獅子との邂逅

    作者:立川司郎

     彼女が足を踏み入れると、正面に大きな背が見えた。じっと座したまま、彼は静かに瞑想を続けている。
     緊迫したその空気で、天城・久美は全てを察していた。
     数えてみると、出発時より数人ほど足りない。
    「まさか灼滅者に……!」
     驚き、声を上げた久美を恭二が手を上げて制する。どうやら、無事辿り着いたのは恭二を含めごくわずかで、幾人かはついに戻って来なかったらしい。
     その報告を聞いても、柴崎・明は驚く事はなく……むしろ、笑みすら浮かべていたという。
    「俺達は、富士急ハイランドの手前で待ち伏せされていました。彼らの目的は、富士急ハイランド……もしくはブレイズゲートだと思われます」
     恭二の報告を、周囲のアンブレイカブルたちは無言で聞くしかなかった。自分達は力を見せつける所か、力が足りない事をまざまざと思い知らされて帰還する事になったのである。
     柴崎が答えないのは、そんな自分達に呆れたからであろうか?
     ……ならば、また修行をして戻って来るしかあるまい。アンブレイカブルたちは一人、また一人と道場を去って行く。
     やがて恭二一人になると、柴崎はようやく目を開いた。
    「人を守る為に命を賭すか。にも拘わらず、多くのアンブレイカブルを生かして返すとは、奴らの考えは理解出来ぬな」
     ふ、と薄く笑って柴崎は言った。
     彼らの事は、柴崎には眼中にないのだろう。だが、ほんの小さな試みが彼の心に波紋を落としたのかも知れない。
    「如何程の強さか、些か興味が湧いた」
    「……行かれるのですか? 相手になりますまい」
     恭二が驚いてそう言うが、はなから柴崎は相手が互角に戦える程強いとは思ってはいなかった。
     ただ、業大老の弟子を名乗るアンブレイカブルを倒す程の強さを、自ら確認しておきたかったのである。
    「灼滅者は富士急ハイランドへの道を封鎖した、と言ったな」
     ならば、俺もその道を辿ろうと柴崎は言った。
     富士急ハイランドのすぐ眼前、第三駐車場で柴崎は灼滅者を待つ。夏休みとはいえ、開園前の第三駐車場はまだ人も車も疎らだ。
     ただし、突破されれば……ヒトに手が届く。
    「試してみるか、灼滅者を。……ただし俺にその強さを発揮出来ねば、富士急ハイランドの人間達は皆殺しだ」
     ダークネスの手の内において、ヒトの命は脆い。

     リンと涼しげな音が置かれていた。風を受けて鳴り続ける風鈴は、ガラスで出来た小さなものだ。
    「今日は多いな」
     相良・隼人(高校生エクスブレイン・dn0022)が笑うと、集めたのはお前だろうと誰かが言った。
     たしかに、今日は数が多い。それが何を意味するかは、集まった灼滅者達にも薄々分かって居た。
     問題は、その相手が誰なのか……である。
    「相手は柴崎明。……つつじの師匠である、業大老の高弟と言われている男だそうだ。今のお前達が束になっても、倒す事は出来ねェ」
     その男が早朝、富士急ハイランドに現れるのだと言う。彼は灼滅者の到着を、第三駐車場で待っていた。
     目的は、灼滅者との戦いである。
     そんな男を相手に、三十人でどう戦えと言うのか? 隼人は死にに行けというのか、それとも闇堕ちしてでも戦えというのか。
     灼滅者の疑問に、隼人は首を振った。
    「いや、相手は最初からお前達を皆殺しにする為に来るんじゃねえよ。どうやら、お前達の強さ、そして実力の程が知りたいらしい。柴崎が満足すれば、何もせずに富士急ハイランドからお引き取り頂ける」
     ただし、と隼人が言葉を続ける。
    「万が一柴崎にお帰り願えなかった場合、夏休みの富士急ハイランドが……入場客の死体で埋め尽くされる事になる」
     柴崎は実力を計るのが目的である為、防御の構えは解かない。むろん柴崎も攻撃は仕掛けてくるが、本気になって攻撃に転じるよりはまだこちらのダメージが少なく済みそうだ。
     彼が想定する制限時間は十五分間。
    「守りすぎたら柴崎も興ざめしちまう。かといって攻めすぎても、十五分耐えきれないだろう。……それと闇堕ちすれぱ倒せるだろうとは思わない方がいい。お前達が闇堕ちしてようやく、あの戦いのアンブレイカブルと同等。そいつらを更に上回る強さの柴崎を倒すのは、困難を窮める」
     十五分間。
     たった十五分戦う事が、この戦いにおいてはどれほど困難であるか。一致団結して、柴崎との戦いに望む必要があるだろう。
     ただ無事に戻るように、と隼人はか細く声を掛ける。
     灼滅者たちも、そして富士急ハイランドを楽しむ人々も無事であるように。


    参加者
    ミレーヌ・ルリエーブル(首刈り兎・d00464)
    アプリコーゼ・トルテ(中学生魔法使い・d00684)
