幸福な悪夢~暁から過ぎる夢

    作者:幾夜緋琉

    ●幸福な悪夢~暁から過ぎる夢
    「では……皆さん、彼女の夢の中へ、向かいますよ」
     愛流の言葉に、灼滅者達は頷き、彼女の枕元へ。
     彼女の表情は半ば幸福、半ば苦しみといったもの……そんな表情を見て、蒼が。
    「……えっと……彼女にとって……この夢は幸せ……なんでしょうか……?」
     と小首を傾げる。それに沙雪、零桜奈が。
    「……さぁ。でも……結末は、不幸である事は間違い無いさ。その為にも、早々に片付けないとな」
    「……そうだね……くだらない……その闇を……止めてみせる……」
     と、決意を新たに。
     そして。
    「さて……皆、怪我もOKだよなー?」
     と、空牙の問いかけに。
    「ああ、問題ない」
    「私も問題無しです。さぁ、頑張りますよー」
     梗香、ヴァーリも頷く中、朔夜も傍らのナノナノに。
    「ナノちゃん……頑張ろうね?」
    『ナノ!』
     こくり頷く朔夜……そして灼滅者達は、少女の夢の中へと侵入した。
     
    「……ごめんね、ちーちゃん」
    「ううん。私もごめんね? 私もりょうくんの事、好きだったけど……でも、あんずちゃんがりょうくんのことがだいすきだってわかったから。これからは、わたしもおうえんするね!」
    「うん。ありがと! わたしもちーちゃんは、ずっとずっとともだちだよ!!」
     ……あんずちゃんと呼ばれた、眠りし少女の夢の中。
     少女と、彼女にちーちゃんと呼ばれる同い年位の女の子が、仲良さそうに会話している二人。
     ……そしてそんな二人の視線の先には、スポーツマン風のかっこいい男の子。
     今迄二人は、同じ彼を大好きになってしまった。
     それをお互いに知った時……若井ながらも数年間仲良くしていた二人は大げんかをしてしまった。
     でも、あんずは自分がどれだけ彼のことを好きなのか……そしてちーちゃんと言われる親友も、どれだけ好きなのかを理解して、懇切に仲直りしようと頑張ったのだ。
     勿論……親友の子も、恋人の彼も……夢の中だけの存在。
     しかりリアリティのある夢だからこそ、夢の世界の中に閉じこもり続けていた……。
     
    「……そういうこと、ですか……」
     蒼がぽつり呟く……恋愛、友情……そして、努力の成果。
     しかしそれが、彼女を夢の世界へ閉じ込めさせる結果となってしまった。
    「……そんな彼女に、夢であると認識させる。そうすれば……この悪夢から覚めることが出来るのですね?」
     と、朔夜が確認するように首を傾げると。
    「そうね……でも、そうすればシャドウが邪魔してくる。でも下手をすれば……彼女が私達を敵と思ってしまうと、シャドウに力を与えることになってしまうわ」
    「……そうか。シャドウを倒せば夢から強制的に覚まさせることは出来るが、そうなりゃ寝覚めが悪い、って所になっちまうな」
    「うーん……どうしましょうかねぇ……?」
     愛流、空牙、そしてヴァーリが首を傾げるのであった。


    参加者
    浦波・梗香(フクロウの目を持つ女・d00839)
    白・朔夜(迷い込んだ黒兎・d01348)
    犬塚・沙雪(アクター・d02462)
    神宮時・蒼(大地に咲く旋律・d03337)
    ヴァーリ・シトゥルス(バケツの底は宇宙の真理・d04731)
    空飛・空牙(影蝕の咎空・d05202)
    皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)
    荻田・愛流(通りすがりの猫好き・d09861)

