夕暮

    作者:高遠しゅん

    「……んせい、先生」
     終業のチャイムはもう鳴っただろうか。
     そんな事をぼんやりと思いながら、風紀指導を担当する体育教師はふと目の前にいる生徒を見た。
     ブラウスの襟は緩み、リボンタイが外れている。スカートの裾からは白い脚が、校則通りの黒のハイソックスと制服の紺と相まって、色をことさら白く見せる。
    「ああ……君か」
     転校してきたばかりで不安だと、悩み相談を持ちかけてきた。
     だから、校内を案内しながら不安を解消してやる筈だったのだが。
    「急に、こんなこと」
     足元が凍るような心地がした。
    「お、俺は!」
    「なにも仰らないで。わたくし、誰にも話しません」
     二人だけのひみつ、と。紅を塗ってもいないのに紅い唇が囁いた。
    「わたくしのお願い、聞いてくださいますね」
     風紀委員の解散、校則の撤廃、進路指導の放棄。
    「大丈夫、あなたが最後」
     転校生、レオノーレ・ヴァトリーは蠱惑的に微笑んだ。
    「学校は生徒たちのもの。そうでしょう?」
     教師はぼんやりとした眼で、頷いた。


     櫻杜・伊月(高校生エクスブレイン・dn0050)は余程やりにくかったのか、説明して深く溜息をついた。
    「ヴァンパイアの学園、朱雀門高校が動き出した。各地の高校に生徒を転校させ、学園の支配を目論んでいる」
     開いた地図は、その地域では名の通った進学校のものだった。
    「このまま見過ごすわけにはいかない。だが下手に介入したのなら、戦争へ発展することも考えられる。我々の今の戦力では、自殺行為にすぎない」
     ヴァンパイアはダークネスの中でも勢力圏が広く、敵対したなら武蔵坂程度の力は簡単に潰される。武蔵坂は脅威とも見なされていないのだ。
    「今回の目的は、ヴァンパイアの魔の手にかかった学園の開放であり、ヴァンパイアの撃退や灼滅ではないことを念頭においてほしい。戦わずに学園支配が困難と悟れば、奴らは学園から手を引く。これが最良の結果となる」
     伊月は手帳を開いた。
     
    「ヴァンパイアの名は『レオノーレ・ヴァトリー』。海外からの留学生として転校してきた、明るい茶色の巻き毛と赤い瞳の美女、らしい」
     らしい、を強調するのは、伊月の美意識とかけ離れているからだろうか。
    「活動方法はただ一つ。『色仕掛け』だ。もっとも、吸血捕食の記憶混乱時に服を乱す程度の、子供だましのようなものだ。この学校の校長教頭、男性教師は皆この女に籠絡されている。校長室や音楽室、保健室に体育館倉庫、密室をよく利用しているようだ」
     吐き捨てるように言うのは、伊月の倫理観に反するからだろうか。
    「レオノーレ……ヴァンパイアは自分の邪魔をする者があると気付けば襲ってくるだろう。多少の戦闘は避けられまい。だが、『灼滅者を倒しても作戦は続行不可能』であることを納得させる、または『このまま戦えば自分が灼滅される』と思わせたなら。彼女は学園から手を引くだろう」
     伊月は閉じた手帳を机に置く。
    「戦いとなれば眷属として銀の蝙蝠を配下として呼び出すが、それほど脅威ではない」
     
     潜入のための準備を始める灼滅者達に制服などを揃えながら。
    「この品行下劣極まりない女ヴァンパイアから、学園を守ってほしい」
     よほどこういった事件が気に入らないのか、伊月は終始不機嫌だった。


    参加者
    江良手・八重華(コープスラダーメイカー・d00337)
    聖刀・凛凛虎(外道の一鬼・d02654)
    シルフィーゼ・フォルトゥーナ(小学生ダンピール・d03461)
    大高・皐臣(雪狼・d06427)
    虹真・美夜(紅蝕・d10062)
    ルナール・シャルール(熱を秘める小狐・d11068)
    リュカ・シャリエール(茨の騎士・d11909)
    一条・丈介(燃える血潮とその心・d14900)