    池添・一馬(影と共に歩む者・d00726)
    月代・沙雪(月華之雫・d00742)
    柳・真夜(自覚なき逸般人・d00798)
    最上川・耕平(若き昇竜・d00987)
    辻堂・璃耶(アニュスデイを導くもの・d01096)
    鹿島・狭霧(漆黒の鋭刃・d01181)
    笠井・匡(白豹・d01472)
    村上・忍(龍眼の忍び・d01475)
    二夕月・海月(くらげ娘・d01805)
    相良・太一(土下座王・d01936)
    フィズィ・デュール(麺道三段・d02661)
    赤鋼・まるみ(笑顔の突撃少女・d02755)
    西土院・麦秋(ニヒリズムチェーニ・d02914)
    狩野・翡翠(翠の一撃・d03021)
    嵯神・松庵(星の銀貨・d03055)
    音鳴・昴(ダウンビート・d03592)
    ファルケ・リフライヤ(爆走する音痴な歌声銀河特急便・d03954)
    刀狩・刃兵衛(剣客少女・d04445)
    式守・太郎(ニュートラル・d04726)
    藤堂・焔弥(赤鉄の鬼神・d04979)
    空飛・空牙(影蝕の咎空・d05202)
    霧渡・ラルフ(奇劇の殺陣厄者・d09884)
    森沢・心太(隠れ里の寵児・d10363)
    祁答院・蓮司(追悼にして追答の・d12812)
    龍記・アサト(ヒーローになりたい・d13182)
    木元・明莉(楽天陽和・d14267)
    永舘・紅鳥(ノンストップリベンジャー・d14388)
    ローゼマリー・ランケ(ヴァイスティガー・d15114)

    ■リプレイ

     真夏の灼熱も、この時間帯はまだ緩やかであった。
     第三駐車場は車もまばらで、会場を待つ人々は既にここを離れた後なのか、姿も見えない。ぽつんとそこに影が落ちていようと、気にする者も居はしないのである。
     黒い胴着に袴姿の男は、いつからかそこに立っていた。
     戦いの気配を察したように、第三駐車場は一般人の姿がかき消えている。そこに新たに三十人の学生達がやってきても、彼は全く動じはしなかったのであった。
     偶然来たように装うと決めていた赤鋼・まるみ(笑顔の突撃少女・d02755)は、既に彼がこちらの目的に気付いていると察したが、それでも学園の情報について知られる事を避ける為に言葉にする。
    「またアンブレイカブルですね!」
     柴崎・明は臆する事なく、三十人を見据えた。
     彼たった一人で、あのアンブレイカブル達を殲滅させる実力があるのである。それはつまり、彼がその気になれば闇堕ち者を出したとて犠牲は避けられまい。
    「貴様等が、先の戦いにおいて邪魔をしたという灼滅者か」
    「……こちらにも事情があります。通りたければ、勝負です!」
     まるみが構えると、明も同様に構えた。
     空気が震えるような緊張感が、両者に走る。
    「群れねばアンブレイカブル一人倒せぬ灼滅者が、どこまで戦えるというのか……見せてみよ」
    「良ければお名前を! 私は赤銅・まるみです!」
    「礼を尽くす余裕があるとは、良い度胸だ。……俺の名は柴崎明だ。俺を倒すというなら、命も策も駆使して掛かるがいい」
     斯くして、三十人対する一人の戦いが幕を開ける。
     初めに動いたのは、灼滅者側であった。柴崎は相手の動きを見るように、静かに三十人を一睨みして待ち受ける。
     三十名のうち十名が最前衛で柴崎を半円に包囲し、攻撃の要を後衛に据えて狙う策であった。十五分が終わる前に最前列の大半が力尽きた場合、中衛などから前列に移動して後衛を守る。
     まるみは後衛から神経を集中させて、歌を歌い始めた。
    「空で元気に輝くお日様♪ 今日は絶好決戦(デート)日和♪」
     アイドルソングのような軽快な歌を歌うまるみであったが、攻撃は次々回避されていく。
     柴崎はこちらより遙かに上手で、こちらが全力で攻撃しても相手にとってさほどの脅威にも感じて居ないようであった。
     かろうじて、歌だけはほかより効きがいいように感じられる。まるみでそうであれば、最前列で攻撃に徹する仲間はもっと苦戦する筈。
     森沢・心太(隠れ里の寵児・d10363)と池添・一馬(影と共に歩む者・d00726)は防御の態勢を解かず、明の動きに備えた。
     心太と一馬もまた名を名乗り、攻撃に転じる。
     この一撃とともに、名が相手に刻み込まれるようにと心の底から感じて居た。
    「……赤銅の様子からすると、こっちか」
     一馬は朱槍を構えると、黒色の光線を放った。
     これも、躱される。
     しかし躱されるのは一馬にはあらかじめ想定済みであった。一瞬でも明の気を逸らし、心太の攻撃の隙を作る事。
