お山の大将

    作者:智葉謙治

    ●暴力の支配
     リングの周りにいる部員たちから悲鳴が上がる。
     リング上ではボクシングのユニフォームを着た学生が倒れていた。
     コーナーのロープに両腕をかけて見下ろすのは、小里・拳人。小柄ながらも、体操着の下の盛り上がりは彼我の体力差を物語っていた。
     勝利を確信した彼はグローブを外し、リングへ放り投げる。
    「じゃあ約束通り、この部室は貰うぜ。マネージャーもな」
    「……くっ!」
    「へへ、ほら来いよぉ!」
     拳人の取り巻きが細身の女子をひっぱって来た。
     怯えた顔で助けを求める彼女だが、拳人の視線に委縮した部員たちにはどうにもならなかった。
    「二度とオレに逆らうんじゃねえ」
     言い捨ててリングから降りる拳人。
     ヘッドギアを脱ぎ捨てる。
     抑圧されていた癖っ毛の長髪が、ぼさりと広がった。
    「……こんなんじゃ、足りねぇ」
     不満そうに頭をかく。髪からのぞく黒曜石の角が鈍く光った。
    ●鬼の業
     神奈川の中学校で、羅刹になりかけている男の子がいる。
     そう説明する、五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)の表情は曇っているように見えた。
    「拳人さんは悪友たちの誘いを受け、暴力で中学内の部活を配下におさめようとしています」
     なぜそんな事をするのか、姫子には理解できない。
     優れた能力を持つのであれば、それを競うフィールドに上がればいいだけなのでは?
     いや、それこそが羅刹の持つ業なのだろう。
    「その支配はだんだんとエスカレートしてゆき、ついには彼の支配欲が限界を超えてしまいます。このままだと拳人さんは完全なダークネスになってしまうの」
     暴力にとらわれた彼は悪だ。
     でも彼の中に少しでも良心が残っていれば、まだ戻れるはず。
     救いのない人間なんて、いない。
    「皆さんは闇堕ち寸前の拳人さんと戦って下さい。灼滅するか、もしくは素質があれば灼滅者として救い出すこともできます」
     小里拳人は取り巻きと共にボクシング部の部室にいる。
     彼との接触時、その良心に語りかける事ができればダークネスの力を弱める事ができる。できなければ完全に闇堕ちしてしまい、羅刹として灼滅しなければならなくなるだろう。
    「悪友たちと遊んでいる感覚の拳人さんは、自分のしている事を理解してません。他人から指摘されれば気付く事もあると思います」
     人であるうちは、他人を傷つける事に心の痛みを少しは感じるはず。
    「それと戦闘についてです。彼の取り巻きたちも襲ってきますが、一般人ですので問題ないですね」
     ただ、気をつけないと殺傷してしまうかもしれない。
    「拳人さんは特に武器などは所持していません。ですが羅刹の拳なので要注意ですよ」
     おもに鬼の腕で力任せに殴りつけてくるが、距離を取る相手には神薙刃を使って攻撃するようだ。
     また、灼滅者の攻撃で動きが鈍ると、清めの風を浴びて傷を癒す事もある。
    「説得が通じない場合、灼滅者8名でも勝てるかどうかという強敵です。……でも、皆さんならなんとかしてくれる、と信じてます。どうかお気を付けて」
     そう伝える姫子の目に、もう迷いはなかった。


    参加者
    媛神・まほろ(夢見鳥の唄・d01074)
    洲宮・静流(蛟竜雲雨・d03096)
    志賀神・磯良(竜殿・d05091)
    ファリス・メイティス(黄昏色の十字架・d07880)
    神楽火・國鷹(鈴蘭の蒼影・d11961)
    鬼神楽・神羅(ヤクシャのヴァジュラ・d14965)
    華表・穂乃佳(高校生神薙使い・d16958)
    リアナ・ディミニ(アリアスレイヤー・d18549)

