「ああチクショウチクショウうぜえ! 何で来てんだよ、何で帰らねーんだよあれで! 俺だったら帰るぜ!? ッざけんなマジ!」
扉の向こう、迷宮の主は苛立って小石を粉砕した。
部屋の中は瓦礫に小石、大小様々なものが乱雑に転がっている。
歩けば何かが足に当たる部屋の中、傍をうろつくアンデッドへ八つ当たりをしようとして、手を止めた。
扉の向こうの複数人を1人で相手をするには面倒だと、ここでも乱雑な迷宮を作った主の性格が滲み出る。
「今から増援……めんどくせぇ! 死ね、とりあえず全員死ね! お前等何とかしろよ、思考力なんざもうねぇんだからさぁ!」
命令と言うには余りに大雑把に、アンデッドの背中を蹴り飛ばして扉へと進ませる。
「開けた瞬間アンデッドに咬まれてやる気削げねーかな。帰っていいし」
玉座のような椅子にどかっと背を預けたノーライフキングは、扉が開くその時まで、その愚痴と暴言を止めなかった。
もちろん立ち上がることもしなかった。
●
「この先だな」
来栖・清和(武蔵野のご当地ヒーロー・d00627)が目の前の扉を下から上に見上げていく。
ぼそぼそと――いや、雑な音が聞こえてくる。正確な言葉は聞き取れないが、随分と腹を立てていることが伺えた。
「ゲームで言う、ダンジョンのボスだね。そう思えば少し楽しみかな」
「ボスと言うには適当だったけど、最後までそうかしら」
由井・京夜(道化の笑顔・d01650)の言葉に八坂・百花(魔砲少女見習い・d05605)は肩を竦める。
「でもおうちに帰るまでが探検です、って言うもんな。……ちゃんと皆で帰れるように、頑張る」
槿・夕晴(ヴァニタスの夏影・d00749)の言葉に、くろもエンジン音を響かせる。
灼滅者達は暗く狭いトンネルと緊張、アンデッドの連戦で疲労していた。
しかしここで立ち止まることは出来ない。
その先、迷宮の主を倒すまで終わらない。
「屍王は……意外と保守的な勢力なのだろうか」
ふとした疑問を雨霧・直人(はらぺこダンピール・d11574)が呟くものの、星陵院・綾(パーフェクトディテクティブ・d13622)は笑って前に進み出た。
「罠があろうと奥に居ようと、私達は踏み込むだけです。さすがにもうトラップは無いでしょうけど、私の推理が正しければ、何か仕掛けてくるかも知れません!」
そうかも知れないと、京夜と直人は2人で笑う。
ユークレース・シファ(ファルブロースの雫・d07164)はそんな仲間達を見て、なっちんを抱き締めた。
(「ユルは難しい目的とか、持ってないですけど、ほっといたら、また傷つく人がふえるかもしれなくて。そんなのやだから……ユルにできる事、がんばるです」)
「ね、なっちん」
「ナノ!」
御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166)はその声にほんの少し表情を緩ませた。
しかしすぐに表情は険しく、扉を睨む。
「ここで退く訳には行かない。――行こう」
扉一枚、その向こう。
迷宮の主――ノーライフキングとの戦いが、そのたった一枚の扉の先に待ち構えていた。
参加者 | |
---|---|
来栖・清和(武蔵野のご当地ヒーロー・d00627) |
槿・夕晴(ヴァニタスの夏影・d00749) |
由井・京夜(道化の笑顔・d01650) |
御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166) |
八坂・百花(魔砲少女見習い・d05605) |
ユークレース・シファ(ファルブロースの雫・d07164) |
雨霧・直人(はらぺこダンピール・d11574) |
星陵院・綾(パーフェクトディテクティブ・d13622) |
