幸福な悪夢~夢へ挑むために

    作者:波多野志郎

    「慈愛のコルネリウスってダークネスを知ってるっすか?」
     湾野・翠織(小学生エクスブレイン・dn0039)はそう真剣な表情で切り出した。
    「今、少年少女が眠り続けるって事件が起きてるんすよ。これは高位のシャドウ、慈愛のコルネリウスの仕業らしいっす」
     現在、二十名以上の少年少女が目覚める事のない夢を見続けている。慈愛のコルネリウス自身には悪意はあまり無いかもしれないが、放置出来る問題ではない。
    「だから、慈愛のコルネリウスの夢の中からみんなを救い出して欲しいんすよ。で、今回、みんなに担当して欲しいのは、こういう夢っす」
     夢に囚われているのは蓮杖明という少年だ。夢の中は現実のようなリアルな世界になっていて、その夢を見ている者のための特別な世界なのだという。
    「夢に囚われた者は、その夢を『現実である』って思い込んで生活してるらしいんす。ようするに、自分が夢の中にいるとはそれこそ夢にも思ってないんすよ」
     その夢のよく出来た事は決して幸せなだけではない事だ。ほんのちょっとした不幸が起きるし、努力しなければ良い結果は生まれない――だが、決して本当の覆しようのない不幸は起きないし、努力すれば努力しただけ報われる幸福な夢の世界なのだ。
    「この事だけ聞くなら、そこまで問題はないような気がするんすけどね。慈愛のコルネリウスの慈愛の心は、とてつもなく広いんす、今回の事で味をしめたら今度は規模を広げてさらに多くの人が夢に囚われてしまう……最悪、一つの都市の住人全員が眠り続ける事になる、そんな事件に発展しかねないんすよ」
     そうなれば、放置は出来ない。その未来の大惨事を防ぐためにも少年少女達を救い出す必要がある。
     これが夢であり、現実ではない事を理解してもらい現実に戻る決意をさせる事が出来れば、夢から連れ出す事が出来るだろう。
     ただし、これにも問題がある。翠織は厳しい表情で言葉を続けた。
    「ソウルアクセスを行おうとすると、それを邪魔するために慈愛のコルネリウスの配下のシャドウが眠っている少年の傍らに出現するんすよ。知ってる人も多いと思うっすけど、現実世界で活動出来る時間に制限がある分、シャドウは強力なダークネスなんす」
     幸いな事にシャドウも眠っている蓮杖明を傷つけようとはしない。なので、戦闘には支障がないだろう。
     また、シャドウも危機に陥ると夢の中に逃亡する。それを元に戦術を練るといいだろう。
    「向こうもなりふりを構わず命賭けで戦闘を仕掛けてきたら強敵っすけどね、危険になれば逃げるとなればそこに光明があるっすよ」
     現実でのシャドウ撃退に成功すれば、ようやくソウルアクセスで夢の中に入る事が出来る。
     ただし、闇堕ちした者が出たり重傷者が複数出た場合などは、夢の中のシャドウと戦うのが難しい状況となるだろう。その時は一端、撤退する事となるだろう。
    「現れるのはシャドウ一体、配下はいない単騎の相手っすけど、普通に戦って勝利するのは……まず、無理って覚悟して欲しいっす」
     現実側に出現するシャドウはピエロのような仮面にアドバルーンのような闇の体を持つシャドウだ。そのマークはスペード、シャドウのサイキックにガンナイフとバスターライフルのサイキックを駆使して来る。攻撃力、耐久力、どれもが強力な敵だ、単騎といえど一気にこちらが崩されかねない、その事を忘れずに覚悟を決めて挑んで欲しい。
    「現実世界のシャドウが相手っす。真正面からまともにやって早々勝てる相手じゃないっす。まずは目的を果たす、その事に集中して欲しいっす」
     それでも、シャドウの戦闘能力の前には困難なものとなるだろう。
     厳しい戦いが予想される、翠織は真剣な表情で戦いに赴く灼滅者達を見送った。


