オホーツク・ティーパーティ

     長い銀髪を一まとめにし、礼服を纏った長身痩躯の優男。流氷より降り立ったその姿は、一見するとただの異人にしか見えなかった。
     唯一その男に異質な部分を見受けるとすれば、湯気の立ち上るティーカップを常に手にしていることくらいである。
    「ご当地怪人ってのは、もうちょいとひょうきんな連中だと聞いておったが、これまた随分とひょろい色男がきおったな」
     優男――ご当地怪人へと、待ち侘びたように語り掛けるのは、道着姿の壮年の男であった。
    「そういう貴方は、随分とステレオタイプなアンブレイカブルのようですね。不満と言えば不満ですが、まあいいでしょう。私の行く手を阻む者は、誰であろうと生かしてはおきません」
     言いつつ優男は、手にしたカップを一口啜る。
     ――ここにロシアン怪人とアンブレイカブルの死闘が幕を開けたのだった。
     そして始まった両者の戦いは、一見するとアンブレイカブルが優勢に思われた。オーラを纏った拳による鋭い突きを、間断なくロシアン怪人へと叩き込んでいく。
     一方のロシアン怪人は微動だにできず、光輪の盾でなんとか敵の攻撃を防いでいるようであった。
     だがよく見るとそうではない。アンブレイカブルの拳は怪人の体にかすりもしていないのだ。無論ダークネスによる攻撃だ、直撃を免れようと怪人の体力は次第次第に削られている。
     だがそれでも、己の技量に誇りを持っているアンブレイカブルにとって、この事実は驚愕すべきものであった。
     怪人の顔面まで薄皮一枚という距離まで迫っていながら、その一枚がどうしても貫けない。その間に怪人は、光輪の刃でアンブレイカブルの体を蝕んでいく。
    「ふむ、日本のダークネスがどの程度のものかと少しは期待していたのですが、こんなものですか……」
     余裕といった仕草を崩さず、怪人は匙で苺のジャムを一舐めする。そしてどこからともなく、一冊の古びた本を取り出した。
     そしてその本に書かれた文字が読み上げられた直後、濃密な魔力が放たれ、アンブレイカブルの強靭な肉体を貫いた。
    「やはりジャムを紅茶に混ぜるような野蛮人などこの程度ですね。さて、邪魔者も片付いたことですし、そろそろ行くとしましょうか」
     言いつつ怪人は、額に受かんだ汗を指先で弾く。その汗は日本の暑さによるものか、はたまた表情には出さぬ戦いの疲労によるものか――。

    「もう知ってる奴もいると思うが、ロシアのご当地怪人を乗せた流氷が、北海道へと流れつくようだぜ」
     教室へとやってきた神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)は、灼滅者たちを前にそう切り出す。そして予測されたダークネス同士の争いを語って聞かせるのだった。
     既に同様の事件はいくつか報告されているが、今回もその例に漏れぬ事件であるらしい。ヤマトは今一度その事件の説明を始めた。
    「この流氷は元々は巨大なものだったようだが、なんらかの理由で破壊されたらしい。そして無数の破片となって、北海道の各地に漂着してるわけだな。
     そしてそれに乗っているロシアン怪人を、これまたなんらかの理由で察知したらしいアンブレイカブルが迎撃しているようだぜ。
     今回もお前たちには、この両者の戦いで生き残った方を灼滅してきてほしい」
     そしてヤマトは地図を示しつつ、戦場と敵についての説明に移った。
    「場所は北海道のこの海岸沿い、時間は昼間だ。周囲は岩場になってて、隠れるにはいいがその分足場は若干悪いぜ」
     そしてこの戦いにて勝利し生き残るのは、ロシアンティー怪人『チャーイメン』だという。
    「奴の能力は予測の通り、『魔導書』と『リングスラッシャー』のサイキックだ。どうも自分で動く技は好まないみたいだな」
     また敵は予測で語られた通り、非常に高い防御力を持っている。だがその分打たれ弱いことが予測されており、攻撃を通すことができればそこからは脆いだろうとのことだ。
    「ダークネスが二体も現れる危険な状況だが、上手く漁夫の利を狙えれば十分勝ち目はあるはずだ、頼んだぜ!」
     ヤマトの激励を背に、灼滅者たちは行動を開始した。


