上陸!マトリョーシカ婦人

    作者:J九郎

     北海道北部にあるサロベツ湿原。そこに、季節外れの流氷の破片が流れ着いていた。
    「ふう、ひどい目に遭いましたわ」
     その流氷にしがみついていた、樽のような体型の女性が、ころころと転がりながら湿原に上陸する。
    「氷塊が砕けたときにはどうなることかと思いましたが、流石はわたくしマトリョーシカ婦人。無事ニホンに上陸できたようですわね」
     だが、マトリョーシカ婦人が安堵の吐息を漏らしたとき。
    「ぬっはっはっ、待っていたでごわす、ロシアンご当地怪人! 日本の土を踏みたくば、ワシと勝負するでごわす!」
     湿原の彼方から、黒い廻しだけを身に付けた、体重300キロはありそうなチョンマゲの巨漢が姿を現したのだった。
     
    「ふぬおおっ! これぞ我が相撲奥義でごわす!」
     巨漢の男――相撲取りのアンブレイカブルとマトリョーシカ婦人は一進一退の攻防を繰り広げていた。だがついに、相撲取りアンブレイカブルの猛烈な連続張り手が、マトリョーシカ婦人を吹き飛ばした。湿原に背中から叩きつけられたマトリョーシカ婦人の動きが、完全に止まる。
    「ごっつぁんです! 良い勝負でごわした!」
     倒れたマトリョーシカ婦人に手を合わせる相撲アンブレイカブル。だが、
    「あらまあ。早とちりは早死にの元ですわ」
     なんと、マトリョーシカ婦人の体が胴を中心にまっぷたつに割れ、中から一回り小さいマトリョーシカ婦人が現れたのである。
    「な、なんと面妖な!」
    「おほほ、ロシアの真の恐怖、とくと味わいなさいな」
     次の瞬間、マトリョーシカ婦人が吹き出した冷気が、相撲アンブレイカブルの全身を凍り付かせていたのだった――。
     
    「……まだ夏なのに、流氷が北海道に流れ着いてる。……これは、ロシアのご当地怪人が乗り込んでいた巨大な流氷が砕けたものらしい」
     集まった灼滅者達に、神堂・妖(中学生エクスブレイン・dn0137)は淡々と説明を始めた。
    「乗っていた流氷が砕けたせいで、ロシアン怪人達はオホーツク海を漂流の挙げ句、北海道のあちこちに漂着してる。……しかもさらに悪いことに、漂着したロシアン怪人に対して、アンブレイカブルが動き出してる。どうやって漂着を知ったのかは分からないけど、アンブレイカブルとすれば海外の強敵と戦える格好の腕試しの機会っていうことなのかも」
     それから妖は、灼滅者達を呼んだ理由を語り始めた。
    「……みんなには、ロシアン怪人とアンブレイカブルの戦いの後、生き残った方を灼滅して欲しい。……とても厄介な状況だけど、逆に言えばご当地怪人とアンブレイカブルを一気に倒せる、千載一遇の機会。利用しない手はない」
     妖が言うには、ロシアン怪人とアンブレイカブルの戦いはサロベッツ湿原というところで起こるらしい。
    「……湿原と言うことで、足場が悪いので注意して」
     さらに妖は、勝ち残るはずのマトリョーシカ婦人の能力について説明を始めた。
    「……マトリョーシカ婦人の最大の特徴は、脱皮するみたいに外皮を脱ぎ捨てることで傷やバッドステータスを癒せること。他にも、ご当地ヒーローに似たサイキックや、『フリージングデス』に似たサイキックを使ってくる」
     とはいえ、外皮を脱ぎ捨てる能力はヒール効果のサイキックの一種なので、殺傷ダメージまでは回復できない。そこまで警戒する必要はないだろう。
    「……ロシアン怪人が日本で何をしようとしているかは分からないけど、良くないことを企んでいることは確実。なんとか水際で食い止めて」
     そう言って、妖は灼滅者達を送り出すのだった。


