「方言……なまり……」
水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)は先日の、妙な方言で一般人を洗脳するご当地怪人の事件後、方言に関するダークネス事件について調査を行っていた。
それは、彼女が丁度焼津港周辺を訪問した時のこと。
「訛りではなくて、生利ですか?」
「あぁ~、今は最盛期じゃないけん、うちは毎日作ってるからよ~」
小さな水産加工会社の旦那さんが、なまり節のパッケージを指して目尻を下げる。
訛りとはあまり関係なさそうだけれど、
「この辺りで、何か困ったことはありませんか?」
とゆまが聞くと、彼は少し沈んだ表情を浮かべた。
「実は……」
「待てえええぇぇぇ!!」
旦那さんの言葉を遮る大声を上げながら、前の通りを駆けていく小さな影。
「肉ばかり食べず、魚を食すでござる! 海の恵み・なまりスラーッシュ!!」
「やだー!」
「うわーん!」
頭部がカツオの少年が、なまり節のような刀っぽいものを振り回しながら同年代の子供達を追い掛け回していた。
「え? ええと……」
唖然と見送るゆま。
「タケシ……」
旦那さんも何か悲しげに呟く……と、カツオ頭がUターンしてきた。
「ちがーうちがーう! 拙者はもう、タケシではござらん。
焼津特産・なまり武士に候!!」
言うだけ言って、なまり武士は去っていった。
「……という訳で、水瀬の調査を元に、サイキックアブソーバーが収集していた情報を洗ってみたところ、それらしいご当地怪人に関する事件を予測することが出来た」
どういう顔をして良いか分からない、といった様子で、土津・剛(高校生エクスブレイン・dn0094)は説明を始めた。
どうやら、焼津の水産加工会社の息子、夏木・武士(なつき・たけし)という少年が、闇堕ちしてご当地怪人になってしまったようだという。
「武士君は小学4年生の、利発で礼儀正しい少年だったようだが……クラスメイト達にあまりにも魚嫌いが多く、名産品のなまり節を馬鹿にするようなことを言われて闇堕ちしてしまったようだ」
自分の好きなもの、誇りを持っているものを軽んじられたことが、彼にとっては悲しく憤りを感じることだったのだろうと剛は言う。
「そんな……なんとか助けられないんでしょうか」
武士のことを気の毒に思ったらしいゆまが呟くと、剛は「可能性はある」と頷いた。
「彼はまだ人間としての意識を残している、灼滅者の素質を持っているのかも知れないな。お前達なら、救える可能性がある筈だ」
肝心の武士の居場所については、灼滅者達が現場を訪れた頃には、丁度浜辺で子供達を追い掛け回しているところだという。
「彼はご当地ヒーローや日本刀と同様のサイキックを使用してくる。ダークネスとしてはそれなりに強いから、油断は出来ない。だが『友達になまり節を軽んじられている』ことに対して強い葛藤があるから、そこを突いてやれば人の心を取り戻し、弱体化させることが出来るかも知れない」
なまり節を使って子供に喜ばれるような料理を作り、武士自身や彼の友達が食べて納得してくれれば、戦力は大幅に削げるし倒した後元の姿に戻れる可能性も高まるのだと。
「どうしても説得出来ないようなら、灼滅するしかないが……お前達の腕と心で、武士君の心に響くような料理を作ってやってくれないか」
「お料理で説得するんですね……それなら、武士くんやお友達が吃驚しちゃうくらい美味しいものを作ってあげないと! 皆さんも、手伝って貰えますか?」
