ずっと一緒に、いてくれる?

    作者:若葉椰子

    ●穏やかな日常と華やかな喧騒のすぐそばで
     レンのまわりには、何もない。
     レンのまわりには、誰もいない。
     優しかったパパとママは、何度も「ごめんなさい」って言いながら、レンから離れていった。
     レンを引き取ったおじさんは、レンに色々ひどい事をしようとしたみたいで……だから、逃げてきたの。
     レンのまわりには、何もない。だから、手に入れないといけない。
     レンのまわりには、誰もいない。だから、探さないといけない。
     だから……
    「ねえ、お兄さん。少し、レンと遊びましょう?」
     レンは、自分で何もかも手に入れるって決めたの。
     生きていくために必要なものはもちろん、絶対に裏切らない、ずっとレンのそばに居てくれる人も。
     どんな事をしても、手に入れて見せるんだから。
     
    ●繰り返す戦いと青春のただなかで
    「未来予測で、淫魔に闇堕ちしそうな女の子を見つけたんだ」
     灼滅者達が集まっている事を確認した名木沢・観夜(小学生エクスブレイン・dn0143)が、何かを訴えるかのように真剣な表情で説明を始める。
     今回ターゲットとなる一般人の名は、椎木・恋(しいのき・れん)。学校に通っていれば小学五年生になるだろう、おしゃまでおませな女の子だ。
    「恋君はちょっと前にお父さんとお母さんに捨てられて、そのあともなんだかんだでひどい目にあいそうになったから、この街まで逃げ込んだんだ」
     地図を開いて市街地を指差す観夜。
    「でも、僕より年上とはいっても、まだ小学生なんだから普通は暮らしていけないよね。
     そこで、恋君はダークネスの力を使って、他の人に自分のお世話をさせようとしてるんだよ」
     闇堕ちする先が淫魔ならば、異性を魅了する事は容易いだろう。
     そして、彼女は誘惑した人を、絶対に裏切らない保護者として死ぬまで使役するつもりなのだ。
    「そんなこと、まちがってるよね。だからみんなには、それを止めて欲しいんだ」
     標的である恋は、目的地の街中で朝から男女問わず声をかけるらしい。
     彼女の目にかなう一般人が見つかる前にこちらから接触すれば、かなり友好的な態度で応じてくれるはずだ。
    「こっちから何かヘンなことをしないんなら、恋君から襲いかかってくることはないよ。
     だから、できるだけ長い時間恋君とあそんで、恋君の気持ちをほぐしてあげてほしいんだ。
     ダークネスの力がなくてもみんながいてくれるってわかれば、きっと助け出せるはずだから!」
     接触するのは簡単だが、人の多い街中で戦闘をするのは得策ではない。 まずは様子見や弱体化も狙い、彼女と遊んでやる事が必要だろう。
     だが相手は女の子、それもどうやら気まぐれでいたずら好きな様子。相手をするには相応の注意と心の準備が必要かもしれない。
     彼女に怪しまれずある程度仲良くなれば、彼女は我慢出来ずに力尽くで魅了しようとしてくるだろう。
     その際に人気のない場所へ移るので、灼滅するにしても助けだすにしても好機となる。
    「恋君はずっと裏切らない人なんていないって思ってるみたいだけど、そんなふうに人を見てるのってすっごく悲しいよね。
     でも、それでも誰かと一緒にいたいって思ってるってことは……もしかしたら、恋君は本当のところ、すっごいさびしがりやさんなのかもしれないよ」
     結局のところ、彼女は恋愛に限らず愛情に飢えているだけなのかもしれない。
     最後にそう締めくくり、観夜は灼滅達に後のことを任せた。


    参加者
    遊木月・瑪瑙(ストリキニーネ・d01468)
    リュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから・d04213)
    村山・一途(硝子罪躯・d04649)
    笙野・響(青闇薄刃・d05985)
    猪坂・仁恵(贖罪の羊・d10512)
    霧月・詩音(凍月・d13352)
    異叢・流人(白烏・d13451)
    螢揺・詠祈(桜祈想・d15122)

