絶望のマギカプエラ

    作者:旅望かなた

     この力を得た時、少女は誰かの役に立てると喜んだ。
     彼女が夢見た魔法使いになって、誰かを幸せにできると喜んだ。
     だけど――。
     父の仇討ちと言われて手伝った令嬢は、ライバルの父親を奪いたいだけだった。
     大切な家宝を盗まれたという老人の言うままに高価な腕輪を手にして渡せば、彼は単なる盗人だった。
     恋人を取り戻したいという青年のために奔走すれば、全く悪くない一つの家庭を破壊してしまった。
    「魔法少女って希望を、夢を叶えて、人々を助けるんじゃなかったのかな……」
     誰もが人を傷つけることしか考えていなかった――それを最後まで見抜けなかったのは、少女が素敵な力と思う闇の魔力ゆえなのだけれど、少女はそれに気付けない。
     ただ、己を責めて。
    「私は、本当に……」
     絶望した少女が瞳を閉じる。
     その瞳が開いたとき、そこにいるのは少女ではなく、一人のソロモンの悪魔。
     
    「んなバッドエンドにはさせらんないよね!」
     嵯峨・伊智子(高校生エクスブレイン・dn0063)がぱしぱし教卓を叩く。彼女がそう言うのは、まだ助けられる可能性があるから。
    「闇堕ちしかけてるのは中学一年の女の子で三笠・佐弓ちゃんって言うんだ。ソロモンの悪魔に闇堕ちしかけて得た力を、人助けに使いたかったみたいなんだけど……人の悪意に気付かずに、ひどい結果になっちゃって、絶望しかけてる」
     彼女はまだ自分の意識を残している。けれどその心が揺らげば、彼女はダークネスに呑まれるだろう。
     もし灼滅者の素質があれば、まだ戻れるけれど――。
    「みんなが佐弓ちゃんに接触できるのは、佐弓ちゃんがある女の子の恋人のふりしたストーカーに騙されて、その子の家に踏み込む直前になっちゃうんだけど……」
     時刻は夜。幸い人通りの少ない路地は近くにあるが、佐弓を誘い出す必要がある。
     何らかの手段で一般人の安全さえ確保できれば、家の前で戦うという選択肢もあるだろう。
    「佐弓ちゃんは魔法使いと同じサイキックと天星弓で戦ってくるよ。自分の人助けが他の人を不幸にしてることもわかってて、それでも次こそはって思ってる。……そしてそれを、佐弓ちゃんの中のダークネスに利用されてんだ」
     彼女を説得することができれば、ダークネスの戦闘力は激減する。
     けれど――逆も、然り。
    「……あたしは、灼滅者のみんなの力には、希望があるって信じてるよ。佐弓ちゃんを、絶望から助けたげれるくらい」
     そう言って伊智子は、よろしくお願いするね、と頭を下げた。


    参加者
    神崎・結月(天使と悪魔の無邪気なアイドル・d00535)
    乾・舞夢(スターダストあざらし・d01269)
    椎那・紗里亜(魔法使いの中学生・d02051)
    ルーシア・ホジスン(ウラワザの魔女・d03114)
    リュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから・d04213)
    八月朔・修也(アンチフォーチュン・d08618)
    犬蓼・蕨(白狼快活・d09580)
    白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)

    ■リプレイ

    「希望を失って闇堕ちしちゃうっていうなら、援けに行くしかないじゃない!」
     銃の代わりに指をびしっと突き付ける乾・舞夢(スターダストあざらし・d01269)!
     アイキャッチでした!

