学生的休日ごはん

    作者:笠原獏

     今日という休日を、どんな風に彩ろうか。何をもって彩ろうか。
     少しだけ空を見上げて考える。
     ──そうだ、美味しいものが食べたいなぁ。
     学生だから、高価なものは厳しいけれど。それでも自分が好きなものならば、彩りを添えるには十分だ。

    ●今日という日に選ぶもの
     二階堂・桜(高校生エクスブレイン・dn0078)が軽い足取りで商店街を進んでいた。明確な目的地があるらしくその足取りに迷いは無い。けれど途中で不意に何かを思い付いたのか、端の方へと寄りながらスマートフォンを取り出した。電話帳に登録された番号からひとつを選び、相手が出るのを待つ。
    「──……あ、もしもし鋭刃君? 僕だけど!」
    『どうしたんだ二階堂』
     程なく出た相手──甲斐・鋭刃(中学生殺人鬼・dn0016)に対し今は大丈夫かなと前置きをしてから、自分が商店街にいる事を告げる。そして。
    「これからお昼ご飯にハンバーガーを食べに行こうかなと思っているのだけれどね、もし良かったら鋭刃君も来ない? 以前の放課後に寄ったとこ。割引チケットが今日まででさぁ」
    『……気持ちは嬉しく思う。けれど、すまない』
    「おや、都合が悪かった? 無理を言うつもりは無いんだよ、急に誘ったのは僕だし。ごめんねぇ」
    『違うんだ、そろそろそこへ行こうと思っていて』
    「え?」
    『弟達の昼食を買って戻る事になっているんだ。すまない』
     その言葉に桜はぴたりと足を止める。理解出来た事情とちょっとした偶然と、それらが繋ぎ合わされた瞬間に小さく吹き出した。
    「──成る程ね。いいよいいよ謝らないでおくれ、僕は僕で好きに過ごしてまたフラフラするからさ。うん、じゃあまたねぇ」

     電話を切った桜が顔を上げると、少し先にお目当ての看板が小さく見えた。桜は嬉しそうに笑みを深めて、先刻より弾んだ足取りで歩き出す。
     ハンバーガーには時々無性に食べたくなる不思議な魔力があると思う。それにポテトも好きだしシェイクも好きだ。お腹に余裕があったらナゲットを追加しようか、そうしたらソースは何にしようか。天気がいいからテイクアウトにして近くの公園へ行くのもいいけれど、今日は中でのんびりしたい気分だった。
    「……まだ制覇出来ていないんだよねぇ、ここ」
     ハンバーガーショップの扉に手をかける寸前、桜はくるりと商店街を振り返る。ここにはコーヒーショップもあるしラーメン屋もある、外にベンチの置かれたたこ焼き屋からはいい香りが漂っているし、あそこのワゴン車式のクレープ屋は今日も列が出来ていた。惣菜屋の揚げ立てコロッケをすぐに食べるのも、とても素敵な事だと思う。
    「ま、今日はここで、っと!」
     ほんの少し後ろ髪を引かれながらも、桜はハンバーガーショップの扉を引き開けた。
     さて、何を食べようか。