    ■リプレイ


     ヴァンパイアの支配下にあるという学園。
     学園のあちこちに灼滅者の仲間が潜入している。生徒として溶け込む者もいれば、あくまで身を潜めて情報収集に立ち回る者も。
    (「理由はわかるけれど、逃がせっていうのは、やっぱりちょっと癪よね」)
     宿敵であるヴァンパイアを目前にした、虹真・美夜(紅蝕・d10062)は机に肘をついた。
     同じ学年の生徒として潜入した美夜は、何度かヴァンパイア――レオノーレ・ヴァトリーの姿を見かけている。
     豊かに波打つ金髪と白い肌、赤い瞳。それだけでも充分目を引くというのに、成績優秀でスポーツは万能、話術に長けた彼女は常に取り巻きの中心にいる。
    (「悪知恵の働くダークネスらしいよ」)
     昼休み。弁当に箸を運びながら、一緒に机を囲む級友に気さくに話かける。
    「そういえば、聞いたんだけど。下校の鐘が鳴る頃に保健室で合わせ鏡をしたら、未来が見えるって話、知ってる? みんな狙って口に出さないけど、すごい噂になってるの」
     高校生にもなっておまじない? と笑う声もあるが、
    「そりゃ現実的じゃないけど、私はやってみたいかなぁ。第一志望の大学に受かるかどうかとか、もしかしたら未来の結婚相手なんて見えたりしてね?」
     大学と口に出したとき、一人が不安げに視線を揺らすのを見逃さない。
     聞けば、熱心だった進路指導が急に減り、授業の進みも遅くなっている。このままでは塾に通っても受験に間に合わないかもしれないと。
     不安はダークネスの好物だ。絶望の淵に立ったとき、甘い誘惑を仕掛けて闇に堕とす。
    (「大丈夫。あたしたちがこんなふざけた企み、盛大に壊してやるからね」)

    「はい。確かに見たとおっしゃるかたがいるのです」
     リュカ・シャリエール(茨の騎士・d11909)もまた、生徒として紛れ込んでいた。
    「許可なく校長室に入ることは難しいと思いますが、掃除当番で入った方が、偶然窓ガラスに映った他クラスの女子と恋人同士になられたと」
     ESPエイティーンの効果で、若干幼さの残る顔立ちのリュカは凛々しい青年の姿となっている。その姿と丁寧な口調のギャップが面白いのか、男子だけではなく女子にも人気が高い。
    (「高校を根城とするのは、勢力拡大として正しいでありましょう」)
     だが、リュカにとってはヴァンパイアのやり口が中途半端に思えてならない。まるで子供のママゴトのようだと。
    (「でも今は、役目を果たす時です」)
    「それと、これも噂なのですが。夕方の体育倉庫に行くと、絶望に取り憑かれ命を落とすとか。なんでもこの学園は、廃病院の跡地に建てられたもので……」

    「ねーねー、そこのキレイなお姉サマ?」
     中庭の窓の外から、廊下を歩く女生徒に声を掛けるのは聖刀・凛凛虎(外道の一鬼・d02654)。窓を開けると、身軽に窓枠に腰掛ける。
    「ここ、アニキが卒業した学校なんだけど、美人が多いって話聞いて覗きに来たんだ。ほんとキレイなお姉さんばっかりで目の保養!」
     語尾にハートがあふれそうな明るい小学生は、生徒達に警戒心を起こさなせないようだ。
    「そこでさ、俺と一緒に音楽室で夕日を眺めない? 音楽室で夕日を見た男女は結ばれるって噂が……」
    「君、この学校の生徒じゃないな。どこから入ってきた!」
     男性教師の一声で、凛凛虎は慌てて中庭に戻ると茂みに隠れ気配を消し、ESPで猫に変身した。
    (「上手くいきそうだったのに。危ない危ない)」
     ふと見上げたガラスの向こう側、廊下を談笑して歩くのは、金髪の美女。少女と表現するには、少々大人びた姿ではある。
    (「べっぴんさんとは嬉しいねぇ。でも、俺の好みじゃねぇや」)
     みゃあ、と鳴いてみてから、準備中の体育倉庫に足を踏み出した。