    「しかしあのストーカー、佐弓ちゃんの善意につけこんで許せない! 証拠集めて警察に突き出さなくちゃ!」
     というわけで怒る舞夢に、犬蓼・蕨(白狼快活・d09580)が狼耳尻尾のテイルデバイスをぱたぱたさせて並んで頷く。
    「んむんむ、改心の光で吐かせれるといーね! ずのーはぷれー!」
    「裏取り……娘さんのほうも調べておけばこんなことにならなかったのに」
     ストーカーの熱意に煽られたかな、とルーシア・ホジスン(ウラワザの魔女・d03114)は首を傾げて。
    「ともあれ、急ごう!」
     灼滅者達は、魔法少女の元へと足を急がせる。

     ――そして、団欒の声が聞こえる家の前。
     一人の少女が、男に声をかける。
    「本当に、この家でいいんだよね? 恋人さんを取り戻すの……」
    「あーもちろんさ!」
     軽薄な笑みを浮かべた男が恋人を奪われた哀れな男でも何でもなく、単なるストーカーだと闇に染まりかけた少女は気付けない。
     けれど――!
    「ちょーっとまったっ!」
     舞夢と椎那・紗里亜(魔法使いの中学生・d02051)がひらりと箒に乗って舞い降りる。突然のさらなる『魔法少女』の登場に、ひ、と男は息を呑み、少女は唖然とする。
    「え?」
     目を丸くする少女――三笠・佐弓の前に、びしりと突き付けられる書類。
    「三笠ちゃーん、武蔵坂学園にスカウトしにきたよー」
    「え? え、え?」
    「正しく力をつかって楽しい人助けライフが送れるのは武蔵坂学園だけ! 誓約書にサインしてねー」
     書類の後ろから、にっこりルーシアが笑う。さらに塀から飛び降りた猫が、ふわりとマントをなびかせるリュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから・d04213)となって現れる。
    「待ちなさい、魔法少女。闇の力に騙されちゃダメ」
    「これから何をしようとしているのか、わかっているんですよね」
     リュシールと紗里亜の言葉に、え、と佐弓は目を丸くして。
    「そりゃ、その……無理矢理奪われた、この人の恋人を助け出そうと……」
    「『ちっ、なんてタイミングで。もう少しで、あのカワイ子ちゃんをすんすんぺろぺろできたってのに』」
    「へ!?」
     佐弓の言葉に割り込むように言ったのは、リュシールである。
     だが、驚いたのは佐弓よりも、ルーシアに捕まえられた男の方。
    「『読まれてる!? この魔法少女とやらを利用してあの子をモノにしようなんて……はっ!』」
     明らかに顔色を変えるストーカー。なんともわかりやすい男であった。
    「で、でででデタラメですよ魔法少女さん! そんな、あなたを利用しようだなんて……」
     ぺかー、とそこに絶妙のタイミングで改心の光。
    「思ってましたすんません!」
     なんという連携作業。汗を拭うふりをする蕨。
    「え、えええええ!?」
     混乱する佐弓に、灼滅者達は助け舟を出す。
    「向こうでお話しましょう、関係のない人にまで迷惑を掛けたくはないでしょう?」
     白金・ジュン(魔法少女少年・d11361)がすらりと手を伸ばす。それにリュシールが、深く頷いて。
    「……何を話すにもここじゃ通る人に迷惑。そこの路地に行きませんか?」
     戸惑いを露わにしたまま、こくりと少女は頷いた。