    ■リプレイ

    ●バーガーごはん
     見上げたそれは晴れやかな、青。
     バーガーショップの前で瞳に空を映していたイコが、近付く少年に気付き翠葉を揺らした。
    「まあ鋭刃くん、偶然ね」
     そのまま店先で少し話した。家族の為の持ち帰りを買いに来たという言に少女は綻ぶ。
    「わたしも、家族みたいなひとたちとランチなの!」
     おとーさん達を待っているのよ、と。
    「全員いるか? 迷子はおらんな? 注文したら席に座れー」
     それから暫し。引率感漂うおとーさんもとい十織の言に、先に席へ着いた面々が次々手を挙げた。
    「今日ははぐれてないヨ」
     ひらりと手を振るフェリスに続き、十織の後ろからはチセと彩葉がひょこり顔を出す。
    「チーもいるよ!」
    「いますよ。実はバーガーショップは初めてなんだ」
     賑やかな昼食はいつぶりだろうか──悪戯に目を細めた十織は山盛りポテトをテーブルの中央に置くと皆を見回す。この中から一本ずつ引いて、一番短かったヤツが罰ゲームなと告げながら。
    「あっ、見て見て長いっすよ! でもイコの方が長い!」
    「僕は短くも長くも無いや……ってレン先輩」
     喜んだ直後にがくりと肩を落とす綺子、無難な結果に嘆息したアストル。その二人の視線が一点へと注がれる。
    「これ、欠片じゃん!」
     奇跡を起こした蓮二の姿が、そこに在った。2ミリという僅差で罰ゲームを回避した一浄が南無と拝みながらそっと胸を撫で下ろし、次に短かったチセがぎりぎりセーフと声を弾ませた。
    「はい蓮二、あーん」
     罰ゲームは蓮二へのあーん攻撃だ。自分のアイスをすくったフェリスを皮切りに次々放り込まれるポテト、ナゲット、一番大きなプチトマト、特大バーガー(マスタード盛り)。
    「いっぱい食べるっすよぉ、にひひっ」
    「ちょ、君達余計に放り込んでませんか! アイスはデザートの方が、って誰だマスタード盛ったの!」
    「俺だ。イッチーも惜しかったな、一口どうだ?」
    「ほれほれ、たんとお食べ。次に短かった一浄とチセも」
    「か、回避出来てへんかった!」
     気付けば皆でのあーん大会、楽しい時間と会話、重なる笑い声に耳を傾けたならお腹も心も満たされる。
     誰かと食べるごはんは、とてもおいしい。

    「えっと……二階堂さんと甲斐君、だよね」
     座席で昼食を楽しむ者と、その側に──声を掛けに寄ったのだろうか──立っていた少年へ声を掛けた蒼羽はお勧めを問うた。
    「僕はエビカツが好きだよー。鋭刃君はてりやきだよね」
    「他は?」
     少し前にそこへ加わっていた六が質問を重ねれば、即答に近い形でアップルパイと返される。熱々揚げ立てアップルパイ、思わず財布を覗き込んだ六は黙し、数秒。
    「……今度にする」
     蒼羽や鋭刃と入れ替わりでやって来たのは洋服入りの紙袋を複数肩に掛けた千巻だった。足を止め、やや自信なさげに口を開く。
    「あー、エクスブレインさん……?」
    「今はご飯を楽しむただの若人だねぇ。良ければ正面の席をどうぞ!」
     可愛い女の子は大歓迎ですよ、と割と本気で言った所に供助が「俺は?」とひょこり顔を出した。返答は勿論「大歓迎」だ。
    「クーポンでナゲット追加したんだ、食うか?」
    「やだ供助君すてき」
    「ソースはマスタード一択な」
     同じものを食べる事は寂しい気持ちを溶かしてくれる。桜と同じセットの袋を抱えて店を出ようとした希沙に、そういえばと声が掛かった。
    「お爺様、喜んでくれたかい? 抹茶生チョコ」
     振り返った希沙は大きく頷く。そして、ふわりと手を振った。
     折角貰った割引チケット、少し高めのセットにしなければ勿体無い。メニューとにらめっこしていた郁が顔を上げると自分に向けて手を振る先輩に気が付いた。後でナゲットのお勧めソースを教えてあげよう、そう思いながらレジへ向かう。
    「で、僕が制覇したお店の数だっけ? 晶君」
    「そう、教えてよ」
     返事をした人物に、桜が一度瞬いた。それからすぐに笑う。
    「キミは渡里君の方でしょ?」
     渡里と晶(d02884)、中性的な容姿を持つ双子の兄妹。想像以上に早くばれた悪戯に二人が顔を見合わせると、桜は無駄に誇らしげに笑みを深めた。
    「僕ねぇ、女性は見間違えない主義なの。ところで渡里君の持っている食べ歩き地図を是非見せて欲しいな!」
     情報交換ってやつ、と付け足して。
    「ほらよ、いつも頑張ってんだしたまには自分を労ってやれよな?」
     やがて店先で、鋭刃が錠から差し向けられたポテトをじっと見た。そして静かに手を伸ばす。
    「いや、まだ全然足りない。まだやれる」
     けれど、ありがとう。そう礼を告げながら。