両の掌を重ね、ゆまは赤い髪を揺らして微笑んだ。
参加者 | |
---|---|
脇坂・朱里(胡蝶の館の女主人・d00235) |
天羽・梗鼓(颯爽神風・d05450) |
刀鳴・りりん(透徹ナル誅殺人形・d05507) |
野々上・アキラ(レッサーイエロー・d05895) |
新堂・辰人(夜闇の魔法戦士・d07100) |
水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774) |
ポルター・インビジビリティ(至高堕天・d17263) |
相馬・貴子(高でもひゅー・d17517) |
●レッツなまりクッキング♪
トントントンと小気味良い音が、作業の終わった加工場にも聞こえてくる。
そこは、夏木水産の加工場にある調理スペース。
普段は従業員の賄いなどの為に使う程度の、ちょっとしたものだったが、最低限の調理は出来る設備はあった。
新堂・辰人(夜闇の魔法戦士・d07100)が持ってきた調理器具や食器もあるので、余程難しい料理でもなければ事足りそうだ。
「エンピレオ……ふぁいとー……」
「ナノ~」
ポルター・インビジビリティ(至高堕天・d17263)が、ナノナノのエンピレオと一緒に夏木さんちの台所から、他に必要な調理器具などを運んできた。
会社の旦那さんは珍しげにエンピレオを見ていたが、既に息子が妙ちきりんな怪人姿になっているせいか、あまり疑問に思っていない様子だ。
「生利節……まだ冷蔵庫とか存在しない時代に、獲れた魚を日持ちさせる工夫の一つだね。
カツオの他に、小型のマグロやサバの節も存在するとは聞くけど……」
「へぇ~、新堂センパイって物知りなんだな!」
辰人の薀蓄に野々上・アキラ(レッサーイエロー・d05895)は感心げな顔をする。
「初めて聞いたのは正直認めるー」
相馬・貴子(高でもひゅー・d17517)もそう言って、興味深く話を聞いていた。
なまり節とは、一般的に捌いて骨を取った鰹を釜茹でして燻したもののことで、真空パックに詰めたものが魚河岸や一部のスーパーでも売られているようだ。
燻さないものや、大きさ・味付けなど工程の違いで更に種類や呼び方が分かれたりするようだが、ここでは燻されて味付けのされていないものを使う。
「なまり節は高知の土産で頂いたことがあるのじゃ。そのまま食べてもうまいし、わっしは好物じゃの」
魚の香りが良くて好きなのだと、刀鳴・りりん(透徹ナル誅殺人形・d05507)は言う。
切り分けたなまり節はソフトな食感で、解す前のツナにスモークの香りが付いているような感じだ。加熱処理してあるのでそのままでも食べられるが、煮物などにもよく使われる。
「『風味とダシに恵まれた素材はこれしておけば間違いない!』っておじいちゃんが言ってた!」
仲間や旦那さんに色々と聞いた貴子は、炊飯器を借りることにする。
まだ小学生で普段料理をする機会もないアキラは、家庭の味を詰めた保存容器を持参していた。
「なまり節の煮物は、ばーちゃんの得意料理なんだ」
「僕も醤油と生姜で煮付けるのが良いと思って、試しに作ってきたんだよ」
辰人も自前のタッパーを取り出す。
「子供さんってお魚とかお野菜とか、嫌いな子が多いですけど、アキラくんはお祖母様のお陰でお魚も大丈夫なんですね」
「うん、母ちゃんも料理上手いけどな」
一緒に洗っていた野菜をザルに上げながら水瀬・ゆま(箱庭の空の果て・d09774)が微笑むと、彼は元気に頷く。
