マッチョなアイツが淫魔でハッスル!

    作者:雪神あゆた

     ヨシカワは今、高校一年生だ。
     中学生時代のヨシカワは身長が高かったが、体重も筋肉もなく、ひょろ長かった。
     ヨシカワの中学では、スポーツのできる男子がもてはやされる傾向があり、スポーツが得意で筋肉質な同級生が、女子に好かれ男子からも人望を集めていた。
     ヨシカワはそんな同級生に憧れた。同時に、嫉妬した。
     そして、中学を卒業したヨシカワは変わろうと決意した。春休みの間、体を鍛えまくった。
     高校に入学し、五月になった今。
     ヨシカワは水泳部の部室で、スクール水着姿で立っている。
     露出した上半身は、かつてのそれとは比較にならぬほど筋肉質。
     ヨシカワが筋肉を盛り上げれば、
    「なんて美しい筋肉……っ」
    「兄貴と呼ばせてくれっ」
    「むしろお兄様と……っ」
     部員達が熱い視線を向ける。ゴクリと唾を飲み込む。体を震わせて興奮する。
     ヨシカワもまたうっとりと息を吐いた。
    「ああ、もっと褒めよ、称えよ、俺の体を! 俺の筋肉は、こんなにも美しい!!!」
     
     灼滅者たちが教室に集まった時、五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)は額で手を押さえ、はぁぁ……と深く息を吐いていた。
     そして、灼滅者たちに気づき、首を左右に振る。
    「いえ、説明を始めましょう。一般人の方が、ダークネスの一種・淫魔の力に目覚めてしまいました」
     真面目な表情で続ける。
    「本来であれば、闇堕ちした人は心までダークネスになってしまいます。が、今回の方はダークネスの力に目覚めながらも、人の心を残しています。
     しかし、放置しておけば人の心も消え、完全にダークネスになってしまうでしょう。
     そうなる前に、彼と戦い彼を倒してください。
     彼に灼滅者の素質があるようならば、彼を助けて学園に連れてきて下さい。そうでなければ……灼滅をお願いします」
     闇堕ちしかけた彼の名前はヨシカワ。高校一年生。
     中学時代は、体力がなくスポーツも不得意。
     そんな自分に対する劣等感や、強い体を持つ人気者への羨望から、ヨシカワは淫魔の力に目覚めてしまったのだ。
     ヨシカワは今、水泳部に入部している。春休みの間に鍛えた筋肉と淫魔の力を活用し、男子部員たちから非常な人気を得ているのだ。
    「というわけで、水泳部の部室に赴き、彼と戦って下さい」
     部室に突入するのに最適な時間は、放課後。部室に行くまでに特に障害はない。
     灼滅者が突入する頃には、ヨシカワは、強化一般人となった部員三人の前でポーズを決めているはずだ。
     戦闘になれば、ヨシカワはサウンドソルジャーの技に相当する技を使ってくる。
     特に、パッショネイトダンスと同じ効果を持つ、筋肉ダンスの威力が高い。
     強化一般人の三人も、ヨシカワに加勢してくる。攻撃は手加減攻撃に相当するが、油断はするべきではない。
    「ヨシカワは強敵ではありますが、皆さんの言葉で、彼の人の心を刺激できれば、弱体化できるはず。
     どんな話しかけ方なら、どんな言葉なら、彼の心を刺激できるか、考えてもいいかもしれませんね」
     なお、ヨシカワとの接触中に他の一般人が部室に来ることはないようだ。
     
     説明を終えると姫子は表情を引き締め直す。
    「皆さんなら、どんな事件だって解決できる。私は信じてます。でも、どうかお気をつけて!」


    参加者
    エステル・アスピヴァーラ(白亜ノ朱星・d00821)
    白咲・朝乃(キャストリンカー・d01839)
    天倉・夏奏(棘のある花・d03476)
    フレナディア・ヘブンズハート(煉獄の舞姫・d03883)
    成瀬・圭(マインストンパー・d04536)
    静野・奈津姫(金髪隻眼の暗殺者・d10424)
    高杉・麻樹(暗闇に漂う者・d12978)
    和久井・史(雲外蒼天・d17400)

