怯える兎のプレゼント

    作者:相原あきと

     ロックバンド『レッドアイ』の4人と『デスキャロット』の4人は、博多でも嫌われ者の不良バンドで、それ故につるんで行動する事が多かった。
     その日も8人でくだらない話で盛り上がりながら夜道を歩いていると、道の端で泣きながら1人で歌っている少女を見つけた。
     路上ライブなどいつもなら無視なのだが……。
    「バニー服じゃね?」
     少女がバニー服を着ている事に興味を持ったのか、1人が声をかける。
    「お、おおぅ」
     声をかけた男が変な声を出し、仲間が何事かと――。
    『おおぅ×7人』
     その少女は童顔で中学生ぐらいだろうか。
     しかしその肉感的な肢体は高校生、いや大学生と言っても通じるだろう。
     しかも、それが胸もお尻(しっぽ付きだが)も露わで、思わずゴクリと生唾を飲み込むんでしまう。
     バニー服の少女は泣きながら「誰もファンになってくれなくって」と言い、下心含めてチヤホヤし出す8人に、ニコリとほほえみ感謝を述べる。
    「うん♪ ありがとう、ミミ、もう怖くないよ♪ あ、これ、お兄ちゃん達にあげるね!」
     すでに焦点が遭わなくなり、なぜ少女が1人、なぜ暗い道に怖がって、なぜバニー服……といった疑問も考えられなくなっていた8人が、言われるままにその黒いカードを受け取った。
    「ミミ、お兄ちゃん達の誰にもしばられない感じ……すごいカッコイイって思うの!」
    「へ、へへ、それじゃあもっとカッコイイところを見せちゃおうかな」
    「いいねぇ、じゃあ競争なんてどうよ?」
     異様な殺気を纏って8人が暗い路地から繁華街へと向かう。
     バニー姿の少女ミミは、それを笑顔で見送るのだった。

    「みんな、臨海学校で騒ぎを起こしたHKTの事は覚えてる?」
     エクスブレインの鈴懸・珠希(中学生エクスブレイン・dn0064)が皆を見回しながら質問する。
     HKT、正確にはHKT六六六人衆による事件。
     黒いカードを手にした一般人が殺人衝動に覚醒して無差別殺人を行う……それを未然に防いだのが臨海学校での事件だったが。
    「今回も黒いカードを持った男の人たちが、殺人事件を起こすみたいなの。ただ、前回と少し違う部分があって……」
     実は今回事件を起こす男達は、ただの一般人ではなく、武器を持ってサイキックに似た攻撃をしてくるらしい。
     ちょうどソロモンの悪魔や淫魔の配下達と同じ、そう考えると妥当だろうか。
    「これが黒いカードの新しい能力なのか、それとも別の力なのかわからないけど、この男の人達の凶行を止めて、黒いカードを回収して来てほしいの」
     ちなみにこの事件を起こす男の人達は、戦闘でKOすれば正気を取り戻すから心配はいらないらしい。
    「今回、みんなに止めてほしいのは素行が悪くて嫌われているバンドマン8人よ」
     『レッドアイ』と『デスキャロット』という4人ずつのバンドらしいが、とりあえず8人いると考えればいい。
     使ってくるのはバイオレンスギターと解体ナイフに似たサイキック。
     攻撃が得意だったり、防御が得意だったり、それぞれ得意分野が違うらしいので戦闘に際してはしっかりこちらも戦法を考えた方が良いだろう。
    「相手と同じような戦法で行けば……負けないとは思うけど、確実に被害はでると思う。しかも、相手は殺人を目的としてるから……」
     下手に陣形が乱れたり、穴ができた場合、敵はそこから一般人を殺しに抜けていく可能性もあるという。
    「これから言う路地裏に向かえば、その8人とは出会えると思う。路地は一本道で脇道は無いけど、繁華街方向に向かえば3分としないで一般人に出会っちゃうから気をつけて」
     ちなみに繁華街側から接触するか、8人の後ろから接触するかは自由らしい。
    「この事件、一般人に被害を出すわけにはいかないから、絶対に取り押さえて! 大丈夫、きっとみんなならできるわ!


