チアガールが応援しちゃう!

    作者:奏蛍

    ●勇気が欲しくて……
    「ファイ、オー!」
     ふわふらのぼんぼんを持ったチアガールたちが、華麗に足を上げて可愛く飛ぶ。現在は応援をしているのではなく、練習中だ。
     そんな様子を教室の窓から見る一人の少女がいた。非常に大人しそうな少女だ。
    「あれ? 結崎まだいたんだ」
    「ん!」
     おどろいた結崎は慌てて振り返った。三つ編みに眼鏡。
     自分に自信がない結崎はすぐに下を向いてしまう。
    「う、うん……」
     小さく頷いて返事を返す。少年は気にした風もなく、自分の荷物を肩にかけて教室から出て行く。
    「またな!」
    「た、高井くん!」
     片手を上げて教室から出ていこうとする高井を呼び止めたのは精一杯の勇気だった。
    「あ、あの……また……」
     頑張ってと言いたかった。でも言えなかった。高井はおう! と軽い返事をして消えていった。
     せめてチアガールになれたのなら、遠慮なくサッカーをする高井を応援できるのに……。しかし結崎にはその勇気がない。
     再び練習するチアガールたちに目を向けようとして固まった。窓の外にチアガールの衣装が浮いている。
     ふわふわと漂っているのだ。見れば見るほど魅力的な衣装に、結崎の心は跳ね上がる。
     誰かに見られるかもしれないということなどよぎりもしない。一気に制服を脱ぎ捨てて、窓の外のチアガール衣装に手を伸ばす。
     ぴったりなサイズの衣装に胸がときめく。眼鏡と外し、三つ編みを解いた結崎が魅惑的な笑みを浮かべるのだった。
     
    ●チアガールたちを救い出せ!
    「何だか応援してあげたくなっちゃうんだけど、目的は灼滅なんだよね」
     須藤・まりん(中学生エクスブレイン・dn0003)から聞いた話を思い出した神宮寺・三義(路地裏の古書童・d02679)が愛らしく首を傾げた。こんなに愛らしくてもちゃんと男の子である。
     そしてダークネスの持つバベルの鎖の力による予知をかいくぐるには、まりんたちエクスブレインの未来予測が必要になる。
     三義の予想が的中して、フライングチアガールの衣装の存在が明らかになった。チアガールの衣装と運命的というか作為的な出会いを果たししまったのは結崎という大人しい少女。
     しかし、チアガールの衣装によって非常に積極的な子に変化を遂げている。魅惑的な笑みを浮かべる結崎は、どうしてもっと早く眼鏡を取らなかった! と言いたくなる美少女だ。
    「好きな高井くんを応援したいって気持ちと、チアガール衣装の相乗効果だと思うんだけどね……」
     もともとあったチアガール部を乗っ取った結崎は、他の生徒にもチアガールになることを強要し始めてしまうのだ。もちろん断れば、お約束の制裁だ。
     そこでみんなにはチアガール衣装を灼滅してもらって、この学校の安全を守って頂きたい。
     校内には部活動の時間ということもあって、ジャージとかで入れば止めるものはいないだろう。そして中庭に集まった結崎たちチアガールと接触してもらいたい。
     チアガールの格好をしていったり褒めて頂くと有頂天になったチアガールたちが油断してくれる。あと、サッカー選手を褒めると結崎はさらに有頂天になってくれるだろう。自分の同士を見つけたと思い、それはそれはテンション高く喜んでくれると思われる。
     灼滅されるのはチアガール衣装であって、結崎たちではないので遠慮なく灼滅して頂ければと思う。結崎はサウンドソルジャーのサイキックと、手裏剣甲を使ってくる。
     配下となったチアガール部の六人は、四人がマテリアルロッドを二人がバイオレンスギターを使ってくる。
     灼滅後、結崎たちは記憶がない状態で裸同然で目覚めることになる。こちらのフォローもお願い出来ればと思う。
    「いろいろあるみたいだけど、ともかくしっかり灼滅だね!」
     頑張ろうと言うように三義が八重歯を覗かせて笑顔を見せた。