     即座に心太が動いたのは、互いにコンビネーションを作る為意思を交わしていたが故である。
    「行け!」
    「……分かりました一馬!」
     シールドを展開し、心太が明に飛び込む。
     ゆるりと動いた明の手が、シールドに翳される。ぴたり、とその手で心太のシールドごと、攻撃を阻止した。
    「力の奔流とは、こういったものだ。……よく見ておけ」
     言うなり、ふと明が心太に迫った。
     接近した、と思うと体が吹き飛んでいた。防御をした、というよりも防御態勢を取っていた所に攻撃されたという様である。
    「あ……まだ……動いてる」
     転がったまま、心太が自分の手を見つめた。
     痺れて震えているが、まだ立てそうであった。その間も、一馬が心太のフォローをしようと槍を構えている。
    「立てるか?」
     一馬のかけ声に、心太は笑った。
    「大丈夫です。……楽しいですね」
     よろりと立ち上がった心太の傍で、月代・沙雪(月華之雫・d00742)が牽制するように符を放つ。ぐい、と腕を掴むと沙雪が後ろに視線をやった。
    「まだ立てるのでしたら、早く治癒を」
     後ろに任せると、沙雪は意識を前へと戻した。
     ハンマー『ミョルニル』を構えた藤堂・焔弥(赤鉄の鬼神・d04979)が、にやりと笑って一馬の横に立つ。即座に割っては入れるように最上川・耕平(若き昇竜・d00987)が傍に控えるが、焔弥は攻撃の事しか考えていなかった。
     支えてくれる耕平達ディフェンスの事は信じている。
     だが、自分の為すべき事はただ攻める事のみである。
    「あんた強ぇな。今の俺達は確かにアンタの足下にも及ばないんだろうよ。だがな、それでも俺はアンタに少しでも近づいてやる」
     それがどれだけ険しい道であろうとも、灼滅者として、一人のファイターとして進む。
     焔弥は叫ぶと、ハンマーを振りかざした。
     重く強烈な一打を、ただ一撃でも多く打ち込む。
     一撃でも、自分も相手も納得出来るような一撃を。焔弥の背後に控える沙雪は、符を周囲に展開しつつ焔弥の攻撃を支援している。
     少しでも足止めをして、焔弥の攻撃を支えなければ勝ち目はない。符が弾かれる度、沙雪が再チャレンジを行う。
    「拳での戦いこそ得意としませんが、私もあなたと表裏一体の力を持つ者です。この戦いで、アンブレイカブルの戦いというものを学ばせて頂きます」
     意識を集中した沙雪の符が、辛うじて明の足下をかすめる。二度三度と重ね、符が仲間の攻撃を逸らしてくれるように展開し続ける。
     わずかに傷を見下ろしたが、明は拳を握り締める。
     そしてハンマーから拳に切り替えた焔弥の一撃を頬の皮一枚で躱すと、拳を下から叩き込んだ。わずかに浮き上がり、焔弥が地面に叩きつけられる。
     耐えた……と、耕平が間に割って入る。
     治癒の為、地面に伏した焔弥の腕を掴んだ。
    「治癒するよ」
    「いらねぇ……どうせ保たねぇ」
     これだけ削られれば、治癒など無意味。
     焔弥は立ち上がり、再び拳を振り上げた。制止しかけた沙雪が、符を放つ。沙雪の足下に展開される符を蹴散らし、双方詰め寄る。
     治癒の力を使いかけ……そして耕平も剣を構える。想定外のパワー、そしてスピードに耕平の剣は明に切り傷一つつけられず、弾かれ回避される。
     それがじれったく感じるが、それと同時に悦びでもあった。きっと皆同じ気持ちであり、この戦いを心底楽しんでいる事だろう。
    「強いね」
     耕平が呟くと、明の拳により力尽きた焔弥が意識を失って転がった。そっと沙雪が抱え上げ、耕平の言葉に頷く。
     明は既に昏倒した焔弥の命を奪う事に、興味はないようだった。
     最初に言ったように、こちらの戦いぶりを見る為に居るのであろう。しかしここで無様な戦いを見せれば、自分も含めて仲間の命は容赦なく消え去る。
    「最上川さん、私は足止めに専念します。治癒が必要でしたら、お声をおかけ下さい」
    「ありがとう。僕も最後まで、力尽きるまで戦わなきゃ」
     十人の盾が、最後まで何人立っていられるか分からない。それでも自分が倒れれば、その分仲間に負担が増える。
     耕平は幼い頃の訓練を思いだしながら、剣を握り締めた。
     正面から斬りかかっても効果がないのは、分かって居る。百裂拳を避け、耕平はサイキックソードでの攻撃に専念する。
     せめて一撃……と斬りかかった耕平に、拳が降り注いだ。
     凄まじい連打に、耕平が崩れ落ちる。

     念のために、と装甲を切り刻む事も考えて活性化して来たミレーヌ・ルリエーブル(首刈り兎・d00464)であったが、それは使う機会がなさそうだった。
     ナイフを握り締め、前衛の戦いを見つめた。
