南の島のインストラクター

    作者:るう

    ●沖縄、某ビーチ
    「うっふ~ん☆」
     彼女とウィンドサーフィンに来ていた若者は、その女に釘付けになった。彼女がいくら呼びかけても、上の空になるばかり。
    「信っっじられない! 普通、彼女が隣にいるのに他の女に鼻の下伸ばしたりする!?」
     キッと女を睨みつけた彼女は、次の瞬間……思わず土下座していた!
    「も、申し訳ありませんでしたー!」
     健康的に日に焼けた肌に、巨乳を越えた爆乳。そして何よりも女を特徴付けていたのが、著しく分厚いその全身の筋肉! それもボディビルのような『見せ物』ではなく……まるで猛獣のごとき、まさに機能美!
    (「なんかアレ見たら……こんなナヨっとした男、もうどうでもいいかも」)

     かくしてビーチには、謎の男女混合ハーレムが出来上がって行く……。

    ●武蔵坂学園、教室
    「四ヶ月近くの雌伏の時を経て、一つの未来が結実した!」
     神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)が、拳を握る。
    「その鍵となったのは……この、天瀬・麒麟(中学生サウンドソルジャー・d14035)だ!」
     恥ずかしそうに前に引っ張り出される彼女がこの未来に気付いたのは真冬のこと。それをエクスブレインが精度よく未来予測できるようになったのは、今となってのことだった。

    「きりん、最初は淫魔が、男の人をかどわかしてると思ってたんだけど、女の人もかどわかされるんだって」
     ヤマトの補足によると、淫魔の武器は、その肉体美と強烈なインパクトの双方。彼女を倒し、付き従うウィンドサーファー達を解放するのが今回の任務だ。
    「ミナミと名乗るその淫魔は、自らをインストラクターと称している。マリンスポーツは何でもお手の物だ! 教えを請うふりをしておけば、敵に真意を悟られずに近付くことができるだろう!」
     そして彼女を指導で手一杯にしてしまえば、主人の目が届かなくなった配下たちは好き勝手ビーチに散らばってゆく。状況は、より有利になるはずだ。
    「敵は、淫魔らしいサイキックはあまり使わず、バトルオーラのサイキックと、サーフボードによる『戦艦斬り』を主とする! 配下の攻撃手段も似たようなものだと思ってくれ!」
     それって、本当に淫魔? と問う麒麟に、ヤマトは大真面目な顔で頷いてみせた。
    「ちなみに配下は、淫魔を倒せば正気に戻る。仮に戦闘終了までに戻ってこない配下がいても、放っておいて構わない」

     ところで。
     淫魔灼滅のために人を集めるヤマトの周囲に、目的が全然違いそうな人が散見されるのは、ヤマトの気のせいだろうか……? ビーチボールを抱えた姶良・幽花(中学生シャドウハンター・dn0128)とか。


    参加者
    天鈴・ウルスラ(ぽんこつ・d00165)
    霈町・刑一(本日の隔離枠 存在が論外・d02621)
    神凪・陽和(天照・d02848)
    姫乃川・火水(ドラゴンテイル・d12118)
    椎宮・司(ワーズクラウン・d13919)
    天瀬・麒麟(中学生サウンドソルジャー・d14035)
    永久水・秋穂(繋がりし歌声・d16147)
    蓬栄・智優利(ルナティックスターダスト・d17615)

    ■リプレイ

    ●海だー!
    「やっぱり海といったら、思う存分泳がないとね!」
     椰子の木陰を出た瞬間から広がる水平線を前に、蓬栄・智優利(ルナティックスターダスト・d17615)は大きく深呼吸した。その横で、霈町・刑一(本日の隔離枠 存在が論外・d02621)が目を細める。
    「……とはいえ、ただ泳ぐだけでは物足りません。ここはやはり……」
     そう。刑一が目を遣った先には……ヤツがいた。

