腐女子襲撃事件

    作者:池田コント

     千葉県松戸市北小金駅から十数分。
     とあるファミレスに迫る異形の者と三人の取り巻き達。
     なぜ襲撃を行うのか、問う配下に異形の者は答える。
    「ただでさえアモン様がおっ死んじまったんだ。このままじゃ、俺達は他の勢力に死ぬほどなめられんぞ。いいか、死ぬほどだ。俺達が生き残るためには、報復をしなければならない。レヒト殿の言う通り、淫魔どもの仕業に決まってるんだ。やつらを血祭りにあげろ!」
     偵察に向かわせた配下が戻ってくる。
     目標は確認した。奥の四人席に一人で座っている。他にもそこそこ一般人の客がいるが、知ったことではない。
     窓をぶち破って侵入し、しとめてやる。
     相手は単独行動中の淫魔一人。派手にやって見せしめにしてやろう。
    「アモン一派改めレヒト一派ここにありということを、このトルトゥーラ様が剣となって証明してやるぜぇ?」

     ガシャァァァン!
    「きょわぁぁぁ!? すいませんすいませんすいませんすいません。みんなから隠れてこっそり漫画描いててすいません。しかもどぎつい変態BL漫画ばかり描いててすいません~! でも、でもでも、私、この肌色成分がないと生きていけないんですぅ~! って、先輩たちじゃない!? 悪魔さんですぅー!」
     サバトクィーンの隠れ腐女子、静子は絶叫したのだった。
     不死王戦争で衝突したソロモンの悪魔アモン一派残党の動向を察知しました。
     彼らはラブリンスター配下の淫魔に対して襲撃をかけようとしています。
     不死王戦争では、共闘していたラブリンスター一派が、現在私たち武蔵坂学園と接触を持っているのを快く思っていないようですね。
     ソロモンの悪魔レヒトの一派は、アモンが灼滅されたのはラブリンスター一派の策略によるものであると主張しているようです。
     ダークネス同士の戦いではありますが、うまく介入すればダークネスを灼滅できる好機。
     これを見逃す手はありません。
     襲撃をしかけるのは、残虐なるトルトゥーラ。
     両腕が巨大な剣となっている猿のような悪魔です。
     ソロモンの悪魔としては戦闘的な能力と好戦的な性格をしていて、連れている強化一般人の配下も強めです。

     場所は広いファミレス。
     時間は夜十二時ですが、この店は二十四時間営業で他に五組の一般人がいます。

     狙われている淫魔は、サバトクィーンの隠れ腐女子、静子。
     実力的には、トルトゥーラと一対一で戦ったとしても静子が敗北することでしょう。
     奥まった席に座っていて逃げるのは難しいと思われます。
     
     今回の事件では私たちの選択肢は大きく分けて三つある。
    『淫魔に頼らずソロモンの悪魔たちだけと戦う』
    『淫魔と共闘してソロモンの悪魔たちと戦う』
    『淫魔が敗北してから消耗したソロモンの悪魔たちと戦う』
     どれを選ぶかはあなたたちの判断に任せます。

     あなたたちにぺんぎんの加護がありますように。よろしくお願いします。


    参加者
    黒洲・智慧(九十六種外道と織り成す般若・d00816)
    由井・京夜(道化の笑顔・d01650)
    桐谷・要(観測者・d04199)
    雲母・凪(魂の后・d04320)
    皇樹・桜夜(家族を守る死神・d06155)
    エデ・ルキエ(樹氷の魔女・d08814)
    白石・桜(白兎の魔女・d09550)
    東雲・華月(朱に染まる雪・d10722)

