臨海学校~キャンプでごはん

    作者:ねこあじ

    ●福岡県博多湾周辺のキャンプ場
     青い空、青い海!
     海辺のキャンプ場では潮の香りと共に、食欲をそそるバーベキューの香りが充満していた。
    「わ~、おとうさん、おにくー!」
     家族で楽しんだり。
    「ずっと夏休みだったらいいのに~」
     友達同士で遊びながら食べたり。
     串で刺した野菜や肉が焼けるまで奉行をしたりと様々な人が楽しんでいた。
     そんなキャンプ場の炊事場では、やはり楽しそうにキャンプごはんの準備をしている。

    ●15:30
     みんなが楽しめる夏のキャンプ場は、突然、終わりを告げる。殺戮の始まりだ。
    「私は今日で人間を卒業するのっ!」
    「俺はカードに選ばれたんだ!」
     友人たちと食べていた二人がいきなり未使用の串を束で掴み、周囲に襲いかかる。友人の唐突な凶行に、反応できる者は皆無。
     二人は次々に友人達を突き刺し、返り血を浴びながら高らかに笑った。
    「はりきって、ころしたーい!!」

    「お、おとうさん?」
     サバイバルナイフを取り出した男は、ジュースを飲んでいた娘の首元へと刃をあてる。
    「お父さんは今日、デビューするんだ」
     男はナイフを勢いよくスライドさせた。これを機に、砂浜は赤く広く染められていく。

    「お、奥さん、どうなさったの? いきなり私の――っ、ひぃっ!」
     炊事場では、他人の包丁を取り上げた女がいた。そのまま相手をずぶりと突き刺す。
    「はりきって、ころしたくなったの」
     女は笑みを浮かべて言った。


     園川・槙奈(高校生エクスブレイン・dn0053)は灼滅者が集まる教室で、説明を始めた。
    「夏休みといえば臨海学校ですが、実は臨海学校の候補地だった九州で事件が発生するようです」
     場所は福岡県。
    「事件を起こすのは、ダークネスや眷属、強化一般人ではなく、普通の一般人です」
     それは、灼滅者であれば事件の解決は難しくない、という事だ。だが事件が起こるのなら裏がある。
    「組織的なダークネスが動いていると思われます。目的は不明ですが、無差別大量殺人が起こるのを見過ごす事はできません。
     事件を起こす一般人は、カードのような物を所持しています。
     カードを取り上げれば、直前までの記憶を失って気絶するようです」
     きっと操られているのだろう。
     取り上げた後はキャンプ場の休息所などに運べば大丈夫だ。
    「カードを持つ一般人は、四人です。
     バーベキューをしている複数のグループの中に二人、その近くに一人、そして少し離れた炊事場に一人です。ですが、キャンプ場は人が多く特定は困難でしょう」
     事件を防ぐには、警戒し、迅速に動く事が求められそうだ。
    「カードを取る、だけで解決?」
     日向・草太(小学生神薙使い・dn0158)の言葉に、槙奈は頷く。
     カードはポケットの中かもしれないし、財布の中かもしれない。
    「大切な家族、友人、一時の隣人に、刃を……完全な殺気を向けてしまう前に」
     なるべく穏便な解決を、と槙奈は願う。

     今回の事件解決は、臨海学校と同時に行われる事になっている。
    「敵の狙いやカードの分析は、すぐに調べられるものでは無いでしょうし、皆さんが戻ってきてから行う事になるでしょう。
     ですから事件解決後は、臨海学校を楽しんできて下さいね」
     微笑んで言う槙奈。
    「キャンプ場で――ごはんだよねぇ。カレーとかバーベキューとか、楽しみだな~」
     スイカ割りもいいなぁ、と草太は呟いた。


    参加者
    瑞希・夢衣(笑顔をなくした少女・d01798)
    米田・空子(ご当地メイド・d02362)
    イーライ・ウォルシュ(キルケニ猫・d04211)
    三日尻・ローランド(尻・d04391)
    炎導・淼(武蔵坂学園最速の男・d04945)
    山田・菜々(鉄拳制裁・d12340)
    屍萩・理成(無色の音色・d13897)
    牛野・たん(ちゃんは良い子とご近所で評判・d19433)