    参加者
    西羽・沙季(風舞う陽光・d00008)
    不動・祐一(揺るぎ無き守護者・d00978)
    時渡・竜雅(ドラゴンブレス・d01753)
    マリス・アンダー(シャドウわんこ・d03397)
    ブルー・クリムゾン(蒼紅の死神・d05544)
    木嶋・央(永遠の刹那・d11342)
    霧野・充(月夜の子猫・d11585)
    鈴虫・伊万里(黒豹・d12923)

    ■リプレイ


     眠りに落ちた一人の少年の姿を見て、ブルー・クリムゾン(蒼紅の死神・d05544)が底冷えする青い瞳で呟いた。
    「……慈愛だかなんだか知らないけど……面倒な事してくれるわ」
     十三歳の自分よりも幼い少年だ。安らかなその寝顔はおどけなく、またむしろ穏やかにさえ見えた。
    「どれだけ居心地のいい夢の世界を作り出してるんだろうな」
     時渡・竜雅(ドラゴンブレス・d01753)が静かにそう呟いた。その部屋は思った以上に広い。勉強机にはランドセルが無造作に置かれ、本棚には参考書と漫画が丁寧に置かれている。そして、部屋の隅に置かれていた磨かれた野球のグローブと金属バットは、どこにでもいる野球好きの少年を連想させた。
    「夢を壊す、と言うとあまりいい気分しないけど、これも未来を守る為だ」
    「まずは、シャドウの顔を拝んでやらないとな」
     決意を込めた竜雅の呟きに、マリス・アンダー(シャドウわんこ・d03397)は頭につけていたサングラスをかけ直す。そして、少年へとその手を伸ばそうとした瞬間だ。
    『――未来? これは異な事を』
    「上です!」
     その声は響き渡った。その場にいた者の背筋に冷たいものが走る――その気配に、後ろで警戒していた西羽・沙季(風舞う陽光・d00008)が声を上げた。
     沙季の声に灼滅者達が視線を向ける。ベッドに寝る蓮杖明少年の上に出現した闇が音もなく膨れ上がりその形を作っていく――。
    「あなた方がしようとしているのは、未来の破壊だ。そのぐらいの事もわかりませんか?」
     それはまさに手足の生えた風船だった。ふよん、という音さえしそうな丸い体を宙に浮かべそのピエロのような仮面に奇怪な笑みを浮かべ、言い捨てる。
    「邪魔をしようとするならば、容赦はしませんよ?」
    「お前、俺のことを知ってるか?」
     そうシャドウの胸元を睨み付けて一歩前に踏み出したのは木嶋・央(永遠の刹那・d11342)だ。シャドウの胸元にはスペードのマークがある――その視線に込められた殺気を受けて、シャドウはふむと小首を傾げて逆に問いかける。
    「失礼、どこかでお会いしたでしょうか? ワタクシの記憶にはございませんが――」
    「ならいい……形成」
     首からかけた鍵を握りしめ、央はそのマフラーをなびかせた。
    「現実世界でシャドウと戦うんですか……っ!」
    「簡単に倒れません、誰も倒れさせたりいたしません」
     その魔血糸を振るい鈴虫・伊万里(黒豹・d12923)が身構え、霧野・充(月夜の子猫・d11585)が静かに言い放つ。
     シャドウはそのピエロの仮面の笑みを深めて、吐き捨てた。
    「まぁ、予想はしておりましたが……邪魔をなさるおつもりですか」
    「束縛する男はモテねーんだってよ?」
    「束縛? とんでもない」
     不動・祐一(揺るぎ無き守護者・d00978)の言葉に、心外だと言いたげにシャドウはその短い両腕を広げて言う。
    「ワタクシが、あのお方が提供するのは、努力が努力として正当な価値のある世界。この世界よりもよほど幸福な世界のはずですが?」
    「幸福な夢の世界、ね」
     そのシャドウの言葉に祐一は吐き捨てるように告げた。
    「確かに現実世界は理不尽だ。ダークネスに支配されているし、悪夢は唐突に降りてくる……でも、そんな世界で一生懸命に生きている人達がいる。そんな世界だからこそ、美しいんだと俺は思うぜ」
     それは祐一の決意そのものだ。揺るぎ無き守護者として、この世界に生きる者を理不尽から守り抜く――決意の言葉に、沙季も口を開いた。
    「誰かがいってたよ、夢は夢だからいいんだって。悪夢を見たって目が覚めればそれが終わるし」
    「意見の相違、ですね」
     シャドウは鷹揚にうなずく。ポン、と軽い音と共にその短い手に握られるのは二丁のマスケット銃だ。一丁は長銃。一丁は短銃――その武器を構えた、どこかユーモラスな姿にマリスが息を飲み、叫んだ。
    「現実のシャドウが相手かぁ……気合入れていかんとね!」
    「いえ、気合いなどいりませんよ?」
     マリスの言葉にシャドウがそう告げた瞬間、円盤状の光線が部屋の中を唸りをあげて薙ぎ払った。
    「無駄に足掻いても、苦しみが長引くだけです」
     リップルバスターによって前衛を薙ぎ払ったシャドウがそう笑みを濃いものにする――だが、切り裂かれながらも竜雅が駆け込んだ。
    「俺の一刀両断!」
     その全体重を切っ先へとこめた大上段の斬撃がシャドウのその大きな腹を切り裂いた。


