シロは修行しに行くッス!

    作者:相原あきと

    「あのあの、富士急ハイランドはどっちッスか?」
     とある住宅街で呼び止められた五十過ぎの女性が思わず視線を低くして、小学校低学年ぐらいの少年に答える。
    「ボク、富士急は遠いわよ? お母さんはどこいったの?」
    「あのあの、そんなものはいないッス! でもシロは修行のために富士急ハイランドに行きたいッス!」
     少年からはひたむきオーラがビシバシだった。
     服装は少し汚れた空手着を着て白い帯を結んでいる。
     もしかしたら富士急に行きたくて1人でここまできてしまったのだろうか……。
    「あのねボク、富士急はずっとあっちの方だし、電車かバスに乗らないと無理だから、ちゃんとお母さんにお願いしなきゃ」
     ニコリと笑う女性。
     だが道着姿の少年は女性の前半のセリフだけ聞いてすでに走り出していた。
     凄い早さで去っていく少年に狐に摘まれたかのように女性がぽかんと置き去りになる。
     業大老門下生の少年アンブレイカブル・シロは、富士急ハイランドがどこか微妙にわかってなかったが、人間にすら道を聞く素直さで少しずつ目的地へと近づいていくのだった。

    「みんな、アンブレイカブルが富士急ハイランドを目指しているみたいなの!」
     集まった灼滅者達に鈴懸・珠希(中学生エクスブレイン・dn0064)がそう宣言する。
     ご当地選手権が関係あるかは不明なのだが、どうやら富士急ハイランドに不安定なブレイズゲートが発生したらしい……。しかも、アンブレイカブルたちがそのブレイズゲートで修行しようと三々五々向かっているという。
    「純粋に修行がしたいだけみたいだけど、一般の観光客もいるし彼らが来ることで事故が起こるかもしれない……だから、みんなには彼らが富士急ハイランドに入る前に撃退して欲しいの」
     珠希はそう説明すると、次に接触可能なアンブレイカブルについて語る。
    「みんなに撃退してもらいたいのは、シロっていう名前の6~9歳ぐらいの少年アンブレイカブルよ」
     シロは少し汚れた空手着を着て白帯をしめているらしい。
     戦いになるとストリートファイターとバトルオーラに似たサイキックを使うが、防御は苦手で攻撃特化の戦い方をしてくる。
    「シロに接触するために、みんなには富士急ハイランド近くの住宅街にある、とある公園に向かってもらうわ。シロはそこで迷子になって困っているから、みんなが行けば勝手に近寄ってくると思う」
     珠希が言うにはその時間帯は人通りも無いため、シロは道が聞けずにオロオロしている最中とのことだ。一般人はやって来ないので戦う場合も好都合らしい。
    「シロはなんというか……けっこう素直よ。灼滅することもできるけど、うまく言いくるめれば灼滅せずに撤退させることもできると思う。ただ……」
     珠希はそこまで言うと少しだけ顔を曇らせる。
    「見た目は子供だけど、力はアンブレイカブルだから、シロ1人で灼滅者10人分の強さは余裕であるわ。戦うならそれ相応の覚悟はしていって! それじゃあ気をつけてね!」


    参加者
    巫・縁(アムネシアマインド・d00371)
    朝山・千巻(依存体質・d00396)
    村上・忍(龍眼の忍び・d01475)
    西土院・麦秋(ニヒリズムチェーニ・d02914)
    日野森・沙希(劫火の巫女・d03306)
    倉科・慎悟朗(昼行燈の体現者・d04007)
    不破・咬壱朗(黒狼赤騎・d05441)
    桃山・弥生(まだ幼き毒・d12709)