    ■リプレイ

    ●筋肉の部室へ!
     灼滅者たちは、学校のクラブハウス一階、細長い通路に立っていた。
     目の前にある扉の中から、
    「兄貴バリバリっす!」
    「きんにくうううううっ」
     称賛する声と野太い雄叫び。
     成瀬・圭(マインストンパー・d04536)は扉を蹴り開け、仲間と共に中に突入。
     中には、四人の男子が立っていた。いずれも水着姿。中でも奥にいる一人は、長身で筋肉質。腹筋もわれている。
     その男こそ、淫魔の力を手に入れたヨシカワだ。
     此方を見るヨシカワに、圭は指を突きつけた。
    「相手をしてもらうぜ、ヨシカワ!」
     圭の後ろで、和久井・史(雲外蒼天・d17400)が屈む。霊犬・慈を優しい手つきで撫でる。
    「さぁ、行こうか」
     史の言葉を聞き、慈は一吠えし床蹴って前へ。
     臨戦態勢の灼滅者、彼らの前で、
    「誰かは知らんが、戦うつもりか? なら、容赦はしないぞ!」
    「お兄様、俺達も戦いますっ!」
     ヨシカワは肩の筋肉を盛り上げ、構えた。強化一般人の男子らもヨシカワを護るべく動き出す。
     圭は走る。男子達に接近し、WOKシールドで一人の顔面を殴りつけた。
     鈍い音。膝を揺らす男子。
     さらに、斬魔刀を咥えた慈が飛びかかり、史が変化させた腕から光を放つ。
     史の放った光は男子の体へ毒を注ぎ込んだ。青ざめる男子の顔。
    「おのれっ!」
     怒る声はヨシカワのもの。
     ヨシカワは腕を横に伸ばす。腕を曲げて両腕の筋肉を強調する。筋肉をもりあげたまま、灼滅者に迫る。
     筋肉をみせつけながらの格闘攻撃、これが彼の『筋肉ダンス』!
     天倉・夏奏(棘のある花・d03476)とエステル・アスピヴァーラ(白亜ノ朱星・d00821)は頭や胴に腕をぶつけられた。
    「あら? 気持ち悪いものが増えました?」
    「あぅあぅあぅ……筋肉……てかてか……いっぱい、きもちわるいの~~~……あーぅーあーぅー」
     夏奏は、いぶかしげに眉を寄せる。 エステルは目に涙を浮かべ、体を震わせた。
     夏奏とエステルの目には、沢山の筋肉男の幻が見えている。先程の筋肉ダンスの力で幻惑されているのだ。
    「どうだ、俺の筋肉はっ! 俺の努力の結晶はっ!」
     静野・奈津姫(金髪隻眼の暗殺者・d10424)は、全身から殺気をにじませる。
    「とりあえず、ぶっ飛ばしたい……無駄な筋肉ごと、凍りつかせてやる……っ」
     高杉・麻樹(暗闇に漂う者・d12978)は肩をすくめ溜息を一つ。
    「哀れやな、ヨシカワ、目的がすり替わってしもうてる上に、そのことに自分で気付いてへん。……けど、まずは動きを封じさせてもらうで!」
     奈津姫はナイフの先でヨシカワを指す。魔力を放ち、ヨシカワの周囲の気温を一気に下げる。
     ヨシカワが奈津姫の魔力に震えた瞬間、麻樹は影を操った。麻樹の影は実体化しヨシカワの足に絡みつく。
     一方、フレナディア・ヘブンズハート(煉獄の舞姫・d03883)は、影を振り解こうとするヨシカワの体をじっと見つめていた。
    「やっぱり鍛えられた大胸筋は見応えが……おっとっ」
     フレナディアに強化一般人の男子が襲いかかるが、フレナディアは跳び上がり、回避。
     宙を跳ぶフレナディアの背に、炎の翼が生えた。彼女を強化するフェニックスドライブ。
     白咲・朝乃(キャストリンカー・d01839)は状況を観察する。二人が幻惑されているが、残りの仲間達が奮闘し、敵をひきつけている。
    「今なら回復できる……ぷいぷいもお願い」
     朝乃は、ナノナノのぷいぷいを見下ろした。
     ぷいぷいは頷き、ふわふわハートを作りだす。朝乃自身も白のワンピースの胸元を押さえながら、歌いはじめた。
     ハートと歌の力が前衛の二人、夏奏とエステルの意識を回復させた。
     夏奏が男子の一人の足を蹴りつけ、同じ相手の顎を、エステルが思いっきり殴りつける。
     男子は意識を失い、床に崩れた。