●扉
扉の奥から、苛立たしげに何かを蹴飛ばす音が響く。
――ノーライフキング。
灼滅者達は顔を見合わせた。
「これが、ボス部屋?」
八坂・百花(魔砲少女見習い・d05605)の言葉にははさり気なく、ノーライフキングニートと聞こえる。
思わずつられて笑いそうになった槿・夕晴(ヴァニタスの夏影・d00749)は、そのキレっぷりにむしろ申し訳なさを感じつつ扉の傍にくろと回った。
頷く由井・京夜(道化の笑顔・d01650)も一歩下がって構えている。
「扉開けた途端に、アンデットが襲い掛かってきた~って感じで不意打ちされたりしちゃっても困るしね」
再び内側から扉が叩かれる。
その苛立たしげな気迫は、怖い。
ユークレース・シファ(ファルブロースの雫・d07164)はなっちんを抱き締める。
緊張、不安。けれど力強い仲間達と腕の中の心強いナノナノに、ユークレースはほんの少し、笑うことが出来た。
雨霧・直人(はらぺこダンピール・d11574)がそれに気付き、ユークレースを少しだけ撫でる。行こうかと告げれば、背後から爆音が響いた。
何事かと振り返る灼滅者だがしかし、爆音の主は星陵院・綾(パーフェクトディテクティブ・d13622)、その手の中のラジカセから。
瞬きする一同に意気揚々、綾はそのラジカセを手に掲げて。
「探偵のテーマです! 皆さん、突然ですが、私の推理をお聞かせしましょう……犯人はこの部屋の中にいます、開けますよ!」
「あ、ずるいぞ綾――」
「早い者勝ちですからね、こーんばーん……うわぁ!?」
『ア゛ァ――!!』
警戒待機している夕晴も京夜も差し置いて、託されヒーロー、来栖・清和(武蔵野のご当地ヒーロー・d00627)も押しのけて、勢いのまま扉を開ける綾の前、開閉と同時に襲い掛ってきたのはアンデッド2体。
「やっぱり。でも不意打ちは受けないよ。残念ながらね」
まるで押し戻そうとするようになだれ込んでくるアンデッドを薙いだのは異形――京夜の片腕。
直後爆発を起こしたのは夕晴の手裏剣。
ド、ド、と足を踏みならすように扉へと押されよろめくアンデッドに、重なる御盾崎・力生(ホワイトイージス・d04166)の弾丸の嵐。
『ア゛――』
よろめいたアンデッドが扉の向こうに引き戻され、弾丸の煙が晴れた時。
灼滅者達は片付かない部屋の中、堂々と椅子に座ったままの男を見た。
男は乱入者に不機嫌極まりない笑みを湛え、そして言った。
「ようこそ、踏破した勇者どもよー……なんて言うか! 帰れ。つーか死ね!」
屍の主は――死の匂いを、悪意を、撒き散らした。
●軽んじる者
「オッ、ア……」
アンデッドが下がれば、そのまま灼滅者達は乱雑な部屋の中に踏み入る。
一歩下がるごとにアンデッドが何かを踏みつけよろけるのが見えた。
「……なんだこの部屋。散らかり過ぎだろ。……片付けたい」
「ならそうしてくれよ、止めねーからさぁ」
直人の声に、灼滅者では無い声が返る。
見る。
ノーライフキング。
威圧的に灼滅者達を見下して、若い容姿に目一杯の嫌悪感を詰め込んで。
「ふざっけろ、帰れ!」
どす黒い渦を叩き付けられるような気持ちの悪さにユークレースはなっちんに縋る。けれど、返ってくる暖かさに思う。
この人は、人を傷つけようとしてるダークネス。
ここにいるみんなの全力で倒さなければ――帰ることなんて、出来ない。
「皆、先にアンデッドを。来るぞ!」
力生の言葉に夕晴のくろが唸りを上げてアンデッドの進行を阻む。
腕を伸ばしてきたアンデッド、その腕は清和が止めた。
清和はその手を攻撃に回さない。代わりに壁となること――防ぎ、妨害することだけを専念する。
受け流すように近距離でビームを直撃すれば、勢いのままつんのめるアンデッド。これが狙い。
