『黒湯』と書かれた温泉浴衣姿の渚の黒湯怪人こと一馬が驚いたのは、対戦相手が全員真っ黒なコスチュームを着ていたからである。
「黒い姿で中身は強欲、おはぎブラック!」
「いつかは黒いスーツに日曜の朝日浴びるのです! おはぎブラック!」
「黒い姿に和みの心、おはぎブラックだ!」
「黒い姿に純白の心、おはぎブラック! ……です」
「黒い姿の絶対領域、おはぎブラック!」
中央に煉糸が立ち、彼に肩車された胡桃が両手をV字に掲げれば、陵華がその下に膝をついて座り、左右に茉莉と百花が立った。
彼らのたまり場に現れる黒猫『おはぎ』をモチーフにした為、なんと全員ブラックである。
「だがその衣装には、日に焼けた肌の方が似合うぜ?」
白い歯を輝かせ、黒くテカる肌を見せつけるようにして黒湯ビームを放つ黒湯怪人。
「ブラック、今です! あ、いえ、今のはブラックじゃなくてブラックに……」
攻撃を受け止めた茉莉が声をあげるが、如何せん全員ブラックなので紛らわしすぎた。
混乱しながらも彼らはよく連携し戦うが、肌自慢の黒湯怪人は防御に特化していたこともあって、なかなか押し切れない。
「渚の怪人は打たれ強いものだよ!」
「こうなったら……!」
劣勢を悟ったおはぎんジャーは、黒湯ビームで部分的に日焼けさせられつつも必殺技フォーメーションをとると、一人のバズーカ風殲術道具を皆で支え、心をひとつにして叫ぶ!
「すーぱーおはぎばずーか!」
ちゅどーん!
会心の一撃の必殺技を受け、黒湯怪人は黒々と焦げて倒れたのだった。
●富士Qハイランダー'sVS三鷹の星ぴゅあ☆キウイ
こちらは黒だらけに見せかけて一人ホワイト五人組。
「混乱に紛れて背後から急所にブスリ。アサシンブラック」
「私は惨殺ブラック。ああ、そこの子供達……引かない事」
「無慈悲なまでに容赦無く怪人を撃つ、零距離射撃ホワイト」
「シャドウブラック。……もっとオーバーアクションで? 解りました、監督」
「正義の鉄拳で悪を討つ、凄拳ブラック! 富士急の平和とアトラクションは、私達が守るっ。河口湖インター降りてすぐ、みんな来てね-!」
何故か富士急ハイランドの宣伝をしつつ展開する五人に対するは、三鷹市の特産品キウイの着ぐるみを着たぴゅあ☆キウイこと鈴夜だ。
キウイメニューで埋め尽くした猫カフェを拠点に世界征服を目指す知能派怪人らしい。
猫とキウイでは一見何の関係もないように見えるが、実は……何の関係もないのである。
「いくよ、キウイギロチン☆」
選手権にあてられ闇堕ちした仲間を救う為、ここで負けるわけにはいかないと奮闘するハイランダ-’s。
ヒルデガルドが敵を足止めし、夕が正面から力任せに殴りかかった。
沙耶は名乗り通りに背後に回り込んで切り裂き、沙夜が周囲へ被害が及ばないよう仲間をフォローする。
最後にリーリャが、着ぐるみの頭部に向けてズドンとゼロ距離射撃。
「子供はとても残酷だ、見たいのは怪人の殺られる姿」
「キウイシールドが、破られるなんて……」
群がる猫をサイキックで描き出した防護符が弾け、キウイは額に第三の目を開けられて倒れたのだった。
●白衣戦隊VSハニーホワイト
一方、こちらは白だらけの戦い。
「白といったら白玉、白玉といえば寒ざらしよね!」
白玉を蜂蜜水であえた島原のご当地甘味『寒ざらし』の使者ハニーホワイトこと晴美は白と蜂蜜色の魔法少女風衣装で、対する白衣戦隊は名前の通り全員白衣である。