    ■リプレイ


     仲間や家族と外でワイワイしながらキャンプをするのは開放感があって、楽しいものだ。
     物陰から炊事場を覗くのは、あんぱんと牛乳を手にする米田・空子(ご当地メイド・d02362)。
     彼女と同じようにメイド服を着ているイーライ・ウォルシュ(キルケニ猫・d04211)。
    「イーライさんお似合いですよ♪」
    「ありがとう米田さん。おれ、ちゃんと幼女チームにとけこめたみたいで、よかったよ」
     その後ろ、牛野・たん(ちゃんは良い子とご近所で評判・d19433)は物陰とはいえ更に目立たないように、しゃがみこんでいた。
    「……幼女」
     小学一年生のたんは、二人を見、自分を見て、この通称をとても正しく理解する。
    「それでは、幼女チーム出陣です!」
     空子は眩しい笑顔で言い切った。

     一方。
     事前の情報を元に五人は、まずはざっと場内を見て範囲を決めた後にそれぞれ捜索にのりだす。
     串を使う若者のいるグループと、父と娘のいる場所。端的な特徴はあるが、組として捉えると数は多い。
    (「ったく、めんどくせぇ事件だな。この人が多い場所で」)
     位置関係かつ目星をつけるように歩きまわる炎導・淼(武蔵坂学園最速の男・d04945)。もしも十五時半になっても見つけられなかった場合はすぐに対応できるように、警戒している。
     身軽な動きで進む瑞希・夢衣(笑顔をなくした少女・d01798)は、纏う闇のおかげで人目を気にすることなく『家族』や『親子』を中心に探していく。
    (「特定は難しそうだけど、それでも探さないよりは良いよね」)
     皆、笑顔で楽しそうに過ごしていて、夢衣は思い新たに、一つ、頷いた。それでも彼女の表情は変わることはない。
     娘がいて、取り出せそうな位置にサバイバルナイフのある父親を彼女は探す。時に家族写真を撮るシーンにも出くわすが、纏う闇は彼女を隠したまま。
     そんな時。
    「お父さん、ジュース足りないから買ってくるよ。お金ちょーだいー」
     夢衣の目の前で一人が候補にあがった。
    (「この人かもしれない、よね」)
     彼女が三日尻・ローランド(尻・d04391)へと連絡してみれば、ローランドは近くにいたのか直ぐにやってくる。
    「すみません、お父さん。変なカードを持っちゃっていたりしませんか?」
    「な、なんだね君は……」
     問いかけながらも、ローランドはテレパスで戸惑う男性の表層思考を読み取った。
    (「変なカード? 先日の黒いカードだろうか」)
     発見。ローランドは美しい笑みを男性へと向ける。
    「お父さん、しょっぱい殺人劇なんかよりも貴方はずっとステキな舞台に立っているじゃないですか」
     ジュースを手に戻ってくる娘が、夢衣と、ラブフェロモンを使うローランドの視界に入る。
    「ほら、あちらのレディは最高の主演女優ですよ。安っぽいチケットならぬ、カードなんてボクに渡しちゃって下さい」
    「お父さーん、ジュース買ってきたよー」
     父親は、聞こえる娘の声と同時に黒いカードをローランドに手渡し、殺人劇という名の舞台から降りるのだった。
     気を失う男の身体を後ろから支えたのは、事に気付いた淼であり、人が気絶したことで周囲がざわつく気配を感じ取る。
    「お、お父さん! 大丈夫!?」
    「あー、大丈夫だ。お父さんは俺が休息所に連れて行くから、な」
     抱えながら淼が娘を相手に言えば、彼女は意を唱えることなく頷いた。