続けざまに逆十字が重なるように赤く浮かび、アンデッドを斬り裂き、塵に返していく。
直人はそのままその手を緩めず日本刀に手を掛ける。この広さなら、日本刀を存分に振るえそうだと思う前に――。
「月光衝で敵ごと吹き飛ばしたい。……というか、足元が邪魔すぎる。片付けたい……!」
思わず出てしまったその言葉に、ノーライフキングは椅子から立ち上がりかける。
「ならそうしろよ。アンデッド壊しやがって。誰が片付けんだよ、誰が――」
百花は盾を展開し、踏み込みながら笑った。
「面倒なら、ゾンビが片付くまであなたは寝てていいわよ。手を出さないから」
「そーうでーすよー」
相手をするのもめんどくさい感じで綾の言葉も良い感じにノーライフキングのやる気を削いでいく。そうだなぁなんて聞こえたのも束の間――ノーライフキングは遂に立ち上がった。
「じゃ、ねーだろうがぁ! アンデッド残り1じゃねーかよ、居なくなったら誰が片付けすんだ、誰が迷宮守んだよ。止ぁめろこの、クズ共がぁぁ!」
ガッと踏みつけられた石が粉砕される。
同時ノーライフキングが腕を振るえばその振動で空気が裂かれ、アンデッドへと刃を降ろしていた前衛の者、全てにその衝撃が降りかかる。
びりびりと怒りのままその武器を扱う腕すら鈍らせて。
「まぁいいさぁ。お前等をアンデッドにしたら、役に立ちそうだしなぁ」
力生の腕がぴくりと動く。
ノーライフキング――死を、命を弄ぶその言動は許されざるもの。
叶うなら今すぐにでも殴ってやりたい程の嫌悪感が力生を襲う。
「……力生先輩!」
直人が強く力生の肩を掴んだ。その感覚が力生の意識を今に戻す。
噴いたガトリングガン『メギド』がその瓦礫ごとアンデッドを撃ち抜いていく。
「おれ達も負けてられないね。行こう、くろ」
夕晴の言葉にくろが同じ意を持っているかのように、エンジン音が響き渡らせる。その音を受けて駆けた夕晴はそのままアンデッドに手裏剣のようにその身を撃った。
ちらりとノーライフキングを見上げて。
「ええ、と。出会い頭にゾンビが来ようがタライが来ようが、割とテンション上がるタイプなんでその、……なんかごめん」
チッとノーライフキングの舌打ちが聞こえる。
苛立ちのまま渦巻くオーラを放とうとしたその腕に、炎。
「土葬とかは不衛生だしね、火葬はした方がいいかなって。あれ? 何か違ったかな」
「……良い度胸じゃねーか」
京夜の弾丸を受けて炎を燻らせるノーライフキングが好戦的に笑う。
京夜はおやと意外そうに笑い返した。
「やる気あったの? 何かこう気の抜けた様な罠配置やらモンスター配置するようなボスって本当やる気あるのかなっと思っちゃっててね」
「ねーよ! ねーからこそ、お前等をアンデッドにして部屋の片付けさせてやんだよぉ死ねッ!」
苛立ちのまま二言目にはそれしか言わないノーライフキング、しかしその実力は確かなもの。
降り注ぐ衝撃はまたも前線を担っていた灼滅者達へ襲い掛る。それも、幾度も、幾度も。
「なっちん、たつまきはいいから……ユルと、回復、です!」
「ナノッ!」
ユークレースが歌を響かせる。
なっちんが癒しきれなかった傷を重ねてハートで包み込む。
「まったく」
さぼってくれなかったノーライフキングに百花はこっそり毒づいた。
「ダメージよりも、ノーライフキングニート……永遠の命を得て、ゴミを溜め込みながらその存在は永遠に引き篭もり続ける、それが恐ろしいわ」
「羨ましいか?」
「いいえ、全然」
ノーライフキングはもっとストイックな存在かと思っていたと、百花は傷と共に大きく息を吐いた。
●表と裏
「粘るねぇ。まだ1つもアンデッドになりやしねぇ!」
「なってたまるか! この俺、ローカル特捜ムサシノイジャーは、お前の企みを阻止するために参上! したんだ!」