    ■リプレイ

    ●拳闘部破り
     ひっそりと静まりかえった校舎裏に、ボクシング部の部室はあった。
     その中に潜むダークネスの気配は扉の外に集まった灼滅者たちにも届いている。
     人であって人で無いもの。……羅刹の気配だった。
     巫女服をまとう小柄な少女、華表・穂乃佳(高校生神薙使い・d16958)は悪意を前に闘志を燃やしている。
    「むぎゅぅ……鬼さん……暴れてるの……。ちゃんと……もどして……おくの……」
     胸元に、敵の気配に喉を鳴らす霊犬を抱え、潜む鬼に意気込む穂乃佳。
    「華表様、心配いりませんわ。私たちならきっと、助け出すことができます」
     媛神・まほろ(夢見鳥の唄・d01074)はそう言って柔らかな微笑みを向けた。
     ……とはいえ油断ならない相手には違いない。宿敵との対峙を前に、彼女の胸の中に眠る静かな鬼が、微かにざわめいているようだった。
     普段の素行からか、部室の周囲に人の通りはない。
     一般生徒は近づくのすら嫌がるのだろう。洲宮・静流(蛟竜雲雨・d03096)は、ここで行われてきたと思われる、身勝手な暴行を想う。
     本人にとっては悪ふざけでも、それがシャレにならないほど相手を傷つける事もあるのだ。
     それが内に潜む鬼の仕業とはいえ、許しておけるものではない。
     抑えても、闘気が滲み出る静流の隣で、鬼神楽・神羅(ヤクシャのヴァジュラ・d14965)が静かに息を吐いた。
    「では行こう。人であるうちに」
     そう言って、鉄の扉を片手で開いていく神羅。
    「……ああっ!? なんだてめぇらは!」
     ほこりの舞うフローリング。染みついた、乾いた汗が臭う部室から、下品な声が飛んだ。
     まるで縄張りを守る犬のように吠える男たちに、志賀神・磯良(竜殿・d05091)は冷たい視線を送る。
    「うるさい輩だねぇ」
     仲間の殺気が辺りに充満するのを目の端にとらえつつ、磯良はこっそりと戦場の音を遮断した。
    「おいっ! シカトすんなやぁ!」
    「……俺の、客みたいだな。お前らは黙ってろ」
    「拳人くん……」
     リズミカルに響いていたサンドバックの音が止まる。
     全身から湯気のように汗をかいている拳人。その命令に、取り巻きたちが黙り込んだ。
    「随分なことしてるみたいだね。邪魔させてもらいに来たよ」
     自ら汗を流す羅刹の姿に、ファリス・メイティス(黄昏色の十字架・d07880)はまだ救える希望があると信じた。人の心、そこに問いかける事ができれば、彼もきっと戻ってこれるはず。
    「油断は禁物ですね。あまり近づかないほうが……」
     ファリスの背後で、気配を隠すリアナ・ディミニ(アリアスレイヤー・d18549)が敵との間合いを測っていた。
     いつ、戦闘になろうとも対応できるよう、スレイヤーカードをそっと取り出すリアナ。
    「俺を殺しに来たか? はっ! 丁度いい、返り討ちにしてやんよぉっ!」
     叫び声と共に、拳人の放つ殺気が増幅していった。その目には狂喜が宿っていた。
     威圧に怯むことなく、神楽火・國鷹(鈴蘭の蒼影・d11961)がその前に立つ。
    「……貴様の気持ちは理解できないでもない。その衝動は俺にもある。だから、俺が止めてやろう」
     國鷹の足元から伸びる影業が、無数の右手を地面から生やす。
    「小里拳人。貴様の支配を、俺は否定する!」
    「フンッ。……できるのかよ?」
     眼前の8人の灼滅者たちを見つめ、拳人は歓喜の表情を浮かべた。