    参加者
    糸桜・なつめ(魔法使いナッツ・d01691)
    久瀬・一姫(白のリンドヴルム・d10155)
    不動峰・明(高校生極道・d11607)
    乱獅子・紗矢(獅子心乙女・d13748)
    桜庭・遥(名誉図書委員・d17900)
    府頼・奏(純愛ラプソディー・d18626)
    大豆生田・博士(小学生ご当地ヒーロー・d19575)

    ■リプレイ

    ●さらば、相撲取りアンブレイカブル
     サロベツ湿原を舞台に繰り広げられるロシアン怪人・マトリョーシカ婦人と相撲アンブレイカブルの死闘。
     その戦いを、湿原にわずかに茂った低木の影から見守る者達がいた。
    「相撲取りのアンブレイカブルに、ロシアン怪人か……。なんかどっちにしても妙なのが出てきたなあ」
     シュネー・リッチモンド(孤毒・d11234)が小声で呟く。
    「しかし、世界最強の格闘技たる相撲が敗れるとは、どうしても信じられん」
     相撲を最強と信じる不動峰・明(高校生極道・d11607)は、未だにエクスブレインの予測が信じられないようだ。
    「いやあ、それは仕方ないべ。こんな湿原じゃ、お相撲さんも踏ん張りが効かないべよ」
     大豆生田・博士(小学生ご当地ヒーロー・d19575)がそう言ったまさにその時、マトリョーシカ婦人が放った冷気が相撲アンブレイカブルを凍り付かせていた。
    「マトリョーシカと聞けば中から一回り小さいのが出てくるのは簡単に予想出来るの。名乗ってないのかアンブレイカブルがマトリョーシカを知らなかったか。あの驚きようは多分後者だと思うの……。これだから脳筋は詰めが甘くて勝機を逃すの」
     久瀬・一姫(白のリンドヴルム・d10155)が辛辣に相撲アンブレイカブルを評する。その間にも、マトリョーシカ婦人は凍り付いた相撲アンブレイカブルにとどめの一撃を加えようとしていた。
    「おーほほほっ! お受け遊ばせ、ロシアンローリングアタックをっ!」
     自ら横倒しに倒れたかと思うと、樽のような体型を生かして高速で転がり、相撲アンブレイカブルに突撃するマトリョーシカ婦人。
     その一撃で、相撲アンブレイカブルの巨躯は氷と共に粉々に砕け散った。
     