    参加者
    龍海・柊夜(牙ヲ折ル者・d01176)
    四方屋・非(ルギエヴィート・d02574)
    マルティナ・ベルクシュタイン(世界不思議ハンター・d02828)
    ソフィリア・カーディフ(春風駘蕩・d06295)
    藤柄田・焼吾(燃える心は登り窯の如く・d08153)
    クレイ・モア(ジャージックポテト・d17759)
    アレックス・ダークチェリー(天国への階段・d19526)

    ■リプレイ


     岩場を巧みな身のこなしで飛び回りつつ、敵へと目にも留まらぬ拳の乱打を浴びせるアンブレイカブル。対して怪人は微動だにせず、アンブレイカブルの攻撃を堅牢な光輪の盾で決して寄せ付けないでいた。
     そんな両者の戦いの趨勢を、灼滅者たちは岩場に身をひそめつつ窺っていた。
    「……んー、なんかあの余裕な顔が癪に障るね。そのくせ強いから余計にイラっとくるの……、でも、冷静に冷静に……」
     アンブレイカブルの猛攻を容易く凌いでいる怪人の様子が、マルティナ・ベルクシュタイン(世界不思議ハンター・d02828)には気に食わないようだった。
    「でも一見余裕そうですけど、よく見ると結構辛そうですね。あの態度は敵を動揺させる意図もあるのかもしれません」
     そう言うソフィリア・カーディフ(春風駘蕩・d06295)は、強者同士の戦いを興味深そうに観ていた。自身も武道を嗜む者として、両者の戦いから何かしら得ようと真剣な眼差しである。
    「つまり我々と戦う時には、多少なりとも消耗しているというわけですね。こちらとしては有り難い限りです」
     柔和な顔で言う龍海・柊夜(牙ヲ折ル者・d01176)だが、たとえ漁夫の利であろうと確実に敵を仕留める――という冷徹な意志が込められている。

     ――そして焦燥に駆られたアンブレイカブルが乾坤一擲とばかりに突撃を仕掛けたところへ、機を窺っていた怪人が強力な魔力で決着をつけるのだった。
    「やはりジャムを紅茶に混ぜるような野蛮人などこの程度ですね」
     アンブレイカブルが完全に消滅したことを確認し、きびすを返す怪人。そこへ、包囲するように灼滅者たちが飛び出した。
    「まあ、確かに日本のそういった所は困りものだがな。良くも悪くも貪欲に取り込み、自分流にしてしまうのがこの国なのだろうよ」
     あまり甘く見ないことだ――言いつつ、抜き放った剣を構えるクラリス・ブランシュフォール(蒼炎騎士・d11726)。
    「っていうか普通のロシア人が、んな細かいこと気にするか。ばーか」
     ライドキャリバー『バロッツァ』に腰掛けながら、不敵に言い放つ四方屋・非(ルギエヴィート・d02574)。
    「見事なお手並みだ。はるばるロシアからようこそ、チャーイメン殿」
     そして後衛にて敵との距離をはかりつつ、拍手と共に怪人を称えるアレックス・ダークチェリー(天国への階段・d19526)。まずは紳士的に挨拶を――それが伊達男たる彼の流儀だった。
    「でもダークネスが潰しあうのは悪くないけど……。わざわざロシアから来て暴れられてもね……」
     アレックスの言葉に応じるように、傍らに霊犬『権三郎さん』を引き連れたマルティナがぼそぼそと告げる。
    「さて、権三郎さん……。今回はネタいらないから、バッチリ働いてね……」
     そして、各々の得物をカードから解き放つ灼滅者たち。
    「おやおや、ダークネスの次は半人前のお出迎えですか。さすがに見劣りがしますが、メインディッシュのあとのティーブレイクと思うことにしましょう」
     煩わしげな様子で、チャーイメンもまた周囲に複数の光輪を出現させる。そしてここに、ロシアン怪人と灼滅者たちの戦闘が開始されるのだった。


