●それはガラスのように、脆く壊れる
ゆらり、ぐらぐら。心地よい音を立てて世界が歪む。
舞踏会が幕を閉じ、物語はもうすぐフィナーレ。
十二時の鐘が鳴って、ドレスも馬車もガラスの靴も消えてしまったの。
――然れど、もう片方のガラスの靴は『彼』が抱いてくれている。
今度はまた彼が、私に魔法をかける番。日常で出逢った時のように、再び結ばれるのよ。
ほら、馬車の音が聞こえる。扉を開いて、私を迎えにきてくれるわ。
「失礼する。このガラスの靴にピッタリと合う女性は何処に――!」
「私が居るわ、王子様。他の誰でもない、私だけ」
台詞も何もない、ただそこにいるだけの継母と義姉たちを押しのけて、私は堂々と言い放つ。
そしたら王子様は、優しい眼差しで私を見つめてこう言うの。
「ああ、お嬢さん。それではここへ、おみ足を……」
差し出されたのは、小さなガラスの靴。それはハッピーエンドを迎える為の、小さな幸せの鍵。
王子様へ微笑み返して、私は自らの足をガラスの靴に滑らせる。
ぐらり、がらがら。歪みよりも激しく、全てが壊れる音がした。
●それはガラスのように、儚く美しい
「シャドウに堕ちかけている、一人の少女を発見しました。
灼滅者としての素質があるならば、救出をお願いします。……難しい場合は、今後の被害が及ばぬよう灼滅を」
集結した灼滅者たちを前に、五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)は単刀直入にそう切り出した。
その少女の名は灰神楽・硝子(はいかぐら・しょうこ)。
昨日までごく平凡な生活を送っていた、中学3年の娘である。
「本来は引っ込み思案で、クラスでも特に目立たない存在だったみたいですね。
ですが最近、ある少年と恋に落ちたようなんです」
少年の名前は清司(せいじ)。硝子と同年齢であり、同じクラスに在籍しているという。
特に目立つ娘でもなかった硝子と如何にして結ばれたのか。
姫子の様子を見るに、それは今回の問題点ではなさそうだ。何かしらきっかけがあったのだろう。
――つまり、その『後』が闇堕ちの原因になったのか。
その場にいた灼滅者の一人が姫子に問うと、彼女は苦笑しながらも頷いた。
「一人の女性を愛する、という行為はまだ清司さんにとって重すぎたのでしょう。
ハッキリとした別れすら硝子さんに告げず、うやむやな状態のまま彼は離れてしまった。
……けれど、硝子さんの方は未だ清司さんを愛している。どれだけ身勝手な男性であろうと。
Love is blind――恋は盲目、という言葉はあまりにも有名ですね。まさに、その通りの状況なのです」
軽く溜め息を吐いたのち、姫子は書類を開きながらさらに説明を続けた。
「現在の硝子さんは、誰からも秘密にし続けていた『シンデレラ・ストーリーへの憧れ』を露わにしています。
幸せに満ちた笑顔で、綺麗なドレスでその身を着飾って。
大好きな物語になぞらえて、清司さんを夢の中で支配しているのです」
そして、シンデレラの象徴たる『ガラスの靴』は彼女の得物。何処までも澄み渡って光り輝く剣を携えている。
ストーリーの結末を阻む者が現れたならば、容赦なく刃を向けるだろう。
「皆さんが清司さんの夢の中へとアクセスしたとき、物語はもう終盤です。硝子さんへの説得方法は一任します。
『シンデレラ』という物語への共感や、彼女の気持ちを汲んだ話ならば耳を傾けてくれるかもしれません」
どうかお願いします、と姫子は灼滅者たちに頭を下げた。
そして心に願う。捻じ曲がった物語の曲線を正して、ハッピーエンドへ導けるようにと――。
参加者 | |
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アシュ・ウィズダムボール(潜撃の魔弾・d01681) |
埜々下・千結(八杯抱えし空見人・d02251) |
玖渚・鷲介(炎空拳士・d02558) |
姫宮・杠葉(月影の星想曲・d02707) |
轟磨・煉糸(吟遊糸人・d13483) |
綾河・唯水流(雹嵐の檻・d17780) |
夜色・小路(眠らず森の幽霊・d17862) |
由島・千那(おはなしのとうじょうじんぶつ・d17968) |
●脆くとけゆく、夢のなか
細い指先が、悪夢にうなされる少年へと触れる寸前。
埜々下・千結(八杯抱えし空見人・d02251)の顔が青ざめ、身体が震えた。
ナノナノの『なっちゃん』が、心配そうな様子で大切な友を見守っている。
あの過去の過ち以来、初めてこの力を行使するのだ。
心臓が叫ぶ。また、ソウルボードを破壊してしまうのではないか、と。
然れど、この手はもう壊すのではなく、『彼女』を救う為に伸ばすもの。
決意を胸に、千結は一歩を踏み出した。
「……みなさん、行きましょう。お二人を救いに」
仲間達へそう告げたのち、ソウルアクセスが発動された。フッと視界が闇に包まれ、暗転する。
(清司さんの夢の中……。ちょっと緊張します、けれど……!)