    ■リプレイ


     夜のファミレス内はもわっとした外気と違って空調の利いた過ごしやすい空間だ。
    「あっ、誰かここの問題わかる人いる? 英語キライ」
     由井・京夜(道化の笑顔・d01650)達は勉強会をしている風を装い、既に現場へと到着していた。もっとも本当に勉強しているのは京夜だけのようだった。
     小学生の桐谷・要(観測者・d04199)とエデ・ルキエ(樹氷の魔女・d08814)は見咎められないようにエイティーンを使用して18歳に変身している。
     二組に分かれてそれぞれ四人席へ。
     黒洲・智慧(九十六種外道と織り成す般若・d00816)はパフェとメロンソーダを頼んで、それを楽しんでいる。
     その自然な振る舞いに、気にかける者はいない。それは、奥の席でネームに没頭する淫魔静子といえども例外ではない。
     東雲・華月(朱に染まる雪・d10722)はドリンクバーに行くついでに、さりげなく静子の様子をうかがう。
     元の素材はいいのだが、身なりはそれなりで化粧も最低限。外出着だが知人に会うことを想定していない、オフの状態だ。灼滅者のことは当然としても、情報通り悪魔の襲撃を予知しているそぶりはない。
    (「そろそろ、ですかねえ……」)
    (「ああ、ラブリンスター様の配下さんを助けられるなんて、なんて幸せなのでしょう」)
     皇樹・桜夜(家族を守る死神・d06155)は豊かな胸を弾ませて静かにその時を待っている。
     白石・桜(白兎の魔女・d09550)もこの淫魔とは趣味が合いそうだということもあって、ワクワクそわそわしながら席についている。対照的に雲母・凪(魂の后・d04320)は、あくまで穏やかな笑みを浮かべて、ドリンクで喉を潤している。
     時間はゆるゆると普段通りに過ぎゆき、やがてそのときがやってきた。
     ……。
     ガシャアアアン!
     割れたガラスが津波のように降り注いだ。
     暗い闇の中から躍り出てきたのは、二本の足で立つ人間大の猿。
     ただその両手は両刃の剣となっており、夜を切り抜いたような不気味な黒い光を放っている。
    「外に逃げるんだっ!」
     京夜が殺界形成を使用し、無関係な一般人達に避難を促す。何事かわからないなりに、危険であることを察したのか、呆然としていた一般人達は逃げ始める。悪魔達も人間達には興味がない。
    「淫魔、静子。ごたくはいい、死にさらせ!」
    「きゃあぁ、すみません、すみません……!」
     なにが起きたかわからず、パニックになってとにかく謝り倒そうとする静子を守るように、華月達が割って入る。
     その存在は、静子はもとより、猿の悪魔トルトゥーラにとっても予想外であった。
    「お前ら、なにものだっ!?」
    「わた……」
    「私はラブリンスター様の一ファンにすぎません! ですが、微力とはいえラブリンスター様の配下が殺されるのを黙ってみているなんてできませんね!」
    「お、おう……」
     智慧の言葉を遮り、悪魔の誰何に答えたのは、桜夜の大淫魔ラブリンスターに捧げる情熱であった。
     当の本人静子がきょとんとしていることに気づかず、トルトゥーラは悔しげに歯噛みする。
    「……くっ、この襲撃読まれていたか! 手下を潜ませていたとはな!」
    「え、え……?」
     困惑する静子にエデは説明を試みる。
    「アモンの残党がラブリンスター一派を狙ってるの! もう何度も私達は淫魔さん達と共闘して悪魔を返り討ちにしたけど、これもその一つ。お願い、一緒に戦って」
     なぜ悪魔達が淫魔を狙うのか、動機の面で疑問が残るものの、エデの説明によって、自分が襲われている状況は理解した。
     では助けてくれるこの人達は何者か。
     それは、灼滅者ということさえわかれば静子にも心当たりがある。武蔵坂学園。
    「僕らは貴方と敵対する気はありません。アレを片づけにきました」
     華月は猿の悪魔達を示すと、かばんの中から肌色成分多めの本をちらりと見せる。
    「もし協力願えればこの本お見せしますよ? あと、趣味の話を一緒にできたら嬉しいなって」
    「はぅ!?」
     静子はすっとんきょうな声を上げて、すちゃっと取り出したスマホに高速ツイート。
    『夜のファミレスで原稿してたら穏やかそうな見知らぬイケメンに口説かれたwww てか趣味バレてるwww』
    「え、あの……」
    「きゃーきゃー! いやー! 近づかれると美形すぎて溶けちゃうーっ!」
     なにごとだ。
     発狂したような静子の反応が不気味だが、どうやら感触は悪くない様子。