     初撃を放ったのはクラリスである。聖剣の名を冠する『屠竜剣アスカロン』に炎を纏わせると、ESPにより虚空を足場としながら、怪人へと一息に踏み込む。
     すると敵は周囲の光輪を手繰り寄せた。迎撃するかと思いきや、数枚の盾を形成してクラリスの斬撃を受け止める。
    「随分と護りに自信があるようだが……。なら、その自慢の防御ごと焼き払ってやる」
     クラリスは刀身の炎の勢いを上げて周囲へと撒き散らす。刃の切っ先が届くことはなくとも、炎の熱気は着実に怪人を蝕んでいた。
    「――ッつぅ。あくまでも刃ではなく炎が主役というわけですか、中々やりますね」
     ほんの数瞬のことだが、怪人はクラリスの炎に僅かに怯んだ。その隙を見逃さず、仲間たちが追い撃ちをかける。
    「悪いけど、紅茶にジャム入れるっての自体初耳だよ! ジャムはパンに塗るものだろ!」
     後衛から飛び出した藤柄田・焼吾(燃える心は登り窯の如く・d08153)はハンマーを振り被ると、ロケットを噴射させながら敵へと叩き付ける。
    「な――っ!?」
     隙を突いての痛烈な打撃が、怪人の光輪の守護に傷を穿つ――が、怪人は盾を振って彼を後方へと弾き飛ばした。
     飛ばされた焼吾は、咄嗟に虚空を蹴って態勢を立て直し、岩場へと無事に降り立つ。
     そして堅固な盾で辛くも灼滅者たちを捌き続けている怪人へと、更なる攻め手が襲い掛かる。長大な斬艦刀を振り被ったクレイ・モア(ジャージックポテト・d17759)であった。
    「――その盾、ぶった切るぞ!」
     彼もまた空中を跳ぶことで足場を補いつつ、巧みに敵の背後を取っていた。そして隙を見せている敵へと、渾身の斬撃を見舞う。
     基本的なスタンスとして『悪』を嫌う彼だが、全てを割り切って考えられるほど達観した性分でもない。無惨に倒されたアンブレイカブルへの複雑な思いを胸に、手にした刀に力を込める。
     そして死角からの攻撃に不意を突かれた怪人は、クレイの切っ先から逃れるように後方へと飛び退く。

    「……ふむ。私の盾に傷を付けるとは、半人前とはいえ油断ならない相手のようですね」
     言いつつ怪人は光輪を七枚の刃と化し、灼滅者たちへと一斉に放った。
     仲間たちと同じく虚空を舞うように跳び、敵の眼前へと飛び出したソフィリア。敵の攻撃から仲間たちを守護すべく、シールドを広域に展開させる。
     そしてマルティナもまた、ディフェンダーとして光輪の刃をその身に受けながら、傍らの相棒と共にサイキックで仲間たちを癒やす。
    「そういやロシアンタイガーって奴の姿が見えないが? 目的放り投げてとっくに逃げ帰ってるんじゃないか?」
     キャリバーを仲間の盾にさせつつ、敵が情報を漏らすことを期待して問い掛ける非。
    「それは間諜の真似事ですか? 無駄なことはやめなさい、私が語るのは紅茶への熱い思いだけですよ」
    「ロシアンティねぇ……。別に舐めようが入れようがどっちでもいいじゃん……。まさかそれを広めるために、わざわざ日本に来たの……?」
    「私個人の目的は、そう思っていただいて構いませんよ。そして何度でも言いますが、それ以外に私がお話することはありません」
     非に続くように語り掛けるマルティナだが、チャーイメンは問答に応じる気配がない。恐らく彼から情報を引き出すことは無理だろう。
     だが彼女らが怪人の注意を引き付けている間に、仲間たちは反撃の態勢を取っていた。
     あらゆる光を飲み込む漆黒の刃『黒狼牙』を手にした柊夜は、敵の背後に回り込むと足元を狙って斬り付けた。怪人は咄嗟に盾を構えて直撃を免れるが、死角からの急襲に思わず態勢を崩す。
    「――ほらよ、これで眠っちまいな」
     懐よりメモ帳を取り出した非は、用紙を数枚千切って放る。すると紙片は怪人の盾に貼り付き、敵の精神を蝕み始めた。
    「く――ッ! だがこれしきの攻撃で私の盾は――」
     そこへ、岩場の影より忍び寄っていたアレックスが躍り出た。仲間たちの連携により生じた隙を突くべくガンナイフを抜き放つ。
    「――選びたまえ。このままロシアへ帰るか、それともここで塵に還るか」
     我ながら上手いことを言う――そんな思いが笑顔となって滲み出ていた。そんな彼の片手には、コーヒーカップが握られていた。決して怪人を侮っているわけではない、これはあくまでも対抗心の表れである。何故なら怪人は少しばかり、彼とキャラが被っていたから。
    「オチャ――ッ!」
     そして奇妙な掛け声と共に、銃弾で攻め立てる――かと思いきや、アレックスは銃を構えたまま蹴りの連打を見舞っていた。そのトリッキーな攻撃は、遂にチャーイメンの盾を破壊してのけた。