     誰もいないことを確認し、鍵も掛けてある。
    (「背、伸びなかったら。やだ。な」)
     ルナール・シャルール(熱を秘める小狐・d11068)は保健室でエイティーンを発動させる。高校生なのでエイティーンは使わなくても良いはずなのだが、身長と童顔が任務の妨げになるかもしれないと危惧して用意したのだった。
     2歳ほど歳を重ねた姿になったはず。制服は着替えるほどでもない。おもむろに身長計の上に立つ。
    「プラス、2センチ」
     身長が150センチを越えた。普段と変わりすぎるのも戸惑うけれど、変わらないならそれも寂しい。エイティーンが正しく未来の姿になるわけではないと、分かってはいても。
     そろりとドアを開けてみれば、周囲に人の気配を感じる。
     あからさまに出てきてはいないが、廊下の角や階段の影、購買の自販機の向こう側辺りに人の気配がある。一人で保健室に入れるよう、牽制しているのだ。
     噂を広める作戦は、少しずつ成功しているらしい。
     何気ない様子で保健室を出て廊下を歩いていると、タイミング良く通りかかったのが男性教諭と話しながら通りすぎるレオノーレだった。周囲の気配を気にせず、教諭と一緒に保健室に入っていく。
     余程自信があるのか、それとも他の生徒など意に介していないのか。
    (「撮れる、かな」)
     保健室の一角に仕掛けた盗撮カメラの画像は、全員の携帯に送られる仕組みになっている。
    (「……証拠、ひとつ」)
     画像を確認すると、ルナールもまた体育倉庫へ急いだ。

     体育倉庫に勢いよく駆け込んだ一条・丈介(燃える血潮とその心・d14900)は、シルフィーゼ・フォルトゥーナ(小学生ダンピール・d03461)の怒鳴り声に追い返されることになる。
    「レディの部屋に入るときは、ノックくらいするものじゃ!」
    「ごっ、ごめんなさいいい!!」
     あれ、ここってレディの部屋だっけ。丈介は考える。
     エイティーンの効果で身長は高くなっているものの、顔はあまり変わっていない。長くなった髪を邪魔とばかり後ろに結んで、レディのご機嫌が治るまでドアの外。
    (「それほど変わらないのじゃな」)
     制服の胸元を確認しながら、シルフィーゼはエイティーンの効果を確認する。身長はそれなりに伸びたが、やはり気になるのは上半身の一部。
    「もう入ってもよいぞ。準備はできたのか?」
    「ああ。盗聴器に暗視カメラ、データ受信用のパソコンは外に隠してある。あとは、最後の大仕掛けが成功すればめでたしめでたしって?」
     一見普通の体育倉庫には、武蔵坂から借りてきた盗撮に必要なあらゆる機器が備え付けられていた。画像データは全員の携帯と、隠してあるパソコンに転送される仕組みとなっている。
    「バベルの鎖の影響下で、どれだけ噂を広められるかじゃのう」
     ヴァンパイアであるレオノーレが、男性教諭達を色仕掛けで脅迫しているという事実は、学園を支配しつつあるヴァンパイアにとっては不利な情報だった。バベルの鎖は、ダークネスの情報伝達を阻害する力を持つ。
    「当事者の先生に見せたら、自分の不始末の証拠になるからもみ消すよな。ここはやっぱ、女の先生に協力してもらうしか」
    「本人特定ができぬよう、画像に細工する必要があるかもじゃな。なんにせよ」
     シルフィーゼと丈介は同時に鳴った携帯電話の画面を確認する。画面には『準備完了。これより潜入する』の文字。
    「ここへの誘導が成功するかどうかじゃ」