    ■リプレイ


    「(うーん、何か悪い子じゃなさそう……ていうか、わんこっぽくて可愛いじゃないかっ)」
     などと思いながら公園を目指す朝山・千巻(依存体質・d00396)は、ふと空き地のような遊具の少ない公園で空手着に白帯を締めた6~9歳の少年を見つける。
    「迷子はっけーん!」
     公園に入ってくるなり空手着の少年――シロに指を突きつけ叫ぶ千巻。
     大きな声にビクっとなるシロだったが、千巻に続いてぞろぞろと公園に入ってくる7人の灼滅者に、なんだろうと小首を傾げる。
    「見たところ何かお困りのようですが、どうかなさいましたか?」
    「ねぇ、お姉さん達に話してみてくれないかな?」
     丁寧にシロに声をかけたのは村上・忍(龍眼の忍び・d01475)と日野森・沙希(劫火の巫女・d03306)だった。
    「あのあの……」
     優しそうな人達だと感じたシロが、修行の為に富士急に行きたいと伝えてくる。
    「修行を付けてもらいに行くのかぁ。ちょっと受け身の姿勢だけど、えらいね」
    「えらいッスか? えへへ、照れるッスよ」
     嫌な事も強くなる為には頑張ってるんだね、と誉められたと思ったのか沙希の言葉に照れるシロ。
    「あ~えっと……」
     予想外の返事に言葉を詰まらす沙希に、忍が言葉を続ける。
    「修行と……言いましたね。それなら、まずは私達と手合せしなければなりません」
    「なんでッスか?」
     目をパチクリして聞き返してくるシロ。
    「私達も多少腕には自信があります。私達を楽に倒せないようでは、富士急ハイランドでの修行はまだ早いという意味です」
    「?」
     シロはいまいち理解できていないようだ。忍はさらに具体的に言う。
    「対集団の鍛錬、おそらくは余りなさった事がないでしょう?」
    「あのあの、つまり8人といっぺんに戦えないなら修行は早いってことッスか?」
     シロの質問に沙希が。
    「その通り、シロ君にとっても集団戦の経験ができてお得でしょ?」
     畳みかけるように言うがシロは腕組し、うーんうーんと。
    「でもでも、いっぱいの人とは前に道場へ行った時に戦ったッスけど別にいつもと変わらなかったッスよ? 最後は全員死んじゃったし」
     さらりと道場を全滅させたことを言うシロ。
     外見や性格はともかく、ダークネスとの価値観の差は深く広い。
     黙って聞いていた不破・咬壱朗(黒狼赤騎・d05441)は、やはり人間に害をなす存在だと再確認する。これ以上強くならないよう富士急から引き離さねば……。
    「それにシロはお姉さん達より強いから楽勝ッス、それより富士急に行って修行して強くなりたいッス!」
     グッと両拳を胸の前で握って笑うシロ。
    「それはどうかな?」
     咬壱朗が言う。
    「断言する。俺達8人を楽に倒せないようでは、富士急ハイランドでは相手にもされないだろう」
     眼光鋭く言い切る咬壱朗に、シロが「でもでも、見ればみんなシロより弱いってわかるッス」と反論するが……。
    「では楽に倒せなかったら行くのを諦めるのですよね?」
     一歩前に出てシロを見下すように笑みを浮かべるは、同じぐらいの背の少学2年生、桃山・弥生(まだ幼き毒・d12709)だ。
    「だ、だから戦わなくてもわかるって言ってるッス」
     眉間に皺を寄せて言うシロ。
    「そうでしょうか? わたしにはもし戦って苦戦したら嫌だから『戦わなくても』と言っているように聞こえますけど?」
    「そんなこと無いッス!」
    「口だけなら何とでも言えますよね?」
    「口だけじゃないッス!」
     キャンキャン、キーキー、言い合うシロと弥生。
    「ハイハイ、そ・こ・ま・で」
     まだいじめ足りないとばかりの弥生と、すでに涙目なシロの間に割って入って仲裁したのは西土院・麦秋(ニヒリズムチェーニ・d02914)だ。
     シロの反応にきゅんきゅんしていて、割って入るのが少し遅れたが仕方がない。
    「シロ君、言われっぱなしは悔しいわよね? だからアナタが選べる選択肢は2つよ」