「ハートに燃えるは緑の炎、お兄さんグリーン!」
「キミの瞳にあいうぉんちゅー! 白衣イエロー、ただいまさーんじょー!」
「ハートに燃えるは乙女にゃピンク? 白衣ピンク参上にゃー!」
「赤って大嫌いなトマトしか思いつかなくてテンション下がった! やる気は無い白衣レッド、参上……」
「熱も頭痛も掻っ捌けば問題ありません。白衣ホワイト……ってただの白衣やないかぃ!」
伊織が裏手ノリツッコミを入れる隙に、髪の色だけでレッドにされた遥翔は隅っこに移動。リーダーは祝人に譲って皆をひっそりフォローするお仕事に勤しむ。
当の祝人は皆のお兄さんらしく地味ながらも敵を引きつけ仲間を守り、尚都がその背後から状態異常攻撃で敵をちまちま削っていた。若干腰が引けているのは登場時の爆発音に驚いたからではなく。
「にゃはーん、悪い子な怪人さんは叩いて・殴って・燃やすにゃ?」
普段とは別人になって殺る気満々テンションな李に巻き込まれない為である。
医者然とした格好の伊織は治療薬と見せかけて尚都と共に状態異常をまき散らす係。白衣なのに黒いとはこれいかに。
「白いならいっそ白玉になりなさいっ。ハニーホワイトクラッシュ!」
そして追い詰められたハニーホワイトが相手を白玉に変えてしまうという必殺技を放ち、白衣戦隊がピンチに陥ったその時。
「水底の輝きこそが永久不変。白衣ブルー推参」
メンバーさえも存在を忘れていた九十三がステージ上部から登場する。
全員が「あ、そういえば」的な顔になっている間に九十三が雰囲気に酔いながら華麗に槍を繰り出し。
「さあ、深淵に眠れ」
寒ざらしの美味しさを力説しながらハニーホワイトは倒れたのだった。
●紅牙戦隊シックスドラゴンズVS種子島火縄銃怪人
「くくく……私のステージにおじゃりもうせ!」
火縄銃型バスターライフルを片手に戦国風衣装を纏った種子島火縄銃怪人こと桑花は、屋久島に負けまいと気合い充分である。
だがそれはヒーローチームとて同じこと。
「いくぜみんな! オレこそがリーダーのレッド、アツく燃える紅い竜、紅竜・真二!」
「橙色の笑顔・オレンジカラー灯倭さんですよ!」
「トンズラウォーター、逃げ水ブルーの水蓮寺ちゃんさんじょー! っすよ」
「ツンとした世知辛い世界を癒す一条の光(デレ)の為に血を流す、ツンデレッド!」
「紅き風車狂々回る! 北条・吉篠! って事で、レッドだ」
「って、赤ばっかじゃねーか!?」
ツッコミを入れる詠二もまたレッドであり、計四名のレッドがいたが、全員ブラックなチームもあったくらいなので問題ない。
「色も人数も関係ねぇ。ツッコミ上等! オレ達六人のコンビネーションを魅せてやろうぜ!」
真二がリーダーらしく声をかければメンバーからも戸惑いは消え、緊張感のある笑みに変わる。
「伝統と最先端が融合した島、種子島。その力とくと味わうがいいっ!」
次々繰り出されるビームをガルダ号に乗った閾が逃げ回って避け、呼び分けが面倒になったか灯倭が鋼糸で怪人の動きを封じながらレッド達を送り出す。
「もうレッド全員一気に行けばいいと思うよ!」
「今の僕は只のレッドじゃあない。ツンデレッドだ!」
しっかり訂正を入れながらも詩歌達レッド四人が強力な連携攻撃を決めていった。
火縄銃怪人もロケットキックやビームで応戦するものの、怒濤の連携攻撃に押されていく。
そしてついに、詠二の斬艦刀が怪人をフルスイングでかっ飛ばす!