    「沙雪ちゃんの足止めに合わせて、私も足止めを狙うわ。その後氷を叩き込んで、少しでも削る方向で戦いましょう」
     あの位置からオーラキャノンを使われれば、どのみち自分では回避不能だ。
     諦めたようにミレーヌは呟くと、ふっと笠井・匡(白豹・d01472)の影に隠れるように明の背後に回り込んでいった。二人が欠けた前衛を埋めるように、木元・明莉(楽天陽和・d14267)はビハインドの暗に防衛に努めるよう指示をする。
     仲間の支援があれば、最前列の仲間にも攻撃のチャンスは大いに在る。
    「暗、前衛に回ってくれ」
     後方から指輪による呪いを掛けつつ、明莉は案の動きを見守った。背後に回るミレーヌは、暗の動きに合わせて、影から飛び出すように明へナイフを切り込む。
     一瞬ひやりとしたが、ミレーヌはうまく切りつけて態勢を戻す。
     明と目が合ったミレーヌは、しっかりと見返した。
     汚名返上……。
     口にはしなかったが、ミレーヌはそう心中で呟く。恭二との戦いで敗北してしまったミレーヌにとって、今回の戦いはその汚名返上の機会であった。
     飛び退いたミレーヌの眼前で、明の拳は暗を避けて匡へと向けられた。
     サーヴァントをあえて避けたと、明莉は気付いたようである。匡はシールドで防ごうと身構えながら、仲間にもシールドを展開していた。
     明の視線がこちらに向けられた時、それでもシールドで仲間を支援するかそれとも攻撃するかの選択に迫られた。
    「考えても……仕方ないか」
     自分が強くなる為。守りたいから守る。
     だけど、それでもここに立った以上は一撃喰らわせたくてたまらなかった。
     飛び込んで拳を叩き込むが、ゆるりとした動きで明は躱していく。やはり、見切られている……だが匡は拳を止めない。
     ちらりとミレーヌに視線を投げた明莉は、後方から攻撃の隙をついて氷塊を叩き込む。少し下がりつつ、ミレーヌが自分に合わせて氷を叩き込んでくれる事が分かって居た。
     匡、暗、そして周りの仲間との連携で攻撃を繰り出す事。
     明莉がやろうとしていたのは、その事だった。互いとの連携を重視したチームプレイが、今の自分達の最大の武器だ。
     楽しそうに戦うミレーヌを見ていると、本当に明莉はそう感じて居た。
     匡の背後からするりと姿を現し、ミレーヌが氷を放つ。明の拳が匡の体に降り注ぎ、連打の応戦にその体が崩れ落ちる。
    「手加減してもらって……これか。マジでいつか……灼滅してやる」
     意識を失う直前呟いた匡の言葉に、明は笑った気がした。

     一撃当てたと思うと一人が倒れる。
     五分で三人倒れるってどうやって戦うって言うんだ? 空飛・空牙(影蝕の咎空・d05202)は構えを解かず、思わず口にする。
     少なくとも、こっちの攻撃が空振りしまくっているのは空牙にも分かる。
    「俺達の力は『信じる力』『勇気』そして『心に響く歌』だろ?」
     元気のよいファルケ・リフライヤ(爆走する音痴な歌声銀河特急便・d03954)の声が、空牙の耳に響く。
     むろん空牙とて諦めては居ない。
    「勝ち名乗りは、前衛全部倒してからにしてくれよ」
     へらりと笑い、空牙はナイフで斬りかかる。
     明の動きを阻止する為、ファルケは後ろから歌を歌い続けていた。歌の催眠効果と、ほかの仲間による足止めは少しずつではあるが効果を上げている。
     しかしファルケ、気持ちは分かるが余り上手い方ではない。
    「良い歌ですね」
     辻堂・璃耶(アニュスデイを導くもの・d01096)がさらりとそうファルケに言ったものだから、なお気持ちよく歌い出す。
     明の拳を喰らってファルケの傍まで叩きつけられた空牙は、上を見上げてファルケと目を合わせた。
    「大丈夫か、じっしとてろ!」
     ファルケの歌はちょっと音程が合っていないが、空牙はからからと笑って立ち上がった。歌は合っていないが、元気にはなりそうだ。
     ぺたりと座り込み、空牙は傷を癒す為に意識を集中した。
     璃耶は治癒をファルケに任せ、空牙に攻撃が回らぬように影を這わせる。倒れた空牙を明は見逃さず、すうっと足を向ける。
     振り上げられた拳を、一馬が受け止めた。
     受けた拳は軽くはなかったが、少しの間は稼げたはずだ。
    「早く立て直せ……!」
     一馬の声を聞いて、駆け寄った龍記・アサト(ヒーローになりたい・d13182)が空牙に光の輪を放つ。璃耶は目を細め、呼吸を整えながら影を操っていく。
     ちらりと見ると、仲間の足止めの効果か少し足取りが重いようだ。気付いた霧渡・ラルフ(奇劇の殺陣厄者・d09884)が、ナハトマートの形状を変化させていく。
     ……今ならば、とラルフは仲間の切り刻んだ傷をナイフで更に押し広げる。