    ●ロシアから来た脅威
    「ふう。余計な手間を取ってしまいましたわ。早くあの方と合流しなくては」
     体型に似合わず機敏に立ち上がるマトリョーシカ婦人。しかし、戦いが終わったことで多少の気の緩みがあったのだろう。マトリョーシカ婦人は、突然降り注いだ銃弾の嵐を避けることができなかった。
    「アバババババババッ!? な、何事ですの!?」
    「戦いが終わったばかりのところ悪いな。だが、油断してるあんたが悪いんだぜ」
     観光客用に整備された木道の上に立ち、ガトリングガンを構えた乱獅子・紗矢(獅子心乙女・d13748)が不敵に言い放つ。
    「卑怯だってことはわかってます。でも、ここまでしないと、あなたたちには敵いませんから」
     紗矢の横で同じくガトリングガンを構えている桜庭・遥(名誉図書委員・d17900)は申し訳なさそうにしながらも、それでも攻撃の手を緩めようとはしない。
    「……ふう。先程のアンブレイカブルといいあなた方といい、問答無用で襲いかかってくるとは。汚いですわ、流石ニホン人汚い」
     嘆息するマトリョーシカ婦人の腰の辺りに、真横に一直線の切れ目が生まれた。次の瞬間、マトリョーシカ婦人の体が上下に分かれ、その隙間から――、
    「お喰らいなさい、マトリョーシカ・スプラッシュ!」
     小さな無数のマトリョーシカ人形が、上下に割れたマトリョーシカ婦人の隙間から礫となって飛び出し、木道に立つ遥に襲いかかった。
    「えっ!? きゃあああっ!」
     遥は思わず悲鳴を上げ、ガトリングガンでの攻撃も中断してしまう。
    「さすがロシアン怪人、おそろしあ~」
     そんな中、気の抜けるようなギャグと共に府頼・奏(純愛ラプソディー・d18626)がエンジェリックボイスを発動し、遥の傷を癒す。なぜか敵味方含めて凍り付いているような気がするが、多分気のせいだろう。
    「はっ!? もしかして今チャンス!? ナッツ行きますっ!」
     寒いギャグから一番先に我に返った糸桜・なつめ(魔法使いナッツ・d01691)は、スレイヤーカードを頭上にかかげ、高々と声を上げた。たちまち封印解除されたリングスラッシャーが周囲に浮かび、手には開かれた魔導書が収まる。
    「マジックミサイル、いっけーっ!」
     なつめの放ったマジックミサイルが、マトリョーシカ婦人の胸部に直撃した。と思った瞬間、マトリョーシカ婦人の体が木っ端みじんに砕け散り、中から一回り小さくなったマトリョーシカ婦人が姿を現す。
    「おほほほほっ、無限のボディを持つわたくしには、いかなる攻撃も無意味ですわ!」
    「はぁ~すげえもんだべ。でも、あれって際限なく外皮剥けるんだべか? 謎だんべな」
     マトリョーシカ婦人の能力を目の当たりにした博士が、首をひねる。
    「こうなったら、どこまで小さくなるのか試してみたくなってきたぜ」
     紗矢は笑みをうかべると、再度ガトリングガンを構えた。
    「ふん、世界最強の格闘技たる力士を倒しただけあってなかなかやるな。ま、アンブレイカブル力士など偽者なのかもしれんがな」
     自らの瞳にバベルの鎖を集中させた明が、手を掲げてオーラキャノンを撃ち放つ。マトリョーシカ婦人は湿原をゴロゴロ転がりながら避けようとするが、オーラは転がるマトリョーシカ婦人を執拗に追いかける。
    「いつまでも逃げ続けられると思わない方がいい。この火力で殲滅するの!」
     さらに逆方向から、一姫の放った風の刃がマトリョーシカ婦人に迫る。マトリョーシカ婦人は挟み込むような攻撃を避け続けることが出来ず、オーラキャノンと神薙刃の直撃を受けた。
    「まだまだですわよ~!」
     再び外皮を脱ぎ捨て、一回り小さくなるマトリョーシカ婦人。そんなマトリョーシカ婦人に、なつめが声をかける。
    「ねえ、おばさ……お姉さんロシアのご当地怪人だよね? なのにどうしてこんな所にいるの?」
     彼女が“おばさん”と言いかけたところでシュネーが横を向いてぷるぷる震え出していたが、当のなつめやマトリョーシカ婦人含め、誰も気付いてはいないようだった。
    (そうだよね、夫人じゃなくて婦人だからね! その辺大事、ちょー大事)
     心の中でそう呟くシュネーだった。
    「それは私も聞いておきたいな。君らが日本に来た目的は何だ? まさか力士を倒しにきたわけではあるまい?」
     明も、油断なくマトリョーシカ婦人の動きを目で追いつつ、そう問い詰める。
    「おほほほほっ、わたくしが素直に答えると思って? 答えを得たくば、力尽くで聞き出しなさい。まあ、無理でしょうけれどっ!」
     次の瞬間、マトリョーシカ婦人が大きく息を吸い込み、そして吐き出した。それはただの息ではなく、シベリアの凍てつく吹雪を思わせる冷気の吐息。先程相撲取りアンブレイカブルを凍りつかせた必殺の一撃だ。
    「しまったですの!」
    「くっ、俺としたことが!」
     轟雷を放つ構えを取っていた一姫と、ガトリングガンを今にも放とうとしていた紗矢の二人が冷気の直撃を受けてしまう。見る見る凍り付いていく二人の体。
    「おほほっ! そのまま砕け散りなさいっ!」
     マトリョーシカ婦人は高速で湿原を転がりながら突撃を始めた。
    「水際防御は防衛術の基本だべ。ロシアン怪人に日本の地は踏ませねえだよ! 撃って、撃って、撃ちまくるべ!」
     接近を阻止すべく博士がバスターライフルからビームを放ちマトリョーシカ婦人を牽制するが、それでもマトリョーシカ婦人の勢いは止まらない。
     だが、そんなマトリョーシカ婦人を両側から挟み込むように、2台のライドキャリバーが高速で湿原を駆け抜けた。博士の“しもつかれ”とシュネーの“ブリッツェン”だ、2台は巧みにマトリョーシカ婦人の進路を塞ぎ、一姫と紗矢への接近を阻止する。
    「ブリッツェン、もう少しだけ時間稼ぎよろしく!」
     愛機がマトリョーシカ婦人を足止めしている間に、シュネーは防護符を飛ばし、一姫の氷を溶かしていく。
    「せっかくロシアからのお客さんやし、ロシア民謡で対抗や♪」
     一方、奏はロシア民謡にサイキックエナジーを込め、紗矢の氷を溶かしていた。
    「そちらが凍らせてくるのなら、こちらは燃やします」
     行く手を阻むライドキャリバーに転がったまま激突し、強引に進路を切り開いたマトリョーシカ婦人に、遥が炎の銃弾を浴びせ掛ける。
    「熱い! 熱いですわ!?」
     思わず回転を止め、マトリョーシカ婦人はまたも外皮を脱ぎ捨てた。さらに一回り小さくなった姿で、間髪入れず無数の小型マトリョーシカ人形を奏向けて撃ち放つ。
    「うそやん!? なんでオレが狙われるん!?」
     自分が狙われるとは思っていなかった奏はマトリョーシカ人形の直撃を受け、木道から湿原に叩き落とされてしまう。
    「おほほっ。わたくしの氷を溶かそうなど、生意気な真似をするからですわ」
    「いや、だったらシュネーちゃんもやっとるやん!」
     幸い、奏は湿原対策で“フロート”のESPを用意してきたので、湿原でも固い地面のように普通に歩くことができる。そういう意味では、落下のダメージは最小限には抑えられていたと言うべきだろう。
    「しかしこれは……いくら攻撃しても脱皮して回復されたら、きりがないの」
     一姫の言葉通り、戦いは長期戦の様相を呈していた。
     