     アレックスによって光輪を破壊されたチャーイメンは、岩場を飛び越えてなんとか灼滅者たちから距離を取る。どうやらアレックスの奇襲は敵の防御を崩すに留まり、痛打を浴びせるには至らなかったようである。
    「まさか、私の盾が破られるとは……。いいでしょう、ここからは本気でいきますよ!」
     言うなり怪人は何処からか本を取り出し、記された文字を読み上げる。すると怪人を中心に、灼滅者たちの周囲に濃密な魔力が充満し始めた。
    「……マズいな。行け!」
     このまま怪人の攻撃を通してはならないと判断した非は、空を足場に後方へ撤退する。そして仲間を守るべく、キャリバーを向かわせる。
     スロットルを全開にしたバロッツァは、エキゾースト音を響かせながら怪人へと突っ込む。
     ――そして次の瞬間、崩壊の呪いが前衛の灼滅者たちへと炸裂した。
     ディフェンダーの挺身によって犠牲者は出なかったものの、巻き込まれた仲間たちは看過できぬ傷を負ってしまう。また爆発の余波は炎となって、さらに彼らをを蝕んでいた。
    「フフッ、どうです? これで少しは寒さも紛れるでしょう」
     苦悶に顔を歪ませる灼滅者たちを見据えながら、チャーイメンは悠然と紅茶を啜っていた。
    「ったく。どこでどんな鍛え方すればそんな強さになるんだよ」
     言いつつ非は、ギターの荒々しい音色で仲間たちの傷を癒やす。
    「同じご当地系として強い宿敵の存在は嬉しい限りだけど、ちょっと強すぎだろ。どっちかというと司令官タイプだろうと思ったんだが」
     言いつつ焼吾もまた、清めの風を負傷した仲間たちへと吹かせる。