精神世界へと侵入するさなか、綾河・唯水流(雹嵐の檻・d17780)がグッと小さく拳を握った。
闇堕ちの救出に携わるのは3度目ではあるものの、誰かの夢の中へと潜り込むのは今宵が初めてなのだ。
この夢の主は今もなお、独占欲に溺れる『灰被り姫』に支配されている。
――終わらせなきゃ、こんな悲しい夢は。改めて意識し、中性的で愛らしい唯水流の顔が毅然と引き締まる。
徐々に暗闇が薄れていく。目の前に広がったのは、シンデレラが暮らすお屋敷の中。
そこには既に、舞台役者のように佇む五人の影があった。
王子様と継母と義姉二人は、黙ってヒロインたる少女の見せ場を見守っている。
そしてシンデレラに扮する娘は、静かにガラスの靴へと、自らの足を――。
「そこまでだ、硝子さん。シンデレラは継母や義姉を押しのけて靴を履いたりしないよ」
それを制したのは、アシュ・ウィズダムボール(潜撃の魔弾・d01681)。彼の声が、響き渡った。
唐突な乱入者に驚いたのか。ビクリと肩を震わせたのち、シンデレラ――灰神楽・硝子は振り返る。
「……どなたかしら? せっかく王子様が私の元へやってきてくれて、良いところだったのに」
クライマックスを邪魔され、さぞご不満なのだろう。硝子の声音はヤケに荒々しかった。
そんな彼女の様子とは相反し、落ち着いた立ち振る舞いで姫宮・杠葉(月影の星想曲・d02707)が前へ出る。
「そうだね。相手に本当の愛があれば、自分の傍に愛しい人から来てくれるのは嬉しい事。
でも此処は、覚めて終わる儚き夢幻。現実の素敵な王子を見つけ出すつもりはないのかな」
齢10とは思えない程に大人びた杠葉の警告は、確かに硝子の耳に届いた、が。
「……夢幻? 現実?」
ああ、どうやら逃げているのだろう。自分が愛する人の夢を掌握し、都合の良いように操っている事実から。
硝子と灼滅者たちが対峙している間、清司は立ったままピクリとも動かない。
(私もいつか恋を知ったら、硝子さんのように好きな人を閉じ込めてしまうのかな……)
由島・千那(おはなしのとうじょうじんぶつ・d17968)が、マネキンのような王子様に視線を送る。
普段の表情の乏しさ故に誰にも悟られなかったが、彼女は少し怯えていた。結末が分かりきってしまうからこそ、彼女の想いが恐ろしい。
そして一瞬、清司を見やった硝子であったが、すぐにかぶりを振って言い返す。
「夢か、現実かなんて関係ないわ。この世界なら、私も清司くんも幸せでいられる。
私が望めば、清司くんはいつだって微笑んでくれるもの」
(『私が望めば』か……。無理矢理に得るものじゃないよな、そういうのって)
その言葉を聴いて、玖渚・鷲介(炎空拳士・d02558)が彼女の強引さに違和感を覚えた。
鷲介にとって、繊細な女の子の心はよく分からない――けれど。
こんな理不尽な形で振り向かせようとするのは間違っている。それはハッキリと主張できるのだ。
「ねえ……硝子さん。これが本当にあなたの望んだ幸せな結末なの? まやかしだけで満足なの?」
物静かな声色で、夜色・小路(眠らず森の幽霊・d17862)が疑問を投げかけた。
夢という『まやかし』に囚われなくとも、現実へ帰れば本当に愛してくれる人が現れる。
――そんな未来が、彼女に訪れるかもしれないというのに。このまま永遠に、シンデレラごっこを続けて良いのか。
「ああ、もう、お黙りなさい! もう沢山だわ。役柄もないあなた達なんて、お呼びでないのよ」