武蔵野台地セイバーが薙いでノーライフキングの狙いをぶれさせる。
「妨害なら私もお任せを! ついでにゴミもお片付けです!」
綾の殺気が部屋を吹き荒れればゴミが舞い、そのゴミはそのまま影がぱくりとダストシュート。
本当にダストシュートしたかったノーライフキングを斬り裂いても、その動きを鈍らせるには至らなく小さく舌打ちするが、そんな綾にノーライフキングは指先を向けた。
「いいねぇ、お前。ちょっと死んで片付け係にならね?」
「――はぐッ」
退魔と浄化を司るエクシストの宿敵、その言葉通りのような黒い光は一条、灼滅者――綾を貫いた。
「綾! やはり、短気で片付けが出来なくて適当に思える敵だけれど、ダークネスはダークネスか……はぁッ!」
ゴミを吹き飛ばすより先に、この男を。
直人は踏み込んで抜刀する。
「おおおおッ!」
力生が吠えた。
その手には何も無い。あるの拳、ただ1つ。
オーラを纏わせた拳がストレートにノーライフキングの顔面へと叩き込まれた。
「ハハァ――」
ノーライフキングの言動は力生の許せるものでは無い。何故ならば。
「これが、命の重み、命の熱さだ。死をもてあそぶおまえたちノーライフキングに、それがわかるか!」
「解らねぇなあああ!」
うっとおしげに蹴り上げられた力生は更にと引いた拳を続けて撃つことが出来ない。
何かを踏んだ――瓦礫か。バランスを崩す。
「おっと、それ以上はこのムサシノイジャーがさせないぜ!」
カウンターのように腕を振り上げたノーライフキング、その拳の前に飛び出したのは清和。タ、タンとガラクタだらけのゴミを蹴り、壁を蹴って2人の間に阻んだ、壁。
「今だ必殺!大いなる武蔵野台地の力……武蔵野台地セイバー!!」
「チッ」
重なる清和の迎撃にノーライフキングが下がる。
ガラクタ1つその位置を覚えているかの如く、その足を取られる事は無く。
「なるほど、ゴミの位置も覚えてるんだな。……素直に片付ければいいのに」
まるでそれも身を守る要塞の一環のようにふと思え、夕晴はくろに視線を向けた。
エンジンを吹かすくろは夕晴の意図に気付いている。
「行こう、くろ。蹴散らそう」
「――!」
くろの機銃が一斉に掃射される。薙ぎ払うような射撃はゴミを瓦礫を粉砕し、その不利を無くしていく。
舌打ちしたノーライフキングが再び光を宿したその気配に気付き、夕晴はすかさず手裏剣を投げつけた。その手で爆発する手裏剣は、嫌がらせ。
「させないよ」
「うぜぇ!」
身の傷を癒そうとした手も感情のままに夕晴に向ける。それを遮るのは百花の盾。
「引き篭もっているところにお邪魔したのは申し訳なかったけれど。ノーライフ、ノーニート!」
「ニートニート言うな!」
短絡的に攻撃に変えたその手は彗星のように煌めき百花を撃った。
重い。けれど、これが百花の役割。
「大丈夫、です。なっちん!」
すぐさまなっちんがハートをふわりと浮かばせて、ユークレースは漆黒の弾丸で仲間達をサポートする。
「ガッ……」
ノーライフキングがよろけた。
すかさず京夜の鋼糸が絡み、巻き付き、捕縛する。
「さ、これで掃除も終盤かな――」
言い掛けたその瞬間。1人がノーライフキングに踏み込んだ。そのまま殴り抜ける。それは。
「おおおお!」
「力生くん……?」
京夜が瞬く。力生だった。
一撃、一撃が数多配置したアンデッド、その命だと言わんばかりに殴る。殴る。
その剣幕に仲間も誰1人今は声さえ阻めない。
「ハッ、」
ノーライフキングは、笑った。
「ハハハハハッ、――!!」
「おまえ!」
「ハァッハア――――!」
ノーライフキングは笑っていた。
笑い続けるその瞳と目が合ってしまった夕晴にそれは酷く、恐ろしく感じられた。
灼滅者とダークネス。その表裏一体。