     1、アタシ達と戦う。
     2、アタシ達と戦う。

    「それ、どっちも一緒ッス!」
     口を尖らせるシロ。
    「トーゼンじゃない! だってシロ君とアタシ達は戦う運命にあるんだものっ! それに……口だけじゃないって証明しなきゃ、ね♪」
     シロにウィンクする麦秋。
    「うう……ああ、もう、わかったッス! さっさとお姉さんたち倒して別の人に道を聞くッス!」
     そこに弥生が口を挟む。
    「でも楽に勝てなかったらシロの負けですよ?」
    「うるさいッスね! もうなんでも良いッス!」
     口で勝てなかった弥生に釘を刺され、意地になるシロ。
     まーまー、と良いつつ麦秋が「アタシ達に楽に勝てるなら富士急に行ってもダイジョウブだと思うわよ?」と、味方しつつ念を押す。
     そして――。
    「なあ、もう良いよな」
     巫・縁(アムネシアマインド・d00371)が割り込み。
    「アスカロン、アクティヴ!」
     眼鏡を外し、殲術道具を解放する縁。
    「あーだこーだ考えるより、これだろ?」
     握り拳をシロに見せつける。
     縁に続いて倉科・慎悟朗(昼行燈の体現者・d04007)が。
    「……」
     声にならない小さなため息をつく。
     それは感情を捨て目的を果たすモノになる為の儀式。
     気がつけば、縁や慎悟朗だけでなく、8人全てが戦闘準備を完了していた。
    「そうッスね……それが良いッス!」
     尻尾があれば勢い良く振られているだろう笑顔でシロが笑った。


    「灼滅はしないけど手加減無用ね! 行くわよー!」
     戦闘開始と共に麦秋の放った雷が、生きているかのようにシロへと直撃する。
     だが――。
    「しびれるッス!」
     楽しそうに雷の川をさかのぼるように麦秋へと突っ込んで来るシロ。
    「させません」
     横合いから飛び出してきた慎悟朗が、不可視の盾でシロの突進を止め麦秋を庇う。さらに空いている手で殴りつけようとするが、それはシロに拳で受け止められる。
    「私達一人一人は君より遥かに弱いです。しかし集団ならあなたより少し強いかもしれません」
    「そんなことは――」
     言い返そうとするシロが咄嗟に飛び退く、視界に何か光が向って来るのが見えたからだ。
     しかしその光はシロに向かわず慎悟朗へ、庇った際の傷を癒す。千巻のシールドリングだった。
    「もう回復ッスか?」
     不満そうなシロ。
     対してシールドリングを放った千巻が。
    「アタシはどっちかっていうと、支援型だからシロくん好みの戦法じゃなかった?」
     千巻はシロを諭すように。
    「でも、だからこそ修行相手になるんじゃないかな?」
    「……わかんないッス」
     理解できないのはソレだけでは無かった。
     鬼神変で攻撃力を底上げした忍の突き込んで来た槍をシロは素手で掴むと。
    「どうして刃のある方を使わないッスか?」
     忍は槍の穂先を使わず石突を先にして戦っていたのだ。
    「刃の有無は関係ありませんよ?」
     忍はそう言うと同時、石突が燃え上がりシロは慌てて手を離す。しかしレーヴァンテインの炎は否応なくシロに燃え移る。
    「この程度、ちょっと熱いだけッス」

     しっかりした役割分担で効率的に連携する灼滅者達は、かなり互角の戦いを繰り広げていた。だが個人としての実力差は大きい、時に大ダメージを受けるのは避けられず――。
     どごッ!
     闘気をまとったシロの拳が沙希を吹き飛ばす。
     だが、即座に立ち上がるとシロに質問する。
    「今のはいい技だね! その技どこで習ったの?」
    「気合入れてなぐっただけッス!」
    「そっか、それじゃあお姉ちゃんも気合を入れて頑張らないとだね。次は……こっちから行かせてもらうよ!」
     一気に跳躍し、シロの目の前に現れ拳を振り上げる沙希。
     シロはそれを予測していたかのように後ろへ。
     が、背後に感じた殺気に思わず身を捻りガード。
     しかし死角からの咬壱朗のシールドバッシュを防ぎ切れず、追撃して来た沙希の拳に吹っ飛ばされ、さらに弥生が炎をまとったチェーンソー剣でシロを切り裂く。シロを包む炎がさらに燃えあがった。
     一端距離を取るシロに、神殺しの名を持つ巨剣を担いだ縁が声をかける。
    「色んな連中が一斉に多種多様な攻撃手段を使ってくる。こんな修行方法も悪くないだろ?」
    「そうッスね! シロ、最初はつまんないって思ってたッスけど、ちょっと楽しくなって来たッス!」
     縁の問いに素直に答え、その場で準備運動を開始するシロ。
     ダメージを与えているはずだが、まだまだシロは元気そうだった。
     対して灼滅者側は致命傷こそ受けていないが、確実に治せないレベルの傷を蓄積させていた。正直、均衡を崩す何かが起きなければ……。