    ■リプレイ

    ●人と人が交錯する街のかたすみで
     所々に百貨店が立ち並び、その隙間を埋めるように小さい専門店が立ち並ぶ市街地。
     どこにでもあるような景色と大勢の人でごった返す雑踏の中、その少女は人を観察するように歩いていた。
    「誰か、探してるのかな?」
     少女にまず声をかけたのは、灼滅者だった。片手にドリンクを持ちながら、笙野・響(青闇薄刃・d05985)は初対面であるはずの少女にも物怖じせずに接触を果たす。
    「……そうね、探してるって言えば、探してるのかもしれないわ。
     失礼だけれど、お姉さん『たち』は誰なのかしら?」
     突然のコンタクトに驚く少女……椎木恋だったが、響とその周囲を見て、即座に状況を察したようだ。
    「ふむ、これは失礼。俺の名は異叢流人だ。初めまして、だな」
    「あ、そうだよね、いきなりごめんね。私はリュシール、はじめまして」
     誰何にすぐさま自己紹介をしたのは、異叢・流人(白烏・d13451)とリュシール・オーギュスト(お姉ちゃんだから・d04213)。他の灼滅者達も、それに続くよう簡潔に挨拶を交わす。
    「椎木恋、レンでいいわ。さ、ご用件を聞きましょうか。
     律儀に自己紹介だけして終わりでも、それはそれで面白いけれど」
    「皆で話してたんだよ、一緒に遊ばない? って。もちろん、良ければだけど」
    「もともと八人の大所帯になってんですから今更一人ぐらい増えたって変わんねーですよ。一緒にどうですかねっつってもにえ達のやる事なんざ買い物しかねーですが!」
     冗談とも本気ともつかない恋の態度を気にする事もなく、続けざまに村山・一途(硝子罪躯・d04649)と猪坂・仁恵(贖罪の羊・d10512)がお誘いを切り出した。
     恋がそれぞれの灼滅者達を順繰りに見ていくが、明確な拒絶を示す人は勿論いない。
    「来るのなら、拒まない。混ざりたいならどうぞ?」
    「……私達なら大丈夫です。大人数が苦手なら、誰かを下がらせても構いません」
     最初から素の表情をさらけ出している遊木月・瑪瑙(ストリキニーネ・d01468)と、無表情のうちにもどことなく居心地の悪さを感じていた霧月・詩音(凍月・d13352)も、おおむね肯定的に応じている。
    「……そう、もしかしたら、お兄さんやお姉さん達が、レンの探しものを見つけてくれるかもしれないわね。
     いいわ、みんなで行きましょう。その方がお互い都合もいいでしょう?」
     まるで全てを見透かしているかのような恋の言動だが、確かに全員で行動した方が分散せずに済むぶん都合が良い。
     灼滅者達に拒む道理など無いだろう。
    「じゃあ、恋ちゃんも入れて九人でお買い物ですね。ふふー、みんなお友達なのですよー♪」
     そして、終始ほわほわした雰囲気の螢揺・詠祈(桜祈想・d15122)は、純粋に恋と一緒に行動出来る事を喜んでいた。
     それこそ、何の打算もなく、心の底から。