    ●猛る羅刹
     神羅が構えを取るのと、拳人がその懐に飛び込むのは同時だった。
    「じゃあ、殺ってみろよぉ!」
    「ぐっ!?」
     フェイントのジャブ、神羅の視線が一瞬動く隙に、死角から振り下ろされた右フックが襲った。
    「はははっ! 誰も俺には勝てないんだよっ!」
     暴れる拳人の拳を、静流の鬼の手が掴む。ギリギリと握り絞られる掌に敵の表情が歪んだ。
    「なあ、暴れる事で心は満たされているか? 弱い者を相手に好き勝手するのは、本当に楽しいのか?」
    「こ、このっ!」
     振りほどいて距離を取る拳人へ、ファリスが盾を叩きつけた。
    「正直、俺には誰かや何かにそそのかされて衝動的にやってるようにしか見えないな」
    「うるせえっ!」
     拳人が叫ぶが、灼滅者たちの手は止まらない。
     ナノナノの愛の心で僅かに回復した神羅も、拳人へと向かった。
    「自分より弱い者に超常の力を振るう。汝の力と良心はそれに納得できるのか!」
    「真の強さとは大切なものを守る力。あなたのは違います!」
     神羅のマテリアルロッドを受け止める相手に、更にリアナが影業の先端を向けた。
     だが、彼女の前に押し出される取り巻きの悪友たち。
    「ちょっと待てよ、あいつら、なんか武器持ってるし……」
    「いいから行けよ! 甘っちょろい事言ってる奴らなんて、ぶちのめしてこいよぉっ!」
    「でも俺たちだけ? ……さっきから電話してんのに誰も来ねぇしさぁ」
    「おい。お前らから殺られてぇのか?」
    「ひっ」
     羅刹の視線に、一般人が飛び上るほどの恐怖を感じて、やみくもに灼滅者たちへ向かった。
    「こ、この~!」
     だが、すぐに後頭部に衝撃を受けて昏倒する。最後にぼんやりと見えたのは、リアナの不意を突く手刀の構えだった。それは僅かに笑っているようにも見えた。
    「どうです? 人を傷付ける行為、酷いと思いませんか?」
     倒された取り巻きを、拳人は一目見ただけだった。
     向かってきた一般人に、冷酷な笑みを向ける磯良。相手の足が止まるが、背後から霊犬の威嚇を受けて驚いた隙に、足音も立てずに近づき、そっと意識を刈った。
    「さあ、近しい友人を傷つけられて、キミは今なにを感じてる? 今までしてきた事が、どれだけ残酷なものか……理解できただろう」
     顔すら上げない拳人。
     今のうちにと、穂乃佳が意識を無くした一般人を部室の端に運ぶ。
    「むきゅ……やめてなの……とめられなく……なっちゃうの……です」
     ……わたし達も同じだけど、人として生きているから。
     穂乃佳が精一杯の声を張り上げて言うが、反応は無い。
    「暴力で傷付けて従えて、そんなのは本当の友達ではありません」
     締めあげた一般人を優しく床に横たえながら、まほろが指摘した。
    「……ねえよ」
    「えっ?」
    「お前らに、関係ねぇって言ってんだよぉっ!!」
    「きゃあっ!」
     その体から噴き出す闘気の圧力が、部室内に満ちた。
     拳人の両腕は鬼の太い腕と化し、額の黒曜石はその姿を黒々と光らせていた。
    「うおおおっ!!」
     文字通り、目の色を変えて襲い掛かる拳人へ、國鷹の鋼の光沢を放つ左腕が激突した。
    「俺も貴様の同類だ。相手にとって不足はないだろう?」
    「同類なんていらねえっ!」
     攻撃に顔面を歪ませながらも、拳人は鬼神変を突き上げた。
     顎から吹き飛ばされた國鷹を、穂乃佳と霊犬ぽむは2人がかりで回復していく。
    「みぅ……いたいのいたいの……とんでいくの~」
    「すまない。……これはなかなか、骨が折れそうだ」
     國鷹は両手で前髪を整え、ずれた眼鏡をなおす。
     次に拳人は静流へと向かう。その剛腕が振り下ろされる前に、敵の体に原罪の紋章が刻み込まれた。
     古い魔導書を手に、羅刹を睨みつけながら言う。
    「まさに因果応報だな。力に溺れた者は、それ以上の力に屈服させられるものだ」
     羅刹の怒りの闘気がますます増幅するのを前に、静流は正面にたちはだかった。
    「だが、良心が残っていれば、きっとやり直せる。その力は俺たちが存分に受け止めてやるから、戻って来い!」

