使われなくなった炭鉱の奥から、不気味な声が聞こえてきた。
通り掛かったネズミはチッチと鳴く。妙な匂いが漂ってきていた。人間だったら顔をしかめるような、しかしネズミにとっては餌足りうる匂い。
ネズミは炭鉱に駆け込んだ。
途端広がるのは3つの入り口。ネズミは首を傾げて走っていく。
見れば壁は穴だらけ。隣の道へも通じているらしい。ネズミはとりあえず走り出し――壁から現れた影に掴まれ、ヂュウと鳴いた。
ぎりぎりと締め付けられて、ネズミはもう声が出ない――。
●
「皆さん、ダンジョンアクションって、好きですか?」
花咲・冬日(中学生エクスブレイン・dn0117)は、灼滅者達に突然こう告げた。
「今日のお願いはダンジョン探索です。といっても、遊びではありません。コルベインの水晶城に居たノーライフキング達……彼らが動き出したみたいなんです。今、彼らは、『自分の身を守る迷宮の作成』を作っています」
この迷宮は時間が経つ程強力になっていき、この水晶城のノーライフキング達は、コルベインの遺産であるアンデッドを使用する事ができる。放置すれば、第二第三のコルベインとなるかもしれない。
放っておく訳には行かないと、冬日はきっと灼滅者達を見据えた。
「それでこの迷宮なんですけど……かなりややこしいんです」
場所は使われなくなった炭鉱の奥。そこが入り口だという。
繋がっているのは入り口だけなので、そこ以外からの侵入は不可能である。
通路は横2人までのやや狭い道となっており、そして入ればすぐに3つの分かれ道になっている。仮に、A、B、Cと割り振るその道は、隣接する道――例えばAとB、BとCは所々穴が空いていて行き来が出来る。
「でも、気を抜いてはいけません。ダンジョンにはつきものの敵、アンデッドもいますし、トラップもあります。穴は時々ダミーの場合があって、行き止まりに。そこを後ろからアンデッドに……なんてこともありえますし、向こうの通路に抜けようとした穴にトラップが、なんてこともあり得ます」
アンデッドの数は16体。そんなに強くは無いが、どこに潜んでいるかは冬日にも解らない。
「トラップはそこに居た全員にダメージがあります。そこまで大きなダメージは無いのですが、……なんだか皆さんのやる気を削ぐように普通よりは多めに仕掛けられて居るみたいです。もしかしたらこの迷宮の主は大雑把、もしくは面倒くさがりなのかもしれませんね。
次にアンデッドですが、その攻撃方法は、腕を伸ばしてきて近くの人にトラウマを与えてきたり、運が悪ければ何度も噛みついてきたり、奇声を上げてきます。ただ、奇声を上げると洞窟内に声が反響するので、どこで交戦中かわかっちゃいますよね」
やはりこの主、どこか大雑把なのかも知れない、と冬日は分析する。
1本の道だけで全員進むことも出来るが、通路が狭めの上に灯りも無く暗い。その上他の道を放置してしまうと、最後の最後、扉の前で残りのアンデッド達が一斉に前後から襲い掛ってくることも考えられる。
ただ、どの道から行っても最後は1本の道に合流し、その先に玉座への扉へ通じている。最後まで分散するか、ある程度進んだら合流するか、進み方は何通りもあるだろう。
「その扉の先で迷宮の主であるノーライフキングと対峙できます。でも、皆さんにまずやってもらうのはこの迷宮を突破すること。ノーライフキングは強力なダークネスですから、皆さんが消耗していた場合は速やかに帰還してください。決して、無理をしないこと」