     凪や要が悪魔達を牽制する間に、京夜は畳みかける。
    「今共闘してくれたら180センチ代の高身長なイケメン二人が戦う姿ガン見し放題!」
     智慧と華月のことである。
    「そうです。一緒に戦ってくださるなら美形を間近で見れますよ。絡みは好きに脳内変換できますし」
    「え、いいの!? 絡ませていいの?」
    「いいんですよ! いくらでも絡ませていいんですよ!」
    「で、でも初対面の人達なのに失礼じゃない……?」
    「そんなことはないです。じゃあ、逆にいつ、絡ませるというんですか、いつ? それは……」
    『今でしょう!』
     ゾクリ。
     息の合ったセリフに、背中に悪寒が走るのを感じながらも、智慧は猿の悪魔達が襲いかかってきた瞬間にすぐさま反応できるように空気を見ている。
    『智慧兄様は総攻め……でも華月×智慧の攻×攻も……』
     ESPでもないのに声にならぬ声が聞こえてくるような気がして、なにこれ辛い。
    「からみって、なんですか? スパイスですか?」
     無垢な質問をするエデに、桜は曖昧な笑みを浮かべて、静子とアイコンタクト。
    「いやあ、それはねぇ?」
    「ねぇ?」
    「それは聞いちゃいけないお約束ですよ~」
    「ぐふふ~」
    「なんか仲良くなってる……」
     なにかが違うような気がしないでもないが、淫魔は共闘を了承してくれたようなので、一安心。
     それよりも、想定外の戦力に動揺した悪魔達だ。
    「旦那どうします……? 予定外ですぜ?」
    「う、うむむ……」
     エデはそれを見て取り、正面から視線をぶつけてつぶやいた。
    「馬鹿みたい」
    「な、んだとぉ……?」
    「アモンはちょっとうっかりさんだったけど、レヒトやあなたみたいに愚かじゃなかった! まるでチンピラ! 死ぬほどなめられて当然のゴミクズだわッ!」
     こいつ言いよった。
     悪魔の配下達が顔を青くしている中、トルトゥーラの顔だけが怒りで真っ赤に染まっていく。
    「ほぅ……淫魔の手下にしちゃあいい度胸してるじゃねぇか。いいだろう、全員サイコロ大に切り刻んでブタの餌にしてやるよぉ!」
     挑発成功。
     エデは心の中で小さくガッツポーズをする。
    「さあ、狩りの時間だ!」
     桜夜は大人しかった口調を変え、能力を解放した。右手に日本刀、左手に大鎌を構え、悪魔達と相対する。
     だが、静子の目はただ一点に奪われた。
    「あれは……自由の、翼……」
     驚愕と歓喜を伴って。
    「キャアアア!? 調査団コスじゃないですかぁぁ!? きゃぁきゃぁっ、いやぁん、なんでなんでぇ!?」
     理由は、華月が某漫画の調査団服風の衣装を着ていたから。
     華月は人類に心臓を捧げるポーズをとって、穏やかにほほえみいわく。
    「アルミンって、泣き顔がすっごく……そそるよねぇ? いじめたくなる」
    「はぶしゃぁあ!?」
     最早解読不能な奇声を上げる静子は放っておくとして、一般人の退避が完了したことを確認した要は、悪魔配下の放った魔法の弾丸に、制約の弾丸とも呼べない小さな魔力塊をぶつけて軌道をそらしながら敵へと接近、紅蓮の炎を灯したナイフで斬り裂いた。
    「調子はいいわね……」
     相手はとっさに後ろに飛んで傷を浅くしたが、今の自分の技量は十分に通用すると確信する。
    「こんなタイミングで!?」
     要に攻撃された直後、大胆に飛び込んできた凪の槍をなんとか避けた男に智慧が狙いを定めたそのとき……。
    「イケメン二人というのになんであなたは兵団コスじゃないんですか!」
     静子がテーブルを叩いて叫んだ。もうなんか悪魔とかどうでもいいんじゃなかろうか。
    「いや着替えてもいいけど……」
     智慧は静子の勢いに押され気味ではあったが……。
    「……でも、私のメリットがないでしょう? もしあの服を着たらご褒美がもらえるのかな、君から」
    「押し返した!? というか戦いながらナンパしてるよ、すごい!」
     という京夜も悪魔配下の拳をかがんでかわしながらその体に鋼糸を巻き付ける。
     ギンッ!
     鋼糸を引くだけのささいな動作で男の間接が逆に曲がり、筋組織がちぎれ、骨の砕ける音がした。
    「……彼女の楽しい執筆タイム、邪魔する悪い子はお仕置きですよ」
     妖の槍を持つ華月が、悪魔配下の放つ魔力の弾丸を避けながら迫る。
     ス、ス、ス……。
     当たらない。
     一つ外すごとに確実に迫る。