    「一刀両断には、ほど遠いですよ?」
     シャドウが切り裂かれたお腹をポンと叩き鼻で笑い、その身を躍らせた。
    「逃がすか――」
     そこへ央が迫る。跳躍からシャドウの仮面へと守護刀・刹那の切っ先を真っ直ぐに振り下ろした。
    「おや、失敬」
     その刃を一発の銃弾が這い回る獣のような動きで迎え撃つ。シャドウのホーミングバレットが央の斬撃を相殺、軌道を逸らしたのだ。
    「どうせなら、もう少し広い場所でやりましょう?」
     シャドウは窓からその身をすぼめて庭へと飛び出す。明少年の部屋は一階だ、その後をライドキャリバーのレイキが追いかけ、真正面から突っ込んだ。
    「おっと」
     シャドウがレイキを受け止める。そこへブルーが指輪から放った魔法弾を重ねた。
    「荒っぽいですね、まったく」
    「……うるさい」
     レイキを地面へと放り投げるシャドウに庭へ降り立ちながらブルーが短く言い捨てる。
    「……現実となんら変わらない夢……理不尽な事が起きない幸福な夢……。確かに、これだけ聞いたらいい事だらけネ……」
    「でしょう? あなたもお一ついかがですか?」
    「……でも、私は認めないわ。所詮は夢だもの……現実に起きた事は何も変わらないし、変えられない……」
     シャドウの笑顔の勧誘をブルーは跳ね除けた。そして、その感情の宿らない瞳で真っ直ぐに言ってのける。
    「……現実で生きるものは現実で生きるべきよ……。だから、余計なお世話……」
    「――ですか」
     残念です、と笑みのままシャドウは言って唐突に振り返った。そこには跳躍したマリスの姿がある――!
     ジャラン、とナイフの柄に繋いだ鎖を踊らせ、マリスはWOKシールドをシャドウへと叩きつけようとした。だが、マスケットの長銃の銃口が突き上げられそのシールドバッシュを受け止める。
     マリスは反射的にシャドウの腹を足場に大きく後方へと跳んだ。直後、牽制で放たれた影を宿した長銃の一撃がマリスの頭部のあった場所を通過した。
    「やれやれ……ガチのシャドウはこれほどのもんですか……ッ!」
     あの鈍重そうな体の全ては闇だ。動きの切れはその見た目からは想像も出来ないほどいい――まるで変幻自在に流動する水のような相手だ。
    「いえ、あなた方も半端者にしては悪くはありません」
    「そいつはどうも」
     シャドウの賛辞に祐一はその懐へと潜り込みシールドを叩きつける。その祐一を霊犬の迦楼羅がその眼差しで傷を癒した。
    「皆様をお守りさせていただきます」
     シャドウが後方へと跳ぶ、その間隙に充がシールドを広範囲に展開、前衛をそのシールドに包み込む。
    「風をよろしくお願いします」
    「ええ、ここが意地の張りどころですよー!」
     沙季が充へと中心に花が咲く小光輪を飛ばし、伊万里の清めの風が吹き抜け前衛を回復させていく――それを見たシャドウが長銃と短銃をその短い両腕でジャグリングさせながら言った。
    「なるほど、前衛に数を集めこちらの範囲攻撃を減退させ守りを固め、回復でその戦線を維持させる――よく考えた時間稼ぎですね」
     感心したように言い捨て、シャドウは右手で短銃を構え言う。
    「ならば、こちらも少しだけ頭を使いましょう」
     パパパパパパパパパパン! と軽い銃声と共に大量の銃弾が後衛へと叩き込まれた。その足場に撃ち込まれた銃弾の雨に沙季が息を飲む。
    「一番、嫌なところを……!」
    「ええ、お気づきなようですね? その陣形の穴を突かせていただきます」
     もっとも警戒していた足止めを、数による減退のない後衛へと叩き込んでくる。そのシャドウに竜雅と祐一が駆け込んだ。
    「頑張ってください? 抗っていただけなければ面白くありません」
     剣戟と火花が散る戦場で、シャドウがおどけた道化の仮面で笑った。