     戦闘開始より十数分が経ち、戦いは一進一退であった。
     シロが片手に集中させた闘気をキャノン砲のように撃ち放つも、狙われた弥生は防御重視の構えで耐えきる。
     倒れなかったことに驚くシロへ、炎の弾丸が幾十と打ち込まれる。
     忍だった。
     さらに勢いを増すシロを包む炎。
    「凄い強い人に修行を付けてもらうってのは分からなくは無いがな」
    「しかし、一対一の戦いしか知らないようでは、本当に強くなったとは言えません」
     縁と慎悟朗が走り込んでくる。縁の鋼鉄の如き拳がシロの闘気の膜をぶち破り、慎悟朗の影を乗せた拳がシロにクリーンヒットする。
     シロは殴られ倒れる……寸前、拳を腰溜めにし大地を蹴る。向うは……縁。
     シロの拳が縁の鳩尾にめり込む。
     身体をくの字にして倒れそうになる縁、だが、千巻が癒しの響きで即座にその傷を癒す。
    「助かったぜ、ちろるん」
     縁の言葉に千巻が「次呼んだら回復しないよ!」と、ぷんぷん怒りだす。
     思わず言ってしまった言葉に、ごめんなさいと謝る縁。
     ふと、千巻はシロが自分を睨んでいることに気が付き、シロに視線を合わせる。
     シロは千巻に向かって何か言いたそうに――。
    「なあに?」
    「なんか……なんか、ずるいッス!」
     倒しても倒しても即座に回復する灼滅者側に、シロがイライラし始めていた。
    「アタシも回復支援に拘りがあるから、そう易々は仲間を倒れさせないよっ」
    「うーー」
     もちろん、回復役が1人でも機能しているのは防御役がしっかり役目を果たしているからだ。
    「ところでシロ君、富士急で修行をって話、誰に聞いたの?」
    「柴崎っていう強い人ッス」
     素直に答えるシロ。
    「シロはブレイズゲートで修行して、その人に修行を付けて貰うッス!」
     気合を入れ直したかのように宣言するシロ、だが……。

     ――ガクリ。

     足がもつれて膝を付く。
    「え?」
     膝をついたシロ自身が驚いている、なぜ自分は……と。
    「隙がうまれたよ!」
     刹那、鬼神変でシロをなぐり付ける沙希。
     急ぎ立ち上がるシロだったが、目の前には麦秋が迫り、幾百と拳を叩き込んでくる。
    「ほらほら! ガンガンいっちゃうわよー!」
    「シロ君、覚えておきなさい? 集団戦は常に周りを気にしないとね」
     麦秋と沙希が集団戦でのコツを話す。
    「あのあの、それだけじゃないッス。一番キツイのは……この炎、ッス!」
     灼滅者達は、純粋な陣形や連携だけでなく。素直な戦い方をするシロが、キュアを行わないと見越してバッドステータスを与え続ける作戦を取っていた。
     ディフェンダー陣がしっかり役割を果たし戦闘が長期戦化したことで、その利点が生きて来たのだ。
     さらに咬壱朗がサイキックソードで斬りつけながら言う。
    「苦しいなら負けを認めても良いんだぞ?」
    「何言ってるッスか! 確かに苦しいけど……やっと楽しくなって来た所ッス!」
     へへへ、と本当に楽しそうに笑うシロ。
     だが、その時――。
    「今、『苦しい』って言いました」
     弥生だった。
     シロがハッとした表情に。
     逆ににんまり笑う弥生。
    「今、苦しいけどって言いました……楽に勝てるって言っていたのに、苦しいって言う事は、楽勝じゃないって事ですよね?」
    「う゛」
    「あんなに自信満々だったのに、やっぱり楽勝じゃなかったじゃないですか」
    「う゛ーー」
    「えっと、シロは楽勝じゃなかったら、どうするって言っていましたっけ?」
     さらに追い打ちを始める弥生に、さすがに麦秋や忍が止めに入る。
     今にも泣きそうなシロ。
     戦いは……――。