突如、激昂する硝子。核心に迫る説得の数々から逃れようとしているのだろう。
いつの間にかガラスの靴は、光り輝く剣へと姿を変えていた。
脇役の三人も各々武器を持ち、硝子の配下となりて前へ前へと躍り出る。
「まぁ……戦うしかねーよな。けど、すぐに救ってやるからよ」
ニヤリ、不敵な笑みを浮かべる轟磨・煉糸(吟遊糸人・d13483)。
嘗て名のあるひと振りの宝刀であった鞭剣を担ぎ、獲物を見定める蜘蛛の如く、その眼を爛々と輝かせた。
●夢にはびこる、闇を射よ
「ざんねん、このままではアンハッピーエンドよ」
淡々とした小路の宣告。ペリドットの双眸が光を湛え、能力が冴え渡ってゆく。
配下たちが動き出したのを合図として、戦闘態勢に移る灼滅者たち。
まず7人が手っ取り早く前衛の三人を片付け、後衛の硝子へは残る1人が向かい、抑え役とする戦法であった。
咆哮のような銃声が轟き、闇色の弾丸が継母を射抜く。
「継母や義姉も靴を履くチャンスはあっただろ? それに王子は自ら探し当てたんだ」
ダークハートをかまえ直しながら、アシュは硝子へそう語りかける。
本当の『シンデレラ』では、意地悪な継母たちは王子様を手に入れるべくガラスの靴を履こうと目論んでいるのだ。
しかし、この夢の世界の物語ではそんな描写がない。
この矛盾は、自分自身だけを見て欲しいという硝子の気持ちの表れなのか。
一方、硝子の元へと向かおうと動いた千結だったが――、前衛の三人がさせるものかと言わんばかりに行く手を阻んでいた。
後衛に属する硝子へは、この場所からだと近距離攻撃は届かない。
ならばせめて、と。影の触手で継母を捕らえて拘束したのち、息を大きく吸い込んだ。
「聞いてください、硝子さん! 大切な人と一緒にいたい、愛して欲しい……そう思うのは当然すよね。
でも――、夢は長くは続きません。いつかは、あっけなく壊れてしまうんすよ」
「このままずっと此処にいたら……王子様……ううん、清司さんは、こわれてしまうの。
ガラスの靴よりも、あっさりと」
千結に次いで、説得を始めた千那。
表情はあまり変わらぬままであれど、彼女の語り口は他の仲間たちと同様にハッキリとしたものであった。
愛する人が壊れる姿、それを想像してしまったのだろう。硝子の顔が辛そうに歪む。
その時、継母が武器の杖を振るい、鷲介へと襲い掛かってきた。
放たれた爆発による衝撃が全身を蝕む。拳士たる少年はそれに耐え、得物を握るその手に力を込めた。
「力で無理に振り向かせようなんてのは……そんなのはアンタの好きなシンデレラのする事じゃねえだろ!」
言葉が届くよう、精一杯に声を振り絞って。
鷲介のその叫びのように、澱みのない蒼炎が鉄鎚に宿る。
横薙ぎ、一閃。鮮やかな軌跡を描きながら、地を砕くと評される『天墜』の名に相応しき反撃が振り落とされた。
「何を言うの……寄ってたかって! 待ち続けても叶わないから、想いを実らせる為に舞台を用意したのに!」
シンデレラという題目の舞台装置――その要であるガラスの『剣』から、光が迸る。
発射された光線は唯水流に向けられたが、彼は硝子の攻撃を敢えて被った。
やり場を求めて泣き叫ぶ彼女の心を、受け止められるように。
「くっ……あなた方はこちらです!」
フードの裾を翻し、前衛を担う三人へと疾走する。
天駆ける龍の如き突撃は、継母と義姉の一人をよろめかせるに至った。
「……捉えた!」
その隙を見やり、煉糸が指を鳴らす。影業が広がり、ふらつく継母を飲み込んで侵食していく。
