「桜餅の葉っぱ?」
「そう、あれは香り付けで食べないのが正しいんだよ」
だと言うのに、一緒に食べてしまう人の何と多いことか、と少女はため息をついた。
「どうでも良いじゃん?」
まぁ、大半の人については話し相手だったもう一人の少女の様に割とどうでも良いことだったのかもしれない。
「えっ」
だが、世の中にはどうでも良い事へ妙に拘る人というのも居るもので。
「そんな、美智は友達だと思っていたのに……」
「いや、泣くほどのこ……うぇ?」
瞳に涙を溜めた友人を宥めようとした美智の目に映ったのは、異形へと変わって行く友人の姿。
「あぁぁぁぁっ」
叫びと共に変化は一気に進み。
「桜……花?」
呼びかけに反応するように顔を上げたのは、一人のご当地怪人だった。
「なるほど、確かに透けないな。その洞察力――」
「いや、透けはしてないけど、これはこれで酷……ん?」
座本・はるひ(高校生エクスブレイン・dn0088)と言葉を交わしていた護宮・マッキ(輝速・d00180)は教室に入ってきた灼滅者達に気づいて振り返る。
「役者がそろったなら説明に移ろうか。時間は有限だ」
情報提供者の声で察したのか、マッキに倣うように灼滅者達へ向き直ったはるひは、一般人が闇堕ちしてダークネスになる事件が起ころうとしていると明かした。
「本来ならば、闇堕ちした時点でダークネスの意識に取って代わられ、人間の意識は消えてしまうのだが」
今回のケースでは、問題の人物の中に人間の意識が残って居るという。
「まさに、ダークネスの力を持ちながらもダークネスになりきっていない状況だ」
だがこのまま放っておけば完全なダークネスになってしまうのは疑う余地もない。
「故に、灼滅者の素質を持つのであれば闇堕ちから救い出して欲しい」
もし完全なダークネスになってしまうようならば、その前に灼滅を。
「もっとも、私に出来るのは情報提供とこうして頭を下げることぐらいだが」
話に耳を傾ける面々へ下げた頭を上げると、はるひは説明へ戻る。
「闇堕ちしかけている少女の名は、東屋・桜花(あずまや・おうか)、中学三年の女子生徒だ」
桜餅をこよなく愛する少女は友人からのつれない一言にショックを受け、ご当地怪人『桜モッチア』へと変貌する。
「外見的には通常サイズの桜の葉をこれでもかと貼り付けた人型のようなものだな」
目以外は葉に覆われてはいるものの、身体の線を隠すほどの厚さは無いのか、男性は目のやり場に困るかもしれないとのこと。
「ちなみに餅部分は自らのもち肌をもって表現しているようだ」
激しくどうでも良いが、ともあれご当地怪人と化した桜花はそんな外見になるらしい。
「闇堕ちのタイミングを鑑みるに、君達が介入するのは桜花が変貌し始めた直後を薦める」
遅すぎては、原因となった友人が巻き込まれるだろうし、早すぎては闇堕ちが起こらず、演算結果から外れてしまう。
「戦場になるであろう夕暮れの通学路には他に人も居ない。桜花の友人の安全さえ確保出来ればあとは――」
ご当地怪人と化した少女と戦うだけ。
「むろん、戦いと言っても物理的なものだけではない。闇堕ちした一般人と接触し、人間の心に呼びかけることで戦闘力を下げることが出来るのは君達も知っての通りりだ」
闇堕ちしかけている一般人を救うにも戦闘してKOする必要があり、どのみち戦いは避けられない。ならば、心の中で己の闇と戦う少女を言葉で加勢することで戦いを有利に進めることも出来るはずだった。
「説得するなら鍵となるのは、傷心の桜花へどう言葉をかけるかだろう」
友人のフォローをするのか、少女自体を宥める方向で行くのか。
「尚、少女は戦いになればご当地ヒーローのサイキックと酷似した技で応戦してくると思われる」
もっとも、効果こそ似通っているものの、威力においては当然ご当地怪人のものの方が強力だ。
