ドス恋☆襲撃事件

    作者:池田コント

     神奈川県横浜市戸塚。
     とあるファミレスに迫る異形の者と四人の取り巻き達。
     なぜ襲撃を行うのか、問う配下に異形の者は答える。
    「アモン様亡き今、某はその後継者を見定めねばならぬ。ベレーザ殿は、女子であるからかどうにも真意が読めぬ……。だからといってレヒト殿がその器であるかはわからぬが……仕えるべきと確信できたならばこの、甲冑の騎士パトリオータ、喜んでレヒト殿の盾となろう」
     偵察に向かわせた配下が戻ってくる。
     目標は確認した。奥の四人席に一人で座っている。他にもそこそこ一般人の客がいるが、知ったことではない。
     正面から堂々と襲撃してやろう。
     相手は淫魔一人。討ち損じることもあるまい。

    「おいしぃ~これもおいしいよぉ~お肉サイコォ~クリームサイコォ~脂身サイコォ~! ラブリンスター様すいません。でもあたし、これがなきゃ生きてけないのぉ~!」
     ぽっちゃり系サバトクィーン、ドス恋☆花子は目の前のごちそうに夢中で、自らに降りかかる災難をいまだ知らずにいた。
     
     不死王戦争で衝突したソロモンの悪魔アモン一派残党の動向を察知しました。
     彼らはラブリンスター配下の淫魔に対して襲撃をかけようとしています。
     不死王戦争では、共闘していたラブリンスター一派が、現在私たち武蔵坂学園と接触を持っているのを快く思っていないようですね。
     ソロモンの悪魔レヒトの一派は、アモンが灼滅されたのはラブリンスター一派の策略によるものであると主張しているようです。
     ダークネス同士の戦いではありますが、うまく介入すればダークネスを灼滅できる好機。
     これを見逃す手はありません。
     
     襲撃をしかけるのは、甲冑の悪魔パトリオータ。
     中世の騎士甲冑に全身を包んだ悪魔で、悪鬼の様な装飾の巨大な盾を持ち、両刃の片手剣を振るいます。
     四人の強化一般人も耐久力があります。
     基本的にはパトリオータが一騎討ちでドス恋☆花子をしとめようとします。

     場所は、Zに似た形に折れ曲がった、ファミレス。
     時間は朝方の六時。この店は二十四時間営業で、他に二組の一般客がいます。
     
     今回の事件では私たちの選択肢は大きく分けて三つある。
    『淫魔に頼らずソロモンの悪魔たちだけと戦う』
    『淫魔と共闘してソロモンの悪魔たちと戦う』
    『淫魔が敗北してから消耗したソロモンの悪魔たちと戦う』
     どれを選ぶかはあなたたちの判断に任せます。


    参加者
    獅之宮・くるり(暴君ネコ・d00583)
    東海・一都(第三段階・d01565)
    梅澤・大文字(リザーバー・d02284)
    竜胆・きらら(ハラペコ怪獣きららん☆ミ・d02856)
    雁音・夕眞(忌憚の犬・d10362)
    ジンジャー・ノックス(十戒・d11800)
    本郷・雄飛(はご当地ヒーローである・d15712)
    永峯・琉羽(ソライロ・d16556)