    ●君は何故に筋肉だ?
     灼滅者らはヨシカワの動きを封じつつ、手下の男子達を倒していく。
     数分が経過した時、手下の男子達は三人とも床に崩れ落ちていた、
    「たとえ一人になっても、俺は負けん。筋肉で制圧してくれるっ!」
     声を張り上げるヨシカワ。声は空気を震わせ、灼滅者たちの鼓膜を傷つけ、脳をゆする。
     圭は声がもたらす衝撃に耐え、跳びかかる。ヨシカワの口を塞ぐように、シールドを叩きつけた。
    「ヨシカワ、聞きやがれ――オレ達の話を!」
    「話?」
     攻撃を止め、問い返してくるヨシカワの視線を、圭は真直ぐに受け止めた。
    「そうだ――ヨシカワに言いてぇことがあるんだ」
     黙るヨシカワ。
     フレナディアが彼の筋肉をまじまじ見、うんうんと大きく頷く。
    「アタシはその体、その筋肉、いいと思うわ。中々にみれるものよね。……でも、その筋肉で何がしたいのか、が大事じゃない?」
    「どういうことだ?」
     麻樹がヨシカワをびっと指差した。
    「お前の筋肉は、お前の努力の結晶や。お前が頑張ったちゅー証や。お前が努力したんはかっこええ! でも、今のお前はどないやっちゅー話や」
     フレナディアと麻樹はさらに言葉を紡ぐ。フレナディアは愉快そうに相手の瞳を覗き込みながら。麻樹は吠えるように強く。
    「アンタは『男女ともに』人気ものになろうとしてたんじゃないの? 今の状態は――腐女子のお姉さんまっしぐらの、BLを目指してるように見えるわよ?」
    「お前の筋肉は男どもに崇めてもらうためにあるんか? 戦って人を傷つけるためにあるんか? 違うやろ? 今のお前は――間違っとる!」
     フレナディアと麻樹、二人の言葉におされたように、ヨシカワは一歩、二歩下がる。
    「間違っていて、腐女子まっしぐら……だと?」
     否定の言葉を紡ごうとして、出来ないでいる。
     史とエステルが口を開いた。
    「本来自分がどうなりたかったかを思い出して欲しい」
    「あ、ぁう、そうなの。本来の目的を忘れてる気がするの」
     淡々とした史と、何とか涙をこらえて喋るエステル。
     夏奏はこくんと首をかしげた。
    「同性にモテてるのが、本来の目的……じゃないんですよね?」
    「むろん、だ。男からは尊敬されたいが、恋愛は女子が……」
     力説するヨシカワ。
     ヨシカワの返答を聞いて、史は顎に手を当てた。
    「なら……筋肉をあまり露出させる必要はないのではないかな? 行きすぎた露出は、多くの人には鬱陶しいのではないか、と思うよ。何事もほどほどが一番だ」
     落ちついた史とは対照的に、エステルは手をばたつかせ、必死。
    「このままだと行きすぎてあっちの世界に行っちゃうの~~~」
     夏奏は爽やかな口調の中に厳しさを織り交ぜて説く。
    「というかっ! 女の子はナルシストなマッチョは嫌いです! それなら、マッチ棒みたいだった中学のヨシカワくんの方が、まだましですよ」
     ヨシカワは完全に動きを止め、呆然としていた。
    「…………行きすぎた露出……確かに今の俺は水着一丁?
     あっちの世界って、やっぱりあっちのこと?
     そして……今の俺は、ナルシスト!?」
     悩める筋肉質。
     奈津姫は相手を直視しないよう、微妙に視線をずらして言う。
    「最初の目的を思い出してよく考えるべきだな。どうして筋肉を求めたか。今の結果は満足するべきものか」
     そして奈津姫は目を閉じ、ゆっくりと首を振る。
    「違うだろう? このままいくと間違った方向に進み続けることになってしまうぞ」
     朝乃は表情に悲しげな色を混ぜた。
    「ヨシカワさん。淫魔の力で魅力と人気を手にしたって、それは偽物だよ」
     でも……と朝乃は続ける。今度は力強い声で。
    「変わろうとした決意と努力はまぎれもなく貴方のもの。本当の貴方が好かれてこそ、意味があるでしょ? だから、元に戻って」
    「本当の俺……こんな力等……いらぬのか……だが、だが……っ」
     ヨシカワは頭を押さえ、うずくまった。
    「ぬおおおおおおっ。この筋肉は間違えているのかっ? もっと人を魅了しろと、俺に語りかけてくるこの筋肉はっ!?」
     ずどん! 床が震えた。うずくまったヨシカワが床に額をぶつけたのだ。
    「わからんっ、わからんっ……うわああああっ!」
     立ち上がると、腕や手足をでたらめに振り回す。