「大人になっても嫌いな人もいますけれど……わたしの養父みたいに」
養父に魚を食べて貰う為、ゆまは大分苦心しているようだ。
「かといって……義兄のように、何でも食べちゃう大食漢も困りますけど……」
「水瀬センパイも大変なんだな……」
はぁ、と溜息をつくゆまに、アキラは料理を出す側の苦労を思うのだった。
「……初めて食べたけど……おいしいな」
砂糖とみりんを利かせた辰人の煮付けを味見して、ポルターはぽつりと零す。
りりんと天羽・梗鼓(颯爽神風・d05450)は、それぞれ洗った生野菜を切ったり千切ったりして盛り付けていた。
「りりんもサラダみたいなの作るんだ?」
「前菜にしようと思うてな」
「そうなんだ……アタシは料理の腕が超高校急にヒドイから、これにしたんだけど……。切って乗せて和えるだけのサラダなら、アタシでもつくれるもんねー♪」
一緒になまり節にマヨネーズを和えながら、言葉を交わす。
「ポルターさん、タネを捏ねてみませんか?」
一通り手伝うことも終わって手持ち無沙汰になったアキラとポルターに、玉葱をみじん切りにして炒めていた脇坂・朱里(胡蝶の館の女主人・d00235)が声を掛けた。
「それじゃ、アキラくんはサンドイッチを手伝って下さい」
「了解だぜ!」
ポルターに任されたボウルには、細かく解したなまり節、合い挽き肉が入っていて、塩胡椒で下味を付けておく。
「よいしょ……よいしょ……これでいい……?」
「ええ、上手ですよ」
粘り気が出てきたら、牛乳に浸したパン粉と卵、先程の炒め玉葱を投入。
「料理はやっぱり、愛情が一番の調味料といいますからね」
付け合せの野菜を準備しながらの朱里の言葉に、ポルターはこくりと頷いた。
「おいしく、なぁれ……」
「水瀬センパイ、ロールパン全部切れたぞ!」
「ありがとう。切れ目にからしバターを塗って、具を挟みましょう」
からしは控えめで。
「武士のこと、なんか他人事じゃないんだ。同い年としては放っておけないぜ」
具を詰めながらアキラは呟く。
「静岡は神奈川の隣だし、横浜から焼津まで魚買いに行くツアーとか、よく広告入ってるぞ」
ゆまはカレー粉を出しながら微笑んだ。
「頑張っておいしいお料理を作って、子供達の魚のイメージを変えましょう」
手を動かしつつ、二人は頷き合った。
「見た目もやっぱり大事ですよね。見るからに美味しそうって」
「おいしそうなかたち……」
「アタシも手伝うー!」
タネを小判型に成型する朱里とポルターに、梗鼓も加わって。
やがて美味しそうな匂いが、加工場から漂ってくるのだった。
●決戦! 浜の料理披露
「待てーーーい!!」
「うえぇぇぇん」
「武士、どうしちゃったんだよっ」
「拙者は武士ではないと何度言ったら! それよりも、いい加減観念して魚を食べるでござる!」
波打ち際に追い詰められた子供達が、なまり武士に詰め寄られていた。
「や、やだい。魚なんて骨ばっかりでパサパサしてて、おかずも地味だし……」
涙目になりながらも、子供達は首を振る。
なまり武士は打ち震えた。
「そ、そんな魚ばかりではないのに……くぅー、こうなったら必殺……」
その時、くいくいとなまり武士の袴の裾が引っ張られた。
「ん? なんでござるか?」
振り返ると、貴子の霊犬てぃー太がつぶらな瞳で彼を見上げている。
「よーし、良い子だねーてぃー太!」
更に後方に、どーんと立つ貴子、そして灼滅者達。
「好きなものの良いところ凄いところを分かってもらえばいいじゃなーい!