    参加者
    水月・鏡花(鏡写しの双月・d00750)
    安曇野・乃亜(ノアールネージュ・d02186)
    立見・尚竹(貫天誠義・d02550)
    皇樹・桜(家族を守る剣・d06215)
    グロード・ディアー(火鷹の目・d06231)
    月雲・螢(線香花火の女王・d06312)
    香坂・天音(アムネジアバレッツ・d07831)
    ハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314)

    ■リプレイ


     雲が月をおぼろに隠し、薄暗い路地に影を生む。
     そんな場所に性別も年齢もバラバラの6人が佇んでいた。
    「サイキックを使うとなると厄介だが、繁華街に通すわけにはいかないよな!」
     グロード・ディアー(火鷹の目・d06231)が自分に気合いを込めるように強く言えば「まったくでござる」とハリー・クリントン(ニンジャヒーロー・d18314)が同意する。
    「一般人の無差別殺人など絶対止めて見せるでござる!」
     こちらも気合いは十分なようだ。さすが忍者をヒーロー等と同一視する米国生まれのご当地ヒーローである。
     やがて卑猥な雑談を交えながら8人の男がやってくるのが見えた。4人は髪を赤く染め、残り4人はデスメタルバンドらしいわかりやすい格好だ。前者がレッドアイで後者がデスキャロットだろう。
    「待っていたわよ」
     8人がこちらに気づくタイミングで香坂・天音(アムネジアバレッツ・d07831)が指を差し。
    「レッドアイもデスキャロットも本当最悪ね。この間のライブ見たけれどアレは音楽じゃなく、ただのノイズよ」
    『なっ!?』
     8人が一斉に言葉に詰まり「スタイリッシュ」だの「ソウル」だの喚き出すが怒っているのは手に取るようにわかる。そのうち8人が「まずこいつらで競争でどうよ?」とか話だし――。
    「なぁ」
     8人にグロードがいつの間にか取り出していたナイフに炎を纏わせ。
    「暴れたいなら……相手になるぞ?」
    「はっ、後悔すんなよ!」
     バタフライナイフを取り出す8人。
     同じく灼滅者側も次々にスレイヤーカードを解放して行く。
    「さあ、狩りの時間だ!」
     皇樹・桜(家族を守る剣・d06215)の言葉と共に、誰より早く動いたのは立見・尚竹(貫天誠義・d02550)だ。ギリギリと引き絞った弓矢がピタリとデスキャロットのボーカルの額を狙い。
    「戦の前には矢合せが礼儀。俺の鏑矢を受けてもらおうか」
     ドッ、という肉に刺さる音が聞こえ、だらりと額を庇ったボーカルの左腕で垂れる。
    「ちっ、ヤルじゃねーか、うざってぇ!」
     腕から矢を抜きボーカルが叫ぶと、一斉に他の7人が動き出す。
     だが、迫ってくるバンドマン達に飛び込んでいく赤いオーラを纏った影。エグゾースト音を高らかに、ライドキャリバーのクラヴィアに平衡を保ち立ったまま天音が突撃する。
     はね飛ばされるバンドマン達、さらにシートを蹴って天音が跳躍。
    「――凍えろ!」
     先ほど矢を受けたボーカルに一撃を叩き込み、そこを中心に炎の結界を張り巡らせる。
     薄暗かった路地が明るくなり、また戦い慣れた灼滅者の攻撃にわずかに逡巡する8人。うち1人が奥の繁華街へ通じる路地へ視線が動くが……その視線を遮るように水月・鏡花(鏡写しの双月・d00750)が立つ。
    「無駄ですよ」
     鏡花の目にバベルの鎖が集まる。
    「私に見抜けない事なんてないわ」
     繁華街へ抜けるには6人の敵対者に穴をあける必要がありそうだ。
     誰を狙うか……視線だけでバンドマン8人が相談しようとした、その時だ。
    「……絶対に外さない」
     どこからか声がした。
     凛とした強い意志を感じさせる声だった。
     だが、目の前から聞こえたわけじゃない……どこから?
    「ぎゃあああああ」
     デスキャロットのボーカルの悲鳴。
     どこから現れたのか、ボーカルの前には黒いレイピアを構えた女性がいた。夜陰に紛れるような黒いコートとストレートの黒髪がさらりと揺れた。
    「ど、こから……!」
     その女性、安曇野・乃亜(ノアールネージュ・d02186)に斬られたボーカルがよろめきながら睨むが。
    「8人も片付けねばならないのでね……さっさと倒れろ」
     投げやりな乃亜の言葉にボーカルが怒りの声を上げると同時。
     ――ズンッ!
     真上からの螺旋槍。
    「ぐ、は……」
     どさり。
     月雲・螢(線香花火の女王・d06312)の串刺し公による上空からの必殺の一撃だった。
    「ふふふッ……先ずは一人目ね」
     螢がマテリアルロッドを回し牽制しつつ乃亜と背中合わせになる。
     敵中のど真ん中へ降り立ったというのに、2人には恐れも恐怖も無い。
     ただ妖艶に、ただ凛々しく。
     そして……乱戦状態のまま、8対7の戦いが開始された。