    ■リプレイ

    ●闇から誘いし声
    「……ソウルボード。初めてのソウルボード……ドキドキします……!」
    「ん、朔夜も初めてなのか。俺も実は初めてなんだよな」
     白・朔夜(迷い込んだ黒兎・d01348)に、犬塚・沙雪(アクター・d02462)が苦笑を浮かべる。
     目の前に眠り込んだ少女、あんず。彼女の見る夢は、覚めない夢……いつまでも、いつまでも繰り返される夢。
    「……覚めない夢……幸福でも……それは……ただの地獄……所詮は夢……手にする事の……出来ないもの……くだらないな……都合の……いい世界なんて……絶対に……ありえないんだから……」
    「そうね。確か、胡蝶の夢……だったかしら? こういうのは、そういうのかもしれないわね」
    「ええ……努力すれば、報われる、世界……確かに、魅力、ではあります、けど……そんな、都合のいい、世界……ない、んです……だから……この悪夢を、早々に、終わらせ、ましょう……」
     皇樹・零桜奈(漆黒の天使・d08424)と荻田・愛流(通りすがりの猫好き・d09861)に、神宮時・蒼(大地に咲く旋律・d03337)が静かながらも強く言葉を紡ぐ。
     ……いつまでもいつまでも、夢を見させられ続ける……それはある意味、幸せな事なのかもしれない。
     でもそれは、現実を遮断しているのと同じ事……夢は夢であるからこそ、夢なのだから。
    「まぁ何だ。夢の中のお姫様を、夢の中に入っておこす、と。説得その他面倒事もありそうだが……まぁ、なるようにはなるか」
    「そうですね。初めての夢の中です。だからといって、浮かれずにいきますよー!」
    「……うん。私も初めてだけど……しっかりと、やり遂げる……」
     空飛・空牙(影蝕の咎空・d05202)、ヴァーリ・シトゥルス(バケツの底は宇宙の真理・d04731)に、零桜奈が頷いて行くと。
    「そうね。とにかく夢は所詮夢……早く覚まさせてあげましょ」
    「ああ……良し。それじゃ皆……準備は良いか? 彼女の夢の中へ、突入するぞ」
     愛流、浦波・梗香(フクロウの目を持つ女・d00839)が確認し、皆が頷くと、彼女はソウルアクセスを使用。
     目の前の彼女が見る、深い深い夢の中へとダイブしていくのである。