    ■リプレイ


     関東は連日暑さが続くも、朝の内は涼しく過ごしやすい。
     空調の利いたファミレス店内で、雁音・夕眞(忌憚の犬・d10362)は常に浮かべる薄笑いの表情をわずかにげんなりとしながらつぶやく。
    「みんな、早朝からよく食うわね……」
     テーブルの上には鉄板料理。
     梅澤・大文字(リザーバー・d02284)の前にはチーズのたっぷりのったハンバーグ。
     獅之宮・くるり(暴君ネコ・d00583)の前にはリブロースステーキのサラダセット、ライス大盛り。
    「ステーキの大きさが足らぬな……ステーキ単品で一枚追加を頼む!」
     健啖ぶりを見せる二人に、
    「……つーかこんな時間に眠いわ」
     夕眞の隣で、ジンジャー・ノックス(十戒・d11800)も少し暗い表情で、まだ頼んだケーキに手を出していない。
    「私も……朝って苦手なのよ」
     くるりは豪勢なステーキを咀嚼し、飲み込むと、夕眞とジンジャーに対して言う。
    「朝食は一日の原動力ぞ! うむむ、このパフェも頼むべきであったか……む、大文字よ、そのハンバーグ一口とステーキ一口交換せぬか?」
     二人に元気を吸われるかのような心地の二人に、別のテーブルから元気な声が聞こえてくる。
    「すみませーん! ハンバーグセット、とりあえず20人前お願いしまーす!」
     店員も聞き返すような注文をする竜胆・きらら(ハラペコ怪獣きららん☆ミ・d02856)。
    「一人前ずつ持ってきてください」
     とフォローしながら自分は明太子スパゲティを頼む東海・一都(第三段階・d01565)はつぶやく。
    「朝6時からたくさん食べて……食欲旺盛ですねえ」
     永峯・琉羽(ソライロ・d16556)は携帯電話の画面を見るふりをしながら、ななめ向かいの席で次々と料理を吸い込み続ける女性の様子をうかがっていた。
     アイスの乗った焼きたてブリオッシュ、ハンバーグ、パフェ、パフェ、ハンバーグ……。
     一人きりで肉とデザートを交互に食べ続ける若い女性。ぽっちゃり系淫魔ドス恋☆花子。
     驚くほどの量を平らげているわりには、まだグラマラスな体型の範疇といえる。
    (「女子の自称ぽっちゃりは真実ぽっちゃりか怪しいものだったけど……」)
    (「なかなかじゃないか……あ、でも本郷さん的にはも少しスリムな方が……」)
     ガリよりぽっちゃり派の夕眞とスレンダー派の本郷・雄飛(はご当地ヒーローである・d15712)。
    (「いや、でも敵対してない内は、淫魔といえど普通に助けてあげたいもんな……特に女性だし! はっ……しかし、どうしたらいい? もし、もしもだよ? 助けたお礼に胸をさわって欲しいとか言われたら……」)
     妄想をかきたてられてしまうのは、淫魔の魅力のせいか、男子高校生ゆえの宿業か。
    (「うーん、よく食べるねえ。あそこまでだと何か逆に気持ちいいかも……あっ」)
     よくない気配を感じて、視線を入口へと向ける。
     そこには、怪しい気配を放つ男が一人店内に入ってくるところだった。花子の所在を確かめるとすぐに外へ出て行く。悪魔の手下に違いない。
     みんなも気づいている。気づいていないのは、花子だけだ。
     だが、それも悪魔達がまっすぐに自分の元へと迫ってくるまでのこと。
     いかに鈍感といえど、甲冑姿の異形の者が近づいて来れば尋常ではないとがわかるはずだ。
    「淫魔ドス恋☆花子よ。亡きアモン様の屈辱を晴らすため貴殿の命貰い受ける。覚悟!」
    「な、なんなの? 一体なにが……モシャモシャ」
     パトリオータが剣を突き出す。
     淫魔の心臓を貫く正確無比な一撃、なればこそ……。
     ダッ……ガチィッ……!
     その軌道を読み、防ぐのもたやすい。
    「……食事中に非常識、だね」
     テーブルの上に降り立ち、悪魔の一撃をシールドで弾いた琉羽は言った。
    「な、なにもの……淫魔の配下か!?」
    「配下ではないけど……とりあえず、あなたの敵よ」
     ジンジャーは間に割って入りながら悪魔達に告げる。
    「一騎討ちだと思った? ざァんねんッ! あと8人いるのよ」
    「くっ……襲撃が予知されていたというのか?」
     パトリオータが周囲を見回すと一般人とは違う動きをしているものがいる。
     夕眞が殺界形成を行い、一般人を避難誘導するのに合わせて、雄飛達も行動する。
    「はいはい、さっさと逃げてねー」
    「すみませーん、さっきのオーダーは一旦ストップでー、あとで食べますので」
     背後に気配を感じて、パトリオータは振り返る。一体いつの間にか、大文字達が退路を塞ぎ、挟撃される形となっていた。
     しかし、大文字は殴りかかったりなどしない。堂の入った立ち姿を見せつける。
    「やい悪魔! おれの名は業炎番長、漢梅澤! テメェに恨みは無ぇが……あ、おれの飯の邪魔をしたのが運の尽きさ! テメェを燃やし尽くしてその盾でハンバーグ焼いたらあ!」
     ド、ドーン!
     背中に太陽を背負うような勢いで。
    「フッ……決まったな」
     形見のマントをばさぁっとひるがえす。
    「一体これはどういうこと……モシャ?」
     大文字が大声をはりあげて、注目を集めている間にジンジャーが手早く状況を説明した。
    「……というわけで、ソロモンの悪魔達はあなたの命を狙っているの。どうするのかしら? 共闘してくれるって条件付きで私達はあなたの味方になるけれど」
     問いかけるジンジャーの瞳を見つめ返し花子は言う。
    「……それが本当の話なら私に選択の余地はないように思えるけど……ムシャ」
     自分の立ち位置を把握したようだ。
     灼滅者は淫魔を見捨ててもよかったのだということを理解している。
     頭は悪くない。カロリー計算はできないようだが。
    「話は理解できた?」
     琉羽はテーブルから降りて花子の横に立つ。
    「逃げてもこのひとは追いかけてくるだろうけど、でも、今ならわたし達が手を貸せる」
    「わかったわ、お願い。私を助けてちょうだい……ムシャ」
     諦めたように肩をすくめる花子。彼女にしてみれば完全に灼滅者側の思惑通りに思えるのかも知れないが、了承してくれたようだ。
    「大丈夫。他の淫魔もこうして助かったんだから」