     朧な月光の下、物怖じせず敵へと走り込むのは桜だ。
     右手に持った槍を回転させながら、勢いを乗せ敵陣へと突っ込む。
     即座に反応した敵前衛の2人が邪魔に入るが、1人を回転する槍の石突で殴り倒し、もう1人には左手で日本刀の切っ先を向けて牽制、動きを止めたわずかな隙に敵中衛の位置まで跳躍し。
    「は、速い!?」
    「くだらない理由で殺戮をしようだなんて……ムカつくのよ!」
     聖槍が淡い桜光の尾を引きながらグルンと回転し、同時に2人の敵の胴を薙ぐ。
     1人が胴を抑えてよろめくが、もう1人は気合を込めてナイフを構える。
     だが。
    「貫け、氷楔っ――Keil Eises!」
     ビシッ!
     鏡花の放った妖冷弾がその腕ごとナイフを凍らせる。
     男が強引にナイフを振り下ろすも、すでに桜はその場にいなかった。
     鏡花の横に並んだ桜がわずかに頷き、鏡花も目だけでコクリと。
    「こっちもいるぞ」
     桜達を追っていた中衛の2人が声に振り向くと、そこにはナイフを構えたグロードが――。
    「ぐああぁ」
    「く、くそ!」
     振り抜かれたナイフに斬られながらタタラを踏む2人。
     レッドアイの壁役2人が慌てて駆けつけるが、その時にはグロードも仲間の位置まで即座に下がっている。見事なヒット&アウェイだ。
     バンドマン達は完全に混乱していた。いや、正確に言うならデスキャロット達が、だ。
     それを目聡く見抜くのはハリー。
    「レッドアイの4人は一糸乱れぬ見事な防御陣形でござるな。敵ながら天晴れでござる!」
     戦場全てに聞こえるように大きな声で。
    「対してあちらのデスキャロットはダメダメでござるな。少しはレッドアイを見習うべきでござるよ」
     やれやれといったジェスチャーを交えてニンジャが言う。
    「おい、デスキャロット! しっかりやれよ、敵に言われてんぞ!」
    「ああ!? てめぇ赤目どもが調子に乗ってんじゃねーぞ!?」
     戦いながら言い合いを始める2組。
     思わずスカーフで隠した口元でニヤリと笑みが浮かぶハリー。
    「今でござる! ニンジャニンポー・鏖殺領域!」
     きれいに決まった!
    「く、そ……こいつら、強ぇ」
     特に被ダメージの大きいデスキャロットの中衛2人が苦しそうに呟きつつ、目だけで何かを探すように――。
    「強者から尻尾を巻いて逃亡する気か?」
     それを灼滅者側の穴をついて逃げる行為だと見抜いた乃亜が釘を刺す。
     思わず乃亜に視線が行く2人に、黒髪の少女はふん、と上から見下すように言う。
    「私が知る限り、そういうのは『ロックじゃない』というのではないかな?」
    「ふ、ざけんな!」
     中衛2人がナイフを振りかぶり、黒い衝撃波が乃亜へ向う。
     だが、黒き風は乃亜へと命中しなかった。
     飛び込んで来た天音とライドキャリバーが庇ったのだ。
     さらに庇われた乃亜が中衛1人に走り込み、その勢いに螺旋の回転力を加えた突きをみまい。それと同時、背後で天音とライドキャリバーの影と機銃がもう1人の中衛を撃破する。
     ――ギュィィィィィンッ!
     戦場を駆ける一条の旋律、最後衛にいて1人残ったデスキャロットのスナイパーが仲間のギターを持ち不協和音の衝撃波を放ったのだ。
     その直撃を受けたのは尚竹だ。
     さらに他のレッドアイのメンバー達も尚竹に追撃の動きを見せ、即座に螢が魔術の雷を敵陣に放ちそれを牽制、その隙に尚竹は防御符によって治癒を行う。
     灼滅者の中にも数人が気付く、ここに来て敵の動きが変わった、と。