     ぶよん、とシャドウの体が地面に着地する。その瞬間を狙ってレイキが機銃を掃射した。
     そして、その巨体を黒と深紅の影が左右から帯状に伸びて絡みつく――青と白のマフラーを躍らせる、ブルーと央の影縛りだ。
    「ハハッ!」
     それに笑うシャドウへマリスが鎖を鳴らし解体ナイフを腹へと突き刺し、ザグザグザグ! と大きく切り刻んだ。
    「ほら、次はそちらですよ?」
     長銃の銃口を向ける先は央だ。引き金が引かれた瞬間、鮮烈な魔法光線が放たれる。
     その軌道上に迦楼羅がその身を無理矢理割り込ませた。バスタービームの一撃を受けて地面へと転がった迦楼羅は、そのまま起き上がれない。
     影を引きずるように動くシャドウに、マリスは足元に深緑の鎖状の影をうごめかせ言い捨てた。
    「マジで耐えるのに精一杯……って感じだなコレ!」
     シャドウの攻撃はひたすら重い。それに加えて後衛を執拗に狙ってくるのだ――シールドバッシュによって前衛へ攻撃をいくらか誘導させていなければ、あるいは後衛は既に押し切られていたかもしれない。
    「鈴虫先輩!」
    「おうっ!」
     迦楼羅がその身を犠牲にしてくれたその時間を無駄にはしない、沙季がその癒しの光で伊万里を伊万里がそのオーラを集中させ央を回復させた。
     そして、充がシャドウへと間合いを詰める。
    「こちらのお相手をお願いいたします……っ!」
     その小さな体全てで当たるように充がシールドを叩きつける――シャドウはボヨン、とその腹で充のシールドバッシュを受け止めた。
    「お前の全ての悪、俺の炎で焼かれて消えろ」
     そして、クリエイトファイアで流血を炎へと変えた祐一がその拳に炎をまとわせ繰り出す。ドゥッ! と鈍い打撃音と共にシャドウの巨体が宙を舞った。
    「この程度では、燃やしきれませんよ?」
     そして、シャドウは軽々と着地する。そこへ竜雅が振りかぶった無敵斬艦刀を横一閃に、炎を宿した薙ぎ払った。
    「燃えろ! このピエロ野郎!」
    「お断りします」
     竜雅のレーヴァテインをシャドウは長銃に影を飲み込ませ叩きつけるように受け止める。火花を散らし、お互いが相手を弾き飛ばしながら間合いを開けた。
    「あぁ、まったく! 愉快です、そして悲しい喜劇です! 幸福な夢にあるものを寒々しい現実に引き戻そうなどと、残酷な方々だ」
    「今回の主犯はコルネリウスさん、でしたか?」
     ふと、シャドウが視線を向ける。そこにいたのは伊万里だ。
    「慈愛の、というふたつ名ですけど……慈愛っていうか……こう言ってしまうとなんですが、余計なお世話ですねっ。自力で幸せになれない、かわいそうな子扱いされてる感じがします。だいたい眠りっぱなしじゃ死んじゃいますよ!」
    「ほう? 憐れまれる事に嫌悪感を示すのは、あなた方が力があるからでは?」
     伊万里の言葉に、シャドウは道化の顔のまま続ける。
    「幸福とはそれぞれです。自力で幸せになれない? いますとも、そんな者ばかりがこの世の中なのでは? 単にあなた方が自力で幸せになれるごくごく一部だというだけだと思いますが?」
    「難しいことは、よくわかんないですけどっ。よくわかんないなりに、これはなんか違うと思うんです!」
     それは理屈ではなかった。ただ、何かがおかしい――その違和感の正体を伊万里は知らない。
     自分の積み重ねてきた人生経験と、その結果の人格がNOと言っているのだから、どんなに正しそうに見えても違うのだと判断した――ただ、それだけなのだ。