     紐のようなビキニで僅かな体表のみを覆い、男性に手取り足取り密着レッスン中の筋肉美女。
     くすり。智優利の口元が悪戯っぽく弓を作る。
    「それじゃあ……困らせちゃおっか」
    「ええ。海自体、あまり慣れてない、ということにして、ね」
     にやり。どす黒い、刑一の笑み。
     さあ、何をして遊ぼうかと考えながら、灼滅者たちは淫魔インストラクター、ミナミに向かって駆け出していった。

    ●シュノーケリングだー!
    「んと、しゅのーけりんぐ? っていうの、教えてください!」
     自分を覗き込む永久水・秋穂(繋がりし歌声・d16147)のきらきらとした瞳を見つめ返しながら、ミナミはもちろん、とウィンクして見せた。
    「可愛らしい水着と浮き輪ねぇ。けれど日焼けや珊瑚でのケガを防ぐためにも、ウェットスーツの方がいいわよん♪ 女のコには、お肌の安全は必須なのよ☆」
    「じゃあ、かわいいのがいい!」
     早速、秋穂と共に子供用ウェットスーツを選ぶミナミの後ろから、天鈴・ウルスラ(ぽんこつ・d00165)も声をかける。
    「私には、是非スキューバダイビングを教えて欲しいで~す☆」
     けれどウキウキのウルスラに、ミナミは心底申し訳なさそうな顔。
    「ごめんねぇ? シュノーケリングとの同時レクチャーは、さすがのお姉さんも無理だからから許して☆ けれどシュノーケリングでも、綺麗な魚は沢山見られるのよん♪」
    「それでは、シュノーケリングの方で!」
     ついに一番かわいいのを見つけた秋穂に続き、ウルスラもまたウェットスーツ選びに乗り出した。
     そういえばウルスラさん、いつもの謎外人口調は?
    「オー。先生にこの口調は、失礼デスヨ?」

    ●準備体操だー!
    「「おいっちにっ、さん、しっ!」」
     海に入る前の準備体操をしながら、天瀬・麒麟(中学生サウンドソルジャー・d14035)は悶々としていた。
    (「海はこんなにもきれいなのに、何? 司くんに付きまとうあの女は」)
     視線の先には、クラスメイトの椎宮・司(ワーズクラウン・d13919)。麒麟が入学して、クラスで初めて声をかけてくれた友達の周囲に、淫魔が妙に纏わり付いている。
     それには当の司も、落ち着かないことこの上ない。
    「準備体操くらいは僕一人でできるから、他の人を見てあげて!」
     男として、ここで淫魔の誘惑に屈するわけにはいかない。ああ、きりんさんがこっちを見てる……。もしも鼻の下を伸ばしてるように見えて、きりんさんに嫌われちゃったらどうしよう……。

     むにっ。
     ストレッチ中の麒麟は背中に当たる、柔らかい感触に気付いていた。
     顔を覗き込んできたミナミと合った目を、思わず逸らす麒麟。
    (「淫魔にべたべたされるのは嫌……。だけど、おかげで司くんからは離れてくれたし、いいかな」)

     麒麟と司、二人の様子に、何故か刑一が目を光らせていた。

    ●練習だー!
    「先生! よろしくご指導お願いするぜ!」
     姫乃川・火水(ドラゴンテイル・d12118)はミナミに、深々と頭を下げた。例え相手がダークネスでも、先生は先生だ。
    「そう、そうやってセイルと体でバランスを取って……引いて!」
    「うわーっ!?」
     ブーム(帆を操るための握り棒)を引いたが間に合わず、火水は前のめりに海の中へ。ミナミが火水を、けらけらと笑いながら激励する。
    「あっちの子は、センスあるわねぇ♪ あたしの弟子にしてあげたいわぁ」
     冗談、と神凪・陽和(天照・d02848)は内心我慢ならなかった。何かと手取り足取り教えてくれるミナミは、彼女にとって絶対的な存在である姉への冒涜にしか映らない。
     その指導が下手ならまだしも。初心者ぶってはいるが、戦闘訓練の一環として一通りのスポーツは学んできた陽和には指導上手とわかるから、尚更苛立ちが増す。
     そして彼女はサウンドソルジャー。一歩間違えれば、本当に弟子になれてしまいそうなのも忌々しかった。