    ●誘われる声に
     そして夢の中に侵入した灼滅者達。
     夢の中の空間は、何処かファンシーな空間で……周りを見わたしてみると、大きな熊のぬいぐるみとか、鹿のぬいぐるみなどなど……動物のぬいぐるみが沢山。
    「……説得が失敗すると、これら全てのぬいぐるみが襲いかかってくるのかもしれないのね……」
     愛流が、軽く身を震えさせる……そこまで強くは無いかもしれないが、次々と襲いかかってくるゾンビならぬぬいぐるみ達。
     ファンシーだけど、どこか狂気な気がして……恐ろしい。
     そう考えていると、不意に聞こえてくる声。
    『ごめんね、ちーちゃん。ちーちゃんもりょうくんのことすきだったんだよね?』
    『うん。でも、あんずちゃんもすきだったんだね。ごめんね、あんずちゃんのこと、きずつけちゃってて……』
    『ううん。そんなことないよ! だって、こうしていまはてをつないでるもん。ずっとずっと、ともだちだよ!!』
     幼い少女達の会話が聞こえてくる。声の方向に目を向けると……現実世界で眠り続けている、少女が友達に向けて会話していた。
     とは言え友達の姿も……灼滅者達の目から見れば揺らめいて見える、仮の如き存在……でも、彼女はそれに気付いては居ない。
    「さあ……説得を、始めるぞ」
     梗香が決意するように告げて、まずは一歩前に進み出て……彼女に話しかける。
    「こんばんわ、あんずちゃん」
    『……?』
     梗香の言葉に、びくっ、となるあんず。
     極力口調を柔らかくしたが、大きく年齢が離れている人から突然話しかけられると、それはそれで怖いだろう。
    「怖がらせちゃったかな? ごめんね。あんんずちゃんは、ぬいぐるみを集めているのかな? ……可愛いぬいぐるみだね。何が好きなのかな?」
    『…………どーぶつ。くまちゃん』
    「そう。なら……はい、これ。お姉ちゃんからのプレゼントだよ」
     梗香はアイテムポケットを使い、背中から大きなくまのぬいぐるみを渡す。
    『うわぁ……おっきなくまさんだぁ♪』
    「気に入ってくれたみたいだね。良かった」
     そして梗香が目配せすると、犬変身した沙雪、猫変身した蒼が現れ、あんずの所に近付いていく。
    『わぅぅ』『にゃー』
     そんな鳴き声をあげながら、左右からあんずに擦りよってくる。あんずは、そんな二匹の頭を優しく撫でて。
    『かわいい、かわいい♪』
     彼女は犬、猫変身しているなんて想わないだろうし……二人に対しての警戒は無い。
     そして更にヴァーリ、空牙、零桜奈、愛流、朔夜の5人が、犬猫とじゃれあっている間に近付いてきて。
    「こんにちわ」
    『ん……?』
     バケツを被ったヴァーリにきょとんとした表情を浮かべるあんず。
    「んと、バケツの事は気にしなくていいわ。あんずちゃん」
     気にするなと言われても、気になるだろう。
     でも、そんな彼女に更に続けてゴージャスモードを使った朔夜が。
    「こんにちは……ここは、すごく素敵な夢ですね……夢なのに、夢って教えられるなんて、普通はありませんけれど、ね……」
    『夢……?』
    「ええ、夢です……ほら、僕の服……こんなにゴージャスに、なって、ます……」
     顔を赤らめる朔夜。更に愛流も。
    「そうよ。ほら……」
     と言って……プリンセスモードを使用する。猫耳、猫尻尾付きの白い魔法少女風になって。
    『マジカルキャット、アイル! 参上!」
     びしっ、とポーズを決める愛流……実は死ぬ程恥ずかしいけれど、決して其れをおくびにも出さない。
     そして空牙も。
    「まぁ夢、と言われても現実感ないよなぁ。大丈夫、俺達は妖しい奴じゃない。といっても……説得力はないかもしれないけどな?」
     けらけらと笑いながら言う空牙、更に片膝で目線を合わせて。
    「ここは夢、嬢ちゃんの夢ななんだ。全くそうは思えないだろうけどさ……ほら」
     と言うと、空牙は彼女の目の前で犬変身を使用。
     わぅぅ、と言って、彼女の周りを回る……そしてその瞬間、沙雪と蒼が変身を解く。
    「人間が犬に変身するなんて、現実世界には無いと思わないか? だから、夢なんだ」
    「……おどろ、きましたか……? ……無理、もないですよ。ね……でも、ここ、は夢、の中なので、何でも、出来るんです……」
    「そう。俺達は夢から覚めることを伝えに来た、夢の妖精って所かな? 楽しい夢の様だけど、そろそろ目を覚まさないとね。このまま眠り続けては、皆が心配するよ?」
    「……ここは……夢の中だから……どんな夢だって……出来る……でも……このままだと……現実の家族や……お友達が……悲しむよ? 望んだ夢を……見続けたいと……想うけれど……一度起きて……心配している……人達に……元気な貴女を……見せて上げて?」
    「ええ。あなたの家族に心配を掛けちゃいけないわ。ここは幸福だけ……でも幸福だけしかないのなら、いつかそれは幸福すら嫌いな事になってしまうわ。つらいことも受け入れなきゃいけないのよ?」
    「そう……壊れ、ない友情、に、誰かを、想う、気持ち……叶ったら、とても、幸せな事、です……ボクも、小さい頃に、好きだったお兄さんが、いました……。……でも、ダメ、でした……必ず、うまくいく出来事、なんかないんです……本当の世界で、がんばり、ましょう?」