「うちのどこが田舎じゃー! 無人島で打ち上げの時だけ人が集まるとかそんな馬鹿なことあるかー! コンビニもファミレスもあるんだぞー!」
昇りゆくにつれて声は小さくなり……種子島火縄銃怪人は、宇宙の島らしくお空の星となったのだった。
●川越戦隊ハロウィーンVS石見怪人いわみかぐらん
数ある対戦の中でも特にアピール合戦となったのがこのカード。
「Trick or treat!」
空飛ぶ箒から、あるいは歩いて観客にお菓子を配りつつ登場するハロウィーンの面々。
「キミはボクらが守るからね」
みとわなどは歓声に応え、笑顔でウィンクまで送っている。
対するいわみかぐらんこと唯は、大社風の屋根を頭に被り注連縄で顔を覆いオロチが体に巻き付いている為、子供には不評だった。
だが勝敗よりも島根の良さを訴える為、挫けずアピール開始。
「出雲大社や松江城、島なら隠岐と見所たくさんだよ!」
石見神楽の舞やサザエの壺焼き、めのはシールドといった攻撃をしながら、観光地アピールも欠かさない。
素晴らしく地元愛に溢れた攻撃だが、お菓子配布により観客の多くを味方にして声援を受けるハロウィーンは手強かった。
恵理がバトンのように杖を回し突き込んでくるのに合わせ和佳奈の狙撃がサザエを飛ばし、紗月は敵にもお菓子をあげたが最終的には氷漬け。
涙目のいわみかぐらんに、トドメを刺すのはヒオである。
「ヒオのこうげきは痛いですよ! でもお菓子くれたら考えるです」
残念ながらサザエやめのはしか持っていなかったいわみかぐらんを、ヒオが地獄投げで床へ盛大に叩き付ける。
「来るなら夜行バスがおすすめ! 石見には……」
最後までご当地アピールを忘れない、いわみかぐらんに盛大な拍手を。
●外道くろねこVS信州怪人ポレットムシクワスンジャー
ご当地バトルは微笑ましいと、油断してはいないか?
だが中には刺激的な戦いもあるのだ。
「あなたの心と体をズタズタ! 正義の外道くろねこ参上です」
「貴方の心をぶれいくします。愛と本能のめでぃっく、ここに推参です」
「怪人でも灼滅者でも……この唄音が、斬っちゃうからね?」
にゃん♪ と猫っぽいポーズを決める弥生、まや、唄音の三人だが、名乗りが既に不穏である。
「とりあえず狙い撃てばいいんだろ?」
「イヤンな攻撃きそーだよねー。なんでとっとと倒すが吉!」
フィンと楸に至っては、味方の名乗りすら終わるのを待たずに攻撃をしかけていた。まさに外道!
だが対する怪人も負けてはいない。
「やるねぇ。なら、僕もサービスしなきゃね♪」
先制攻撃を食らいながらも笑みを浮かべて蜂の子ビームを放つのは、信州怪人ポレットムシクワスンジャーこと桔平。
「虫!?」
続くはイナゴキックに、ザザムシダイナミック!
ただ虫の名がついているわけではない。彼はその名の通り、信州長野の虫を食べる文化を攻撃と共に無理矢理押しつけてくるのである!
「どう、おいしーでしょ? ま、実は僕食べたことないんだけどねぇ♪」
自称通りゲスい、ゲスいぞムシクワスンジャー!
窮地に陥ったかに見えた外道くろねこだが、口が存在しないフィンのライドキャリバーが庇ったことや、戦闘に関する作戦がしっかりしていたこともあって徐々に優勢になっていく。
「どんな相手でも容赦しない!」
そしてトドメに唄音が哄笑をあげながら二本の刀を操り虫ごと切り裂くと、ムシクワスンジャーはおやきを片手に倒れたのだった。
●なかよし戦隊ツバキンジャーVS宮崎のご当地怪人フルーツ・ラヴ
心が荒んだところで、癒される戦いをご覧いただこう。
音楽に合わせ歌いながら登場するのは井の頭キャンパス小学三年椿組の仲良し四人組。
「もっふりもふもふ、ツバキシープ!」
「ツバキラプトル! がおー!」
「むてきの拳でみんなを守る! ツバキモンキー!」
「ツバキ、魔女っ子……?」
その名も!