     店内はいまだ穏やかな賑わいを見せている。
     そんな中苦い顔で、財布を覗いた観月が嘆息した。珈琲1つのみを手に席の隅へ寄った所でポテト片手に弌影が告げる。
    「これだけ心配する人がいるって事だろ。いい事だ」
    「俺、今週あと240円なんだけど」
     弌影の隣で四種のバーガーを頬張る司と、怒濤の大量注文をひたすら食べるを芭子をじとりと見れば、司は緩く笑い芭子は小首を傾げた。
     経緯としては、ある依頼に赴く観月へ無事帰ったらハンバーガーを奢ると司が告げた。結果として観月が重傷を喰らってきたので逆に皆へ奢る事になった。という流れだ。
    「……ポテトは分け分けしよっか」
     奢って貰ったもののよく考えると酷いよね──会話を聞いていた冴がポテトを差し出せば何故か伸びてくる司の手。同じくしれっと拝借した美樹は実鈴お勧めのアップルパイが冷めるのを待ちながら「観月は律儀だね」と真顔で言った。
    「次怪我してきたら……焼肉にしましょうか。覚悟しておいてね? みんなも、私も同じ約束しておきましょ」
     そこへ、ストロベリーシェイクから口を離した実鈴の言。素直な感情は潜めたそれに素早く反応する芭子、楽しみにしてると言う美樹、和みから一転慌てる冴、観月へ向け静かに頷く弌影、そして綻びかけていた口元を引き結び固まった観月。
    (「……こうして無事に、みんなでバーガー食べれてよかったなあ」)
     幾度目かの摘み食いをしながら、それを見ていた司がしみじみ考えた。帰って来てくれて良かったと、そう考えた。

     朝から散策で歩きっぱなし、出来立ての匂いに釣られる時間。メニューにあったアボガドベーコンチェダーメルトチーズという単語に心惹かれた瞳は霊犬庵胡の分も含めてお持ち帰り。
    「……あ!」
     けれど帰り際、一人の少女とすれ違いざまぶつかった。落ちる袋を華麗に受け止めたその少女、悠花が慌てて頭を下げる。
    「申し訳ございませんご主人さ……あ、ご、ごめんなさい!」
     元メイドたる少女、その癖はなかなか抜けない。
     こたろーと遊ぶようになってから、あっと言う間に此処が馴染みの店になった。しゃきんとシェイク無料券を取り出す小太郎の奥に新メニューの広告を見つけた木鳥が零す。
    「次頼もうかな」
    「お、きとりんもバーガー通になってきたね。じゃあアレの奢りを賭けていっちょやりますか」
     そして取り出されたゲーム機は使い込まれたものと新品の色違い。それを見つめ見間違いかと思う程小さく浮かんだ友達の笑みに、木鳥も釣られて同じく笑んだ。
     ゲームセンターに響いていた音が、まだ耳の奥に残っていた。どこか弾んだ感情を残したまま山盛りのバーガーとポテトを頬張る直人を稲葉は感心したように眺め、時折からかい、時折こっそりポテトを摘む。
     やがて稲葉がテーブルの上にUFOキャッチャーの戦利品を並べたのは思い付きだった。手を止めた直人に笑う。
    「なんか似てねーか?」
     黒兎と、金色兎。また行こうと約束を紡ぎながら、稲葉は黒兎を直人に手渡した。
     戸惑いっぱなしな縁の為に、祐一は自然な所作で手本を見せる。おっかなびっくり、けれど玉子の入ったバーガーを見つけた縁はカウンター席に落ち着くと食べ辛そうにちまちま、行儀良くそれを味わった。
    「たまにはさ、こういうのもいいもんだろ?」
     そんな縁を横目で見つつ祐一が問えばバーガーに目を落とした縁が零す。
    「おいしい、です」
     にこりと笑った祐一が、自分のポテトをさりげなく縁の方へと促した。
     あるテーブル上には、そびえ立つ2つのタワーハンバーガー。
    「……これ全部食べて良いんだよね」
    「……幸せごはんだと思います」
     そしてうっとりそれを見つめるシエルとねむ。お喋りしながらもぐもぐごくり、途中でねむの分が崩壊するハプニングがあれど、気付けばシエルのタワーが無くなっていた。
     後輩からの尊敬の眼差しに心の中で胸を張るシエル。おかわりですかと尋ねられれば、答えは勿論イエスひとつだ。
     この間の礼だと峻が言うと、るりかは途端に目を輝かせた。そして遠慮無くトレイに商品を盛りながら峻を見れば顔色が悪い。
    「……ま、まあ想定の範囲内だ」
    「? ちゃんと食べてる? 後でボクのデザートのアイスお裾分けしてあげるね」
     そして追加されるアイスに対し峻は黙す事を選んだ。
     武士、もとい先輩に二言は無いのだ。後輩の誕生日ならば、なおの事。
     美味しいものは誰かと分けた方が美味しい。幸せがその人に伝われば、もっともっと幸せだ。