冬日は心配そうな声を滲ませた。
「退くことも1つの勇気です。でも……今はノーライフキングのことを考えないで、とにかく迷宮を突破することに重きを置いてください。アンデッドはそこまで脅威では無くても、中はどうなっているか解らないのですから」
どうか、慎重にお願いしますと冬日は言って、
「私にはこれしか言えないけど、……皆さん、気をつけて、いってらっしゃい」
冬日は最後ににこりと笑みを見せた。
参加者 | |
---|---|
来栖・清和(武蔵野のご当地ヒーロー・d00627) |
槿・夕晴(ヴァニタスの夏影・d00749) |
由井・京夜(道化の笑顔・d01650) |
御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166) |
八坂・百花(魔砲少女見習い・d05605) |
ユークレース・シファ(ファルブロースの雫・d07164) |
雨霧・直人(はらぺこダンピール・d11574) |
星陵院・綾(パーフェクトディテクティブ・d13622) |
●探索のはじまり
「わ、あ。おれ、炭鉱とか入るのはじめてだ……やっぱり、雰囲気あるな……」
槿・夕晴(ヴァニタスの夏影・d00749)が炭鉱の奥を覗き込む。
どこか暗い雰囲気を振りまく炭鉱の奥に座するのはノーライフキング。
その道筋は、分岐が3つ。挑むのは8人の灼滅者。
「ダンジョン……というか、これって直進しても最深部に行けちゃう作りよね」
「にゃあ!」
八坂・百花(魔砲少女見習い・d05605)のもっともなツッコミに、元気な猫の声が応えた。『例えそうだとしても、トラップがあるのなら! まるっと解決してみせます。だって私は探偵ですから!』と、星陵院・綾(パーフェクトディテクティブ・d13622)が意気込むが、三毛猫に変身した今は猫の声。にゃっと愛らしく仲間を和ませる。
と。
「地着<じっちゃく>!」
地元密着を略して叫ぶ来栖・清和(武蔵野のご当地ヒーロー・d00627)の声が、朗々と3つの道に宣戦布告を木霊させた。
「そろそろ行こうぜ皆。ライトの忘れは無いな!」
「もちろん。なっちんも大丈夫。なっちん、大変だけど、責任あるおしごと、です。がんば……ん?」
ユークレース・シファ(ファルブロースの雫・d07164)が明かりを提げた大事な友達をゆるく撫でるとなっちんはくいくいとユークレースの裾を引いた。
それは夕晴のライドキャリバー、くろも同じ。
「……あんまり離れられないってことかな」
ナノナノもライドキャリバーも、単独行動を担うことは難しい。由井・京夜(道化の笑顔・d01650)の言葉にサーヴァント2人はしゅんとするも、それは作戦の内。
「いいぜ、一緒に行こう。くろ」
「ね、なっちん!」
見える範囲ぎりぎりと行くから大丈夫と、夕晴とユークレースに励まされれば、2人は改めて灼滅者達の前を担った。
「それでは、行こうか」
御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166)の明瞭な言葉が仲間の中を駆け抜ける。
雨霧・直人(はらぺこダンピール・d11574)にとってそれは頼もしい背中。
「ああ」
頷く言葉は全員のもの。
決意の風が吹くように、灼滅者達は4人と4人に背を預け合った。
●通路の先は?