悪夢の産物である操り人形はどんなトラウマを目にしたのか。
「奏でるは縛糸、刻むは封縛が檻……彼の存在を隔離し縛り断て」
複雑に泳ぐ指先に合わせ、鋼の糸がキリキリと宙に踊る。
杠葉は呪文めいた言の葉を乗せて、目にも止まらぬスピードで継母を絡め取った。
トドメにと一気に糸を引っ張った瞬間、弾けるように身体が霧散する。
「脇役がいてこそ、主役が映えるものだけれど」
だめね、台詞もないモブでは賑やかしにもならないわ。
そう目を伏せて、子守唄を歌うような――然れど何処か冷たい囁きを、小路が紡いで。
残る二人の義姉たちへと、銃口を向ける。
●闇の抜けて、その先へ
屋敷での舞踏こそが、もうすぐフィナーレを迎えようとしていた。
そっとフードを引き下げる唯水流。崩れ落ちる最後の義姉たちへ唯水流は同情の念を感じたのだ。
本来ならば、シンデレラのいいなりになるような役どころではなかったはずなのに、と。
「別に、かまわないわ。お母様も、お姉様も、すぐに退場する予定だったのだから」
配下が倒されたというのに、全く動じない様子で硝子は言う。
「継母や姉を押し退けて、自己主張をするようなシンデレラが君の理想なの?」
「シンデレラはハッピーエンドと相場が決まっているのよ。誰にも王子様を奪わせはしないわ!」
硝子の方へと向き直り、説得を再び始める唯水流。
しかし当の硝子は怒りに身を任せ、身勝手な事を口走っては影を宿したガラスの剣で、対峙する千結を斬りつけた。
「ッ……! どうか思い留まって欲しいっす、貴女の為にも。自分みたいに、大切な人を壊してしまわないように――」
千結の脳裏に浮かんだのは、綺麗なあの金髪と碧眼――親代わりであった女性の色褪せぬ面影。
特別な存在だった。共に過ごす日々が永遠のものであれと、そう願うほどに。
大切な人が――王子様が、いない。硝子にとって、それはとても嫌なことだろう。
それでも果たしてこれが、シンデレラのあるべき姿なのか? その答えは灼滅者たちの中で、既に定められていた。
「彼女は……シンデレラはでしゃばることも無く、いつも努力してた」
そう語る、アシュの声音は穏やかなものだった。そして思い返す。硝子だけでなく、彼自身も愛するシンデレラの物語を。
煌びやかなお姫様へと変わる為の魔法など、ちょっとしたきっかけに過ぎないのだ。
すべてはヒロインたる、シンデレラの心次第。
努力……アシュの言葉が、硝子の頭の中で反芻される。だがその束の間、好機と見て果敢に飛び込んだのは鷲介。
「だから少ないチャンスをものにして、幸せを掴んだんだと思うんだけどな。今のこの状況は、別にチャンスでもなんでもない」
彼の両の掌に炎が灯り、己が魂をあらわすかのように激しく燃え盛る。
硝子の懐へと、熾烈なオーラを帯びた拳で幾度ものラッシュを叩き込んだ。
今もなお色んな人々に認知されているシンデレラは、愛する王子様を束縛することなど決してしないのだ。
――気づかせてやらなくては。
都合の良い夢に逃げて、現実を認められなくてダダを捏ねていることに。
「そんな努力家のシンデレラだからこそ輝いていた……それと比べて硝子、てめぇはどうだ?」
吠丸を伸ばし、硝子に巻き付かせる煉糸。まとわりついた刃はジワリ、ジワリと娘を蝕んでいく。
煉糸の発した言葉は厳しいものであったが、彼女の自己中心的な思考を砕くには充分な力があった。
その鋭い眼差しで射るように硝子へ向き合い、再度、口を開く。
「――よく考えろ、まだやり直せるはずだ」