「価値観は人それぞれとはいえ、あの様な結果、私は受け入れがたい」
例え、ツッコミどころしかない事件であったとしても。
「そもそも私はどちらかと言えばボケなのでな、その辺りも含めて少女のことは君達に一任したい」
再び頭をさげた春日に見送られ、灼滅者達は教室を後にする。たぶん、何とも言えない微妙な空気と共に。
参加者 | |
---|---|
護宮・マッキ(輝速・d00180) |
鏡水・織歌(エヴェイユの翅・d01662) |
アイレイン・リムフロー(スイートスローター・d02212) |
氷上・蓮(白面・d03869) |
赤星・緋色(朱に交わる赤・d05996) |
椎葉・武流(ファイアフォージャー・d08137) |
三園・小次郎(愛知讃頌・d08390) |
綾町・鈴乃(無垢な純白・d15953) |
●桜餅アーマーなら
「ん? はるひさんは来ないのか? ああ、エクスブレインだっけ。ざんねーん!」
分かり切っていたことでも、声に混じっていたのは、僅かばかりの落胆だった。
「そういえば透けるとかどうとか話してたけど、なんのことだったの?」
「まだそんなことを言ってるのかい? 『事実は推理より奇なり』だよ」
オレンジに染まる道で、護宮・マッキ(輝速・d00180)はアイレイン・リムフロー(スイートスローター・d02212)から投げられた問いに、そう答える。
(「透けるかって? 問題はそれじゃない。破れるんだよ。やばいよ?」)
どうして件の少女が葉っぱ少女と化すのかは、マッキにもわからない。解ったのは、一歩間違えれば惨事になりかねないことと、はるひが母性的な意味で幼い子供を構いたがると言うことだけだった。たぶん、後者は今回の件に何の関係もないが。
「一刻も早く桜花を元の姿に戻してやらないとな。その、目に毒だし。色々と」
ともあれ、椎葉・武流(ファイアフォージャー・d08137)が思わず言及するほどに、ご当地怪人と化した少女の見た目は危険だった。話で聞いただけでも。
「だよな」
相づちを打った三園・小次郎(愛知讃頌・d08390)も同意見なのだろう。
「うん、何とか助けてあげたいよね」
「ん、……だね」
鏡水・織歌(エヴェイユの翅・d01662)が敢えて前半に重点を置くように同意し、こくりと頷いた氷上・蓮(白面・d03869)は道の先をちらりと見れば、並んで歩く少女達がいて。
「桜餅の葉っぱ?」
「そう、あれは香り付けで食べないのが正しいんだよ」
二人の会話は、予め聞いていたとおりのもの。
「すずのもさくらもちのはっぱごとたべたのです。おいしかったですけど、まちがってたですか?」
と、綾町・鈴乃(無垢な純白・d15953)が疑問を口に出して首を傾げれば、言葉を交わす少女の片割れは友人を放り出して食いついてきたかもしれない。
「そんな、美智は友達だと思っていたのに……」
少女こと東屋・桜花のこだわりは、ホンの些細な言葉で傷つき、瞳に涙を溜める姿を見れば明らかだったから。
「いや、泣くほ」
「うわ、酷いことをされた気持ちはわかるけど、ちょっと落ち着こうよ」
「落ち着いておねえさん」
桜花が変貌を始めた段階で、友人の言葉を遮るようにマッキ達は二人の間に割り込んだ。
「ちょっ、え、何? どうし……」
「ここはわたし達に任せて逃げて!」
思わぬ乱入者に少女が状況を理解するよりも早く、武流のESPによってパニックに陥った桜花の友人へ赤星・緋色(朱に交わる赤・d05996)が声をかけ。
「逃げ……る?」
「こっちだ!」
「あぁぁぁぁっ」
武流が手を引き、オロオロする少女の姿が遠ざかる間も、桜花の変化は止まらない。
(「今回の怪人さんの外観には正直ちょっと目を瞑りたくはなっちゃうけれど、拘り否定されて悲しい気持ちは少し解るかな……」)