    ●心、応えてほしい
     力任せに振り回す羅刹の力は凄まじく、灼滅者たちとの一進一退の攻防が続く。
     敵の鬼神変が仲間の防御を打ち砕く先から、ファリスは強大な魔力で次々にその傷を癒していった。
     拳人の顔に、イラついた表情が浮かぶのが見える。
    「ねえ、取り戻しなよ、本当の自分を。闇堕ちしても、望んだ強さはきっと手に入らない」
    「うるせえ、うるせえっ!!」
     ふり払った腕から、風の刃が唸る。すぐさま身をていして防いだ霊犬に、穂乃佳が駆け寄った。
    「ぽむ……だいじょうぶ……いける……です?」
    「バウッ!」
     元気そうな声を聞き、ほっとする一方で聞きわけのない拳人を睨んだ。
    「そんな目で見るなぁっ!」
     耳を塞ぐ拳人。その身をつつむ神風の刃は部室内を覆うほどに吹き荒れた。
     その風を、まほろの縛霊手から伸びる結界が貫き、敵を縛りつけていく。
    「痛くはありませんか? 受けた傷でも、殴ったその拳でも無く、その心が」
     彼女の声に、聞こえないはずの拳人の体がぴくりと反応した。
     契約の指輪に魔力を込めつつ、磯良は気持ちを伝える。
    「キミの力は、こんなくだらない支配に使われるべきじゃない。手遅れになる前に、そのことに気づいて」
     嵐の中心で、拳人が声の方角をふと、見たような気がした。
    「さあ、こっちへ!」
     彼の周囲に浮遊していた水の塊が、敵の元へと飛んだ。
     額に直撃し、ぐら、と崩れそうになる膝を拳人は踏み止まる。
     風が止まり、溢れる闘気が彼の体の中に抑え込まれるようにも見える。
    「……言いたい事はそれだけか? ちょろちょろ集まってる奴らに、この俺がやられるかよぉっ!!」
     足元が破裂し、拳人は再び神羅の元へと跳ぶ。
     今度はフェイントの無い鋭いワンツー、更に凄まじい圧力の左アッパーが頬をかすめた。
    「ふしゅっ!!」
     視界には敵の肩と、風を斬る音しか聞こえない。死角から迫る必殺の右フックを、神羅は寸前に体をかがめて避けた。
    「なっ!?」
    「油断ならぬ一撃……! だが」
     今度は神羅の鬼の拳が、相手のみぞおちへとめり込んだ。うずくまり、息ができずに苦しむ拳人を見下ろしながら説得が続く。
    「望むのであれば相応しい戦場で戦う道もある。その気概が有るなら、心の闇を律してみせよ!」
    「なんなんだ……なんなんだよお前たちぃ……」
    「己に潜む鬼を、律する者だ」
    「みんな、そうです。だから、あなただけ不幸だとか、そんなくだらないこと言わないで下さいよ?」
    「ぐっ!?」
     リアナの蹴りが拳人に振り下ろされた。
     一発、二発、と上半身の動きだけで避ける相手に、勢いをそのままに回転蹴りを放つ。
    「斬影刃!!」
     彼女の影業を纏った重量感のある蹴りで、拳人は防御の上から吹き飛ばされた。
     しかし、手をついて着地した瞬間、その身は灼滅者へと跳んでいた。
    「ぅぉおおおっ!!」
     巨大化した鬼の腕を、力任せに叩き込む拳人の目に、先程までの迷いは無いようだ。
     殺気に反応した静流が仲間の盾になる。だが本気の羅刹の拳は、全身の骨が砕かれたかと思うほどの衝撃を受けた。
    「……仲間には手を出させない。灼滅者の絆の強さ、その目に焼き付けておけ!」
    「そう……ちーむわーく……あるから……まけない……」
     穂乃佳の癒しの光が、静流へと移るのが見えた。
     くやしそうな顔の拳人を、國鷹から伸びる影が拘束した。
    「我が哀哭の手よ、怨讐の鎖の如く、縛めよ」
    「俺は……一人で……」
    「孤高に立つ強者、それが望みか小里拳人。選べ! 貴様は人か? それとも鬼か!?」
     四肢にからむ影に締め付けられる拳人の胸に、リアナの槍が突き刺さった。
    「人を選ぶのであれば、私たちは歓迎します。でなければ……」
    「うう、くそぉ……俺だって……」
     えぐられる痛みからか、敵の目にうっすらと涙が滲んだ。
    「その力、傷付ける為ではなく……守る為、救う為に使いませんか?」
    「痛みを感じたことがある人間だけが、他人の痛みを想像できる。君もきっと、護る側に来れるさ」
    「キミが悩み、苦しんでいるのなら、私達が力になる。だからもう、一人で悩むことはないよ」
     敵の体にくすぶる鬼の力へ向け、まほろとファリス、磯良の拳が追い打ちをかけた。
    「……ちく……しょう……」
     ぐらり、と倒れ込む拳人。鬼の体はフローリングの床に突っ伏したまま、動かなくなった。