ゆらり、蓄積されて限界に近い身体が揺らいだ。
痛みをこらえながら、硝子が頭を抱える。
判断が追いつかないのだろう。すがっていた幻想が、彼女の中で今も粉々に崩れているのだ。
「じゃあ、どうすれば良いって言うの!? 私はシンデレラじゃないというのなら、これから……!」
「思い出して、シンデレラの物語を。あの一夜まではとても悲しいことの連続だったでしょう?」
魔の矢を放ち、小路は童話の語り手のように正しい思考の世界へと硝子を導く。
シャドウではない、大人しくて引っ込み思案で、一人の男の子を純粋に愛していた灰神楽・硝子へと語りかけているのだ。
「君は大人しい存在かもしれないけど、きっと君の良さに気づいて、好きになってくれる男性が必ず現れるはずだよ」
先ほど彼女が放ったサイキックと合わせ、アシュは対抗するようにダークハートへ影を宿す。
銃身から伸びるナイフの切っ先が硝子の――否、悪しき『シャドウ』の心臓を貫いた。
「私……も、シンデレラ、に……?」
いつの間にか溢れていた、瞳から涙が滴り落ちる。
ここで初めて灼滅者たちは、本来の灰神楽・硝子に出逢えたような気がした。
「――君もよく似ているよ、シンデレラに」
●その階段を昇って
清司の精神世界から抜け出し、そっと彼の自室を後にした灼滅者たち。
彼らの傍には勿論、この手で救った灰神楽・硝子がいる。
夢ではワガママで口が減らなかったはずなのに、あれから清司宅から離れるまでちゃんとした言葉を発していない。
そして、真夜中の街へとたどり着いた時――やっとのことで恩人である灼滅者たちに話しかけた。
「あの……ごめんなさいね! 私、清司さんにも皆さんにも、ひどいことを……」
「や、気にすんじゃねぇよ。ああいう形じゃなく、ちゃんとシンデレラのように輝ける女になればいいさ」
それにまず答えたのは煉糸であった。応援してるぜ、と満面の笑みで彼女を励ます。
いつか硝子にも、すべてを受け入れてくれる男が必ず訪れると彼は信じていた。
その為にも、これからの硝子の生活が――と、考えていたところで思い出す。
そういえば硝子には、灼滅者足りうる能力があったことに。
「現実は辛いかもしれないけど、私達と覚めない物語を紡いでみよう。……きっと、貴女の王子も待っている」
それは、次の未来への道筋を指し示す誘い。杠葉のその言葉に、硝子は希望を見出しながら考え込む。
自分と同じ、異能を操る少年少女が集う学び舎。――それが、自分の新たな物語の舞台になるというのなら。行ってみたいと強く感じていた。
「硝子さん……私もね、『シンデレラ』が大好きなの。
辛い目に遭っていた女の子が幸せになる、とっても素敵なお話」
優しい夢を見た後のような、ほっこりと幸せな気持ちに耽って千那が打ち明ける。
勿論、夢見がちな娘である硝子も同じ想いであった。今宵は過ちに踏み込んでしまったものの、憧れはいつまでも変わらない。
――どうか彼女がこれから描く曲線のその先が、ハッピーエンドの結末へと辿り着けるように。
作者:貴志まほろば |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年7月10日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 7/キャラが大事にされていた 12
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