    「考えるな、感じろですか……なるほど、平行線ですね」
     しかし、シャドウはそれを否定しない。ただ、己を押し通すためにその強大な力を振るった。
    (「後少し、です」)
     充がそう心の中で呟く。そう思ったのも何度目だろう? 十分という時間があまりにも長く感じられた。
     シャドウは強い。着実に攻撃を当ててはいるが、その動きは鈍らない。思う様に暴れ回るシャドウに灼滅者達は必死に食らい付いた。
    「ハハッ!」
     シャドウがその長銃に影を宿し、祐一へと突き出した。影の槍となったトラウナックルの一撃に充がその身を躍らせる!
    「お怪我はございませんか?」
     一瞬意識を持っていかれた――それでもなお仲間へ安堵を与えるように笑みを浮べる充に祐一は力強くうなずく。
    「おやおや、時間ですか。では、後ほどまた――」
    「待て、ここで倒してしまってもかまわねぇんだろ?」
     その祐一の言葉に、シャドウの仮面が初めて表情を変えた。驚き、そしてこれ以上ない笑い顔へとなって、シャドウは言い放つ。
    「いいでしょう! 夢に戻るまでのわずかな間、お付き合いしましょう?」
    「言われるまでもない」
     その瞬間、死角へと回り込んだ央がその足元から走らせた影の刃でシャドウを切り裂いた。
    「ええ、これは宣戦布告ですっ!」
    「遠慮はいらないぜ!」
     ヒュオン、と魔血糸で組んだ結界にシャドウを捉え、そこへマリスが鎖を舞わせジグザグスラッシュを繰り出す。
     無数に切り刻まれるシャドウへ祐一がそのガトリングガンの銃口を押し付けた。
    「全弾持ってけ、遠慮すんなよ?」
     ガガガガガガガガガ! とブレイジングバーストの銃弾が次々に着弾し、シャドウを炎に包んでいく――そして、充が踏み込み七つに分かたれたリングスラッシャーを投げ放った。
     そして、突撃するレイキの影からブルーが跳躍、そのガンナイフの刃を振るう!
    「燃えろ!」
     そこへ竜雅がその両手の間に生み出した炎の奔流をシャドウへと叩きつけた。バニシングフレアの炎に飲み込まれながら、シャドウは笑う。
    「宣戦布告、確かに受け取りました」
     その表情や口調には確かな余裕がある――倒すのには、ほど遠いのだ。
    「必ず、明くんは救い出すよ」
     充をシールドリングで回復させながら、沙季は強く告げる。この状況でも回復役と言う自分の役割を忘れない沙季の姿にシャドウは満足げにうなずいた。
    「させませんとも――続きは、夢の中で……」


     シャドウの巨体が夜の闇に紛れるように消えていく――それを見ても灼滅者達は緊張を解かない。
     一つ、二つ――その呼吸が十回を超えた辺りで、ようやく息をこぼした。シャドウの気配はない、十分と言う時間を戦い抜けたのだ。
     だが、これは終わりではなく始まりなのだ――灼滅者達は次の戦場へと挑むために動き始めた……。

    作者:波多野志郎 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年4月17日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 10/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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