    「お手合せ有難うございました」
     裾を丁寧に払い礼をする忍に、涙をぬぐったシロも「ありがとうございました」とちゃんと礼をする。
     顔を上げたシロに忍は。
    「同門の方にお会いする事がありましたらお伝え下さいな。私達武蔵坂も常に腕を上げ続けています。鍛えた技を力なきもの相手の試しで鈍らせたり、急いて私達を収穫したりなさいませんように……と」
    「シロは待つの嫌いッスよ?」
     自分の意見で返すシロに。
    「もしも仲間と会ったのなら、その時伝えてくれれば良い」
     そう咬壱朗が説明し、「いずれまた強くなったお前と戦うことを楽しみにしよう」と言えば、シロも「今度は最後までやるッス」と笑う。
    「アタシたちとの手合わせ、シロくんの修行になった?」
     千巻の質問に、シロは目をキラキラさせて。
    「もちろんッス! 回復が重要だってお姉さんを見て知ったッス! それと、炎とかああいうのは無視しちゃだめッスね!」
     嬉しそうに話すシロ。
    「その素直さは強みかもしれませんね……良い戦いでした。次回はどうなるかわからないですね」
     慎悟朗の言葉にシロは「シロが勝つッス」と笑う。
    「なぁシロ、お前さんは強くなってどうしたいんだ?」
     笑うシロに縁が聞く。
    「もちろん、強くなって最強になるッス!」
     グッと拳を握って言うシロ。
    「まぁ……そうか」
    「あのあの、お兄さんは違うッスか?」
     逆にシロに聞かれ。
    「オレは……探す為だ」
     思わずそう答え、自身が見付けた後の事は考えちゃいなかったと思い笑いだす。
     シロもつられて一緒に笑う。
    「ねぇシロ君、連絡先とか教えてくれると嬉しいな」
     沙希がシロの目線に屈んで聞くが、シロは「ないッスよ?」と答える。詳しく聞けば電話も無く、家も無いらしい。常に修行の旅とはシロの言葉だ。
    「はい」
     声と共に何かが飛んで来てシロはキャッチする。
     それは携帯電話だった。
     視線を向ければ、そこには弥生がいる。
    「いつでもご連絡くださいな」
    「機械は苦手ッス」
     口を尖らせるシロ。
    「そうやって自分でできないことを諦めるからわたしたちに負けるのです」
    「1対1なら負けないッス!」
    「1対8では楽勝でなかったですものね?」
    「う゛ーー」
    「使い方がわかる人に聞きなさい」
     突き放す弥生に、シロは目に涙を浮かべつつ、何かを訴えかけるように麦秋を見る。
     ちなみに初めて男子に連絡先を渡すという行為に、実はどきどきしている弥生だったり。
    「アタシ達、武蔵坂学園っていう所にいるの。携帯操作がわかんなかったら訪ねてきてもイイわよ?」
     麦秋の言葉に大きく頷くシロ。
    「それじゃあ今回はザンネンだけど、富士急ハイランドは潔く諦めなさいな。その代わり、またアタシ達と手合わせしましょう♪」
     麦秋の言葉に大きく返事をすると、シロはそのまま富士急とは別の方向に走り去って行くのだった。

    作者:相原あきと 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年7月17日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 7/キャラが大事にされていた 2
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