    ●武蔵坂へ
     拳の感触が残る磯良の元へ、霊犬阿曇が駆け寄ってきた。
    「お疲れ様。うん、そうか。ありがとう」
     取り巻き達に怪我はないらしい。知らせてくれた愛犬の背を撫でてやりながら磯良は倒れたままの拳人を見つめた。
    「……こっち……もどって……きて……」
     穂乃佳が相手のそばに駆け寄って座った。そっと背に触れると、微かに心臓の鼓動が伝わった。
    「……う、お、俺は……生きてるのか?」
    「み……おきれる……です?」
     戸惑ったままの顔で上半身を起こす拳人を、ほっとした顔の穂乃佳がなでなでしてあげた。
    「よかった……です……」
    「そうか、俺は負けたんだな」
     部室の中を見渡した後、拳人は呟いた。その声色はどこか、すっきりとしているようだ。
     目の前に國鷹の手が差しだされ、素直に掴み立ち上がる。
    「わかってくれたんだな。よかった」
    「……うん」
     今までの記憶が、ぐるぐると拳人の頭の中に渦巻く。
     償いきれない程の悪。到底、このまま学校に居る事は不可能だろう。
    「さあ、私達と一緒に行きましょう。本当の友達を作りに」
    「倒すしかないとはいえ、すみませんでした。でもこれからは仲間ですから」
    「……え?」
     戦闘時の勢いが嘘のように落ち着いた雰囲気で言うまほろとリアナに、拳人は戸惑いの表情を返した。
     その胸を神羅が軽く叩く。彼の落ち着いた頬笑みが拳人を落ち着かせてくれた。
    「汝の確かな技術、見せてもらった。味方になるとなれば、これほど頼もしい事はない」
    「ああ。新しい仲間の誕生だな。改めて、よろしく頼む」
     そう静流から告げられ、拳人は思わず下を向いてしまう。
     肩を震わす彼に、ファリスが優しく声をかけた。
    「武蔵坂へ行こう。わからない事は何でも聞いてくれ。仲間だからな」
    「……うん、ありがとう」
     床に落ちる涙。
     そんな彼を、灼滅者たちは温かく見守った。

    作者:智葉謙治 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年9月18日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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