    参加者
    天羽・瑠理香(幻想パッサカリア・d00607)
    山城・竹緒(デイドリームワンダー・d00763)
    ギィ・ラフィット(カラブラン・d01039)
    淡白・紗雪(六華の護り手・d04167)
    大條・修太郎(メガネ大百科・d06271)
    イリス・エンドル(高校生魔法使い・d17620)
    高辻・優貴(ピンクローズ・d18282)
    一色・紅染(穢れ無き災い・d21025)

    ■リプレイ

    ●事前準備はしっかりと
    「とめられない、よね?」
     心配そうにきょろきょろした淡白・紗雪(六華の護り手・d04167)が首を傾げる。服装だけじゃごまかしきれないと思う紗雪の身長は123センチ。
     同じく止められないことを祈った天羽・瑠理香(幻想パッサカリア・d00607)が足を踏み出す。
     チアガールの衣装にジャージの上を羽織った二人が恐る恐る校内に入る。対照的にはしゃいだ山城・竹緒(デイドリームワンダー・d00763)が続く。
     気になるところは、生徒みんなってことは男子までチアガールにするつもりなのかと言う事だ。でも男子だったらチアガールじゃなくてチアボーイ?
     艶やかな黒髪を揺らしながら、ポンポンを振ってチアの真似をしながら首を傾げる。どうやらチアガールの衣装を着られてはしゃいでいるようだ。
     横を歩く瑠理香と紗雪が止められないかと心配そうなのに反して、自分ペースの不思議ちゃん竹緒だった。
    「ふんふん♪」
     そしてもうひとり、やけに楽しそうにジャージで身を包んだギィ・ラフィット(カラブラン・d01039)がいる。それもそのはず。
     不壊者や気にくわないヴァンプを相手どるより、可愛い女子の方が遥かにまし。さらに言えば、学園公認の脱衣ゲームのようなもの!
    「やる気が出るっす」
     軽やかな足取りでどんどん進んでいくのだった。中庭の手前で止まった大條・修太郎(メガネ大百科・d06271)が、代わりに持っていた女子の荷物を一度下ろして音を遮断する。
     鋭い眼光で中庭の方を見つめる修太郎は結崎のことを考えていた。自分を変えたいという気持ちと高井に近づきたいという気持ち。
     その両方があるような気がする。
    「当たって砕けるとダメージ大きいし踏み切れないんだろうね」
    「そう、思い、ます」
     修太郎の言葉に一色・紅染(穢れ無き災い・d21025)がこくんと頷く。極端に白い肌のせいか……女性に間違われる紅染だった。
     対照的に名前や外見、口調が男子のようがれっきとした女の子の高辻・優貴(ピンクローズ・d18282)が準備が整うのを待って軽く伸びをした。少しみんなとは遅れて来たのはイリス・エンドル(高校生魔法使い・d17620)だった。
     一緒に校内に入ったのだが、普通の学校を知らないイリスはきょろきょろと見学をしてしまい少しだけ遅れた。学校を見学できるなんてラッキーと自然と口元が緩む。
     もちろん灼滅はしっかりするつもりなのだが……。全員揃ったところで、優貴以外の女子がジャージを脱ぎ始める。
     白色に青ラインと星が散りばめられたチア服で瑠理香が、着慣れするために軽く飛んでみる。ふわりと浮いた上から可愛いおへそがちらりと覗く。
     もちろんミニスカもふわりと際どく浮き上がる。それを間近で見ていた優貴の視線が止まる。
     よくチア服で人前に出られるなと思ってしまう。ミニスカであんな動きをしたら下着が見えてしまう。
     視線に気づいた瑠理香が少し焦り気味にミニスカを抑える。
    「……ち、ちゃんとアンダースコートは履いてるですよ?」
     履いてないと思われたらどうしようとあわあわする瑠理香に、実はアンダースコートでさえ下着と同じだと思っていることを言えない優貴だった。
    「応援ガール、イリス参上」
     変身とジャージをばさっと脱いでチア服になったイリスが楽しそうに笑う。同じくジャージを脱いだ紗雪が、身体から殺気を放って一般人を遠ざける。
    「それじゃあ、行こうっ♪」
     止められなかったことに安堵した紗雪がふわふわの白いウェーブヘアを揺らしながら、中庭に向かって走り出した。色白で繊細な身体つきなので、一見儚げな印象がする。
     しかし、実際は元気一杯全力全開な紗雪なのだった。