     その恐怖を与えることを楽しむように、華月は軽やかに舞い、背後に回る。
    「は~い、残念賞」
     捻りの入った槍の一撃が男を吹き飛ばした。
    「あなたもせっかく獣の巨人っぽいんだったらミケさんを正面から×××して『……やっぱしゃべれるじゃん』くらい言ってみればいいじゃないですか!」
    「ミケさんて誰っ!?」
    「さすがラブリンスター様の配下、絶好調ですね……!」
     なにが絶好調なのか。
     しかし、淫魔の力。筆頭であるラブリンスターが少々アレな性格のせいかおバカな部分ばかりクローズアップされがちであるが、ダークネスとしての実力はしっかりと持っている。
    「魔力弾を、喰らえ!」
     桜夜に殺到する無数の弾丸。
     すべてが命中すれば、いかな灼滅者といえどただでは済まない、致命の量。
     けれど。
    「ハッ!」
     桜夜の眼前へ体をすべりこませた静子のシールドが弾丸のことごとくを弾き、弾雨が止んだ瞬間に立ち位置を入れ替えた桜夜の刀が間近にいた配下の一人を斬り払う。浅くない傷を受けた男が次なる呪文の詠唱に取りかかる前に、素早く近づいた華月のマテリアルロッドが顔面を強打し、倒れたところへ桜のマジックミサイルがドンと追い打ち。動きを止める。
    「……なんでそんなに連携がとれているの?」
     要の疑問に、桜はぐぐっとポーズを決めて答えた。
    「同志に、灼滅者と淫魔の垣根などありません……!」
    「……そういうものなの」
    「そういうものです!」
     納得しがたいものを感じつつも、要は夜霧隠れで仲間達を癒す。その中に淫魔という紛れもないダークネスが入っているのもまた彼女にとっては納得しがたいものであったが、本件では敵対しないということなら致し方ない。
     トルトゥーラの刃が災厄をまき散らす。
     刃の形状がギザギザに変化し、惨たらしく京夜の皮膚を切り開く。
    「……くっ!」
     赤い血がだくだくと流れて落ちる様を、猿の悪魔は喜々として笑う。
    「泣け、叫べ! 無力な羊のように、狼を前にしてただ逃げ惑え!」
    「あんた猿だろうよ」
     京夜はシールドリングを分裂させて自らの傷を癒す。
    (「いやらしく笑うなぁ……淫魔の肩を持つわけじゃないけど一人の子に対して複数で襲うとか逆恨みするとか、考え方が頂けないんだよね」)
     悪魔配下の男が斬りかかってくる。京夜はテーブルの下にすべりこんでかわし、のぞき込んできた男の顔面を蹴り飛ばすと通路に転がり出る。その頭上では、智慧のウロボロスブレイドが宙を舞い飛び、手下の腕を斬り裂き、太股の肉を削り、トルトゥーラのわき腹の肉をこそぎ落とす。
     やがて、蛇のような一撃が静けさを取り戻したとき、最後の悪魔配下が床に崩れ落ちた。智慧は特徴的な構えをとくと、猿の悪魔を見据える。
    「さあ、最後の曲となりましたね」
    「バカな、この俺がやられるだと……! あのワニ女の言うとおりだというのか……!?」
    「ワニ女……?」
    「そんなわけがあるか。そんなバカなことがあってたまるかぁ!」
     桜夜達の連携のとれた攻撃がトルトゥーラを圧倒する。
     自らの醜態に激怒するトルトゥーラを、凪は冷たい瞳で嘲笑する。
    「うふふっ……なにをそんなに焦ってるの? お顔が真っ赤よ、お猿さん?」
    「ウ、ギャァアアアァ!」
    「ああ、怖い怖い。まぁ、生き急いでも仕方ないかしらね。だって、今日ここで、おしまいなんだもの……」
    「ふ、ざ、けるな小娘がっ!」
     両腕を体の外側へと薙ぐ。凪は臆することなく刃と刃の間の頭一つあるかないかという隙間に身を踊らせ、切り裂かれるのを逃れると、悪魔の胸元に影の刃を突き立てた。
    「ぐひぃ!?」
     その悪魔の首に大鎌の刃をひっかけ、強引に引き倒す。テーブルやイスを薙ぎ倒しながら、哀れに転がるトルトゥーラに桜夜は日本刀を振り下ろした。その精緻な一撃は、野菜を切るように悪魔の左手を斬り飛ばす。
    「この功績、ラブリンスター様に是非報告して下さいね」
     最早桜夜にとっては、トルトゥーラは敵とすら認識されていない。
    「た、助けて、くれ……い、いやだ……消えたくない、消えたくない……」
    「ダメよ。貴方の命運はもう尽きたもの」
     凪は槍を逆手に持って、トルトゥーラの恐怖に歪んだ顔の上にかざした。
    「ふふ……これじゃあ、どっちが悪魔かわからないわね」
    「消えたくない消えたくな……」
     ブシュ!
     命乞いはあっけなく途絶えた。