    「ここを血で満たす訳にいきませんからねネ。ここは人の笑顔の絶えぬ所」
     立て続けに弾蛾を放ち、明の行く手を阻む。地面を跳ねた弾はその向こうに消えていったが、次々容赦なく打ち込むラルフ。
     弾雨を受けてもビクともしない強靱な体に、ラルフも笑みを浮かべるしかない。一撃が一馬を吹き飛ばすと、いよいよ前衛が手薄になってきた。
    「さて、そろそろ頃合いでしょう」
     ラルフの声に、璃那が言葉なく応じる。度重なる攻撃で、わずかに明の足取りが重くなっている。……今ならば、と烈風を放った。
     猛風が刃を作りだし、明の体を切り刻んでいく。
     その傷を、さらにラルフが斬り広げた。
     ふっと息をつき、璃耶はライフルの銃口をわずかに下ろす。戦いの最中ではあるが、璃那もラルフも手応えを感じていた。
    「……ありがとうございます」
     攻撃が届いたのは、仲間の支えがあったからだ。
     璃那はその事に感謝を。
     そして、このチャンスを見逃さない!

     この三十名の中には、様々な戦いを経由して参加した者がある。フィズィ・デュール(麺道三段・d02661)はアンブレイカブルとの戦い果てに灼滅という道を辿った。
     明に対峙したフィズィは自身の拳を握り締め、静かに見下ろした。
    「貴方の命をもって磨いた力……使わせて頂きますよ」
     灼滅した命に応える為、そして勝つためには形振り構ってはいられない。使える武器も防具も、選んではいられけなかった。
     足止めの為に仲間に合わせて切りつけては居たのだが、やはり投げの態勢からはビクともしなかい。
     まるで鋼で出来ているかのように、全く動かない。
     そこから更にオーラキャノンを放ったが、既に地獄投げで見切られているフィズィの力が届く事はなかった。
    「力技は効かないとは聞いていましたが……ここまでとはね」
     フィズィに返す言葉なく、明は拳を振り上げた。
     防御の姿勢を取るが、それすら打ち砕く破壊力でフィズィを吹き飛ばした。見切られた状態でフィズィの急所を狙うのは造作もない。
     胸部を強打されたフィズィは、地面に叩きつけられた。
     西土院・麦秋(ニヒリズムチェーニ・d02914)が後ろへと避難させ軽く頬を叩くと、ぴくりと反応があった。祁答院・蓮司(追悼にして追答の・d12812)と村上・忍(龍眼の忍び・d01475)が刀にで果敢に切り込んでいくが、やはり刃は届かない……。
     ただ、致命傷は与えられなくともこの刃が相手の手を少しでも止めれば、という思いで切り込んでいく。
     蓮司と忍、ぴたりと息を合わせたように上段から斬りかかるも刃を跳ね返す明。蓮司はこの一撃に少なからず鍛錬を積んできた身、それを力で跳ね返されるとは恐るべき力である。
    「上段斬りを弾くのか…!」
    「力に力で返すなど造作も無い。力の差を知れ」
     明の言葉に、蓮司は口を閉ざす。
     攻撃しつつも、忍は仲間の事を案じていた。
    「怪我をした方は?」
    「大丈夫よ、ちゃんと生きてるわ」
     軽い口調で言い返し、麦秋は盾として立つ嵯神・松庵(星の銀貨・d03055)にリングを放つ。見た所、致命傷を喰らわなければ一撃で倒れる事もない。
     忍、麦秋は共に富士急ハイランドでシロと戦い、そして灼滅する事なくシロに帰還してもらう事が出来た。蓮司もまた、富士急で戦って帰還させている。
     忍は手の内の刃をそっと見下ろし、思い返す。
     あの戦い、そしてこの刃を抜いて対峙しようと決めたこの戦いについて。
     話そうと決めていた。それについて聞かれた時。
    「戦いとは、常に死と表裏一体。死に行くならば、それは弱さに他ならぬ。己も、他もまた弱者は消えゆく塵だ」
    「私は……!」
     忍は、声を詰まらせる。
    「私は、そんな唯戦い消し合うだけの存在になりたくありません。私達には、磨く石が必要です……あなたのような。だから私達は、シロさんを帰した」
    「再挑戦の楽しみが出来る。また戦い、強くなる為の踏み台になるからな」
     蓮司の言い分は忍の言葉と似ているが、どこか冷たく聞こえた。しかし聞いていた麦秋は、結局二人とも戦った相手を認めているのだと感じて居た。
     蓮司は斬りかかり、明から強さを吸収しようと戦いを挑む。あの時の蓮司達の判断は、今でも間違っていたとは思わない。
    「……態々死を選ぶ必要なんてないじゃない、死なずに済むならそれで。お互いそれで成長し合える、そんなこの子達の考え嫌いじゃないわ」
     麦秋はちょいと二人を指して言った。
     それが明に通じたかは分からない。
     戦いでしかわかり合えぬ存在なら、戦いを通して自分の意志を伝えるしかないのだ。そうやって、忍も麦秋もシロとわかり合えた。
     いつか、明ともわかり合えるだろうか?