    「はじめまして。夢で逢えるアイドル、ゆきだよっ☆」
     アイドルスマイルの神崎・結月(天使と悪魔の無邪気なアイドル・d00535)のウィンクが、可憐に佐弓と灼滅者達を迎える。じっと路地の入口から灼滅者達が無事に佐弓を連れてくるのを確認していた八月朔・修也(アンチフォーチュン・d08618)が、安堵の溜息を隠すように肩をすくめて。
    「……あなた、達は……まさか私の邪魔をしに来た悪の手先……え、でもさっきのはあの人の方が本当は嘘ついてたストーカーで……」
     まだ混乱したままの佐弓は、けれどきっと唇を引き締めると天星弓に矢をつがえる。
    「と……とにかく私の邪魔をするなら、やるしかない!」
    「だったら……」
     咄嗟に舞夢がカードをかざし、アルティメットモードと共に力を解放する。
     ふわりとリュシールのマントが躍る。トン、トンとステップを踏みリズムを作る。そして相手の隙と己のリズムが合致した瞬間に、リュシールは歌姫のメロディを解き放つ。
     舞夢の影が伸び、佐弓の身体を掴むように捉える。そのまま前に飛び出した舞夢は、拳で語り合うべくオーラを宿した手を思いっきり叩きつける。
    「魔法少女には物理少女で対抗!」
     身体ごと回転させるように巨大なハンマーを振り回し、佐弓を――否、闇を蕨がぶちのめす。
    「『倫敦の蜘蛛の巣』はお前の事をまるっとお見通しだ!」
     そう叫んだルーシアのカードから、力が解放される。シールドリングをふわりと作り出し、時には闇の契約を織り交ぜ、仲間達に力を与えていく。
    「ホワイト・マジピュアハート・ウェイクアーップ!」
     さらにジュンがカードを突き上げ、コスチューム姿へと変身。
    「希望の戦士ピュア・ホワイト! あなたの夢を守ります!」
     口上を述べたジュンは、素早く戦場にサウンドシャッターを展開し、さらにWOKシールドに力を宿して駆け抜ける。
    「あなたの気持ちを受け止めて見せますっ! だから私たちの本気も感じてください!」
     想いと一緒にシールドを、強く強く叩きつけて。
    「ね、ゆきの声が聞こえる?」
     その後方から結月が、静かに魅惑のメロディを歌い上げる。歌いながら、魔法少女へと語りかける。
    「ゆきね、佐弓ちゃんの気持ち、わかる気がするの」
    「私の気持ちが……あなたに?」
    「うん。だって……」
     夢見るように、幸せそうに結月は笑う。ナノナノのソレイユも嬉しそうに、「ナノ!」とハートマークを飛ばす。
    「ゆきも『誰かの夢』になりたくてアイドルになったから」
     歌姫のメロディを佐弓へと向けながら、アイドルとして舞うように結月はくるりと回ってみせる。金色の髪が揺れ、ソレイユがしゃぼん玉を飛ばして戦いを援護すると共に結月を彩る。
    「貴方の気持ちはとても尊いものです、やり方を間違えてしまっているだけなのです」
     ジュンが己を狙った矢を己が矢で粉砕し、そのまま次の矢をつがえる。
    「そう、あなたの気持ちは尊いもの。絶対に間違ってはいません」
     方法を間違えただけ。そうなるように目を曇らされただけ、と紗里亜ははっきりと伝える。バベルの鎖を瞳に集め、魔力の矢を解き放ちながら。
     彼女と同じ魔法使い。彼女と同じ弓を使い。同じ存在であると、紗里亜は口にせずとも佐弓に伝える。
    「誰かの為にこの力を役立てたい。覚醒した時、私もそうだったからその気持ちはよくわかるつもりです。だからこそ、これ以上その心を傷付けさせたくない……!」
     矢を番え、弓を引き、紗里亜は闇を穿つべく解き放つ。
    「方向性はあっていたのだけど、お客さんが悪かっただけだと思うかな」
     蕨が脳天気な顔で、くるくる回したハンマーからロケット噴射を放ち、その勢いと共に叩きつける。
    「三度やってダメなら四度目以降がんばるのは良いと思うの。堕ちちゃったらその四度目以降ってのがないんだけどね!!」
     だから堕ちないで――その気持ちを込めて、蕨は反対の手に握ったマテリアルロッドに魔力を宿し、やはり体の回転と共に叩きつける。
    「私もね、色んな魔女の物語を知ってます」
     WOKシールドに光を集めながら、静かにリュシールは謡うように語る。
    「よき魔女は皆、話を聞いて良く考える所から始めてました……魔法を使う方も願う方も、求めるからには責任があるんですよね」
     叩きつけるのはシールド、けれど心は佐弓を受け止める準備がある。――受け止めたいと、願う。そのリュシールに放たれた一撃の傷は、ルーシアがシールドリングを解き放ち癒す。
    「責任……そうだよね、私、悪い事ばっかり……」
     ぐ、と佐弓が歯を食いしばる。そこに静かに、修也が口を開く。
    「人同士の関係が関わる事ってのは、誰にとってもいいことになるもんばっかじゃないんだぜ」
     助けるにもしっかり考えてからじゃないといけないんだ、と修也は雷を纏った拳と共に言葉を叩きつける。
     現実を突き付けるのは、彼女の今後がより良きものになるように。
     救いたくないからではない。救いたいから。