    「話は決まったか? ……しかし、結果は変わらん!」
     甲冑の悪魔パトリオータが盾を構え花子へ迫る。予定外の横槍があったが、彼にしてみれば目的もなすべきことも変わらない。邪魔する者はすべて排除し、淫魔を討つ。
     そこに立ちふさがったのは一都であった。
    「あなたの好きにはさせませんよ」
     一、二、三……双方熾烈に打ち合うも、次第に一都が優勢になっていく。
    (「確かに強敵ですが……抑え込むことは私にも……!」)
     パトリオータの大盾が下がってきている。これを好機と見て一都は床を蹴った。ここで螺穿槍を決めておけば後の展開が更に有利になる。盾を上から超え、短く持った槍を振り下ろす。
     ガギィッ!
    (「なっ……堅い!」)
     槍の穂先は兜を正面から捉えた。だというのに、悪魔の頭部はビクともせず鉄の塊を突いたような感触が返ってくるばかり。
    「気づいたか……某自身が強固な一つの盾だということを!」
     盾の悪魔の紋様が笑う。
     盾を構えた強烈な体当たりを喰らわされ、一都は誰もいないテーブルへと派手に突っ込んだ。
    「大丈夫? 一都サン」
    「……あの堅さは伊達ではないですね……正直想像以上です」
    「堅くて攻撃が通らねぇってんなら、漢の炎でグリルにしてやんぜ!」
     真っ赤に燃える炎の拳を悪魔配下の顔面へと叩きこむ。
    「へばがっ!?」
     歯が抜け血が吹き出し、よろけた男の腹に下駄ばきの蹴りを放ち、吹っ飛ばす。
    「さぁ、次はどいつだ……って、面倒だ。みんなまとめてかかってきやがれ!」
    「独り占めはよくないな」
     雄飛は軽やかに大文字の横に立つ。
    「纏身ッ!」
     爽快なかけ声と共に戦闘服に身を包んだ雄飛は、縛霊手内部の御霊を活性化させ、悪魔配下にボディブロー。
    「子供と女性の心強い味方! 雄飛参上! さぁ、レディを救うヒーロータイムだ!」
     襲い来る悪魔配下達の振るう刃と魔法弾。
     雄飛はそれをかわし、装甲で受け止め、縛霊撃を放ち、大文字は正面から灼熱の拳で魔法弾のことごとくを打ち落とし「オラオラオラオラァ!」右足を踏み込んだ渾身の掌底をたたき込んだ。
    「オッシャァ!」
     吹き飛んだ男に、夕眞は静かに痛烈な追い打ちをかけ、きららの天星弓シューティング☆スターから放たれた矢が男のハートを射抜いた。
    「絶好調ですー!」
    「てーか、一騎討ちとかいいつつ部下連れってどないですのん。せこー」
     夕眞は軽口を叩きつつウロボロスブレイドを振り回す。加速する刃が正確に敵だけを斬り裂いていく。肩を刻み、首筋を削り、目をえぐる。刃の渦中に近づこうとする者すらいない。
     パトリオータの盾の強打を受けて負傷した花子にきららは癒しの矢を放つ。
    「ありがとう……むしゃむしゃ」
    「どういたしまして! お肉好きは類友です!」
     くるりは悪魔配下達の放つ魔法弾を宙を舞うように避けに避けてロッドで弾き、男の一人の鼻先に猫目石のはまったロッドの先端を突きつける。
    「食事の一時を邪魔する者は、誰がなんと言おうと悪である! 神妙にせい!」
     魔力が集中し、結実した弾丸が男の顔面を吹き飛ばした。
     堅い守りに戦いは長引いたが、きらら達のねばり強い攻めと地道なエフェクト累積により悪魔達を確実に追いつめていく。
    「これも手ごねハンバーグを食べたおかげですね!」
