殺人狂と吸血鬼

    作者:時任計一

     ある夜のこと。二人の大学教授が、飲み会の帰りに無人の埠頭を訪れていた。
    「いや、気持ちいい風が吹きますな、ここは」
    「えぇ。私も飲んだ後は、よくここで酔いを醒ましに来るんですよ」
     しばしのんびりする二人。その後ろから、一人の青年が近付いてきた。
    「あんた、立木教授だよなぁ?」
     名前を呼ばれ、教授の1人がそちらを向く。次の瞬間、立木と呼ばれた教授は、剣のようなもので後ろから一突きにされていた。
    「がっ……」
    「あんたがいけないんだぜ? 俺を怒らせるようなことをするから」
     そう言って青年は剣を抜き、立木の体を蹴って海に落とす。それから、もう一人の教授の顔を見た。
    「ひっ……!?」
    「あー、顔見られちまったなぁ。あんた、結構好きだったんだが……死んどきな」
     青年はその教授の体を真っ二つに斬り、同じく海に落とした。
    「いやいや、なかなかのお手並み」
    「……誰だっ!?」
     凶行を終えてから約10分。拍手の音とかけられた声に反応して、青年はその方向を向く。
    「おっと、怖い顔をしないで下さいよ。僕は通りすがりのヴァンパイアです。どうです? 少し話を聞いてみませんか?」


    「お前ら、デモノイドロードについては知ってるな?」
     悪の心でデモノイド寄生体を制御する存在、それがデモノイドロードだ。いつでもデモノイドとなり、また元に戻ることができる。悪のデモノイドヒューマンという表現が、一番近いだろう。
    「それで、だ。そのデモノイドロードに、厄介にもヴァンパイアが関わってきた。どうやら奴らは、事件を起こしたデモノイドロードの元に現れ、そいつを連れ去っていくらしい」
     どうやらヴァンパイアは、デモノイドロードを自勢力に取り込むつもりらしい。クラリス・ブランシュフォール(蒼炎騎士・d11726)の懸念が、現実となってしまったようだ。
    「だが、今ヴァンパイアと事を構えるのは避けたい。だからお前達に頼みたいのは、『デモノイドロードが事件を起こしてから、ヴァンパイアが現れるまでの間に、デモノイドロードを灼滅する』ことだ」
     難易度は高いが、事を穏便に解決するには、これが最善手だ。やる価値は十分にある。
    「デモノイドロードの名前は、桐生・耕一(きりゅう・こういち)。大学生だ。気に食わない奴がいたら灼滅者の力を使い、機を見計らってあっさり殺す、かなりいかれた奴だ」
     今回も、『教授が出した課題が気に食わなかった』という理由で、2人の人間を殺している。残念ながら今回、2人の救出は不可能だ。
    「時刻は午後10時半、場所は人のいない埠頭だ。船の積み荷を出し入れする場所だから、広いスペースがある。海岸側には船、逆の方向には倉庫が並んでいるな」
     戦闘を行うのに支障はないだろう。住宅街からも外れているから、人が寄ってくる心配もあまり無い。
    「耕一の使うサイキックは、デモノイドヒューマンとサイキックソードのサイキックと同質だ」
     ポジションはクラッシャー。重い一撃が予想できる。
    「その場にヴァンパイアが現れるのは、お前達が耕一と戦闘できるようになってから、10分前後経ってからになる」
     確実を期すならば、8分で決着をつけたいところだ。
    「ヴァンパイアの名前は、ライン・ケーロス。朱雀門高校所属だ。一見、小中学生にも見える小柄な外見をしている」
     ウェーブのかかった、首元まで伸ばした金髪に、蒼く光る瞳が特徴だ。常に敬語で、おどけた態度を取る道化師然とした人物だが、相手は紛れもなくヴァンパイア。戦闘能力はかなり高いだろう。
    「ラインとまともに戦えば、勝つのはかなり難しい。勝てたとしても、その後の情勢は悪化するだろうな」
     耕一の灼滅ができていなくても、ラインが現れたらすぐに逃げるべきだろう。
    「デモノイドロードとヴァンパイアが出てきて、更に時間制限もある。かなりきついと思うが、ベストを尽くして欲しい。月並みな言葉になるが……頼む。頑張ってくれ」