    ●いろいろごはん
     中華料理も定番ごはんのひとつ、店内には幾人かの姿があった。
     次に会う時はもーちょい緊張しないでと言ったものの気取らなさすぎだっただろうか。カウンター席、隣をちらりと見遣った鈴は塩ラーメンを啜る徹太にお詫びの煮卵を進呈しようとし、やんわり遠慮される。
    「電話、ありがとね」
    「……おう、アイ。元気になったなら良かった」
     この短い距離で──この距離だからこそ徹太が顔を合わせたのは一瞬だけ。仏頂面のまま食べ続ける徹太の背を、鈴は思わずばしんと叩く。
     エビチリセットを前にした朔之助には、史明がからかうような笑みを向けた。
    「足りる?」
     この幼馴染みは、と思いつつも言葉には詰まる。そのままふと葵を見ると史明がちょっと意外、と呟いた。
    「……うん、意外と食べるんだねってよく言われる」
    「じゃあこれお裾分けな!」
     その大盛りラーメンとチャーハンのセットにエビチリを1つ乗せる。史明にもと思った所で「僕には?」と聞こえたものだから、朔之助は仕返しとばかりに得意げに笑った。
     やがて始まるエビチリと麻婆豆腐の奪い合い、それを温かく眺める葵。自分が食べているラーメンは相当辛いものだけど、目の前の友人達が食べたらどんな反応をするだろう。

     お蕎麦屋さんへ来るのは随分と久しぶりだった。故郷でも好んで食べていた騰蛇は食べ方にも法則があるようで全く変わらなくて、何だかお爺ちゃんみたいとさなえが笑う。さなえの言葉に一瞬だけ箸を止め目を向けた騰蛇は、けれどすぐに同じ動作へと戻った。敢えて気にしない方向を選んだのだ。
     同時に可愛く見えてしまった事、それは胸の内に秘め、さなえもまたお蕎麦へ視線を戻す。
     どこか異国情緒漂うお店では、店員が何とも言い難い目線を二人の客へと向けていた。
    「やはり、休日はカレーが一番ですね♪」
    「うーん、刺激的で、おいしいですねぇ……」
     七海と流希、別々の席に座る二人の食べているそれが所謂激辛を通り越したものだったから。七海の手には真っ赤なソースが握られているし、流希はもう少し辛い方が好きですねぇと涼しい顔。
     様々なメニューを気軽に楽しみたいなら定食屋もお勧めだ。
     そこは安く、美味しく、量もある──そんな学生の夢を叶えてくれる店。お皿一杯のカニクリームコロッケに晶(d03015)は目を輝かせ、千尋は思わず小躍りした。
     サクサクの衣と溢れ出すクリームの濃厚な味わい、そこに馴染むソースの美味しさ。どれだけ食べられるかの競争を仕掛けてきた晶に千尋は付き合い良く頷いてくれる。
    「う〜ん……」
     丼物のメニューを見て悩んだ紅葉は結局目を閉じて、膝に座っていたクマさんの手でメニューを指してみる。
    「これがいいのテディ? デザートに抹茶白玉も食べようね」
     悩んだものの諒一郎と、彼を誘った臣はとんかつを食べる事に決めた。ランチ定食を前に普段の食事や自炊について尋ねた諒一郎に臣は穏やかな笑顔で答える。
    「諒一郎さんの腕には到底及びませんが、私も自炊をする時もありますね」
     外食で済ます時も多々、あるけれど。余裕があればデザートにも梯子してみましょうかと笑みを深めた臣に、諒一郎は双眸を僅かに緩め告げた。
    「今度は俺が奢りますよ」
     そして、窓から商店街を見遣る。