    「そうね。それに信じられないかもしれないけど、あんずがこのまま眠り続けると、凄く怖い奴がやってくるんだ。俺達にはあんずに楽しい夢を見て欲しいと想うから、一回起こしに来た、って訳さ」
     零桜奈、ヴァーリ、蒼と沙雪が続けて声を投げかける……でも、彼女は。
    『そんなこと、ないよ? ……だって、ここにはおともだちもいるもん』
    「……うん。今迄この子とカッコイイ男の子の事で喧嘩してたんだよね? でも、頑張って仲良くなった……今迄、ずっと頑張ってきたのは知っているよ。でも……」
     軽く訪ねるような表情で。
    「あんずちゃんは夢の中だけで満足なの? きっと、この夢から覚めて学校に行ったら、仲良くなれる友達や、カッコイイ男の子だってきっと居る筈だよ。そうしたら……今度こそ、あんずちゃんの想い出だって、彼に届くかもしれないよ?」
    「そうだ……あんずさんに、紹介したい人がいるんです……僕のお友達で、運動が得意で、明るくて、優しい子……僕の自慢の、お友達です……きっと、あんずさんも仲良くなれますよ……? 僕も……あんずさんと、お友達に、なりたいですし……」
     梗香に加え、朔夜はとても嬉しそうな口調で話しかける。
     ……そして、その目が少し迷いが出てきたのを感じると、空牙が再度変身をといて。
    「現実にはありえない事が一杯起きてちょっと疲れたか? まぁ……現実はさ、いい事ばかりじゃねぇよ。努力する暇も無いなんて事がざらにあるからな。でも、それでもさ……いろんな人に出会った。友達になって、仲間が出来た。恋人はまだいねぇけどな?」
     片目でウィンク、そして彼女の頭に手を当てて。
    「……キミもさ、そういった人達に出会える筈なんだ。現実で、ホンモノの親友や恋人にな。だからさ……帰ろうぜ? 皆が待っている現実にさ」
    「そう……現実は……辛い事も……たくさんある……でも……それを乗り越えようと……自分だけじゃなく……みんなで……頑張ること……それが大事……さぁ……一緒に、頑張ろう?」
     零桜奈も手を差し伸べ……あんずが手を取ろうとした瞬間。
    『チョォォットストォォップゥゥゥ!!』
     大声を出して現れるシャドウ。
     しかし出て来るとすぐ、蒼が。
    「……咎の、力、解放します……です……」
     と、速攻のブラックウェイブを放ち、シャドウに武器封じを付与。
    『くそ……せっかく上手くいってたというのによぉ……最悪だぜ!』
    「……最悪なのはこっちだ。さぁ……完膚なきまでに叩き潰す」
     沙雪はそう言うと共に、先ほどまでの温和な表情から一気に真剣な表情へ。
     周りの仲間達も同様に、武器を抜く……と、その前に。
    「あんず、ちょっと隠れててくれるか? 大丈夫、すぐ終わるからさ。怖けりゃ目、瞑ってな」
    『……ぅん……』
     こくり、と小さく頷く彼女。
     そして敢然と彼女とシャドウの間に立ち塞がり、、そして殺気立たせながら。
    「……次はない。貴様の存在、今ここで狩らせて貰う」
    「……ソノ死ノ為ニ、対象ノ破壊ヲ是トスル」
     零桜奈も戦闘態勢をとり、そして隣の沙雪と頷き合いながら。
    「……行くぞ」
    「ああ……貫け!」
     沙雪が螺旋槍、空牙が閃光百裂拳で、クラッシャーの威力に乗せて仕掛ける。
     更にジャマーのヴァーリは、敵の間接部を狙い澄まして制約の弾丸。梗香は黒死斬により確実度を上げた攻撃。
     又、朔夜は。
    「はい、トン、トン、トン……」
     ピンク色のウサギの顔つきカバーを被せたガトリングガンを連射。
    『ぐぅああ……!!』
     例え夢の中であっても、痛みは痛みとなって現れる。
     その悲鳴に、あんずはぎゅっ、と貰ったぬいぐるみを抱きしめる……。
     ……と、それと共に、シャドウの後ろにいたぬいぐるみが2体、ふわりと浮きあがり、動きはじめる。
    「……あんず、ちゃん」
    『や……怖い、よぉ……』
     シャドウの悲鳴に脅えた結果、その原因となった灼滅者達を排除しようとぬいぐるみが動く。
    「大丈夫だよ……私達は、必ず貴女を助ける。だから……私達を信頼して」
    「ナノナノ!」
     愛流と、朔夜のナノナノがあんずにそう声を掛ける。
     そしてディフェンダーとして、愛流、零桜奈は彼女の一番近くに立ちながら、ぬいぐるみに向けてレーヴァテインと雲櫂剣。
     ……彼女の不信感の強さはそうでもない様で、その二撃で一体は倒れる。
    「……ありがと」
     と零桜奈はあんずに向けて告げつつシャドウとぬいぐるみに視線を配る。
     そしてその後、零桜奈と愛流がぬいぐるみを倒すと、残る灼滅者達が一斉にシャドウへ一斉掃射。
     ダメージに対し悲鳴を上げるシャドウだが……今度はぬいぐるみの増援は現れない。
    「よし……一気に押していくぜ!」
     沙雪の号令に従い、次の刻には灼滅者達の一斉攻撃。
     シャドウも反撃を仕掛けるが、多勢の前に中々の有効打を与える事は出来ない。
     ……そして五分後。
    『くそ……くそおおお!!』
     血まみれのシャドウに対し、空牙は。
    「……終わりだ、シャドウ」
     そう最後通牒を突きつけ、そして……閃光百裂拳、更に追撃によるダメージランクアップが叩き込まれて、シャドウは……断末魔の悲鳴と共に崩れ落ちるのであった。