    「……私のやってきたことが、間違いなんだとしたら……」
     佐弓の瞳から、ぽとりと涙が落ちる。それはアスファルトを濡らし、弓を持った手を下ろさせる。
    「私の力が素敵な物でも何でもないなら、魔法少女なんてやめちゃった方がいいんじゃないかな……」
     その、言葉に。
     最初に動いたのは――叫んだのは、蕨だった。
    「甘えるな。憧れの魔法少女とやらを演じ、振舞うと決めたのは貴様自身だ」
     普段とは全く豹変した口調。
     子犬の如き可愛らしさから一転した、鋭い視線は狼の眼光。
     胸倉を掴まれその鋭い視線を向けられ、佐弓ははっと息を呑む。普段からちょっと怖いと蕨のことを認識していた修也すら、息を呑んだほどだ。
    「悔しいと少しでも思うなら、自力で闇から引きずり出てみなさい!」
     掴んでいた手を突き放し、蕨はそのままハンマーを叩きつけた。二度。三度。
    「人間が……目指した綺麗なものを、そんなに簡単に諦めたりするもんですかぁっ!」
     叫んだのは、リュシールも同じ。想い出と愛情だけで必死に闇の記憶に耐え続けているからこそ、その心によって己の道を閉ざしてしまおうとする少女への呼びかけは、激しく。血を吐くかのように。
    「今回の失敗は、貴女の責任じゃない。貴女の目を塞ぐふざけた奴がいます」
     そう、それはストーカー如きではなく――宿敵、ダークネス。
    「そいつの思い通りになっちゃダメ、今こそ見つけ出して立ち向かって! だって……」
     リュシールの刻むリズムは、彼女の鼓動の如く速くなる。素早く踊るように轟雷を解き放ち、そのまま一気に踏み込んで流れるように拳を突き上げる。
    「そんなに苦しそうな目をする位憧れてるんでしょ……魔法少女に!」
     それに続けて、舞夢がマテリアルロッドを振り回す。思いっきり、言葉と共に。
    「魔法少女に必要なのは素敵な力なんかじゃない!」
     そう叫んだ舞夢に、佐弓は目を見開く。
    「辛いことだってうまくいかないことだってきっとたくさんある、それでも絶望しないってことが魔法少女のたった一つの素質だと思うよ!」
    「魔法少女の、素質……」
     拳を震わせる佐弓に舞夢は、どうしても助けられずに灼滅してしまった記憶を語る。それは苦しいけれど――でも同時に、舞夢の支えとなるのは助けることが出来た記憶。
    「そして誰かを幸せにすることを喜べる佐弓ちゃんは、きっと素敵な魔法少女になれるっ」
     す、とその隣に修也が飛び込んだ。
    「助ける側にも責任が伴うから、『キミが悪くない』とは俺は言わない」
     槍を炎に燃やし、一気に突き込む。闇に覆われた彼女への、心への突破口になればいい。
    「確かにダークネスのせいでもあるが、希望を振りまくってのはその結果に責任を負わなきゃならないんだぜ。それを理解した上でまだ、希望を振りまく魔法少女になりたいってんなら……」
     そこで修也は、彼女の意志を確かめるように瞳を見つめる。
     佐弓の瞳から、涙が零れ落ちた。けれどそれが流れた後に宿るのは、決意。
    「私……まだ、魔法少女でいたい! 今度こそ本当に、希望を……振りまきたい!」
    「よし、ならその憑いてるもの払ってやるから任せろ!」
     修也が大きく頷き、槍の魔力を氷に変えて解き放つ。
    「その想いごと、抱きしめてあげる。だから、佐弓ちゃん、闇の声に耳を貸さないで」
     エト、と結月は己の影業を呼んだ。長髪の少女の姿をした影がするりと伸び、そっと、けれど強く、佐弓を抱き締める。
    「その力が希望の力だってこと、ゆき達が証明してあげる!」
     そう、現に灼滅者達は、今この力で佐弓自信を助けようとしているのだから。
    「ゆきのこの声は、ファンのみんなに夢と希望を与えるの。形は違っても貴女の力も同じように使えるよ」
     こくりと紗里亜が頷く。佐弓と同じ力を乗せて、弦を引く。
    「自分の気持ちに臆病にならないで。間違いそうになった時は、私たちが、あなたの仲間が止めるから」
     だから、今、ここであなたを絶対に止めてみせる、と。
     誓いの矢を、解き放つ。
    「何が正解なのかなんてわかりませんが、私達にも話してくれませんか? そしたら一緒に悩むことができます」
     一人で悩んでも、仕方ないですよ?
     そう言って、ジュンは閃光百裂拳を炸裂させる。闇を穿ち彼女の心に届け、届けと。
    「やはり自分ひとりだけで人助けてのも限界があるよね。人助けも組織でやらないといけない時代なんですよ」
     くすとルーシアが笑って、すらりと魔力の矢を解き放つ。それに続くように、舞夢が駆け抜ける。
    「魔法少女は一人じゃないよ、頼ってもいいし、寄りかかってもいい、逆に他の子が弱っているときにはそっと支えてあげるといいんだよ」
     だから、一緒に行こう?
     そう言った舞夢が差し出した手を――佐弓が、確かに握る。
     次の瞬間、蕨のハンマーが炸裂し、最後の闇を吹き飛ばす。
    「大丈夫、峰打ちだから!」
     元のわんこ笑顔でにっこり言い放つ蕨。
     ハンマーに峰ないです蕨さん。