    「可能性は、捨てたくないわね……でも今は!」
     麦秋は忍に矢を放ち、彼女の集中力を高めた。
     先行して斬りかかった蓮司と松庵が前方を塞ぎ、背後から忍び寄る彼女の気配を背後に感じ取る。刃を抜く音を聞くと同時に、松庵は指輪から弾丸を放った。
     幾度も重ねた仲間の攻撃が、明の足を絡め取る。
     無駄かと思った松庵の一撃が明の足をかすめ、わずかに明の気を逸らした。忍はそのまま、刃を振り上げ……一刀、切り下ろした。
     この調子ならば…。
     松庵が指輪をはめた拳を握り締めると、突如咆哮のような声が轟いた。すさまじい殺気と、エネルギーがビリビリと伝わって来る。
     全てを吐き出し深呼吸を一つすると、明は元のように身構えた。
    「それで終わりではあるまい?」
    「むろんだ」
     そう応え、松庵も溜息をついた。
     せっかく積み重ねた足止めも何もかも、吹き飛ばしてしまったのである。しかしあと数分、それさえ耐え、攻めきれば戦いを終える事が出来る。
     その時、ここが惨状になるか仲間の笑顔で終える事が出来るか。
    「……そういう事だ、鹿島」
    「聞こえたわ、獣みたいな咆哮が」
     肩をすくめ、鹿島・狭霧(漆黒の鋭刃・d01181)は飛び出した。
     この数分、攻めて攻めて攻め続けた。
     これからも、終わるまで戦い続けるしかないのだ。攻撃に出た狭霧に続き、松庵はバスタービームで明の歩みを阻害する。
     スピードを生かしたステップで迫る狭霧は、再び足止めを計ろうと明の急所を狙う。その刃を手でぴたりと止めると、明がじろりと狭霧を振り返った。
     狭霧は平然と、笑みを浮かべる。
    「聞いてもいいかしら。今回の件はあなたの独断? それとも業大老の意志なのかしら」
     狭霧の問いを、明は嘲笑する。
    「俺はあんな爺の為に動いた事など一つもない。俺を必要とするならば、それは爺の配下がよほど詰まらぬからだろう」
    「……確かにアンタの配下は私達に蹴散らされた。でも生憎とこっちには、仲間っていう倍増要素があるのよ。彼らと同じように唯蹴らされると思わないでね」
     明の進行は松庵が受けてくれると信じ、狭霧は飛び込んでいく。

     ここまで、よく前衛が耐えていた。
     明が一人ずつしか攻撃しなかった為、攻撃を受けるのが一人で済んだのも幸いしている。また、明が防御態勢を解かない為、若干ダメージも和らいでいる。
     相良・太一(土下座王・d01936)はパワーとスピードを生かして攻撃を仕掛けていたが、それも相手の得意とする分野。
    「……効きやしねぇ」
     当たれば儲けものと思っていたが、これではオーラキャノンを使っても効果が期待出来そうにない。しかし、ディフェンスの役目は後衛を守り、攻撃の隙を作る事である。
     仲間が次々拳を喰らい、そしてまた這い上がるのを見て太一は笑いを零した。
    「凄ぇよアンタ! つつじより強そうな相手なんて、滅多に見ねーもんな」
    「葛折……成る程、その様子では葛折は良い顔はしなかったのだろう」
     その様子では葛折つつじとは相性が悪そうだな、と太一は思ったが口にはしないでおいた。ここでそれを言うのは、自殺行為である。
    「そんな事より、今は拳で語れよ!」
    「よかろう」
    「……ぐはっ、一発で持ってかれるとは……」
     倒れ伏した太一の横に、すうっと音鳴・昴(ダウンビート・d03592)の霊犬が立った。
     前衛の様子からして、誰かが交替に入る必要があると考えていた昴は、霊犬のましろを前衛に出る準備は整えている。
     弓を構えた昴に合わせ、ましろはうなり声を上げる。
    「既に相手の構えは解いています、ブレイクから攻撃を切り替えてください」
     凜とした狩野・翡翠(翠の一撃・d03021)の声に、昴はこくりと頷く。
     だが、よろりとその場に太一が立ち上がる。
    「寝てらんねぇ……」
    「下がってろ」
     放った昴の矢が太一を貫き、背後に庇ったましろの浄霊眼と合わせてみるみる傷を癒していく。お前に倒れられちゃ困ると言いつつ、昴は怪我の具合を案じていた。
     既にディフェンスは半分。
     明の攻撃対象から外れている以上、サーヴァントをフォローに入れるのは得策であろう。
    「……私がシールドで引きつけるから、その間に立て直して」