    ●陽光の下で行われる人々にとって当然の営みのさなかで
     合計九人という大所帯ともなれば、買い物という至極日常的な行動でも様々な事が起こりうる。
    「こうしてウィンドウショッピングしてるだけでも、楽しいねっ♪ ……あ、これなんか似合いそうね?」
     服飾店の立ち並ぶ一角では、響と恋がお互いのコーディネートについて白熱した議論を交わしている。
    「そうね……シンプルなのは良いけれど、女の子ならもっと飾り立ててもいいのよ?」
     日常で使う服はもとより、和装やドレス等も目についたものから次々に意見が飛び出していた。
     そして、小さな服飾店の群れから大通りに出た時、ふと家電量販店の店頭で恋の足が止まる。
    「パソコンと、小さなダンスロボットか。こういうのに興味があるのか?」
    「あら、可愛い。弟に見せたら喜びそうね」
     流人とリュシールが恋の視線を追えば、ノートブックPCで行動を制御している小さなロボットが、ぎこちない動きでダンスのデモンストレーションを行なっている。
    「……そうね。こういうのが進化すれば、そのうち何でも言う事を聞いてくれるパートナーになりそうじゃない」
     思わぬところで本音を出す恋に、二人とも一瞬だけ言葉に詰まる。
    「……なんてね。そんなの、いつになるか分からないじゃない。レンはただこのヘンな動きが気に入っただけよ」
     人をからかう事に成功した笑みを浮かべ、恋は多少の優越感を感じさせる口調で言い放った。
    「なんだ、急にからかうなよ。あんまりにも真剣だったから信じかけたじゃないか」
    「さっきの言葉、すごく真に迫っていたわ。そのまま演劇でも出来そうなくらいよ」
     場の緊張感が一気に霧散し、流人とリュシールも安心した顔だ。
     時折入るこうした悪戯も、灼滅者達にとっては慣れたもの。あまり害のないものが多く、灼滅者達は笑って受け流していた。
     しかし。
    「あれ、恋の姿が見えないな」
     瑪瑙の発言で、全員が血相を変え周囲を見渡す。
    「あら、揃って何を探しているの? ここからの眺めなら見付けやすいんじゃないかしら」
     頭上からかかる恋の声。彼女はこっそり、老朽化した物見櫓へ登っていたのだ。
    「そこは危険です、すぐに降りてください」
     抑揚こそあまりないが、確かな怒気をはらんだ詩音の声。これには恋も渋々ながら応じるしかない。
    「立入禁止の札があったでしょう。あの高さから落ちれば、あなたも下にいる人も無事では済まされません。
     くれぐれも、危険な真似は慎みなさい」
    「……分かったわ」
     反省の姿勢は見せる恋。一度叱る程度で態度が根本から変わる事はないが、これによってほんの少しでも恋の心が動いたのは確かだ。
    「誰かに甘えたいんならさ、素直に構って欲しいって言えばいいんじゃないの?」
     そこに瑪瑙が真正面から恋を見据え、挑発的に笑いながらそんな事を言ってのける。
    「生憎と、レディは自分の本心をたやすく口にしないものなの。
     ちょっとした仕草から考えを汲み取ってあげるのが、紳士の努めじゃないかしら?」
     すっかり調子の戻った恋は、そんな言葉にも悪戯っぽく返してみせた。こうしたやりとりも、お互いが飾らない態度でいられる貴重なコミュニケーションではないだろうか。
     そんなやりとりを交わしつつ、灼滅者達の買い物は続く。
    「お買い物なら皆でクレープを喰らうのですよ!
     この行動をするだけで女子力ってミステリアスなパラメーターが急上昇とそこらに落ちてた雑誌に書いてありやがりました!」
     仁恵の主張はともかくとして、出かけるにあたり、食事も重要なファクターだ。
     近くの屋台で買ったものを食べながら歩いていれば、それだけでも日常の幸福に触れられるだろう。
    「残念ながら、今のレンには手持ちがないの。惜しいけれど、レン以外で食べるといいわ」
    「ふっふー、そんな事もあろうかと、うたは飴ちゃんを用意していたのです♪」
     鞄からドヤ顔で飴玉を取り出す詠祈。
     しかしすぐに飴玉では腹持ちが悪いと判断し、すぐに虎の子のどら焼きまで差し出した事も、微笑ましいエピソードとして追記すべきだろう。
    「つらい時になにかを分け合うのも、お友達のやることなのです。
     助けた方も助けられた方も、気分がいいのですよ?」
     取り出したお菓子を恋の手に握らせて、詠祈は良いことをしたとご満悦だ。受け取った恋も、曖昧な表情をしたものの拒絶する事はなかった。
    「それならにえは分け合う友情と奪い合う友情の両方提示するしかねーですね!
     さあ、クレープを半分こして一緒に食べるか、デュエルで一個まるまるのクレープを奪い合うか選びやがれですよ!」
    「あら、レンに戦いを挑むの? 面白いじゃない、受けて立つわ」
     クレープ一個を賭けた、真剣勝負のジャンケン。高度な読み合いで数十回のあいこを繰り返した末の勝者は、敢えてここでは語るまい。
    「わたしも手持ちはないけれど……アイスくらいならまあ、いいか。
     ほら、こういう時は大人しく受け取るのが礼儀だよ」
     氷菓を奢る一途の態度は、首尾一貫してあまり積極性のあるものではなかった。
     しかし、他の灼滅者と同じぐらい気にかけているからこそ、必要以上の干渉をしないようにという気遣いが感じられる。
    「持たざる者から巻き上げるなんて、レンの本意じゃないけれど……好意なら、受け取らないわけにはいかないわね」
     恋もそれを察しているのか、複雑な表情を飲み込んで、差し出されたアイスを受け取った。
     そして、日がだいぶ傾いてきた頃。
    「そろそろ、恋のとっておきの場所へ連れていってあげるわ。しっかり付いて来るのよ?」
     その言葉を聞いた灼滅者達は決断の時を予感し、全員が改めて各々の決意を固める。