     戦い終えて後、店を移してなぜか打ち上げパーティのようなものが開かれていた。
    「その描いてらした漫画、あとで見せていただけませんか?」
    「あなたは、何年生? 中学生?」
    「こ、高校二年生です。よく年下に見られちゃいますが」
    「ごめんなさい。でも、もう少し待ってくださいね。これはちょっと刺激の強いのだから……」
     淫魔と名がつくくせにそういうことを気にするらしい。
    「ところで、華月さん。ブラザーズコンフリクトというアニメは見ておられますか? 見ているなら、その、ぜひやってもらいたいコスが……絶対似合うと思うんです!」
    「合わせですか? それならいいですよ」
    「え、ええっ、いえ私なんかが……」
     楽しそうに語らう仲間達。
     共通の敵を倒すというひと仕事を共に成し遂げたからだからか、今日が初対面とは思えない雰囲気である。ではあるが。
     急速にパッとくっついた分、時がくればあっさり敵になるのではないか。
     要はついついそんな想像をしてしまう。
    「淫魔とは今は比較的友好的な関係にあるのかも知れないけど……だからといって恒久的に手を結んでいられるとは思わないのよね」
     真剣な表情で要が茶を飲む横で、エデはパフェをつつきながら無邪気な笑みを浮かべる。
    「ね、どぎついへんたいBLってどんなのだろう……? 男ふたなりとか? 私まだ子供だからそういうのわからなくって……あ、でも男ふたなりはもうちょっと認知されていいと思うんですって、知り合いが言ってま……」
    「わー!?」
    「エデちゃん、その知り合いとのお付き合いはちょっと考えてみよっか!?」
     エデの発言を聞きつけて口を閉ざしにかかる。趣味嗜好は人それぞれであるが、純粋な女子小学生が魔道をのぞくのは見過ごせない。
     そんな感じで賑やかな夜は更けていった。

    作者:池田コント 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年7月16日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 1/感動した 4/素敵だった 2/キャラが大事にされていた 14
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