ただーし、力尽くで頷かせたりしたって逆効果だよっ。何かを嫌々やってもたのしくなんてならないものでしょー?」
海風に黒髪を靡かせながら、彼女の瞳は楽しげに動く。
「じゃあどうするかー。私たちの答えはー、料理だー!」
ジャーン、とでも効果音が鳴りそうな勢いで、男性陣が借りてきた折り畳みの机をセットした。
並べられていく数々の料理、そして辰人が用意するカセットコンロに、ぽかんとしている子供達と怪人。
「君がなまり武士かい? 初めまして、僕は新堂・辰人。よろしくね」
「これはご丁寧に、痛み入る」
辰人が礼儀正しく挨拶すると、彼は背筋をピンと伸ばした。
明るく笑って、アキラも続ける。
「おい、おめーの大好きな、なまり料理を作ってみたぞ! 味見してくれ。まさか、断ったりしないよな?」
更に辰人の薀蓄が続きそうになるが、程々にして。
「それではどうぞ召し上がれ。良ければ友達も一緒に……ね?」
料理に手を差し向け、朱里が微笑む。
堤防の上の道路には遠巻きに、旦那さんと奥さん――武士の両親が心配げに見守っていた。
まずは、サラダと前菜を作った梗鼓とりりんが前に出る。
梗鼓は水菜と玉葱に、スライスしたなまり節を乗せマヨネーズとポン酢を和えたサラダ。
「みんなみたいに手の込んだ料理には及ばないけど、がんばったよ! 食べてくれるとうれしいな♪」
りりんは、なまり節の上に白髪ネギ、ミョウガなどを乗せ、レタスや水に晒した玉葱と一緒にマヨネーズと醤油で味付けしたサラダ風前菜だ。
最後にレモンをきゅっとひと搾りしているのがポイント。
子供達は興味津々に寄ってきて、
「これもカツオ節が入ってるの?」
「なんと! カツオ武士ではござらん!」
なまり武士の頭から、しゅーと湯気が上がる。
「まあまあ、そう怒るでないなまり武士さん。カツオ武士……ではないのじゃ。それは固すぎるじゃろう?」
苦笑気味に、りりんは彼を宥めた。
「ね、おいしい? おいしい!?」
にっこり尋ねる梗鼓に、子供達はこくこくと頷く……ものの、意外な部分もあった。
玉葱やミョウガを残している子がいるのだ。
「むむ、好き嫌いが多いと大きくなれないでござるよ……」
綺麗に完食したなまり武士は、それでもなまり節を食べて貰えて少しは落ち着いたようだ。
「友達にも、魚が美味しく食べられることをアピールしないとですね」
「う、うむ」
朱里の微笑みに、なまり武士は小さく頷いた。
「じゃあ次は、煮物にいってみようか」
辰人の声で、彼とアキラが用意していた醤油と砂糖、みりんで甘辛く煮付けた生姜煮と、冷製なまり節とナスの煮物が出された。
「ほう、これはこれは!」
喜色を示したのは、なまり武士だけだった。
「ってなんで皆テンション低いでござるか!?」
「おめーらもいっぺん食ってみろよ! オレのお墨付きだぜ!」
アキラも勧めてみるものの。
「……だって、煮物なんていつもあるし」
「年寄り臭い……」
ガーン。
子供達のどんよりした答えに、なまり武士の顔色が変わる。
「こ、このっ……手間隙掛けて、料理を作った人の気持ちが分からぬのか!」
「まあまあ」
「お、落ち着けよ!」
実力行使に出そうななまり武士を、辰人とアキラが止めた。
「くっ、こんなに美味しいのに……うぅっ」
「うん、美味いだろー? うち、みんな、これが大好物なんだ。『オフクロノアジ』なんだぞ!」
なんだか涙声のなまり武士と膝を突き合わせ、アキラはうんうんと頷いた。
「これは、拙者の母上の煮物にも引けを取らぬ……いや、拙者に母などおる筈が」
既に、ダークネスとしてのアイデンティティが揺らぎ始めているような。
●愛情いっぱい、アレンジメニュー
「定番のお料理が定番すぎて、飽きてしまったというのもあるんでしょうか……」
ゆまが小さく唸ると、朱里も頷いた。
「それなら、ちょっと変り種の方が珍しがられるかも知れませんね」
とカセットコンロで温め、良い匂いを漂わせているドミグラスソースを掛けたのは。
子供が大好きなハンバーグ!