    「もう、一人で泣かなくていいんですよ」
     そう微笑んで、紗里亜はボロボロの佐弓にマントを着せかける。ぽろぽろ涙をこぼしながら、佐弓が頷いて礼を言う。
    「いろんなヒーローの中で魔法少女だけが、正義や平和の為だけでなく、戦った相手の心まで救おうとするんです。どうでしたか? 私は魔法少女がきちんとできていましたか?」
     私が魔法少女をやっているのは、戦った相手にも笑顔になってほしいからなんですよ――?
     ジュンの言葉に、こくん、と少女は頷く。涙がいっぱいに溜まった瞳に、けれど闇から解放された安堵と、そして――、
    「私、あなた達に本当に助けられたもの。ありがとう……」
     めいっぱいの感謝を、宿して。
    「聞こえてましたよ、貴女の声。絶対にまだ大丈夫、取り返せます……」
     だって、とリュシールは笑って。
    「貴女は魔法少女に一番大事なものを持ってるんですから」
    「魔法少女に、一番大切なもの……」
     ゆっくりと、少女は頷いた。一番大切なもの、たくさんたくさん教えてもらった。
    「あなたも私たちと一緒に学園に来ませんか? 友達になりましょうよ!」
    「武蔵坂じゃエクスブレインがいるから、人に利用されたりは無いと思うよ」
     そう言ったジュンとルーシアに嬉しそうに佐弓が頷けば、待ってましたとばかりにルーシアが差し出す書類。
    「これからいいことも楽しいことも一緒にやろっ」
     舞夢の言葉に、佐弓はそっと書類を抱き締め――頷いた。

     なお、ストーカーは証拠の録音機材と一緒に警察の前に置いておきました、とさ。

    作者:旅望かなた 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年4月4日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 12/キャラが大事にされていた 6
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