殆ど緑一色の怪人を前に少しだけ道場しつつ、織歌はヘッドホンを耳から外した。
「さて、パニックテレパスでの避難誘導は出来る奴に任せてアタシは眼の前の子助けねぇとナァ?」
「通行止め……だよ」
織歌の言へ呼応するように怪人の行く手を阻んだ蓮は、いつの間にか手にしていた妖の槍を横に払う。
「もっちぃぃぃっ!」
「出たね怪人! 小江戸の赤星緋色があなたも友人もまとめて救ってあげる!」
桜花の変化が完全に終わったところで、緋色はマテリアルロッドを突きつけて笑った。
「ほほぅ、大きく出たもっちぃね」
いつの間にか怪人の注意が完全に灼滅者達に向いていたから。
「どうしてあんな格好なんだ」
戦いが始まるのだ、ごく一部の灼滅者にとっては理性との戦いも含む、戦いが。
●交わすは
「その……アタシも桜餅は葉を外して食べるタイプだぜ」
「は?」
身構えたご当地怪人へ、最初にぶつけられたのは、物理攻撃ではなく、言葉だった。ご当地怪人と化した少女に落ち着いて貰うという理由もあった、注意が灼滅者達に向いたと言っても仲間が桜花の友人を逃がしている最中でもあったのだ。
「けれど、桜餅の葉が香り付目的で食べないのが正しいっていうのは知らなかったナァ」
「すずのもたべかたしらなくてごめんなさいなのです。こだわりだいじなのはわかるのです」
素直に感心して見せた織歌に続いて鈴乃が頭を下げ。
「さくらもち、美味しいね。甘くて、いい匂い……私も、好き」
「な、な、な、何を急に」
賞賛と謝罪、そして蓮の告白はご当地怪人から敵意を削いだ。
「桜餅の葉っぱなー、俺は元から食べない派だけど……」
戸惑う葉っぱ少女へ語りかけつつも、小次郎は怪人から視線を背ける。説得するなら相手をしっかり見てするべきだという意見は、相手が身体のラインをくっきり浮かび上がらせた姿の少女である時点で無茶ぶり過ぎた。
「でもそれならおこらずにおしえてあげるべきだとおもうのです」
「そうそう。葉っぱのことを美智が知らないのは、むしろチャンスよ。正しい桜餅の知識を教えてあげられるわ。でもそんなに怒っちゃうと、恐くて全然伝わらないわ」
鈴乃の意見にアイレインが便乗し。
「うぐっ」
諭されて怯む桜花の前に一歩踏み出したマッキは、口を開く。
「桜の葉の香りはクマリンという物質が作っているんだけど、これってベンゾピランのことで食品添加物としては認可されていない、一種の毒物なんだよね。だから桜の葉っぱを食べるのは身体によくないんだよ」
「そ、それがどう言う――」
「っていう説明をすれば友達もきっとわかってくれるさ」
「ぐっ」
うんちくを疲労されただけだと思って口を挟もうとしたご当地怪人は、続く言葉に畳みかけられ。
「アンタがそれだけ知ってるって事は、相当拘りあるってこと。何か一つの事に詳しいってのも悪くはネェな」
だったらその知識を活かせばいいのだと。
「好きだからこそ拘っちまうのもわかるけどさ、そーいう細かい所気にせず食べた方がきっと楽しいと思うぜ?」
「悪い、待たせ」
続く説得の中、ようやく戻ってきた武流は。
「いや、確かに肌は隠れてるけどせめて何か上に羽織れ!」
顔を真っ赤に染めつつ、まず、叫んだ。
「葉の有り無し両方で楽しめる桜餅ってスゲーじゃん……っつうか、その、恥ずかしいカッコやめろ! もう!」
顔を背けつつ説得を続けていた小次郎にようやく追いついたというか、何というか。
「もちぃ?」
「「『もちぃ?』じゃないっ!」」
慌てふためく中学生男子と高校生男子の前でご当地怪人は首を傾げる。
「そのすがたではっぱはがしたら、おむねとかみえちゃうのです」
だったら剥がさなければ良いだけなのではと桜花は思ったかもしれないが、鈴乃の言は明らかにフラグだった。
「好きなものを友達に分かってもらえないって寂しいけど、昔は桜の葉は食べなかったけど」