    ●閑話休題
     浜辺では一人の少女が、寂しそうに一人の男に声をかけていた。
     海の中では何かが、ものすごい速度で左から右へと泳ぎ抜けていった。

    ●魚だー!
    「すごーい! いろんなお魚がいっぱーい!」
     顔を水につけた秋穂は、色とりどりの光景に目を奪われる。ほんの目の前で踊る、青の、黄色の、赤の魚たち。それらは最初、秋穂を遠巻きに見ていたが、ミナミの言う通りじっとしていると、すぐに彼女のすぐ傍まで寄ってくる。
    「これ、なんて魚?」
     珊瑚の上に立ち上がって問う秋穂の体を、ミナミは軽々と胸元に抱き上げた。
    「丸い形の珊瑚は成長中だから、乗っちゃダメよ? 他のところに足がつかないなら、お姉さんが抱えてあげる」
     秋穂と共に、澄んだ海を覗き込むミナミ。
    「こっちの青いのはルリスズメダイ、黄色いのは……何かしら? しっかり勉強して、逆にお姉さんに教えてネ☆」
     秋穂は二、三秒考え込んだが、すぐに勉強などという単語は水平線の彼方まで飛び去って、彼女は再び海原に身を委ねる遊びに興じ始めた。

    「なるほど……海で遊ばせて貰う立場である以上、海を傷つけてはならないわけですか。流石はインストラクター!」
     淫魔といえども真面目なものだ、と刑一は感心する。感心はするがしかし、ハーレム、許すまじ!
     そんな刑一の決意はところが、すぐに瓦解の危機を迎えたようだ。
    (「……ッ!? この感触は!?」)
     背中に二つの膨らみを押し当てられ、刑一の煩悩が理性を凌駕する! 両肩に置かれる指先も筋肉質な割に妙に艶かしいし、耳元で囁かれる声は甘すぎて、肝心の指導内容が全然入ってこない!
     そのまま、しばらくミナミに身を委ねていた刑一だが……我に返ったのも突然だった。
    (「ふぅ……。流石は淫魔、いろいろと凄いですが……もう、十分に堪能できました。やはりハーレムなど、解体してくれます!」)

    ●閑話休題
     ビーチバレーをしよう、と誰かが言った。
     人数が足りない、と別の誰かが答えた。
     あそこにいる、と三人目が指差した。

    ●ボートだー!
    「きりんさんも、のんびりできる事の方がいいよね」
     ミナミから、このビーチでできる事をいろいろと教わっていた司は、悩んだ末にゴムボートを借りることにする。
    「うん。きりんも、それでいい」

     普段はのんびり気味の司と麒麟は、互いに、一緒にいても疲れない相手だ。
     水平線や海面の下、何やら騒がしい浜辺の方を眺めながら、誰にも邪魔されない至福のひとときが過ぎてゆく。
    「きりん、たぶん海、はじめてなの。すごいね、きれい……」
    「そっか。昔のこと、憶えてないんだっけ……。でも思い出を作るのは、今からでも遅くないと思うよ」

     そろそろ、海にも入ろうか。
     どちらからともなくボートの縁に足をかけたその時……それは起こった。
     ばっしゃーん! という盛大な水しぶきとともに、バランスを崩したボートは勢いよく転覆する!
     音を聞きつけて、慌ててミナミが駆けつけてきた。

    ●閑話休題
     男は少女の求めに応じて遊んだ後、砂の中に埋められた。
     海の中では何かが、ものすごい速度で右から左へと泳ぎ抜けていった。

    ●ウィンドサーフィンだー!
    「くそっ……なんで上手くいかないんだ!」
     何十度目かの転覆の後、火水は悔しそうに水面を叩いた。その間にも、勢いよく風に乗って遠くへいってしまった陽和が、再び帆を操って戻ってくる。
    「なん……だと……? 風上に向かってくるだって!?」
    「ウィンドサーフィンは揚力を使うから、斜め四十五度くらいまでは風上に進めるのよん♪」
     愕然とする火水の背後から、ミナミの声が響く。見た目は武闘派、頭脳はまともなミナミを前に、淫魔の定義について悩み込む火水。
    (「まあ、その方が面白……熱い戦いができそうだけどな!」)