「なかよし戦隊ツバキンジャー!」
対するは同じ小学生……とはいえ今回はESPで十八歳の姿となった宮崎のご当地怪人フルーツ・ラヴこと緒々子である。
「宮崎のステキなフルーツ、食べにこんねー!!」
フルーツ・ラヴと名乗るだけあって、衣装と武器までご当地果物モチーフだった。
「毎日一緒に過ごしてる仲間との連携、とくとご覧なさい!」
「とー!」
だがツバキンジャーの連携は完璧。
くるみと源太郎の炎が桃を焼き、亜樹のロッドが魔力で蜜柑を爆発させ、傷を負えばめいこが癒す。
「なかよし戦隊だもん、負けないよ!」
「くっ、マンゴーやスターフルーツもあるけど、一番は蜜柑がおいしいのよ! くらえガガ美ちゃん、ファイアー!」
フルーツ・ラヴも必殺の一撃を放つが、勝利には一歩及ばない。
そこへ、四人の連携攻撃がとどめとばかり叩き込まれる!
「れんけいサイキック、ミラクルツバキンジャースペシャル!」
どーん!
「宮崎の果物が日本一だしー!」
四色のサイキックに包まれ、最後までご当地果物を愛してフルーツ・ラヴは散った。
●灼滅戦隊スレイヤーズVSビターブラック☆リンゼ
「熱き心、スレイヤーズレッド!」
「冷静沈着、スレイヤーズブルー」
「怨敵灼滅、スレイヤーズブラック」
「悪即断、スレイヤーズホワイト」
「灼滅戦隊、スレイヤーズ……見参」
各色のスーツに身を包む四人のやる気は、有る無しが半々だ。
対するはビターになって再登場、ビターブラック☆リンゼことアイ。
女王様風の黒ドレスを纏い、勿論眼鏡もかけている。
「今日の私はただのブラックじゃない。スリルの似合うビターなオ・ト・ナ♪」
眼鏡を光らせ宣言するリンゼに向かっていくスレイヤーズ。
「覚悟しなさい、今のわたしは機嫌が悪いわよ」
優華と祈梨が果敢に攻撃を叩き込み、大牙が楽しげに吠えながら盾ごと殴りつけた。
「おぉっ、もえてきたぜぇぇっ!」
リンゼの反撃は眼鏡愛故に優華だけを避けるが、当の優華はうんざり顔。
とはいえ、リンゼの攻撃は強力だ。
「マジカル☆モノクル――スミクズになれぇ!」
「仲間を傷つけさせはしない……」
奏が仲間を庇い、鯖江の眼鏡を想う心の顕れ『眼鏡ビーム』を受け止めると、彼をフォローするように祈梨が進み出る。
「いまです」
合図に従い、四人が一斉に殲術道具を構えた。
「一撃必中……スレイヤーズストライク!」
声と力と心を合わせた必殺技が、見事にリンゼを貫く!
「悪が栄えたためしなし……!」
ビシリと決めた四人の背後で、眼鏡型の爆発が起きた。
●清純派chu-sanGirlsVS陶芸匠魔・カサマテリアル
「キサマらには笠間の焼き物の素晴らしさ、とくと味わってもらう!」
陶器の幻影を象るオーラを漲らせるカサマテリアルこと焼吾を迎え撃つは、中学女子夏服で揃えた井の頭キャンパス中学3年A組の女子四人。
対戦相手を見た途端、カサマテリアルは真顔で叫んだ。
「俺様の彼女になってくれるなら笠間焼ひとつプレゼント!」
場内に沈黙が降り、暫し後に悠花が一言。
「わたし達のような清純派に手を出そうとは、あなたは悪ですっ!」
メンバー自身『清純派』には首を傾げるものの、戦いに戸惑いはない。
「ふふん……燃えるわね、この展開!」
不埒な輩を倒すべく、迦楼羅が花火のようにバニシングフレアで炎をばらまき、合わせて悠花が無数の光刃を放出して戦場を彩る。
「なんの、笠間焼は特徴が無いのが特徴ゆえ変幻自在、攻防も自在!」
大量の陶器オーラを放つカサマテリアルだが、可愛い女の子に弱いのは変えられない。
「二人が盛り上げてくれちゃってるし、キメといこうか!」
「アァ、派手に決めてやろうぜ蒔絵!」
智と織歌の息の合った連係攻撃に、カサマテリアルは陶器の割れる音を響かせて倒れた。
●フォトプリティVS三浦DHA大和撫子怪人
「マジカルチェンジ! フォトプリ、ビートアップ!」
魔法少女的変身台詞で登場してきたのは、色やデザインが違うスク水調の衣装を纏った四人の少女。
橙色のプリティマリー、白のプリティインク、黒のプリティブラック、紺のプリティツナ。
「四人揃って、撮りたてフレッシュ! フォトプリティ!」
可愛く決めポーズをとる四人だが、胸にマグロのイラスト入りでマグロの尾びれのような尻尾が生えているあたり、どう見てもツナは出オチである。
「三浦DHA大和撫子怪人、ここに参上!」
だが、彼女らの対戦相手は模型マグロ型無敵斬艦刀を肩に担いだ、三浦DHA大和撫子怪人こと真琴だった!