     そして灼滅者たちは、苦戦を強いられることになる。チャーイメンは執拗に盾を展開し、彼らを決して寄せ付けなかった。
     灼滅者たちは敵に決定打を浴びせることができず、次第に体力を削られていくのだった。
    「半人前の身で大したしぶとさですね、正直感服しました。そんなあなた方に冥土の土産として教えてあげましょう。極寒の我が祖国でジャムを混ぜてしまっては、折角のお茶が微温くなってしまうのです、よく覚えておきなさい」
     言いつつチャーイメンは、刃と化した複数の光輪を、満身創痍の灼滅者たちへと放つ。
     仲間の盾として、傷だらけの身体をものともせず立ち向かうマルティナ。その傍らの霊犬もまた光輪に斬り裂かれながら、最後の力を振り絞って背後の仲間たちを癒やした。
    「上手くディフェンダーやれたね、権三郎さん……。あとで骨、あげないとね……」
     勝利を仲間に託して消え去る霊犬。そんな相棒を見届けながら、マルティナもまたオーラを仲間へと注ぎ込んだ。
     そんな彼女らの挺身が、仲間たちへと勝機を手繰り寄せることになる。
    「本当に強固な防御ですね。ですがその盾ごと撃ち抜いてみせます!」
     マルティナによって傷を癒やされたソフィリアは、鋼鉄と化した拳を怪人の盾へと叩き込む。これにより、再び怪人の盾に亀裂が刻まれた。
     さらに敵の背後へと忍び寄っていた柊夜も、敵の死角からその亀裂目掛けて斬撃を見舞う。そして彼の黒狼牙の切っ先が盾を破り、遂に怪人の腕を切り裂いた。
    「――ムッ! 馬鹿な、この私が傷を負うなど!?」
     見た目にはさほど痛打とは思えないが、柊夜の一太刀はダメージ以上の衝撃をチャーイメンに与えていた。激しく動揺する怪人は守護を失い、この瞬間完全な無防備と化したのである。
     そして畳み掛けるべく、クラリスが空を蹴って怪人へと肉薄する。剣を模した『魔杖剣ミョルグレス』を振り被り、渾身の殴打と共に魔力を怪人へと叩き込んだ。
    「ガ――ァ! こ、こんな、はずでは……」
    「ロシアへのお帰りは、もう時間切れだな。ではペナルティだ」
     クラリスの一撃を受けてよろめく敵へと、懐から抜き放った銃を無造作に発砲するアレックス。漆黒の弾丸の怨念が、急速に怪人から体力を奪っていく。
    「くらえ――!」
     そして瀕死のチャーイメンを抱え上げたクレイは、ご当地パワーを込めて岩場へと叩き付けた。
    「チョ、チョルト・バジミー!」
     ロシア語でなにかしら叫びながら、チャーイメンは爆発と共に消え去った。


    「……俺、ロシアの紅茶はよくわからないが、せめて紅茶にジャムを入れるのはやめておこうと思った」
     霧散していくチャーイメン。その紅茶への執念に気圧されたのか、思わず呟くクレイ。
    「ですが、ジャムを入れるロシアンティーが間違っているとしても、それはそれで美味しいのだから良いと思いますが……」
     そう言うソフィリアは、戦闘を終えたことで普段のマイペースな口調に戻っていた。
    「いや、ロシアっても広いからな。実際は紅茶の飲み方も人それぞれだ、どう飲んだって気にしないっての」
     ロシアで育った経験を語る非。結局のところ、本人が美味しければそれが正解なようである。
    「こうして日本の地で散るのが、ロシアンティー怪人の運命だったようだな!」
     そして怪人が消滅したことを確認したところで、締めくくるように宣言する焼吾。
    「奴の敗因はただ一つ――カップにこだわらなかった事だ! 味なんて二の次……とか極端な事は言わないけど、器あってこその味! 見て美味しく、食べて美味しく、それが美食の頂点――ってあれ、論点ズレてる?」
    「いや、だが確かにその通りだな。カップの差――それが私と彼の運命を分けたのだ」
     焼吾の言葉に応じ、始終手にしていたコーヒーカップを掲げるアレックス。どこかキャラの被っていた敵を無事倒し、とても満足げであった。
    「うーん、でも紅茶の怪人ならもっとアホな路線というか、『如何にも感』がほしかったね……。今回の相手は全体的に本気っぽかったの……」
     時間が経過して復活した権三郎さんを撫でつつ、残念そうに呟くマルティナ。
    「……確かに強敵だった。相手は連戦だったというのに、ここまで苦戦するとは」
    「前の戦闘で消耗していなければ、全滅していたかもしれませんね」
     クラリスの言葉に、柊夜は静かな口調で応じる。二人とも、激戦による疲労の色は隠せなかった。
    「とにかく、無事終わったな! さぁみんな、帰ろうか!」
     対して、激戦を経てもどこまでも陽気なクレイ。
     こうして辛くもロシアン怪人を倒した灼滅者たちは、学園に帰還するのだった。

    作者:AtuyaN 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年9月19日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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