    「……にしても貴女、本当は初めてじゃないんじゃない? そのウェットスーツだって、オーダーメイドなんでしょ?」
     戻ってきた陽和にこっそりと問うミナミ。
    「そんな事ないですよぉ! 全て、先生のご指導の賜物ですから」
     誤魔化す陽和と凹む火水とを見比べてから、ミナミは妖艶に、可笑しそうに微笑む。
     陽和は、何かとんでもない勘違いをやらかされてる気がして、悪寒が走った。

    ●閑話休題
     別の男が、ビーチバレーに巻き込まれた。
     チームは、男二人VS女二人だった。
     男二人は、全力で勝つわけにはいかなかった。

    ●泳ぎだー!
     その頃ウルスラは水中を覗き込んでいる間、とある違和感に襲われていた。
    「せ、せんせー! これ何だか変なんですけどー!?」
     見れば彼女のマスクの中には水が溜まり、危うく溺れかけるところに!
    「これ……上下逆さまにつけてるわねぇ」
     慌てて泳いできたミナミは手早く装備品をチェックすると、抱きしめるような姿勢でマスクを外す。その際にウルスラの髪を撫でる、ミナミの指。
    「あ、あそこに何かいますよ!?」
     ミナミの唐突なスキンシップに耐え切れず、弾けるように泳ぎだすウルスラを、ミナミは生暖かく見守る……余裕はなかった。ウルスラの向かう先には、この先遊泳禁止を示すブイが……。
     ブイの直前で、ようやくウルスラを羽交い絞めにして止めたミナミは、その場でターンを決めると慌しく別の方向へと泳ぎ始める。

    「いやっほー!」
     肢体をしなやかに躍らせて、智優利は全身で海を満喫する。白い珊瑚礁、青い海! さんさんと照りつける太陽の下では、彼女を妨げるものは何もない! ……と思ったら。
    「ストーップ!」
     ミナミに怒られた。
    「この先は離岸流が強いから、気付くと沖へと流されちゃうのよ? ブイや、監視員さんの指示は守る。これは貴女のための約束事だから、忘れないでね☆」
     色っぽいウィンクを見せるミナミに、智優利もちろりと舌を出して応える。上手い具合にミナミを引き付けたし……そろそろかな?

    ●閑話休題
    「そろそろ……出ていいかな?」
     砂の中の男が、申し訳なさそうに訊いた。
    「行っちゃうんですか……?」
     見つめる夢乃を、男はこれ以上悲しませられなかった。

    ●灼滅だー!
    「先生、ごめんなさいっ!」
     言葉とは裏腹に手加減無用で、智優利がミナミを海中に叩き込んだのを皮切りに、辺りにサイキックが乱れ飛ぶ!
     立ち泳ぎしながら、踊るように召喚したサーフボードを振り回すミナミ。大振りの隙を突こうとすれば、今度は拳が飛んでくる!
     淫魔らしからぬ立ち回りに呆れる暇は、灼滅者たちにはない。風に乗り、ミナミの危機に集まってきた配下たちは、躊躇なくミナミの敵をボードで轢きにかかってくる!
    「お返しに、ガツってしてあげる」
     麒麟が杖に魔力を込めて殴り返すと、配下の一人が海中に没する。立て続けに襲ってきた別の配下は、セイルを無数の弾丸で一杯にして、制御を失って転倒した!
    「下手なPSY(サイ)でも数撃ちゃ当たる、ってね!」
     波で狙いのぶれるゴムボートの上から、司は数の暴力を頼りと弾丸を放ち続けた。