    ●応援するって素敵でしょ?
    「殲具解放」
     結崎たちを発見したギィがすぐに力を解放する。そして落ち着いた様子で近づくのだった。
     近づいてくる灼滅者たちに、チアガールたちが困惑した視線を送ってくる。
    「ごめん可愛いからつい見惚れてしまった。こういう女子に応援して貰ったら絶対元気でる」
     微かに微笑みを浮かべた修太郎の言葉に、結崎たちが瞬きしてすぐに笑みを浮かべた。可愛いと言われて結崎たちは嬉しそうだ。
    「ほんとほんと、こんなかわいい娘に応援されたら、魂の底から力が湧いてきそうっすよ」
     何より衣装が良く似合っているとギィが笑ってみせる。犠牲者がでないケースは気楽でいいっすねと内心思うギィだった。
    「特に、サッカー、選手、とか、かっこよく、活躍、して、くれそう、です」
     チア服を可愛いと褒めた紅染が、サッカーのことを口にすると結崎の瞳が輝く。
    「本当に? 本当にそう思う!?」
     三つ編みしていたせいかあとがついたウェーブヘアを揺らして、長い睫毛に縁どられた瞳を瞬きさせる。
    「応援って楽しいのです! 特に、スポーツの応援なんかは最高なのです!」
     一緒に応援したいなと言うような様子で瑠理香がにこりと笑う。たとえ負けても全力を尽くした姿が見られるのは嬉しい。
     そしてもし勝ったなら嬉しさは倍増する。結崎たちの気を惹くための言葉ではあるが、割と本心からそう言っている瑠理香だ。
    「そう言えば、この学校のサッカー部ってかっこいい男子が多いよねー!」
     事前にサッカー部員のことを調べておいた竹緒が結崎に話を振ってみる。
    「そうなの!」
     頬を紅潮させてうっとりする結崎に竹緒が高井の名前を出す。出した途端に結崎の顔が真っ赤になった。
     こういうところはチアガールの衣装を着る前と変わらない気がする。
    「た、高井くんすごいかっこいいでしょ!?」
     熱があるんじゃないかと思うほど潤んだ瞳でうっとりとする結崎。まりんが言っていた通りの美少女っぷりに、灼滅者の素質があるなら彼女にして連れて帰りたいなと思うギィだった。
    「ところで、あなたたちもチアガールになってくれるの?」
     チア服に身を包んだ四人を見て、結崎が首を傾げた。返事を期待して瞳がきらきらと輝く。
     そんな結崎に向かって、イリスが口を開く。
    「チア服脱いで」
     単刀直入に言った。空気を読まない発言もしばしばあるが、そこがイリスの魅力でもある。
     しかし、結崎は大事なチアガールの衣装を脱ぐわけにはいかないと首を振る。その様子を見ていたギィは脱げと言ってもやっぱりそうはいかないっすねと、構える。
    「それじゃ、不本意ながら力ずくで」
     何を言われたのかわからない結崎たちが首を傾げた瞬間、地を蹴っていたギィの超弩級の一撃が振り下ろされていた。悲鳴を上げた少女に片腕を異形巨大化させた修太郎が迫る。
     瞳を大きく見開いた時には、気絶した少女が倒れていた。その服に用があると言うと変な目で見られそうなのでそんな単刀直入なことは言わないが、油断を誘うために修太郎が口を開く。
    「サッカー選手の足さばきとか見てるとおおすげーって思う。イケメンも多いし」
     言われた瞬間に、動こうとしていた結崎が止まる。イケメン……そう高井はイケメンなのだ。
     しかし、さっきまで褒めまくっていた人達が何でこんなことをするのかと困惑を深めるのだった。