    ●あがく筋肉、もがく筋肉
     暴れ狂うヨシカワの肉体を夏奏は見た。
    「やっぱり引き締まるにしたって、限度があります……」
     困ったような口調で言うと、腕を振り抜く。手にした刀でヨシカワの体に傷を作る。狙いたがわず、直撃。
     ヨシカワが苦悶の表情を、夏奏に向けた。
     圭は叫ぶ。
    「そっちじゃねえっ」
     ヨシカワの注意を仲間から逸らすべく、声を張りディーヴァズメロディを響かせた。
     歌はヨシカワの心をかき乱したが、それでもヨシカワは暴れ続ける。筋肉ダンスで灼滅者を殴り飛ばし、蹴りとばす。
     朝乃も拳に打たれたが、
     ぷいぷいが「ナノっ!」と鳴いて、朝乃を回復させる。体勢を立て直した朝乃はヨシカワを見据えた。
    「さっき、筋肉を努力の結晶って言ってたね……でも、努力は私だってしてるんだから!」
     体を回転させる。激しく踊る。踊りに合わせ剣を振りヨシカワの胴を――斬る。これが私の努力だと、朝乃は戦う姿で主張する。
    「なんでお前が苦戦してるか分かるか? その筋肉は人を傷つけるためのもんやないからや!」
     麻樹は叱咤しながら、影を刃に変え相手の足を切り裂いた。
     灼滅者の言葉と攻撃に、ヨシカワの動きが更に鈍る。
     奈津姫は畳み掛けるベくナイフの柄を握りしめる。
    「手加減はしたくないが……っ」
     金の髪を揺らしながら、奈津姫はナイフを振りおろす。ティアーズリッパ―。
     皮膚から血を流しながら、それでも抵抗を続けるヨシカワ。彼の両手が、フレナディアとエステルへ伸びた。
    「その傷でもまだ余裕があるのはすごいわね。ワタシも負けずに激しく行くわよっ」
    「あぅあぅあぅ……こっち来ないでなのっ、くっつかないでなのっ、とっとと倒れるのですっ!」
     フレナディアは緋色の刃を見えぬほどの速度で閃かす。霧と炎の力で強化された斬撃が、ヨシカワの防御を大きくそいだ。
     守りの弱ったヨシカワの顎に、エステルの拳がめり込む。エステルは拳を止めない。フリルがあしらわれた制服の、スカートを軽くはためかせながら、閃光百烈拳。
     ヨシカワは地面に膝を突いた。
    「……強いな、君達は……」
     ヨシカワは灼滅者達を称えるように笑う。
     史は慈を引き連れ、ヨシカワに近づいていく。
    「ヨシカワくん。むさくるしい夢……もとい悪い夢から覚める時間だよ」
     慈が刀の切っ先をヨシカワに向け、史はチェーンソーを振りあげた。
     そして――一撃。ヨシカワは倒れる。彼の体から邪気が抜けていく。
     灼滅者は彼を救うことに成功したのだ。

    ●おいでよ!
     倒れたヨシカワを見ながら、夏奏はハンカチで自分の汗をぬぐう。
    「……筋肉の依頼もこれで終わりですね」
    「とにかく、筋肉だったな……」
     圭は、体から力を抜き、息を大きくはいた。
     彼らの視線の先で、筋肉、ヨシカワは起き上がる。
    「俺が間違えていた。すまないっ」
     エステルはまだ恐る恐るといった調子で言う。
    「むぃ……もう少しまともにならないともてないですよ?」
     フレナディアはそれを聞いて、にぃ、と唇の端をあげる。
    「あえて薔薇になるなら、それはそれで、お姉さんは歓迎するわよ?」
     いやいやいや、と思わず、突っ込みを何人かが入れる。
     分厚い体を縮こまらせて恐縮するヨシカワ。
     史は穏やかに彼を励ました。
    「まあ、目的がなんにせよ、そのために努力できるってことは、立派なことだと思うよ。ほどほどに頑張ればいい」
    「……。……有り難う」
     ヨシカワは深々と頭を下げる。
     朝乃はヨシカワと気を失った男子達を見比べ、何か聞きたそうにしていたが、質問を堪え、学園の事を説明し始める。
    「よかったら、学園にきませんか? あなたなら、人気者になれると思いますよ? ……一部の人限定で」
     笑顔に微妙な感情をまぜつつも、誘う。
     奈津姫も言葉を添える。
    「来るなら、お前の価値観を変えてやる。私の恋人なら、モテるノウハウも持っているしな、彼に教えを請うと良い」
     ヨシカワはしばらく考えていたが、ゆっくり口を開いた。
    「……君達には色々と教わらなきゃいけないみたいだ。いや、もてる方法だけじゃなくてっ……ホントだぞ、もてたいだけじゃないんだぞ、俺は?!」
     言い訳するヨシカワに他の何人かが笑う。
     麻樹も笑いながら、ヨシカワの背をポンと叩いた。
    「よっしゃ、きまりやな。これからは同じ灼滅者として、がんばろ!」
    「ああ、筋肉以外はまだまだ微力だが……頑張らせてもらう!」
     ヨシカワの力強い返事が、部室内に響いた。

    作者:雪神あゆた 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年5月26日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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