     柳・真夜(自覚なき逸般人・d00798)がシールドを構えると、そう昴に言った。
     恐らく、シールドを使っても明を引きつける事は出来まい。だが、サーヴァントより人への攻撃を優先するという事は、やはり本人の実力を確かめるという目的があるからに違いない。
     ならば。
    「あなたは怖くない。まだ、本当の絶望と恐怖は感じないですから」
     真夜にとって本当の恐怖は、鶴見岳のアモンとの戦いである。
     少なくとも、恐怖と絶望は……真夜には感じない。ただあの時、これだけの人数がいればアモンに勝てたのだろうかと考えていた。
     もっと仲間が居たら、あの時誰も傷つかずに済んだのだろうか?
     シールドを翳した真夜の懐に、ふと明が滑り込む。そのまま体が浮いた……と思うと、意識が消えていた。
     暗転していく意識の中見えたのは、ローゼマリー・ランケ(ヴァイスティガー・d15114)のビハインドであるベルトーシカが飛び込む姿であった。
     ベルトーシカ、そしてましろを加えて何とか前線を維持する。
     怪我をした太一、そして気を失った真夜を確保しながら昴はゆるりと歌を歌い始める。緩やかな歌声が明の意識を奪うよう、昴は前線をましろに任せて歌い上げる。
     攻撃の手は……まだ遠い。
    「強い……でも、闇堕ちはしたくない!」
     翡翠が、叫ぶように言う。
     斬鑑刀で切り込んでみたが、このような力押しは押し返されてしまう。
    「狩野サン、援護して下サイ!」
     縛霊手を振り上げたローゼマリーの声に、翡翠がちらりと視線を向ける。彼女が使うのは捕縛、それならば翡翠もそれに合わせよう。
     ウロボロスブレイドを握り締めた翡翠は、ローゼマリーに合わせて攻撃を切り出す。交互に攻撃をいなしながら、二人は呼吸を合わせて攻撃を続ける。
     更に、二夕月・海月(くらげ娘・d01805)の影が明の足を狙い風を切った。ローゼマリーは合わさるように影を這わせ、明を切り裂いていく。
    「皆で合わせると、それだけ沢山の力になりマス!」
    「そうだな」
     いつ倒れるか知れないというのに、海月は珍しく少し笑みを浮かべた。必死に食らいついて、それでも明の拳はすり抜けて仲間をたたき伏せる。
     斬りかかった刀狩・刃兵衛(剣客少女・d04445)を明がすうっと正面に据えると、海月は飛び出した。刃兵衛に向けられるはずであった拳を、その身に浴びる。
     背後にいた刃兵衛にその体を支えられて、なお海月は立とうとする。
    「守……る」
     体を抱えた刃兵衛の手は、震えていた。恐怖では無いのだろう。だって、海月から見えた刃兵衛の顔はとても厳しい表情だったから。
    「……私達は、数々のダークネスと戦い、そして時に相手の命を奪わず見過ごしてきた。それは、お前にとって確かに甘く見えるのだろう」
     これ以上海月を傷つけさせない為、刃兵衛が斬りかかる。そのガードを破る為に斬りつけるも、明の姿勢を崩すに至らない。
     刃兵衛の背後に立ったアプリコーゼ・トルテ(中学生魔法使い・d00684)が、ミサイルで集中攻撃を計るが相手のスピードはまだこちらを上回る。
     即座にロッドに持ち替え、エネルギーを直接叩き込む方法に切り替えた。彼女の前で、刃兵衛は、全身で斬りかかっていく。
    「壊すだけじゃ……何も生まれやしない。守り、救いたいという気持ちが人を強くするんだ!」
     抜き放った刃兵衛の刃が、深く明の肩をえぐり取った。声も、そしてこの刃も皆も分まで必ず届けてみせる。
     その一念から繰り出した一撃。
     す、と明は肩の傷を見るとぴたりと拳を構える。とっさにアプリコーゼがミサイルで肩を貫くが、攻撃を阻止するに至らない。
     やがて強風のように繰り出した強烈な一撃に、刃兵衛の体がふっ飛んだ。地面の感触を味わいながら、刃兵衛は何とか目を開く。
     海月、そして刃兵衛と立て続けにたたき伏せられ、アサトが声を上げて救護を呼びかけていのが聞こえる。
     立ち上がろうとした海月を抑え、アサトはリングで海月を包んだ。
    「あーほらほら、すぐ済むからちょっとの間待ってくださいっす」
     笑って言い、アサトは次に刃兵衛へと視線を向ける。慌ただしく永舘・紅鳥(ノンストップリベンジャー・d14388)が刃兵衛へと矢を放つが、既に前衛は壊滅しかけていた。
     ただ、あともう少し。
     アプリコーゼが渾身の力で、ミサイルを叩き込む。