     屍萩・理成(無色の音色・d13897)は、短パンに半袖、持ってきたビーチボールを片手に見回っている。
    「君たち、変わったカードを拾わなかったかな?」
    「ううん。お兄さん、落し物なら事務所とかにあるんじゃない?」
     テレパスを使えば、カードといえばポイントカードやゲームのカードかな? という感じのものを理成は読み取る。
    「もう少し探してみるよ」
     理成の近くで歓声があがり、見てみれば、山田・菜々(鉄拳制裁・d12340)が同じように聞き込みをしているところだった。
     十五時十八分。
     理成は少しだけ離れ、周囲を見渡した。背の高いローランドと淼が視認でき、淼に至っては男を一人支えるように歩いている。
    「あっちから連絡があったっす。どんどん範囲が絞れてきたっすね」
     近くまできた菜々が言う。海辺ということもあり、若者グループは上着と水着姿の組み合わせが多いらしく、特定は難しかったが一人確保したおかげで範囲が限られてきた。
     理成は再びテレパスを使い、様々な思考を拾い取っていく。
    「……。山田君、串が沢山あまった、という思考が近くにあるみたいだ」
     未使用の串の束を凶器としていたことは予測されていた――菜々は思いっきり頷くと同時にラブフェロモンを振りまいた。
    「ちょっといいっすか? 誰か珍しいカードを持っている人は――」
    「きゃあ、ハイハ~イ! あたし持ってるぅ」
     私も俺もと近くにいた者たちが菜々に殺到し始め、カードを見せるように掲げた。
     一つ一つを確認する菜々は、『HKT六六六』と書かれた黒いカードを二枚、発見する。
    「この黒いカード、譲ってもらえないっすか?」
    「いいわよ、あなた素敵だからあげる!」
    「ありがとうっす!」
     菜々が明るい笑顔で二枚のカードを受け取ると、二人は気を失ってしまい、菜々と周囲の人たちは慌てた。
    「休めるところに運ぶっす」
    「俺たちがちゃんと休息所に連れて行くから、心配しないでくれ」
     菜々に続き、例の父親を支えて歩いてきた淼がプラチナチケットを使いながら、同じような台詞を繰り返した。
     倒れた二人の友人と思わしき者が、淼を見て安堵の息を吐き、にこっと親しげに笑う。仲間内の頼れる一人だと思ったのかもしれない。
    「よろしくお願いね。私達も急いで片付けてそっちに行くから」
    「おう、片付けの方は頼んだぜ」
     にっと笑って応じる淼が場の混乱をおさめていく。
     捜索しつつ、周囲の状況に気を配っていた淼のフォローは迅速であり、大きな騒ぎになることもなく平常へと戻っていった。

    「奥様、何か変だなと思われるカードを持っていらっしゃいませんか?」
     包丁を持たず洗い物をしている女性を中心に、空子は聞き込みをしていた。
     首を振る女性に対し、「ありがとうございます」と丁寧にお礼をして空子は次に向かう。
     たんは家族の手伝いで下ごしらえしてます風を装って、周囲の会話を聞いていた。
    「あの子たち、何のカードを探しているのかしら?」
    「子供って、カードゲームが好きですからねぇ。先日も変なカードで……あら?」
     ふと、何か思い当たったのか一人の女性が動きを止めた。
     たんも動きを止めた。
    (「刃物が悲しむ前に、止めるのです」)
     たんは軽やかな足取りで、近くにいたイーライに聞いた話を伝えた。
     メイド二人は目立ってはいたが丁寧な物腰にくわえて子供ということもあり、寧ろ微笑ましいレベルだった。
     猫耳尻尾付きの無駄に可愛いメイド服姿で、該当の女性に近付くイーライ。
    「あの、失くしてしまったカードを探してるんです。拾った方がいれば、ご協力頂けないでしょうか……?」
     心底困ったように、ちょっと涙目で上目使いになったイーライは男の子には見えない。メイド服だから女の子に見えてしまう。
    「あ、あるわ! これかしら?」
     ラブフェロモンにあてられ、黒いカードをイーライに渡す女性は気を失い、倒れてしまった。
     騒然となる場をおさめたのは、空子だ。
    「どなたか、スタッフの方を呼んで頂けるようお願いできますか?」
     女性を膝に乗せて風を送る空子は、キャンプ場スタッフが訪れるまで介抱を続けるのだった。