    ●最後のマトリョーシカ
    「初のご当地怪人依頼なのにマトリョーシカって! どうせなら食べ物攻撃食べ…じゃない受けてみたかったのに!」
     凍り付いた仲間に防護符を飛ばしながら、シュネーが愚痴る。長引く戦いに、苛立ってきているのかもしれない。
    「そやけど、そろそろ脱皮も限界っぽいで」
     奏の言うとおり、戦闘を始めた頃に比べ、マトリョーシカ婦人の体は半分ぐらいまで縮んでいる。さすがにこれ以上の脱皮は厳しそうだ。
    「ならば、そろそろ決着を付ける!」
     高速で回転しながら迫り来るマトリョーシカ婦人目掛けて、明は敢えて湿原に飛び込んだ。フローターを用意してきているとはいえ、湿原を駆けることは困難を極める。だが明は巧みにそれをやってのけた。転がるマトリョーシカ婦人と駆ける明が交差する。
    「ぐっ!」
     マトリョーシカ婦人のローリングアタックを受け、膝を折る明。だがマトリョーシカ婦人も、回転が止まりその場に倒れ伏していた。明のドスの一閃が、マトリョーシカ婦人の急所を切り裂いていたのだ。
    「やったべか!?」
     博士が思わず歓声を上げる。だが、
    「まだですわ、まだ終わらないのですわーっ!」
     マトリョーシカ婦人の体がまたも胴から二つに裂ける。そこから現れたのは、さらに小さな……
    「え……? お、女の子?」
     遥がきょとんとした声を上げる。そう、そこにいたのは先程までの中年女性の姿とは打って変わった、遥と同い年ぐらいの少女の姿だったのだ。
    「……遂に見てしまいましたわね、わたくしの本当の姿を。ここまでわたくしを追い詰めたのは、あなたがたが初めてですわ」
     口調だけは以前のままに、マトリョーシカ婦人は小さな体で傲然と灼滅者達を見回す。
    「姿は変わろうが所詮はダークネス! むしろそれが真の姿なら、脱皮もこれ以上できないってことだよな!」
     皆が驚きで動きを止める中、紗矢だけは外見に惑わされることなく、神薙刃を放っていた。
    「わたしだって、灼滅者として、あなたを灼滅します」
     紗矢の言葉に我に返った遥も、ガトリングガンから炎の銃弾を撃ち放つ。
    「こうなったら一斉射で決着をつけるべ!」
     さらに博士のバスタービームが、
    「じゃああたしも!」
     そしてシュネーのオーラキャノンが、一斉にマトリョーシカ婦人に炸裂した。しかし、
    「ウーラーッ!!」
     全身ボロボロになりながらも、マトリョーシカ婦人はまだ倒れない。それどころか、
    「この姿でも、これは使えるのですわ。お受けなさい、マトリョーシカ・スプラッシュ!」
     無数のマトリョーシカ人形を飛ばし、反撃するマトリョーシカ婦人。
    「あかんなあ。もう悪あがきはやめときいや」
     だが、そのマトリョーシカ人形を、奏がご当地ビームで撃ち落とし、相殺していく。
    「こんどこそきちんと灼滅してやるの!」
     その隙に一姫が放った轟雷が天から降り注ぎ、マトリョーシカ婦人を直撃した。おもわずよろめくマトリョーシカ婦人。
    「とどめです! シャイニーリース! 舞え光の花!!」
     なつめが高々と宣言し、リングスラッシャーを射出する。リングスラッシャーは舞い踊るように回転しながらマトリョーシカ婦人に迫り、その身を切り裂いていった。満身創痍のマトリョーシカ婦人はその一撃に耐えきれず、とうとう前のめりに倒れていく。
    「ロ、ロシアンタイガー様! ハラショーッ!!」
     なぜか大爆発が発生し、マトリョーシカ婦人の小さな体は、その爆発の中に消えていった。
     