全身葉っぱタイツ的な何かに周囲の空気がカオスめいて行く中、同性であるが故のマイペースで緋色は説得を続ける。
「今は桜餅専用に改良した葉を塩漬けにして食べれるようにしたり工夫してるんだよ。桜餅の葉を作ってる人たちも是非食べて欲しい、て言ってたよ」
「ううっ」
その説得で憤る気持ちを削がれたのか、桜モッチアは気圧されたかの様に後退する。
「作法でも食べても食べなくてもいいんだって、桜の葉も桜餅の一部だから好きになってあげるといいんじゃないかな?」
「葉っぱ、間違えて……食べちゃったこと、あるね。でも、さくらもち……好きなのは、一緒。一緒に美味しく……食べよ?」
蓮も加わった二人がかりの提案に。
「何より大事なのは『桜餅はうまい』って事実だろ? 友達と一緒に桜餅を食べながら、お前が実演してやればいい」
視覚的な居心地の悪さを堪えて、武流は乗っかった。だが、説得だけで目の前の少女は救えない。
「だから、お前を正すぜ」
ここからは、言葉でなく、刃で語る時間。
●お約束
「お肌がもちもちなら、あなたを食べちゃえばいいのかしら?」
鈴乃の言がフラグなら、こうなることは運命であったのかも知れない。
「もち肌……なんだね」
「っ、きゃぁぁぁぁぁ!」
アイレインと蓮、死角に回り込んだ時間差で繰り出した斬撃は、桜の葉っぱをそれぞれ数枚切り裂き、肌色の面積を増大させていたのだから。
「ぺりぺり……」
「ちょっ、剥がしちゃだめもっちよ! だめったら、だめーっ!」
「やだ、ほんとにもっちり!」
もう戦闘中とは思えない展開だった。もちもちの肌を確認しようとティアーズリッパーで切り裂いた場所から葉っぱをめくろうとする蓮と抵抗するご当地怪人、そして桜花の肌を触って羨むアイレイン。
「なぁ、きしめん」
「わう?」
「俺達、東屋を救いに来たんじゃねーの?」
戦闘中も出来るだけ直視したくない刺激的な光景があらに悪化しつつある今、小次郎は問わずには居られなかった、ビームを撃ちながらでも。
「もっと笑顔になりましょう♪」
「笑えるかもっちっ!」
「おとこのひといるところでおむねみせたらだめだって、おねーさまにおそわったのです。だめなのですよ?」
たぶん先方にもさらけ出す気など無いに違いない。どっちかというと強いられているのだ。
「なんでいきなりこんな事になってるんだよ」
「うっ、痛いもちぃ」
「と、なれば一刻も早く救うことこそ俺達がすることだよな。いけっ!」
マッキに妖の槍で突かれる桜花の悲鳴を聞きながら、武流はヴァリアブルファングを悲鳴の主に向け、光刃を射出した。
「あっ」
「きゃっ、え?」
そう、撃ち出した刃が葉っぱを切り裂くことを失念して。
「しまえーーー! 隠せーーー!!」
「嫌ぁぁっ、もう嫌もっちーっ!」
オレンジ色の景色の中、叫び声と悲鳴が反響し。
「すずのはこぶしけいみこなので、わからずやにはおしおきぱんちです」
「え、ちょっと待つもちっ、今手が塞がって――アーッ」
セクハラまがいの目にあったご当地怪人はさらにぼこられる。いきなりいっぽうてきなてんかいにもみえるが、きっとせっとくされてじゃくたいかしていたからにちがいない。
「これも助ける為だ、仕方ないよな」
ただ、この時まだ織歌は手を出して居らず。死角に回り込んだ織歌の斬撃はため息の後、容赦なく葉っぱを切り裂いた。
「ぎゃっ、酷い、酷いもちぃ」
身体を隠す葉っぱをズタボロにされ、涙目になる桜モッチアだが、災難は終わらない。
「突撃! ひっさーつ!」
「ひっ」
蹌踉めきつつも崩れ落ちるのを踏みとどまったご当地怪人の目に飛び込んできたのは、TAKE-spearを構えて突っ込んでくる緋色と。
「お兄さん」
アイレインの声で弾かれたように動き出す、ビハインドのハール。
「がうっ」
「うぐっ、ただではやられないもっち……って、邪魔するなもちっ」