     敵の後列から毒の衝撃波2重に灼滅者を襲う、それは呪いの毒の効果より自己強化に重ねたエンチャントを剥がす効果の方が辛い。
    「なかなかやるわね」
     苦痛に顔を歪めて乃亜が吐く。
     しかし、5人のバンドマン達はちらりと見ただけで、即座に鏡花と尚竹を狙うぞと声を掛け合う。
     乃亜は内心舌打ちする。敵の攻撃を誘導したかったのだが、さっきまでと違い、連携を取り始めた敵に対しては効果が薄い。
     せめてと影のレイピアにオーラを乗せて敵後列へ突き放つも、左右に散って2人は回避する。
     だが、それを見て敵のスナイパーが叫ぶ。
    「そっちじゃない!」
     回避した2人のうち片方、右に飛んだ方の動きが止まる。
    「雑魚は雑魚らしく、逃げるのがお似合いね」
     避けた先、真正面に槍を構えた鏡花がいた。
    「しまっ!?」
    「撃ち抜け、蒼雷っ!――Blitz Urteils!」
     槍の穂先から魔力が迸り、雷を帯びたように矢が敵を貫く。
     どさりと動かなく1人。
     鏡花は槍をくるりと構え直すと「カッコ悪いわね」と倒した敵に捨て台詞。
     だが、戦いは決して一方的では無かった。
     敵のディフェンダー2人は仲間を庇いながら攻撃でも回復でも常に防アップを付けて来るし、メディックもブレイクやキュアを活用、そしてスナイパーも――。
    「ジャスト!」
     掛け声とともにかき鳴らしたギターの破壊音が桜を襲う。
    「っこ、これぐらい!」
     桜が身体に纏う赤黒いオーラを癒しの力に変換。
    「大丈夫か?」
    「もちろん♪」
     決して楽ではないが仲間の声に桜は気丈に頷く。
     追撃が来なかったのが幸いした。
     今回の戦い、敵のポジション配置はバランス型だった。いうなれば普段灼滅者達が一番取るパターンとも言える。
     それは連携により安定して戦える戦術だ。
     バンドマン個々人は灼滅者より弱いかもしれないが、もし灼滅者側が同じ戦術を取っていた場合、灼滅者側も1人、2人は戦闘不能にされ、その穴から繁華街に抜けられていた可能性はあった。
     だが、結果はごらんの通りだ。
     少ない人数で8人の敵を抑えると覚悟を決めた者達、奇襲を成功させた2人、その決断が敵の陣形を乱し、初期の連携を阻止したのだ。
     もちろんそれだけではない。特に回復をメディックに任せず、攻撃も臨機応変に行ったキャスター2人にしたのは効果面、効率面から言っても脱帽の作戦だったと言える。
    「だから、させない」
     敵ディフェンダーのナイフをライドキャリバーに乗った天音が不可視の盾を展開して防ぐ。さらに天音の影から低姿勢で地を駆るようにグロードが飛び出し、後列にいたメディックにナイフを振るうとオーラの軌跡が敵を撃つ。
     グロードの攻撃に残っていたメディック役が倒れたのを確認した壁役のバンドマン2人だったが、いつの間にか迫っていた螢がトンとマテリアルロッドを接触させ、その瞬間。
     流れ込んだ魔力が多段ヒットし身体の内部から発せられた衝撃に壁役の1人が吹っ飛ぶ。
    「そろそろ倒れそうだと狙ったけど……成功かしら?」
     もちろん、吹っ飛んだ敵はそのまま動かなくなった。
     残る敵は2人。
     シャ、シャ、シャ、と左右に立ち位置を変えスナイパー役のバンドマンへ接近するハリー。壁役の1人が慌ててハリーを止めようとするが追いつけない。
    「褌が地につかぬよう走る修行をした拙者に、脚で勝てると思わないことでござる!」
     そして「ニンジャケンポー・光刃放出!」の掛け声とともに光りの刃が最後列のデスキャロットのメンバーの貫き倒すのだった。
     残ったのは1人だけ。
     ハッとして振り向けば、尚竹の弓の標準がピタリと――。
    「この一矢必中させる、我が弓矢に悪を貫く雷を……彗星撃ち、轟雷旋風!」
     轟ッ!
     尚竹の彗星のごとき強烈な威力を秘めた矢が最後の敵を貫いた。
    「カッ、ハ……」
     がくりと崩れ落ちる男。
     これで8人全員が戦闘不能に。
     静かになった路地裏で、紅いマフラーのニンジャが完全勝利とばかりに笑う。
    「どうやら、拙者達の方がチームワークは上でござったな!」