「マグロの目玉にはDHAがたっぷりなんだぞっ!」
マグロ斬艦刀を振るいながら生のマグロの目玉を口に放り込もうとする怪人に苦戦を強いられるが、フォトプリティは諦めない。
「無理矢理なんて愛がないよ。正しい心を思い出して!」
「愛の一撃……だよっ!」
いちごと由希奈、白黒対の衣装を纏った二人が愛の一撃を叩き込み、メアリーが恥ずかしさを堪えてサイキックで目玉をこんがり焼いていくと、生に拘る怪人にはコレが思いの外効いた。
「くっ、三浦半島最先端の港町をなめんなよっ!」
「インク、ブラック、マリー、いくよ!」
最後の抵抗をする怪人に、ツナの掛け声に合わせて四人は合体連携攻撃叩き込む!
まぐろーん!
爆発音が響き、こうして仁義なきマグロ対決はフォトプリティの勝利に終わった。
●和風戦隊イノシカチョーVS八つ橋怪人
三味線と尺八による渋いBGMをバックに推参するは、和風戦隊イノシカチョー。
紫の大奥女中風の装いの住之江、桜の葉を頭に載せた朔を左右に置いてポーズをとる。
「紅白饅頭レッド! ホワイトは? って言うな!」
「関東風も関西風も春の味っ♪ 桜餅ピーンクッ!」
「同じ名前でもおせち料理とは別なのよ、栗きんとんイエロー!」
「粒でもこしでも栗でもイケる、羊羹ブラーック! ……この雰囲気、思わずノせられてしまうな」
そんな和風戦隊の前に立ちはだかるは、強敵・京都八つ橋怪人こと八橋!
「お仲間はんかと思えば……。嫌やわぁ、坂で転びはったらええのに」
溜息の後に自然な動作で投げた八つ橋が見る間に巨大化し、華丸を襲った。
「コラーッ、和菓子の無駄遣いしなーいっ!」
「和菓子はね、見た目も大事なんだから!」
茶子が眦を吊り上げ炎弾をばら撒けば、オデットが続いて雷を落とし、千早もまた相手に不足なしと漆黒の弾丸を放つ。
「そんなコトだから洋菓子に負けんだよ!」
そこへ皮から抜けでた華丸が叫べば、八つ橋怪人はにこりと笑って必殺・遠回しな嫌味攻撃。
「洋菓子さんなんて洒落たもんは、よう作りまへんわぁ。(油で)神々しゅう光ってはる菓子やろ?」
八つ橋怪人は耐久型だった為イノシカチョーは長いこと嫌味攻撃に晒されたが、どうにか勝利をつかみ取るのだった。
「ま、世界遺産なんて十七個しかありまへんし」
八つ橋怪人は最後に、自慢なんだか謙遜なんだが不明な呟きを残したという。
●防人戦隊サキモリファイブVS博多水炊き怪人
「この世の全ての悪を焼き尽くす黙示録の炎、サキモリレッド!」
「魔法のパワーで怪人なんて、ポップにキュートに、ぐっちゃぐちゃよ! サキモリピンク!」
「サキモリブラック……何これ恥ずかしいっ」
「サキモリホワイト、デス」
「途中加入で人気急上昇がお約束、サキモリファイブの追加メンバー枠、サキモリシルバーよ」
六人なのにファイブなのはそういう理由らしい。
「ちょっとアオト、サキモリブルーって名乗らないと駄目だろ?」
「やだよ、恥ずかしいし……」
微笑ましい姉弟喧嘩に痺れを切らしたのか、対する鶏の着ぐるみ姿の博多水炊き怪人こと睦夢が一声「ケーッ」と鳴いて突進してくる。
「もつ鍋なんかよりも水炊きを食べろ!」
巨大鍋型の盾ごとぶつかってくる水炊き怪人を受け止めたのは、六人目のお約束通り美味しいところをかっさらうジンジャーだ。
マリーがすかさずタロットを投げて傷を癒し、りんたろうもそれを手伝う。
そしてアカネからのアイコンタクトを受けてエデが一気に前に出れば、逃げようとする水炊き怪人をアオトの射撃とスレイプニルが阻み、追って放ったアカネの炎の打撃がエデと同時に叩き込まれた。