    ●翻弄されるチアガール
     長い金髪をゆらりと揺らしたイリスが地を蹴る。異形巨大化した片腕で、少女を殴り飛ばす。
     何とか体制を立て直して着地した少女に、紅染が心を惑わせる符を飛ばした。
    「んっ!」
     声を上げながらも耐える少女の耳に結崎の声が響いた。
    「チアガールを広めることを邪魔する人たちは始末する!」
     宣言と共に、毒が塗られた大量の手裏剣を投げつける。身を守るように構えた灼滅者たちの体を、斬り裂いていく。
    「他もチアガールにするって、どこまでするつもりなのかな?」
     攻撃を受けながらも紗雪が結崎に話しかける。
    「全員に決まっているでしょう!」
     チアガールの衣装の素敵さを、みんなが理解しなければいけないのだ。
    「みんなチアガールにしちゃったら応援する相手いなくなっちゃうよねぇ?」
     そんな紗雪の言葉に、攻撃を仕掛けようとしていた一人の少女の動きが止まった。応援する者がいなくなったら、チアガールでいる意味は何なのだろう……。
     考えてしまった少女の体に衝撃が走った。軽やかなステップで優貴が攻撃していく。合わせて竹緒が両手に集中させたオーラを少女目掛けて放出した。
     避けることが出来ないまま攻撃を受けた少女は気を失って地面に倒れる。そして紗雪がシールドを広げて、周りごと守りを固めた。
     許さないと言うように灼滅者と睨みつけるチアガール部たちなのだが……。
    「本当に、その、服、かわいい、ね……!」
     褒め言葉を言われた瞬間に、思わず嬉しそうに破顔してしまうのだった。しかもチア服を褒める紅染には一切嘘がない。
     実際に本当に可愛いと思っているのだ。ちょっと着てみたいなと思うくらいに……。
     本心からの褒め言葉を口にした紅染がそのまま影を伸ばす。
     先端を鋭利な刃に変えた影は少女を斬り裂く。さらに油断しているところを狙って同じく修太郎が影を伸ばして少女を飲み込む。
    「悪いがちょっと眠っててくれ」
     修太郎の言葉通りに、攻撃を受けた少女がそのまま気を失って倒れた。倒れる少女に気を取られた結崎が驚きの声を上げる。
    「おーにさんっこっちらっ、てねっ♪」
     反転した反動そのままに、シールドを出現させた紗雪の右の裏拳が結崎に決まる。
    「くっ……!」
     衝撃に結崎の表情が歪む。その間に赤き逆十字を出現させたギィが、さらに少女を一人地面に倒れさせる。
    「よくも部の仲間を!」
     魔術によって引き起こされた竜巻が灼滅者たちを襲おうと迫る。避けるために横や後方に灼滅者たちが地を蹴る。
     竜巻を避けたところで、修太郎に異変が起きた。響いた歌声に微かに眉を寄せる。結崎から流れる神秘的な歌声だった。
     体制を崩さず何とか着地した耳に別の声が重なる。愛らしい瑠理香の歌声が修太郎の傷を癒していく。
     強制された応援には心なんてない。気持ちがあってこその応援だと瑠理香は思う。
     勘違いしてしまっている結崎の目を覚まさせるためにも負けないと言うように、天上の歌声を響かせる。同時に放たれた竹緒の風の刃が少女を斬り裂くのだった。