    「……関係ねーと思うわよ」
    「うむ。ステーキであるな!」
    「肉の種類でもないって本郷さん思うな」
     なんて言いながらコンビネーションで悪魔配下をぶちのめす。
     せめて本懐は遂げようとパトリオータは花子を狙うも、琉羽が行く手を遮る。
    「一騎討ちしたい? 残念、そんなのさせない。わたしが相手だよ」
    「ふん……なり損ないが、淫魔を守るか」
     悪魔の嘲笑。
     確かに、この状況は人によってはとても不可解なことなのかも知れない。
     けれど、今の武蔵坂学園とラブリンスター一派との間柄は良好と言えなくもない。
     ならばその現関係を敢えて壊す必要はない。
    (「いつか敵対したときは武器を向けるのもきっと辞さないだろうけれど」)
    「わたしは、わたしがそのとき思った心のままに動くよ」
     琉羽はパトリオータと打ち合い、盾の体当たりをしなやかな連続後転で避けた。
     パトリオータの攻勢が途切れた瞬間に、一都は琉羽と立ち位置を入れ替え、閃光百裂拳を放った。
     遂に、くるりの両手より放たれた大出力のオーラが悪魔配下最後の一人の胸を貫き、男は力なくその場に倒れ伏す。
    「安心せい、峰打ちである」
    「お前、峰打ちの意味わかってんのか?」
     残すところは後一人。
     悪魔パトリオータ。
     奴はいまだ多くの余力を残している。
    「骨が折れるわね……」
    「骨の一つや二つ、くれてやらぁ!」
    「私はそんなのごめんだわ」
     同時に駆け出すジンジャーと大文字。
    (「正直悪魔より淫魔側に立つ意味がわかんねぇが……まあいい、今日の仕事はあくまで悪魔だ!」)
     雷と炎が一つとなってパトリオータを衝撃の内に焼き尽くす。
     かに見えたが、視界が晴れた後にも甲冑の悪魔は健在であった。
     盾を構えた体勢から攻撃へと転じる。
     だが、その盾や鎧にわずかながらひびが入っていることに気づかない琉羽達ではない。
    「確実にダメージは与えられてる! もう一踏ん張りだよ!」
     くるくると回転して悪魔の眼前で跳躍。
     軽やかに宙を舞って、悪魔の背後に降り立つ。
    「なに……っ!?」
     振り向きざまにスイングされた剣を大きく上半身を反らして回避。体を起こす勢いのままにローリングソバット。いつの間にか空へと投げていた解体ナイフをつかむと、悪魔へと突き立てる。
    「ぐ、がぁっ!?」
     蝶番が破損し、獣のような素顔が露わになった。敵意に満ちた赤い瞳が琉羽を睨む。
    「この顔を見られたからには生かしてはおかん……!」
    「モデル柳原! ボディアタック!」
     琉羽へと剣を向けたパトリオータに横合いから花子が体当たり。その姿は某おデブタレントそっくり。花子は、自在に体型を変えることができるのだ。ただしデブタレに限る。
    「その能力必要!?」
    「体重だけは銀虎さんにすら優るのよ」
    「じゃ、全部劣ってんじゃない」
    「続いてモデル、ニッチェ江上! 回転攻撃」
    「ふざけるな!」
     独楽のように回り始めた花子に刺突。
     しかし、その瞬間、背後に隠れていたきららとくるりが彗星撃ちアンドマジックミサイル。二条の光が悪魔の剣ごと肩の装甲を打ち砕いた。
    「そんな、バカな……」
     一都がむき出しになった本体に槍をねじ込み、悪魔は遂に地面に倒れた。