『アァァァ……ッ』
「ナノーッ!」
一番目の通路を歩いて早々、ちょっとだけ前を先行するなっちんが思わず飛び上がった。
「何っ」
「敵か!」
すぐさま百花と清和が飛び出した。そこに居たのは早々にアンデッドが1体。
「1体とはな……ローカル特捜ムサシノイジャー! 企みを阻止するために参上!」
さっそく清和が斬りかかる。
狭い通路で混雑しないようなっちんは下がり、その隙に綾も人の姿へさっと戻る。
「トラップじゃないのが残念ですが……アンデッド1体敵ではありませんね!」
どす黒い殺気でアンデッドを包むと同時、自らの能力も高める綾の合間に百花が殴りつける。理性の無い目で腕を伸ばして襲い掛るが1体ならばその傷はかすり傷。
「タマガワジョウスイビーム!」
清和が再びビームを放ち、ユークレースも重ねて光輪を叩き付ければ灼滅者4人の総攻撃に崩れていくアンデッド。
「いきなり、ですね。……力生達は大丈夫でしょうか。あ」
「どうしました? トラップですか?」
ユークレースの言葉にすかさず綾が戻ってくれば、そこにあったのは中央の道への通路だった。
果たして続いているのか否か、再びなっちんが先頭に立った。
「今、何か聞こえたか?」
「向こうにはもう敵が居たのかもしれないな。こっちは静かだ、なぁくろ」
力生の言葉に夕晴も加わり、戦闘を進むくろは返事の代わりにエンジンを鳴らす。と、
「……通路だ」
「わかった。まず僕が確認するよ」
特に何も無く進む通路の先、横穴を見つけて止まったくろの言葉を夕晴が代弁すると、京夜は仲間を遮って前に出る。その手には手鏡。
何か居るか、危ないものがないかライトを頼りに見てみるが、何も見えない。
「とりあえず進んでみよう。道は最低一本は確保したいからな」
直人は方眼紙に地図を書き進めながら位置を確かめる。まだ入って数m。地図はまだ白い。
くろが進む。
先にかさりと音が聞こえてくろが警戒する。しかしその先は――。
「ナノー!」
「「ええっ!?」」
その先は中央通路。しかも一番目と三番目の通路が敵もトラップもおらず繋がっていた。
のっけからこれである。
「……本当、適当だわ」
「で、でも一応報告です。こっちは1体出ました。力生の方は?」
「いや、まだだ」
百花の言葉に思わず全員が頷きかけ、改めてユークレースと力生が報告し合う。まだ通路は一本目。気を抜けさせるのもノーライフキングの作戦なのだろうかと思いながら、2つの班は再び離れた通路に戻っていった。
「なあ、もう1つ通路が見えるんだけど……どうする?」
「道は確保したが調べておこう。マッピングは俺がしているからな」
力生は直人の肩を労うように軽く叩く。
直人は顔を上げる。先輩であり頼もしい力生に言葉の無い言葉を貰ったようで、直人は少し綻んだ。しかし――。
「居たよ2体。ごめん、来る!」
京夜の声が飛ぶ。
手鏡で見た先で蠢いた数は2。それに気付いてアンデッド達もすぐさま耳をつんざくような奇声を発してきた。
その音を京夜がすぐさま遮る。音が響けば更にアンデッドが来るかも知れない、その予防。
「広間はまだ無いな……狭いが、ここで戦うぞ!」
力生のガトリングガン『メギド』が嵐のように連射される。
京夜が下がる間にマップを手放し直人が続いた。断罪の十字架と名付けられた十字架が螺旋を描いてアンデッドを薙ぎ払う。
亡き母はエクソシスト――だからこそ、この戦いも、宿敵へ挑むような気持ちが直人を進ませる。
「雨霧先輩、そこどいて! くろに行かせる!」
通路に立てるのは2人だけ――くろは盾の役割を果たすべく直人と入れ替わり前に出、その機銃を撃ち放つ。
同時に夕晴が放つ漆黒の弾丸に、1体が崩れながらもう1体が再び叫び喚く。
「その口ごと塞ぐよ?」
京夜が糸を放てば力生と、再び前に出た直人の一撃が重なり崩れ落ちた。
「……1体1体はそこまでではないな。でも、まだ2体か」
崩れた先の通路を見て、直人は撃破の余韻も無く息を吐いた。
「広間の中にまた通路、です」
「それよりも、広間なのに何も無いのね」
ユークレースの言葉に百花は呆れた声が続いて出る。
「今度こそトラップかもしれません。私は少し調べてみますね」
「じゃあ俺はこっちだ!」
綾が探偵七つ道具『スーパートラップ解除ツール』――かっこただの工具一式を取り出し、清和は石と棒を持って通路に向かった。
石を投げてみる。変化は無い。
棒を突いてみる。変化は無い。
ならばと奇襲にも備え壁を歩き足を踏みいれたその瞬間。
――ぼんっ!