     戦闘不能にしたバンドマン8人から黒いカードを回収する灼滅者達。
    「この黒いカードは誰から貰ったのかしら?」
     気がついたバンドマンの男に聞く螢。
     聞かれたその男は、どこか記憶がはっきりしないと言いつつ、この道を戻った所でバニー服の少女から貰ったと言う
    「行きましょう」
     螢と共に灼滅者数人がそちらに向かう。
     この場所に残ったのは2人、バンドマン達に説教する予定の乃亜とグロードだ。
    「私の友人達はもっと音楽に真面目に取り組んでいるよ。君達も今からでも遅くはないはずだ」
     乃亜が起きたバンドマンにビシリと言う。
     だが、彼らが真に真面目に音楽活動に励むようになるかは……。

     カードを貰ったという現場に着いてみるが、すでに時間も経過しており、バニー服の少女はいなくなっていた。
     なにか痕跡でも無いかを捜索する灼滅者達。
    「この事件、最近多いけどバニーはあたしたちが止めてることに気付いてるのかしらね?」
    「うーん、それを言うなら、彼女達は一般人に殺人をさせて何を企んでいるのかな?」
     天音と桜が2人で考えだす。そこに鏡花も加わり。
    「だいたい、こういう事って普通のダークネスに出来るものかしら……?」
     3人揃って悩むが結論は出ない。
     やがて乃亜とグロードがやってくる。
     説教も終わり解放したらしい。もっとも――
    「これを機に改めてくれるといいんだが……神のみぞ知る、って奴かな」
     グロードの言う通り、あとは天に任せるしかない。
    「とりあえず、そろそろ学園に戻るでござるよ」
    「そうだな。そしてコレの解析を、早く進めて貰わねばならん」
     尚竹が黒いカードを手にしながら呟いた。
     HKT六六六の事件は……まだ、終わらない。

    作者:相原あきと 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年10月9日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 8/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 0
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