    ●ほんの少しのきっかけを……
    「これで終わりなのです!」
     禁呪を放った瑠理香が残った少女を爆破する。
    「何で邪魔するのよ!」
     一人なった結崎が悔しそうに訴える。
    「結崎ちゃんを助けたいからだよ!」
     拳にオーラを集束させた竹緒が答えるのと同時に迫る。灼滅されるのはチアガールの衣装だけ。
     遠慮はいらないと、凄まじい連打を繰り出す。そして瞬時に横に飛んだ。
     クリアになった視界に映る姿に結崎が息を飲む。
    「くっらえぇーっ!」
     低姿勢からの左手に雷を宿した紗雪のジャンピングアッパーが見事に結崎をとらえる。仰け反った体をそのまま一回転させて、結崎が何とか体制を崩す着地した。
     そんな結崎に間髪開けずに、ロケット噴射を伴う強烈な殴りつけをイリスが決める。
    「きゃぁ!」
     だいぶ破けてしまったチアガールの衣装が申し訳程度に揺れる。あともう少しと優貴がギターを激しくかき鳴らす。
     音楽を愛し、ギターを愛している優貴なだけに扱いは非常に丁寧だ。それと反して音波は結崎を鋭く攻撃していく。
     修太郎が再び片腕を異形巨大化して突っ込んでいく。それに合わせて体内から噴出させた炎を武器に宿したギィが、結崎に叩きつける。
     炎の攻撃を受けたチアガールの衣装はどんどんと肌を露出させていく。そして修太郎の一撃によって、ボロボロと破れたチアガールの衣装が地面に落ちた。
     目覚められる前にと紅染が瞬時に爽やかな風を吹かす。目を覚まさない結崎にギィが手を伸ばす。
    「今のうちに吸血捕食で……」
    「男子はこっち見んなよ? てか、あっち行け」
     吸血捕食は必要ないからと優貴がギィに言う。
    「え、いらないっすか?」
     必要ならしてもいいと言うようなギィに女子全員がきっぱりと首を振るのだった。それならと一足早く帰ることにするギィだ。
     サッカー部を呼ぶなら大人数が雁首を揃えているのは不自然だ。抱いた想いが通じますようにと心の中だけで呟いた。
    「仮の服も用意したから……」
     イリスは気がきくでしょと言うように、自分の仕事着である巫女服を取り出す。何故、巫女服!? ということで、着せること叶わず別に用意されたチア服を着せていくのだった。
    「後どのくらいだ?」
     もちろん後ろを向いたまま修太郎が尋ねる。
    「後少しだな」
     全体の様子を見た優貴が答えると修太郎と紅染がサッカー部を呼びに行くのだった。
    「あっち、で、女の子、が、何人、も、倒れて、いて……」
     保健室に運ぶの手伝ってくださいと言う紅染の横で、修太郎はジャージに刺繍された名前を確認していく。
    「案内する」
     こっちだと言うように歩き出した修太郎に首を傾げながらもサッカー部員たちが移動を始める。中庭からその姿を確認した紗雪が少女から離れる。
    「後はサッカー部ってゆーか高井くんに任せよっ♪」
     紗雪の言葉に着替えを終わらせた女子たちが離れる。後は男子の手腕次第だ。
    「あ、君はそっちの子を頼む」
     修太郎の言葉に、サッカー部員は倒れている少女に近づく。よく応援してもらうサッカー部だけに首を傾げた。
     こんな子、チアガール部にいたっけ?
    「ん、んん……」
     目を開けた結崎が瞬きした後に、顔を真っ赤にするのだった。
    「た、高井くん!?」
    「……あれ? その声……結崎?」
     ここに来たのも何かの縁だし、このくらいのお節介はありだと思う修太郎だ。上手くいくもいかないも、後は結崎次第。
     倒れていた少女たちを介抱するのに忙しいサッカー部員たちに気づかれないうちに灼滅者たちは学校を後にする。
    「これがきっかけで結崎さんが高井くんとらぶい事になったらうれしいよね!」
     竹緒の言葉に瑠理香が嬉しそうに頷く。実はファイト! と書いたカードをこっそり結崎のポケットに入れた瑠理香だった。
     優貴もまた二人が上手くいくことを祈ってそっと瞳を閉じた。

    作者:奏蛍 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年9月30日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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