「わ、清和……!」
何だか解らないが殴られたような衝撃を清和が受け、ユークレースの指示になっちんがすぐさま傷を癒す。
「そっちですか? こっちはありません……」
若干悔しそうな綾に、清和は笑ってみせる。
「でも、威力としてはそんなに大したことないな。ただ……入った瞬間だった」
一同は少し考える。
言葉を発したのは、やはり百花だった。
「適当なのよね。踏みいれるだけで発動……じゃないかしら」
ちなみにその通路は行き止り。トラップだけがある何ともがっかりした広間であった。
●ゾンビの群れが現れた!
『ア゛ァァァァッ!』
三番目の道の一行が辿り着いた広間。
そこで待ち受けていたのはアンデッドが4体だった。
広間には何かしらあるだろうという京夜の警戒の元ではあったが、灼滅者であり、侵入者を見ればすぐさまある者は奇声を上げ、ある者は食らい付きに襲い掛った。
「これだけ並べば!」
広間という場所が幸いし、直人の霧雨が腰から抜かれる。すかさず力生も光を呼び、
「雨霧くん。俺は右、きみは左だ。3つ数える。3、2、1!」
重ねた月光と十字架がアンデッドを纏めて薙ぐ。
「負けてらんねぇぜ。な、くろ。――たまには狭い所もいいな、撃ち放題だ!」
続いた夕晴とくろのコンビネーション。
夕晴が回転で飛び込み、くろが続けざまに突撃する。ぐらりとよろけるアンデッドを漆黒の弾丸が撃ち抜けば――1体。
「集団で来られると気は抜けないかもね。皆、回復は僕に任せてね」
この班の癒しの担い手でもある京夜は仲間達に向けて人懐っこく微笑んだ。
一方の班は今はどうものんびりとした進軍だった。
広間を過ぎた所にまた1体、その先の通路を覗けばまた2体が居たが、次に現れた広間と、そこにあった通路はどんなに探してもトラップもアンデッドも居なかった。
緊張だけが疲労を呼んでくる。
「これも屍王の策略ですかね。つまり、やる気を削ぐと!」
「……かもしれないわね」
そう言った所だった。
先行したなっちんがぴょんと飛んですぐさま舞い戻ってくる。
「どうした、敵か? トラップか?」
清和が再び壁を蹴ろうと足に力を入れる。ランプの先見えたのは、アンデッドがまた2体。
「集団戦は無かったわね……でも皆、気を抜かないで行くわよ」
「もちろんです!」
百花が再び前に踏み出し、綾は探偵七つ道具『ウルトラ10feet棒』かっこただの長い棒を構え――間違えに気付いて証拠隠滅大鎌、アイスクライムを構え直した。
相手は2。これを倒せば総数は6。その先には行き止り――つまり、中央へと曲がる道が見えていた。
「アァァァ!」
アンデッドが腕を伸ばしてくる。
それを受けながら魔法の矢で反撃する百花は、ふと気付いたように隣の清和に声をかけた。
「清和くん」
「なんだ?」
一呼吸。それから。
「ハーレムパーティだったわね」
「俺、役得セイバー!」
清和のサイキックソードが俄然翻りアンデッドを斬り裂いた。
「今名前違いませんでしたか!」
綾のツッコミは影となり、アンデッドが引き裂かれ塵に帰っていくそれに背を向けて、清和は服を翻し堂々と眼鏡を押し上げた。
「そんなことはない!」
キリッ。こんな時でも清和はけらりと笑って見せた。
一方の班も広間の戦いを終え、次の通路の接続を確認、次の通路の行き止りを確認した所でアンデッド2体と遭遇していた。
違った点は、トラップの衝撃の後にアンデッドが現れたこと。
すぐさま回復の一手を余儀なくされるまま応戦していた4人は、アンデッドの先に曲がり角――3本の道の集合点を見つけていた。
「思ったよりトラップは少なかったですね。色々準備はしてきたんですが」
探偵七つ道具を弄りながら少し物足りなそうに言った綾の反対側で、同じように呟いていた人物が居た。京夜だった。
「これが依頼じゃなかったら、ダンジョン楽しそうなのに本当残念」