    「恨むならレヒトを恨むことね……あいつはクズよ」
     ジンジャーは倒れたパトリオータのそばに立ち、白羽の烏の杖を構えた。
    「仕えるのはベレーザにしておきなさい。もう遅いけど」
    「……それを決めるのは某達だ。貴様らの指図は受けん」
    「あら、そう……」
     杖の先に魔力が収束する。
    「レヒト殿……申し訳ない……」
     振り下ろされた杖がひび割れた甲冑を粉々に砕き、それらは瞬く間に塵となって消失した。


     戦いを終えて、ジンジャーや夕眞には信じられないことだが、運動したしもう一度朝ご飯を食べようという流れになった。
    「……本気なのね」
     そっと隅の席につく。
     メニューを選ぶ段階で、一都がこんなことを言った。
    「食事の最初に野菜を食べておくとあまり太らないという噂で……」
    「じゃあシーフードサラダ五つ下さい!」
    「そういう意味じゃないと思うよ!?」
    「サラダ来るまで唐揚げつまもう」
    「だいなしだっ!?」
     あふれる食欲を隠そうともしない花子と、平然とそれに同調するくるりときらら。
    「なにいってるのよぉ、みんなで食べましょ?」
     花子はすっかり心許した笑みを浮かべていた。
    「うむ。是非もない。今度こそパフェも頼むぞ」
    「食事の続きをしましょー!」
     そして、花子がそういうとわかっていたかのようにくるりもきららも席についている。
     食欲魔神同士、語らずとも通じるものがあるのか。淫魔相手だとあれこれ考えるのが馬鹿らしくなってくる。
    「あ、私、やはり少し傷が響いてるみたいです……」
    「む、大丈夫か?」
     心配げな視線を集める一都は注文した若鶏のグリルを差し出す。
    「ですので、私のグリルを一切れ食べていただけませんか?」
     そんな一都に赤い実弾けた。
    「わ、私にカロリーをくださるというの……っ!?」
     きゅん……!
    「いや、きゅんじゃねーわよ、ときめくなよ」
    「一都……」
     グリルを見つめるくるり。
    「一都さん……」
     アホ毛がハートマークになるきらら。
    「え、君達もっ!? それはちょろすぎないか? 多分それときめきじゃなくお腹が空いただけ……」
     なんてことがありつつ、楽しい食事会は続く。
    (「生きていればこそ、美味い飯も食えるってね。いつか雌雄を決する日が来るかも知れないけど、せめてその日までは穏やかにいきたいもんだ」)
     雄飛は喧噪の中にいながら、そう思った。

    作者:池田コント 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年7月16日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 3/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 11
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