     遠くから、別の配下たちがやってくる。
     目の前を、猛烈に水泳トレーニング中の透流に横切られ、彼らはバランスを崩して海中に没する。

    「さぁ、みんなにはっぴーと元気をとどけるよ♪」
     大きな珊瑚のステージ上で、秋穂は踊って歌って皆を元気付ける。その可愛らしい声援を背に、火水は配下に立ち向かう。青い波間の火水の胸に、炎の印が燃え上がる!
    「こ、の……っ、させねぇってんだよ!」
     何も配下を、全て倒す必要はない。淫魔へと向かう仲間さえ、邪魔させなければ十分だ。
     秋穂の応援に報いるように、火水は目の前の相手を龍砕斧の柄で気絶させる。次の相手は……さあ、誰だ!

    「まだ、試合は終わっていませんよ」
     風花に釘を刺され、男はミナミの窮地を見守るしかなかった。
     男は落胆していたが、もう一人の男、静樹も落胆していた。
    (「っかしーな……折角この機会に、きゃっきゃうふふさせて貰おうと思ったのに」)
     幽花と一緒に遊ぶまでは、確かにできた。けれど風花は、しばらく幽花を離してくれそうになかった。

    「うおお何この硬さ、デェーッス!?」
     女淫魔が持つものとは思えない筋肉に拳を阻まれ、ウルスラが悲鳴を上げる。それを聞いても刑一は、不敵な笑みを失わない。
    「何もかもが硬いとは限りません。さあ、これでも食らうのです!」
     勢いよく迫る、の拳……じゃなくて何かを掴みたそうな形の手。
     それは果たして、確かに掴んだ。
     殴り返された。
     漢が一人、海の藻屑と化す。
     尊い犠牲のおかげで生まれた隙を突き、ウルスラが放った斬撃は、ミナミの背を大きく切り裂いていた。
    「ではそろそろ、さっきの指導の感想をお返ししましょう。……敬愛する姉が汚されているようで、不快です!」
     陽和の胸の内など、ミナミは知る由もない。けれどそれを、知らせる必要もない。
     陽和の瞳がすっと無表情へと変わった瞬間、一筋の光が閃いて……サイキックエナジーの粒に分解されたミナミの姿は、波間に溶けて消えていった。

    ●改めて……海だー!
    「まさか、このまますぐに帰るとか言わないよな?」
     火水の問いに、異議の声はない。折角の沖縄旅行、活用せずになるものか!
    「オキナワだよ? 海だよ? ……遊ぶしかないでゴザろう!」
    「……修学旅行、行ったんじゃなかったのか」
     ハイテンションでビーチボールを調達しに行くウルスラを、呆れて見送る火水。
    「だってまだまだ、泳ぎ足りないしね!」
     言うや否や、智優利も盛大な水しぶきを上げて海水に身を委ねた。驚いた魚たちが、慌てて智優利に道を譲る。
    「なら私も、本気を出して楽しんできますね!」
     ミナミの用意した初心者用ボードを返し、上級者用ボードを借りた陽和は、先ほどの倍以上の速度で水の上を滑ってゆく!
    「んー! 海って、きもちいいね♪」
     淫魔がどんな悪いことをしていたのかは、実はあんまりわかってないけど。近くまで寄ってきてくれる魚たちを見れば、自分はこの海の平和を守ったのだろう、と秋穂は思う。

     けれどまだ、彼女は知らない……海の平和を脅かす新たな存在が今、現れんとしていることを。

    ●カップル、撲滅だー!
    「リア充……爆発しろ……」
     海中より、『R』『B』と書かれた黒頭巾が浮上する……。その正体は、推して知るべし。

    「きりん、リア充じゃないと思うの」
    「多分、そんな事言っても通じないと思うよ……」
     麒麟の手を取り駆け出す司を、すかさず追いかける謎頭巾!

    「爆発しろー!」「キャー!」「やめろー!」
     淫魔の元配下たちの悲鳴を背景に、二人の決死の逃避行が今……始まる!

    作者:るう 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年6月25日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 9
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