     初めて足を運ぶ商店街、洋食や和菓子屋に何度か足を止めつつ真人が行き着いたのは総菜屋。コロッケの匂いに一緒に食べる誰かを想像して僅かに笑んだすぐ横から、100円を握り締めた小さな手が飛び出した。
    「ひとつ、くださいなー!」
     それは黒柴……の霊犬を連れた少女だった。コロッケを受け取った少女さちこは更に声を弾ませて。
    「こうえん、いくよー! ちいさいおとーさん!」
     霊犬と共に楽しそうに駆けて行った。
    「そういえば。相変わらず胡瓜は苦手なんですか?」
     随分と久しぶりに出掛けた幼馴染。ツナサラダのクレープを食べていた十音がふと顔を上げて問えば悠は僅かに目を泳がせて、
    「……胡瓜は食べられなくても生きていけますから」
     飲み物をどうぞと紅茶を差し出す。
     今度悠ちゃんが食べられる胡瓜料理を考えましょう──十音は脳裏でそう考えた。ゆっくりと話が出来るのは、いつぶりだろうか。
     今日は自炊はお休みで、久しぶりの食べ歩き。ついつい財布の紐を緩める千麻に対し圭には新鮮味が薄く、それでもご機嫌な様子の幼馴染に口元を緩める。
    「美味しいよ、圭ちゃん」
     コロッケを1つ差し出した千麻のそれを囓りつつ、圭は代わりにたこ焼きを1つ差し出した。心得たようなその動作、ぱくりと頬張った千麻は思わず零す。
    「──幸せ」
     まるで縁日のような昼下がり、こういう一日も悪くない。
     センターを歩けるのは役得のお母さんポジション、ご機嫌で自分を挟む千冬とオニキスに芥汰はそんな事を考えた。
    「んーっ、熱いけど美味しい!」
     大だこ入りたこ焼きに頬を押さえたオニキスが千冬にもあーんと差し出して、お芋のコロッケを返されればほくほくの味に心暖めて、笑顔咲く幸せの連鎖は勿論芥汰へと。受け取り、二人の余所見を見計らった芥汰は常に口元を隠すマスクを浮かせ口へと放り込んだ。
    「へー。美味いじゃん」
    「あっくんあっくん、次はあれね!」
    「あっくん先輩、あそこに猫がいるのよ!」
     両手の花が眩しすぎていっそ動揺してしまう。芥汰は思わず、新調したカメラに手を添えた。
     パン屋に一歩踏み込めば、桜子の心を満たす良い香り。ソーセージやチーズ入り、バニラ香るクリームや艶やかなデニッシュパン。どれも気になるけれどと悩んだ桜子は、次の瞬間手を叩く。
     ──よし、友達に連絡してパーティーにしよう!
     お昼ごはんの時間は後少し、けれど今日という休日はまだ続く。
     幸せな彩りを添える為、あなたは何を食べますか?

    作者:笠原獏 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年4月16日
    難度:簡単
    参加:61人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 16
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