    ●光と闇が交わるこのときに
     そこは、夕日のよく見える場所だった。
     どこか人を拒むような趣のあるその場所は、おそらく恋がここへ逃げ込んだ時、偶然見つけたものだろう。
    「それにしても、不思議な人達よね、あなた達は。下心なくレンに近づく人なんて、パパとママ以外初めてよ。
     ……でも、だからこそ、強引にでも手に入れたくなっちゃった」
     プラムブルーに染まる空を背に、恋は最後に仕上げといった様子で、妖しげに微笑みながら大鎌を取り出す。
    「……そう。私達を力尽くで手に入れて、共に笑う事も間違いを叱りつける事もない操り人形にするのですね。
     でもそれが、あなたの求めている愛情ですか?」
     全員に目配せして陣形を整えつつ、詩音が静かに問いかける。
    「いつかなくなる愛情なんて、レンはいらないわ。どうせ人なんて、すぐに離れていっちゃうんだもの」
    「そうやって、愛された記憶まで否定するの?
     そうして心を閉ざせば、今度こそパパとママの思い出までなくなっちゃうわ」
     自らも両親と望まぬ別れを強いられたリュシールが、時折えずきつつも静かに己の凄惨な過去を語る。
    「わがままを言って困らせた事も、嫌いな物を食べるよう言われた事もあったはずよ。その思い出までいらないなんて、言わせない!」
    「過去を覚えてたって、現在は変わらないじゃない! レンはもう、こうするしかないんだから!」
     悲痛な叫びと共に、恋の大鎌が振るわれる。
     並の人間ならば決着のつく一撃。しかし、彼女の相手は灼滅者だった。
    「俺の義父さんもな、既に亡くなっているが……『辛いもんを吐ける場があんなら、全て吐き出せ』とよく言っていた。
     今まで溜め込んでた分、傷ついているだろう。俺が全て受け止めてやる」
     その言葉通り、流人は真正面から恋の凶器を受ける。それで少しでも救われる目があるならばという覚悟のもとに。
    「人を信じるのが、怖くなってしまったのよね?
     でも、あなたが信じれば、きっとずっと一緒にいてくれる人も見つかるはず。もういちど、信じる勇気を持ってほしいな」
    「うん。怖くても、裏切られるかもしれなくても……それでも、向き合うしかないんだ。
     がんばろう、私たちが助けになるから」
    「ええと、うたはずっとひとりでしたから、家族の事はよく分かんないのです。
     でも、うたは恋ちゃんとお友達になりたいのですよ?
     へんな事をしなくたって、あったかな心はちゃんと通じるはずなのです」
     受け止めたのなら、次は手を差し伸べる番だ。
     響、一途、そして詠祈。恋の猛攻を受けてなお、灼滅者達は友好的な態度を崩す事はない。
    「ねえ、子供って、いつも理不尽な目に遭うよね。
     いつだって大人の都合に振り回されて、そのくせ自分の声は何も届かなくて。 でも、ご覧の通り……そんな子を放っておけないって思うお人好しも、沢山いるんだよ」
     沢山いるお人好しの一角である他の灼滅者を瑪瑙が見渡せば、恋もつられてその視線を追う。
     瑪瑙を入れて、総勢八人。その全員が、恋を助けたいという思いを、それぞれの形で確かに持っていた。
    「たった一人でここまで逃げてきたんでしょう? よく頑張りましたね。何かを手に入れるために自分から動ける子は、偉いですよ。
     でも、もう逃げなくて大丈夫。これからは、君の安寧を探せば良いのです」
     そして最後に、仁恵が不思議なほど穏やかな口調でそう宣言しつつ、万感の思いを込めて巨大化させた腕を振るった。
     願わくば、少女が救われますように。