     授業が終わり、大半の生徒が玄関を出た頃。一人のスーツ姿の青年が、職員玄関から校内に入っていった。近くには警備の窓口があり、軽く頭を下げると中の職員もにこやかに会釈を返してきた。
    「さて、職員室は」
    「君、誰だね。見かけない顔だが」
     壮年の男の声に、声を掛けられた青年、大高・皐臣(雪狼・d06427)が振り向いた。
    「生徒の父兄のかたですかな。見学なら事務の方に」
    「いえ、私は……」
     ESPプラチナチケットは発動させてある。だが、関係者であることを相手に思い込ませる効果は、何者であるか特定してなりすますことはできない。
     偶然行き会った校長は、見覚えのない皐臣を『生徒の兄』と認識してしまった。新任の教師として動くつもりであったが、これでは最後の作戦が――
    「大高先生!」
     廊下を走ってきたのは、制服姿の江良手・八重華(コープスラダーメイカー・d00337)だった。校長に会釈すると、口を挟ませないよう話し出す。
    「遅いじゃないですか、待ってたんですよ」
    「準備があったんだよ。江良手がいて助かった」
    「俺の転校にここを推薦してくれたのは、大高先生ですよ」
    「まさか俺まで転勤になるとはな」
     話の流れを眺めていた校長に、皐臣は改めて一礼する。
    「大高と申します。本格的な復職は来週からなのですが、早く学校に馴染みたいと思い、見学に来てしまいました」
    「……そうか、そういえば、新任の。いや、随分若く見えたものでね」
    「大高先生、こう見えて28歳ですよ」
     皐臣は江良手の言葉に苦笑いし、遅くなったので挨拶は後日改めてと約束する。
    「もしよければ、生徒指導室と」
     校長は少しだけ言いよどんだ。
    「色々と問題があってね、生徒会は近々解散する予定だ。次の会長候補は一人しかいないのだが」
     江良手が、気付いたように言う。
    「レオノーレですね。だったら案内できますよ」
    「では頼むよ」
     校長がそそくさと消えたのは、レオノーレの名が出たせいだろう。夕焼けに染まる職員玄関に、皐臣と八重華だけが残される。
    (「28は大げさだろう」)
    (「校長に疑われたら動けなくなる」)
    (「口調はどうした」)
    (「空気を読んだまでだ」)
     それもそうだと溜息をつき。
    「では、案内してもらおうか、江良手」
    「ああ、センセ」
     最後の仕掛けを始めるために、動き出した。