    ●微笑んでいつまでも
     ……そして、灼滅者達は再び、現実世界に戻ってくる。
     救出したあんずちゃんは、何処か安心した様な感じの寝息へと変わりつつある。
     ……そんな彼女の額に手をあてて、その髪を優しく梳く……。
    『う……ぅ……ぅ……ん……』
     軽く身じろぐあんずちゃんに、愛流は優しい表情を浮かべながら。
    「……夢から覚めても落ち込む必要は無いわ。私達は夢じゃなく、現実にいるのだから……」
     愛流が、そんな言葉を告げて、その額から手を外した……その時。
    『……う……にゅぅ……』
     ……目をごしごしとこすりながら、むくり……と起き上がる彼女。
     そしてきょろきょろと周りを見わたして……。
    『……おにいちゃんたち……だあれ……ぇ……?』
     ぼんやりとした口調……長いこと夢の中にいたから、まだ意識がぼーっとしてしまっているのだろうか。
     そんなあんずちゃんの所に近付き、夢の中と同じ様に目線を合わせて。
    「……あんず……起きた? ……もう、大丈夫……」
    『……にゅぅ……』
     零桜奈の言葉に、こくり、と頷くあんず。そして空牙が、あんずの頭をがさがさっと撫でて。
    「大丈夫か? 帰って来いよ、この現実世界にな?」
    『ふにゅぅ……』
     こくこくっ、と頷く彼女……そして、梗香が。
    「……疲れてるだろう? 私達の事は気にせず、また眠りなさい……な?」
     あんずの手を優しく両手で包み込む……手の温かさに、ほっとしたのか、身をまた横にして……すぅ、すぅと眠りに付く。
     ……すっかり落ち着いた、安息の寝息を聞いて沙雪、ヴァーリが。
    「よし……これでまずは一安心、と言ったところだな」
    「そうですね。あぁ……第二第三の事件が起こらないとは限りませんけれど、ひとまずはこれで決着が付きましたね」
     そして朔夜と蒼が。
    「……それじゃ、帰りましょうか? ……ちゃんと気がついたときに、僕達がいたら、怖がるかもしれないですし」
    「そう……ですね……あんずちゃんが……気持ちよく目が覚めますように……」
     と、蒼は彼女の枕元に、手作りの小さなぬいぐるみを幾つか置く。
     そして…もう一度、彼女の頭を優しく撫でて……灼滅者達はほっと息を吐いて、彼女が再度目を覚ます前に、部屋から立ち去るのであった。

    作者:幾夜緋琉 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年5月1日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 2
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