    ●15:30
     ――そして。
     予知された事件が起きることもなく、時計の針は、十五時半を越える。

    ●いただきます!
    「鉄板焼き『もふリート』出張開店だぜ!」
     ヘラを打ち鳴らし、気合を入れる淼に炎血部の面々と、食材がわーっと殺到する。
     唯のおにぎり、陽子のソーセージ、食後には弥勒のソフトクッキーと、くるみのマシュマロがスタンバイ。
     そして忘れてはならない、イフリート焼き!
    「さぁ、部長。学園祭一位のイフリート焼きをお願いするよ」
     法子の言うイフリート焼きは、特製の獣型を使用した巨大たい焼きである。
    「おう、ガンガン焼いてやるぜ。ガンガン食ってけ!」
    「もうお腹ぺこぺこ……」
     バーベキューが初めてだったりする陽子は、淼の手際の良さとイフリート焼きに目を奪われていた。興味津々の様子だ。頑張って手伝っていくうちに、ソーセージは香ばしい色となり、じゅわりと音を立てた。
     唯もまたどんどん香ばしい匂いを放ちだす焼きおにぎりに釘付けだ。
    「ううぅ、すでにお腹がぐーって鳴ってる……はっ、いけない!」
     お腹が空いた時のごはんの匂い=よだれ=危険である。唯はハンカチをサッと取り出した。その間に、おにぎりの色がどんどん変化していく。食べ頃だ。
    「いっただっきまーっす!!」
    「炎導さんふぁいとー!」
     と、応援しながら団扇で思いっきり扇ぐのは、くるみ。
    「ふぁいとー!」
     と、くるみから貰った柑橘フレーバーの冷たいお茶を飲んでいる草太も二人を応援。
    「中川さんのおにぎりも美味しそう。食後は私のマシュマロも焼いて頂いて、そして、ミルクおにーさんのソフトクッキーも楽しみ!」
     ちょっぴり溶けかけのチョコとか最高よね、とくるみは扇ぎながらデザートに思いを馳せる。
    「クッキー」
     クッキーに反応したのは、握ってきたおにぎりを振舞う最中の理成だった。
    「お仕事お疲れ様ー。焼くと中のチョコが溶けて美味しいんだよー♪ クッキーももちろん、いっぱい食べてねー♪」
     弥勒の魅惑の言葉に、持ち歩いているクッキーを取り出す理成。事を終え、先程まで日陰でばてていたのだが、少し持ちなおした。
    「あ。こちらのおにぎりもどうぞ」
     食後のソフトクッキーを楽しみにしつつも、忘れずに、しっかりとおにぎりを炎血部へと渡した。

    「ローランドと夢衣ちゃーん。はろはろー、食べてるー?」
    「イフリート焼き、食べてくれると嬉しいよ」
     弥勒と法子が声を掛けた先では、菜々が参加者を募ってバーベキューをしていた。
     菜々の野菜と肉、イーライの持ってきた魚介類、牛野牧場の肉、などなど食材は様々だ。
    「御相伴に預かっているよ。えくすかりばー、もんまりと楽しもうねえ」
     ローランドに続き、夢衣が控えめにこくりと頷く。
    「うん、食べてる。いろんな物があって、全部美味しいよ。法子ちゃんもありがとう。イフリート焼きの中身って……」
    「粒あん、クリーム、ミックスがあるよ」
    「どれも、美味しそう。それに、形が可愛いね」
     可愛くて大きい。
    「部長に焼いて貰ったのを持つと、ずっしりしているよ」
     そして味も良いよ、法子は言った。
    (「ボクが焼くと、六十三点くらいの味になるからね」)