     レオノーレの教室には数人の生徒が残っていたが、新任の教師と聞くと一人皐臣に付き添ってきた。江良手は用があると後を任せる。
    「体育教師が骨折とは、笑い話にしかならないな。頑張って遅れを取り戻さなければ」
     皐臣はレオノーレに、指導意欲と熱意を語る。
    「大高先生は、体育の先生でいらっしゃいますのね」
     赤い瞳がとろりと滲む。
    「では、体育館と体育倉庫にご案内しますわ。あちらが保健室になりますけれど、下らない噂につられて用もなく入り込む生徒がいて、厄介ですの」
    「それは指導のし甲斐がありそうだ」
     体育館への渡り廊下で、迷い込んだらしい猫とすれ違う。猫は誘うように体育倉庫の扉に消えた。
    「用具に悪戯をされるといけない。捕まえるぞ」
     皐臣が倉庫に駆け込むと、レオノーレはそっとその扉を閉じた。窓はあるものの、室内はひっそりとした闇に包まれる。
    「猫なんて、どうでもいいのではありません? 先生」
    「……?」
    「わたくし、先生ともっとお近づきになりたく思いましたの。学校思いで、生徒思い、熱心で……」
     背後から細く白い腕が皐臣に絡みつく。細さに似合わぬ力の強さに、思わず膝を付き、そして。
     カシャカシャカシャ、とシャッターを切る音が響いた。
    「よい出来じゃ。データは別の場所に送ってありゅ、ここで壊しても無意味ぞ」
     シルフィーゼが物影からカメラを掲げ、レオノーレが顔を上げる。咄嗟に引こうとした身体は、力を込めた皐臣の腕で軽々と放り投げられた。
    「何を……お前達」
    「耽美と残虐、夜の化身たるヴァンパイアとして。何とも中途半端な仕掛けですね」
     扉が大きく開かれると、リュカと八重華、美夜が立っている。するり飛び込んできた猫は、凛凛虎の姿に戻った。
    「俺にも面白いことしてくれない? オネーサン」
    「あんたのやってきたこと、ここの女性教師たちにバラしてあげたわ。校長にも画像送付済み。ね、悪巧みが失敗するって、どんな気持ち?」
     美夜が目を細めて言う。
    「バベルの鎖で、どこまで通用するかはわからん。だが、品行方正なお前が男をたぶらかす女って事くらいは知られるだろうな」
     八重華の後をルナールが続ける。
    「色仕掛け、事実ないこと、もう知られた。あなたも、この学校には、居場所がない」
    「どうする。レオノーレ・ヴァトリー。このまま戦うか、それとも」
     皐臣の底冷えする声がヴァンパイアの耳に届く。
     レオノーレは金髪を揺らし、襟のボタンを引きちぎった。豊かな胸の半ば程までが晒され、丈介は視線を泳がせる。
    「そうね。お粗末な終焉になってしまったわ、わたくしとしたことが。でもそろそろ、この窮屈な制服にも飽きておりましたの」
     伸ばした腕の先に、一匹の銀の蝙蝠。
    「策が破れてなお命を懸けて戦う意味はありゅまい、このあたりで矛をひかにゅか?」
    「俺たちを倒しても、お前の企みは続けられない。続けても、また俺たちの仲間が邪魔しに来るんだからな!」
     シルフィーゼと丈介が重ねて言った。
     このまま戦えば、眷属くらいは倒せるかも知れない。だがヴァンパイアをまともに相手取るには、戦略を練っていない以上苦戦は明らかだった。
     沈黙は僅かの間。
    「これ以上の失敗は、わたくしの矜持が許しません。そうね、願い通り手を引いて差し上げましょう。面倒事は嫌いですの」
     ヴァンパイアとしての本性を、既に隠していない。
     レオノーレは闇の貴族としての顔で倉庫を出る。
    「お前達の顔、覚えておきましてよ。灼滅者」
     そうして、日陰に溶けるように姿を消した。

    「あー、けっこう緊張したー!」
    「本当の色仕掛けというものをみせてやろうか?」
    「い、いえ遠慮するです!」
    「冗談じゃ」
     丈介とシルフィーゼが笑い転がり、
    「まずは一安心って所かしらね」
     ヴァンパイアの消えた後を目で追う美夜。
    「堕落は規律あってこそ映えるもの、でしょう」
     リュカはきっぱり言い捨てる。
    「データ、細工して。広めなきゃ」
     隠し場所からパソコンを持ってきたルナールが呟く。
     このまま流してしまうのが手っ取り早いが、学園の名誉を傷つけることになる。
     脅迫されていた事自体が醜聞なのだから、レオノーレが去った後、校長を始めとした男性教諭達は決して口を開かないだろう。脅迫の事実はなかった事になる。
     ヴァンパイアの魔手が消え、規律さえ戻れば元の学園に戻るだろうから。
    「殺せないのはつまらないな、センセ?」
     八重華の軽口に、皐臣は消えたヴァンパイアを思う。
    (「殺したかったのか、俺は」)
     自問するが答えはない。

     血のように赤い夕暮れの光が、窓から差し込んでいた。
     

    作者:高遠しゅん 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年5月31日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 6
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