「ゆるきゃら怪人選手権はあっち? 失礼ッケ!」
一部焼き鳥となった水炊き怪人は、よろめきつつ逃亡を図ろうとするが勿論それは叶わない。
サキモリファイブの息の合った連携攻撃に押され、破れかぶれで必殺技を放つ。
「これを食らうといいッケ! 水炊キーック!」
助走からの顔面を狙った跳び蹴りがアカネへ向かうが、その背中をガシっと掴んだのはシズク。
「捕まえた! ジャーマン……って、あ。投げっぱなしにしちゃった」
放たれるは地獄投げ。
「召し上がれ-!」
博多水炊き怪人は放り投げられつつ叫ぶと、頭からステージに落ちて倒れたのだった。
●ハートオブジャスティスVSアイロンハート
数多の戦いを乗り越え、ついに迎えた決勝戦は、最後の戦いに相応しい熱いカードとなった。
「きさんら全員、鉄のごと根性叩き直しちゃる!」
高炉の如く熱い心と鉄の硬さを誇る、北九州は八幡のご当地怪人アイロンハートこと朔花。
対するは、翼の下に集った正義の熱い心を持つ六人のヒーロー。
「アイロンハート、あなたの悪事もこれまでだよっ!」
「絆と!」
「翼に込めた正義の心で闇を照らす」
「悪が栄えるならば、焼き尽くさんと正義が裁く!」
「この世に悪は栄えんのだよっ。覚悟!」
それぞれに翼モチーフのアイテムを掲げ、彼らは叫ぶ。
「ハートオブジャスティス!!」
チームの名を、彼らの心に宿る正義の心を!
「いくよ、みんな!」
そして謳歌の一言で全員が一斉に走り出した。
「さすがリーダー、カッコいいよ!」
謳歌に歓声を送りながら希子が拳を繰り出せば菊里がすかさず魔法弾で追撃し、相手が防御に入ったところを謳歌の槍が貫いていく。
だが相手は曲がったことが大嫌いで守りも硬い鋼鉄のご当地怪人。
「硬い……っ」
「泣き言いっとらんで、高炉で燃える炎のごと、もっと熱くなりぃ!」
熱く叫んで放たれる八幡ビームを受け止めた太郎の後ろから飛び出すのは織子。
「つまり拳での語り合いだなっ! カシオルビーム!」
ドヤ顔で炎の拳を叩き付ければアイロンハートの足がよろめく。
「どっちがより高みにいくか、勝負だ!」
そこへ正面から勝負を挑むのは、拳の固さには自信がある将兵だ。
「ちっ、これぐらいで俺の意志を折れると思わんどってなっ。皿倉山100億ドルの夜景ダイナマイト!」
二人の姿が重なり、すれ違う。
そして――勝負は決した。
「ええ根性しとった。はは、俺の方が柔かった」
清々しい笑みを浮かべて仰向けに倒れ込んだアイロンハートに、将兵が手を差し出す。
ヒーローと怪人が手を取り合う美しい光景に会場は拍手喝采。
「俺達が真のジャスティスだ!」
優勝を勝ち取った彼らは全員並んで再び決めポーズをとって歓声に応えると、太郎が綺麗に締める。
こうしてバトル選手権は、ヒーローチームの勝利で幕を閉じたのだった。
作者:江戸川壱号 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年4月16日
難度:普通
参加:1470人
結果:成功!
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得票:格好よかった 54/感動した 2/素敵だった 11/キャラが大事にされていた 36
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