     菜々は焼いた肉と野菜を持って炎血部へと。
    「鉄板焼きもらいにきたっす。こっちからもおすそわけっすよ」
     一位の鉄板焼き、楽しみだ。
    「おお、お好み焼き、焼きそば、たこ焼き、色々あるぜ! ガンガン持って行きな」
     慣れた動きでヘラの上のお好み焼きを大皿へと滑らせる淼。鰹節がふわりと揺れ動き、じんわりとソースに馴染んでいく。
     鉄板の前にいる淼は暑そうにしていて、時折キンキンに冷えたお茶を一気に飲み干していた。
     淼と菜々の元に来たのは、たんと姉のショボリだ。
    「牛野の肉を食らえなのです。牛野の牛肉は世界一なのです」
    「たん、かるび、りぶ肉、サーロイン! いっぱいいっぱい持ってきたから、いっぱいいっぱい食べてねー」
     どんどん捌いてどんどん焼いていく牛野姉妹は、立ち回るイーライにも食らえーとちょっかいかけに行った。
    「牛野牧場の、とても美味しかったよ」
    「とても美味しかったです。ごちそうさまでした」
     夢衣と、悠の言葉に、姉妹は嬉しそうな様子で照れた。
    (「たんちゃん頑張ってる。じーさまもクサハノハゲで悦んでるねー!」)
    「たんちゃん、来年は家族みんなで来れるといいねー! きっと楽しいよ、みんなで焼肉じゅーじゅーだよ」
     嬉しさのあまりショボリの歌を口ずさみはじめるショボリ。
    「私はトウモロコシを用意しました」
     丁度良い焦げ目をつければ一粒一粒がしっかりした感じで、味が口の中に広がる。
     悠は醤油、お好みでバターもどうぞと差し出し、焼きあがって落ち着いたところで、イーライに問いかけた。
    「改めてお疲れさまでした、ウォルシュさん。あの、もしかしてずっとメイド服のままなのですか?」
     悠の疑問に、チョーカーの鈴を鳴らしつつイーライは頷いた。
    「着替えるのめんどうだったんだー。あ、お魚焼けたよ」
     カンパチ、鮭の切り身、赤海老などなど新鮮な食材はシンプルに塩味で。かいがいしく調理をし、その手際と箸使いはとても上手だ。
    「美味しそうですね――とと、あ、熱いっ」
     悠は、すかさずイーライに麦茶を渡され、なんとか熱さをおさえこんだ。
    「ふふ、美味しいですね。本当に、どうしてこんなに外で皆さんと食べるのが美味しいのかしら」
     嬉しそうな悠の言葉に、イーライもにっこりと笑った。

    「カレーができました。皆さんで一緒に食べましょう♪」
     空子は愛情注入しながら作ったカレーを菜々の元に持ってきた。カレー作りに集中していた空子は、食材が色々ある現場に目を輝かせる。すべてが美味しそうだったから。
    「ごはんも炊いたっすから、こっちも一緒にどうぞっす」
    「わあ、お米が光っていて綺麗です♪ 菜々さん、とっても美味しそうですよ♪」
     すごい量を食べる菜々と空子は、すごいコラボレーションを発揮していた。
     元々菜々自身、大量の肉と野菜を持ってきていたので、ちょっとしたキャンプごはん大会となりつつある。
    「まだまだどんどん焼いていくっすよー」
    「お手伝いしながら、いただきまーす!」
     カレーの香りと、炊きたてのご飯の香りが湯気と共に青空へと向かっていく中、空子の明るい声が辺りに響く。
     ちなみに本日のとても多い食材たちは、最終的にこの二人により残らず美味しくいただかれたそうな。

     海でキャッキャウフフとしているのは、ローランドとえくすかりばー。
     弥勒とたんが、何とも言えない表情でローランドを見つめていた。
    「え? ドザエモンごっこ? リアルドザエモン作成から?
     えくすかりばー、今日の防具に水中呼吸はついてな……ごぼぼぼぼb」
     海に沈むローランド。
    「えーっと、海は大事にしないとだよねー。
     ゴミは持ち帰るか、所定のゴミ捨て場に、とは思ってたんだけどー、ドザエモンは色々と無理かなー」
     色々と。弥勒が言う。
     たんも楽しそうに沈んでるローランドを見ていつもの台詞を。つい。
    「きめぇー」
    「なになに? たんくんもこの高度なぷれいを楽しみた……ごぼぼぼb」
     再び相棒に沈められるローランド。
    (「えくすかりばーのプレイはいつも刺激的だねえ」)

     キャンプ場での事件を防いだ灼滅者たちの臨海学校は、夏の思い出となったのでした。

    作者:ねこあじ 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年8月23日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 3/キャラが大事にされていた 7
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