    ●全てを見守る夜天のしたで
    「……そろそろ、目が覚める頃ですね」
     戦闘よりしばらく後。詩音の言葉に反応するように、恋の瞼が僅かに動いた。
    「レンは、負けたのね」
    「さあ、それはどうかな。少なくとも、昼間の買い物をまた出来そうな程度には、お互い負けてないと思うよ」
     あの時は楽しかった? と確認する瑪瑙。確かにどちらが敗れていようと、あの日常を恋がもう一度味わう事はなかっただろう。
     そこまで理解した恋は、それでも素直に認める事を恥ずかしがるように、小さく首肯した。
    「私達ね、悔しいけれどまだまだ子供なのよ。……それでも、私やあなたが泣いた時に怒鳴り散らす人ばかりじゃないわ。
     少なくとも、ここにいる皆はそんな事しないもの」
     確信を持ったリュシールの言葉には、恋も暫く考えて「そうね」と同意している。
    「ねえ、幸せになりたい?
     いつだってずっと守ってあげるなんて事は言えないけれど、一生懸命になってる子のためなら、出来る限りの事はしてあげたいって思うよ」
    「もしよければ、武蔵坂学園に来てみない? あなたに信じてもらえるのなら、わたしたちは一緒にいられるから」
    「それは良い考えなのです。お友達と一緒の学校に行けるのは、きっととっても嬉しいことだと思うのですよ。
     そうすればうた、頼れる先輩のお姉ちゃんになれるのです」
     一途の協力、響の勧誘、そして詠祈の希望にも、恋は好意的だ。
     ふっきれたような顔で「……それも悪くないわね」と返せるのなら、今後の余分な心配も不要だろう。
    「そうだ、全員そこで手を出しやがると良いのですよ」
     アリアドネの糸を使い、ぐるっと回って恋も巻き込んだ灼滅者全てにその糸をつなげていく。
    「……何をしているの?」
    「今、仲間にしか見えない糸を全員に巻きつけたんですよ。
     もちろん、君にもちゃんと付いてやがります。君が望むのなら、一緒に行きましょう」
     少し気取った様子で、得意げに語る仁恵。
    「ええ、それじゃあ案内していただけるかしら?」
     それにつられ、恋も大仰な仕草で応じた。
     自分以外の寄る辺に気付けた彼女なら、この先に何があっても、かけがえのない仲間とともに乗り越えてくれるだろう。
    (義父さん。俺はあの子を救えたよ。これで少しは義父さんに近づけたかな)
     心の中で亡き義父へと問いかけながら、流人はふと空を見上げる。
     そこでは、幾億の星たちが小さな救出劇を祝福するかのように、静かに瞬いていた。

    作者:若葉椰子 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年7月6日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 1/素敵だった 13/キャラが大事にされていた 1
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