そう言いつつも、気になっていたトラップの遭遇数は少なかった。上から来ないかと見上げたら、コウモリが一匹落ちてきて、その先へ踏み出せば爆発ダメージを被ったくらい――ただしそのコウモリは単なる偶然の産物だろうけど。
しかしそれもそのはず。トラップは中央の道に多くに配置されていた。代わりにアンデッドが極端に少ない、そういう道だった。
この迷宮の主は道を3つに分けることで侵入者達の戦力を分散させるつもりだった。だが、それが仇となっていた。
即ち、アンデッドなどの障害の配置も分散してしまったと言うこと。
道が狭いというのもあり、確実に3つに分散してくれるだろうと踏んでいたのだろう。
数が多くとも、分散すればするだけ弱まってしまう。この場合、浅はかだったのは恐らくノーライフキングの方。
重ねて仕掛けていた中央のトラップに誰一人掛からなかったと聞けば、主は怒りを露わにすることだろう。
それこそやる気を削ぐつもりだったのに、と。
そんなノーライフキングへの終点、扉は、もうすぐそこだった。
●扉に続く終結点
「力生――」
なっちんを抱いてユークレースがほっと息をつき掛けたその時、
『アァァァッ!』
アンデッドがまた現れた、2体。
一番目の通路も、三番目の通路も最後に2体が待ち構えていた。
同じように中央の通路の一番最後に居たアンデッドが灼滅者達に気付いたのだろう。
そして散会しようにも未だ狭い通路の中、しかし。
「挟み撃ちできるってことだよな!」
清和が言う。そう。
一番目の通路から4人が2列、三番目の通路から4人が2列。例え狭い通路であろうとも最後のこの2体は挟み撃ちとなった。
「いつでも風は吹くよ」
片班の京夜が癒しの宣言を。
「なっちんもいる、です」
ユークレースも告げれば、ノーライフキングの扉の前の攻防に苦戦は無い。
揃った8人の灼滅者が最後の仕上げを。
直人が踏み込んで抜刀し、反撃に振り下ろしたアンデッドの腕を力生が受け止める。
百花が味方の盾となるべく標的を自分に向け、清和がタマガワジョウスイビームをしたたかに貫き撃つ。
綾の黒い波動が2体そのまま包み込めば夕晴とくろ。
あは、と笑い声を零してすぐさま銃撃の音に掻き消され――アンデッドは少しの反撃も許されず消えていく。
その通路の狭さの中でもなっちんは盾たらんとハートを振りまき、ユークレースはその場から漆黒の弾丸を。
崩れるアンデッドが最後残した抵抗の痕も、京夜が風を清めて仲間を包み――。
「これで今度こそ本当に終了だね。お疲れ様」
京夜が、分散していた仲間達は互いを軽く労って、歩き出す。
何よりこの狭い通路では話も一休みも取れやしない。
しかし進みながらユークレースが指を折った。
「6……これで、8」
それは撃破した数。
「こっちはこの2体を入れないで8だ。……全て倒したと言うことか」
力生が確認する。
中央に居たアンデッドも万が一に備え通路近くに居たのが幸いか災いか、灼滅者達が通路を確認しては顔を出し交戦していた。
一番近い広間も確保している。
ゆえに、トラップの残る中央の道は、もう踏破する必要も無い。
あとはこの先に居る迷宮の主、ノーライフキング。
力生が踏み出して、全員を確認する。
疲労はあるものの、誰一人倒れては居ない上々の結果。
少し休みたい所ではあっても、ノーライフキングを前にしてそんなにもゆっくりはしていられない。
しっと声を潜めた綾に続けば、扉の向こうで何かが聞こえてきた。
――ノーライフキング。迷宮の主が、居る。
迷宮を踏破され苛立たしげに荒れる音。
灼滅者達は全員でその扉を睨み付けたのだった。
作者:斗間十々 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年5月20日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 6
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