    ●勝利の後で
    「なんやねん、あいつ。情報が聞きたければ力尽くで、とか言っときながら、負けたら勝手に爆発しよったやん。なんにも聞き出せなかったやん!」
     奏が愚痴る横で、博士はちょっと考え込んでいた。
    「北海道と言えばグリュック王国があったべな。またあそこで動きがあるんけ?」
     一方、明は他にご当地怪人やアンブレイカブルが居ないか、また両勢力の何らかの痕跡が残っていないか調査していたが、マトリョーシカ婦人が乗ってきたらしい流氷の残骸以外、めぼしい成果はなかったようだ。
     なつめも同じく湿原を調べて回っていたが、彼女の場合は湿原が無事かを確認する意味の方が大きい。
    「戦闘のせいで荒れちゃった所があったら、せめて後片づけだけでもしていかないと」
     踏みつけられた高山植物をそっと立たせ直していくなつめ。
     やがて一通りの調査が終わり、いざ帰ろうという時。
    「それにしても、きれいな景色ですね。散歩してから帰りませんか?」
     遥がオドオドとそう提案した。すると、
    「湿地の写真を撮っていくのも悪くないね。折角だし北海道観光したいけど、まずはここからっ♪」
     シュネーが早速周囲の写真を撮り始めた。
     灼滅者達は雄大な自然を満喫しながら、ゆったりとサロベツ湿原を後にしたのだった。

    作者:J九郎 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年9月3日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 4/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 8
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