しっかり熱したステーキ皿の上には、付け合せのインゲンやコーン、人参、そして目玉焼きが特別感を醸し出している。
「なんと……ハンバーグになまり節が入っているでござるか」
興奮した様子のなまり武士に、朱里は頷いた。
「伝統的な料理とは違うけれど、友達にも食べて貰えるんじゃないかな?」
ハンバーグの効果はテキメンだったようで、子供達も目を輝かせている。
「こうなるとご飯も欲しいでござるな」
「そんなこともあろうかとー!」
貴子が炊飯器の蓋を開けると、蒸気と共になんともいえない匂いが漂った。
ご飯の上には切ったなまり節にしめじとエノキ、ダシの昆布が乗っている。
「私は炊き込み御飯で勝負を挑むー! あまり手間をかけずに素材の良さを全部引き出せるすごい料理なのだー!」
「「おおーっ!!」」
子供達も一緒に歓声を上げる。
「ん……これも……」
ポルターが差し出したお皿には、ゆまとお手伝い陣で作ったバターロールサンドが乗っていた。
解したなまり節と賽の目切りのポテトをマヨネーズで和え、切れ目を入れたロールパンにレタスやスクランブルエッグと一緒に挟んだ、お洒落なサンドだ。
「俺の知ってるサンドイッチと違う……」
「なんか、都会のかふぇみたい」
パンとご飯はお好みで、子供達の食もどんどん進む。
「うま味が上手に手を繋げる友達な組み合わせなんだよー。具のしめじやエノキの風味とも仲良くしてるでしょー?
そういう協調性のあるところ、すごく良いと思うでしょー? なまり節殿も友達と仲良くするのだー!」
貴子は笑顔で子供達にそう言った。
と、そこへ更に漂う、香ばしいカレーのような香り。
カセットコンロで熱した油の中に、ゆまがカレー粉を混ぜた衣を付けた一口大なまり節を投入したのだ。
「わぁ!」
「早く食べたい!」
しゅわしゅわと波立つ油を見守る子供達に、もう魚やなまり節に対する悪いイメージは見当たらない。
「あちっ」
「慌てないで、少し冷ましてから食べましょうね」
「あふいけほ、おいひぃ~」
「信じられぬでござる……こんな風に食べて貰えるなんて」
気が急いてゆまに宥められている子供達を眺め、なまり武士の目がじわりと滲んだ。
そして自分も、揚げたてのなまりフライやハンバーグを頬張っていく。
「うむ、うむ……これは、うっ……」
「「う?」」
何か言い掛けてピタリと動きを止めた彼に、周囲は思わず呟き返した。
すると。
「うまーーーーーーーーーーーーーーいッッッ!!!!」
カッ!
叫びと共に、なまり武士から眩い光の柱が迸った。
「危ない!」
「みんな、伏せて!」
急遽スレイヤーカードを解除した灼滅者達が、子供達に覆い被さる。
直後、激しい稲妻のような轟音と共になまり武士は爆発した。
●ごちそうさまでした
じんじん痺れる耳に、穏やかな潮の音が入ってくる。
一同がゆっくりと顔を上げると、なまり武士の飛び散った欠片らしきがシュウシュウと消滅し始めていて――爆心地には、仰向けに倒れた少年がいた。
「武士!」
「武士君!」
子供達と一緒に、灼滅者達は走り寄った。
堤防から両親も駆け下りて来る。
「大丈夫、気絶しているだけです」
武士の状態を確認した朱里が、優しく微笑んだ。
「……よかった」
エンピレオを撫でながら、ポルターも小さく頷いた。
「ごめん、武士。俺酷いこと言っちゃったな」
「なまり節だって、武士んちが一生懸命作ってるのに」
「ううん、いいんだよ。僕の方こそ、こんなことになっちゃって……」
すまなそうに謝る友達を、武士は少し恥ずかしそうに許した。
「今度は自分で美味いモン作れないか、やってみるよ。父ちゃんや母ちゃんにも食わしてやるんだ!」
という男子に、アキラは「オレもやればできるんじゃねーかなー?」と胸にわくわくしたものが湧いてくる。
「皆さん、本当にありがとうございました。それと……お料理、みんなとっても美味しかったです」
武士ははにかんだまま、灼滅者達に頭を下げた。
煮物も元々好きだったが、特にハンバーグとなまりフライがお気に入りのようだ。
「友達がお魚好きになってよかったね♪」
「はい!」
梗鼓の言葉に、武士は大きく頷くのだった。
こうして怪人なまり武士は倒れ、新たなご当地ヒーローが誕生した。
めでたしめでたし♪
作者:雪月花 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年8月5日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 0/感動した 3/素敵だった 6/キャラが大事にされていた 1
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