     最後まで……と式守・太郎(ニュートラル・d04726)が呟く。
    「最後まで、灼滅者として戦います!」
     仲間と支え合い、ここまで戦った。
     決して全く届かない手ではなかった。アプリコーゼが途切れる事なく叩き込むミサイルは、太郎が放った光刃と合わさり輝く。
     足に絡みつく影と、そして仲間が切り刻んだ傷とは確かに明の腕を鈍らせ、仲間の支えとなっていた。
     振り上げた明の拳に、アプリコーゼがはっと視線を向ける。
     正面に立った太郎に注意を促すが、太郎は何かに気付いて手を止めた。その拳は振り下ろされる事なく、すうっと明が構えを解く。
     見ていたアプリコーゼと紅鳥は、そこでようやく十五分が過ぎた事に気付いた。
     一気に肩の力が抜け、怪我をして二人を抱えるようにして座り込む。
    「たまらんな、こんなにあっさり怪我人量産されたら」
    「もう二度と……戦いたくないっすね」
     溜息とともに吐き出されたアプリコーゼの声は、疲労に満ちていた。
     圧倒的な力の差。
     紅鳥は、ぽつりと明に問いかけた。
    「聞いてもいいか?」
     恐らく、アンブレイカブルの原点であろう質問である。
     もしかすると、ここにいる仲間には答えがあるのかもしれない。だが、少なくとも殺人鬼である紅鳥の持つ答えとは、違っているのだろう。
    「貴方にとって『力』とは……『強さ』とは何だ? 何のためにある」
     彼は何の為に、これ以上の強さを求めるのか。
     紅鳥の問いかけに、明は迷いなく応える。
    「力とは生と死、勝者と敗者、そして飽くなき戦いの原動力。アンブレイカブルとは勝利と戦いを求めるが故の終着点である事は否定できまい」
     確かに。
     強さと戦いを否定しては、アンブレイカブルという存在は成り立たない。
    「では、あなたの真意とは何ですか?」
     その背に、太郎が問いかけた。
     アンブレイカブルを差し向けた事は兎も角として、ここに態々出向いた事の真意は何なのか。自分達を試して、それで何が得られたというのだろうか。
     明は答えを出すべきか、少し間を置いた。
     ここに来たのは明自身が興味を持ったからであって、灼滅者と交渉する為ではないからである。
     結局の所答えたのは、ほんの少しの気まぐれであったかもしれない。
    「俺達アンブレイカブルは真の武の求道者。貴様等が真の武への道を探求する者であるというならば、その実力の程を確かめねばならぬ」
    「それは、先ほどの言った強さですか?」
     彼の強さは、いつでも孤独であった。
     己の強さを追求し、そしてそれを実践してしまう力がある。だが、灼滅者達の強さとはそういったものとは本質的に違っていた。
     刃兵衛の言ったように、自分達の強さとは仲間を守りたいという意志の力である。
    「気持ちだけは絶対に負けていません。強さは、力だけじゃない」
    「真の武とは意志の力、と言うか。つまらぬ戯れ言だ……だが、その意志が門下の役立たず共を勝ったのは事実、面白い」
     きっぱりと言い切った太郎を、明は笑った。
     いつしか、富士急ハイランドの駐車場はぽつりぽつりと車が増えていた。そこにあったのは、変わらぬ人の笑顔である。
     歓楽地に不釣り合いなその背は、ゆっくりと去って行く。
     力と戦いだけがアンブレイカブルの存在意義だとすれば、一体自分達はつつじや彼らとどういう関係を築けばいいのだろう。
     その果てには、やはり戦いしか無いのだろうか。

    作者:立川司郎 重傷:柳・真夜(自覚なき逸般刃・d00798) 最上川・耕平(若き昇竜・d00987) 笠井・匡(白豹・d01472) フィズィ・デュール(麺道四段・d02661) 藤堂・焔弥(赤い狂星・d04979) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年8月11日
    難度:普通
    参加:30人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 84/感動した 1/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 2
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