まるで次は誰だとあざ笑うかのような哄笑に夕晴はぎりりと靴を踏みしめる。
ダークネスを見続けて。
「……怖いよ。いつだってダークネスを、闇に落ちる事を本気で怖いと思ってるよ。でも、だからおれは戦いが好きなんだ」
――敵は怖いけど、自分を失うよりは怖くないと思えるから。
その呟きが響いたのは、哄笑が収まっていたからだった。
「力生……」
その服を、手を、ユークレースが引いていた。
ぎゅっとなっちんを抱き締めて。
「もう、終わり……です」
迷宮の主はもう動かない――。
●終わり帰りのトラップ地獄
「力生先輩……」
直人の不安げな声に、力生はもう平気だと血と汗を拭う。
緩く首を振る力生の背を軽く叩き、直人は辺りを見渡した。
「迷宮の主を倒す、という意味では片付いたようだが……まだ汚いな」
言い掛けて、止める。気にしていてはキリが無い。何かのゴミを摘まみ上げてみたが、ゴミ箱すら見つからなかったので諦めた。
何故、迷宮は作られるのか。
巣を作り、眷属に働かせて人材を集めさせて、まるで女王蜂のようだ。
直人は思う。けれど、主が沈黙する限りその答えは得られない。
直人は苦笑した。
「真ん中のルートに仕掛けられた罠が気にならなくはないが……帰りは、来た道を戻るか?」
「そうだね。ちょっとだけ、本当ちょっとだけ真ん中の通路覗いてみても良い? いや、何か罠とかありそうだしっ」
京夜が笑って提案に乗る。
その声に夕晴も現実に引き戻される。
――ダークネスとの戦いは終わった。くろのエンジン音を近くに感じて、黒いハンドルに手を掛ける。
「そうですね、では! 再び私の探偵七つ道具が今ここに。ウルトラ10feet棒!」
「あ、それ。貸してくれない?」
綾が再び取り出した探偵七つ道具。ここぞとばかりに京夜はじっと見つめていて、くすくすと灼滅者達に笑みが戻ってくる。
それでも、ユークレースはまだ立てないでいた。すぐ傍の存在に手を伸ばす。なっちん、と呟いたその手を取ったのは、清和。
「平気? 立てる?」
「……うん」
なっちんと一緒に引き上げられて、ユークレースも立ち上がる。
直後ばさっと聞こえてきた音に驚いて振り返れば、百花が部屋の中のものを漁っていた。
拾ってみては価値の分からない物ばかり。百花は肩を竦める。
「そうね、帰りましょ。ノーライフキング陣営での文書など無いかと思ったけど……何も無さそうね。これはもう、ゴミは消毒だ的な?」
「わあ、待ってください! 最後の探索前に迷宮が崩れたら大変です!」
あくまで万が一の話だが、奥の部屋を潰して連鎖的に迷宮が崩れてはと想像して、綾がストップを慌てて掛ける。
「それこそダンジョンの最後って感じもするけどね」
京夜が笑い、そうして頷き合えば灼滅者達は玉座の部屋を後に歩き出す。
主の居なくなった迷宮は程なく崩れていくだろう。
その前に、響いたのは――爆発音、爆発音、またもや爆発音そして悲鳴。
相変わらず踏み込むだけで仲間全てを巻き込む爆発の連続に、結局灼滅者達は踏破してきたルートを進まざるを得なかったとか。
迷宮踏破、ノーライフキング。トドメの傷がトラップだったとは――ちょっぴり情けなすぎるから。
作者:斗間十々 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年6月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 2/感動した 0/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 8
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