霊犬のきしめんに斬魔刀で斬りつけられながらも、ご当地怪人は一矢報いようとするが、肌をペタペタ触っていたアイレインではなく割り込んできたハールの方を持ち上げてしまい。
「仕方ないもっち、そぉいっ! よしっ、次はだ」
数秒もたつきつつも、妥協して持ち上げた獲物をアスファルトに叩き付け、顔を上げた時には。
「あ」
TAKE-spearの穂先がもはや目と鼻の先まで迫っていて。
「もっちぃぃぃぃ」
「まもりめぐみさきわえたまえと、かしこみかしこみももおす」
突かれた痛みに悲鳴を上げる桜モッチアの悲鳴を聞きながら、味方を癒すべく鈴乃は口を開く。この分なら手こずることはないだろうが、傷ついた味方を放置しておいて良い訳もない。
「うっ、く……」
「いいかげん、人間に戻って来い!」
膝をついたご当地怪人の腕をマッキが掴んだ直後。
「あっ」
「手伝うわマッキ!」
手加減した一撃で傾いだ身体は、大きく口を開けたアイレインの影にいただかれる。
「桜……もち」
影が平面に戻った後には、ボロボロになって倒れ込む一人の少女が居るだけだった。
●仕方ないよね
「……マッキ」
「見ない見ない見てないってば!」
目が口ほどにものを言いたげなアイレインの声にアイテムポケットへ収納していた服一式を抱えたマッキは慌てて頭を振る。
「この服を渡そうとね」
人に戻った桜花の格好がどうなっているか予想がつかなかったからこそ念のために用意してきた服を渡そうとしただけで、他意は無いのだ。
「やっぱ気になるよな」
ちなみに、その桜花には既に武流の上着が掛けられていたりする訳だが、目のやり場に困ることになるんじゃないかと思ったのは一人だけでなかったということか。
「東屋さんの拘りに共感してくれる人間だって中にはいると思うよ。うちの学園に来たら特にね……あんなに人いるし」
「そう、スレイヤーの仲間がいっぱいいるのよ」
いつの間にかアイレインは織歌と共に意識を取り戻した少女を武蔵坂学園に誘っていて。
「うーん、武蔵坂学園かぁ……えっ?」
唸る桜花の肩に手を置いた武流は、振り返る少女へ道明寺と長命寺と言う二種の桜餅を差し出して笑む。
「今度友達にその違いも教えてやりなよ」
違いとは差し出した桜餅のことを指しているのだろう。
「ありがとう」
拘る程に好物なのだろう、満面の笑みを浮かべた少女へ。
「いっしょにさくらもちたべましょう。たべかたおしえてほしいのですよ」
「良いわね。桜餅を囲んでみんなでお茶会しましょう♪」
鈴乃が手を差し伸べて、アイレインが同意する。
「食べ終わったら、桜餅……食べにいこう。甘味処とか……ある、かな?」
「えっ」
ただ、まずは武流が買ってきた桜餅を食べようと言うことになるのだが、蓮にとっては足りなかったらしい。
「いっけんらくちゃーく!」
「ま、まぁ……甘いものは別腹って言うからね」
夕日に向かってポーズを取ってる緋色をちら見した後、桜花はそうフォローして。
「すずのもおうかさまといっしょにさくらもちたべにいきたいのですよ」
「そっかぁ、じゃあ寄り道も仕方ないよね」
巫女装束を身に纏う鈴乃の言に頷きを返す。この日、灼滅者達の帰宅が予定より若干遅れたことは、たぶん仕方のないことだった。
作者:聖山葵 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年5月16日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 1/感動した 1/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 16
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