    参加者
    神元・睦月(縁の下の力任せ・d00812)
    忍長・玉緒(しのぶる衝動・d02774)
    神宮時・蒼(大地に咲く旋律・d03337)
    二階堂・空(高校生シャドウハンター・d05690)
    廿楽・燈(すろーらいふがーる・d08173)
    冠着・牧人(月と歌うジョングルール・d09691)
    御剣・譲治(デモニックストレンジャー・d16808)
    龍造・戒理(哭翔龍・d17171)

    ■リプレイ

    ●最初の1分
     灼滅者8人が、海岸近くの道を走る。大学教授2人を殺すというデモノイドロード、桐生・耕一、そして耕一を連れていこうとするヴァンパイア、ライン・ケーロスが現れる埠頭へ向かうために。
    「戒理先輩、こっちで合ってるの?」
     廿楽・燈(すろーらいふがーる・d08173)が、龍造・戒理(哭翔龍・d17171)にそう聞く。彼のESP、DSKノーズなら、敵が近くにいれば、すぐにその存在を察知できるはずだ。
    「あぁ、嫌な匂いがする。間違いない、もう目と鼻の先だ。多分、そこの階段を下りれば……」
     その戒理の言葉を遮るように、埠頭から大きな水音がする。灼滅者達が、音のした方になだれ込むと、そこには血がしたたる剣を片手に持つ男……桐生・耕一がいた。
    「なんだてめぇら……まぁいいか。お前らも、今の見たよな? 見ただろう? じゃあ仕方ねぇ、とりあえず、皆殺しにさせてもらうぜ」
     仕方ないなどと言いながら、にたりと笑みを浮かべながら灼滅者達に近寄る耕一。しかし彼の足は、数歩進んだ後にぴたりと止まる。
    「この感じ……まさかお前ら、俺と同類か?」
    「お前と一緒にするな、気分が悪い」
    「確かに、同じ力を持つ者ではあるが」
     耕一の言葉に、戒理と御剣・譲治(デモニックストレンジャー・d16808)はそう答えた。
    「力のことはよく分かんねぇが……やっぱり俺と似たような奴らなのか。それなら1対8は不利だよなぁ。なら、この力を使わせてもらうぜぇ!」
     そう言った耕一の体と手に持つ剣が、デモノイド寄生体に吸い込まれていく。そしてあっという間に、その場に1体のデモノイドが完成した。
    「コノチカラナラ……ゼッテェ負ケネェ!」
     そう言い、デモノイドと化した耕一は、灼滅者に襲い掛かってきた。
    「話が早くて助かるさね。こっちは時間に余裕がないし」
     戦闘態勢を取りながら、二階堂・空(高校生シャドウハンター・d05690)は軽い調子でそう言う。
    「井の中の蛙大海を知らず。俺らが、それを教えてやる」
    「そうね。なら、始めましょう」
     譲治の言葉に続いた忍長・玉緒(しのぶる衝動・d02774)が、胸元にある鍵のペンダントを握りしめ、祈るように殺意を解放する。直後、彼女は空と同時に、耕一の死角にもぐり込んでいた。
    「まずは動きを止めさせてもらうわ」
    「攻撃を避けられても困るんでね」
     2人は耕一の足の腱を狙って攻撃する。玉緒の攻撃は深く腱を傷つけ、空の攻撃は急所に深く入る。耕一の動きは目に見えて鈍り、同時に大きなダメージを与えた。
    「……逃がしません……」
     そして追い打ちをかけるように、神宮時・蒼(大地に咲く旋律・d03337)が影を伸ばし、耕一を縛りつける。同時に燈、譲治、戒理も同じように影を操り、耕一を縛った。これで、彼の素早さはほとんど封じられたはずだ。
    「コノ程度デ……勝ッタツモリカ!?」
     しかし耕一はそれにひるむことなく、手近に居た玉緒に、自身の体と一体化した剣を振り下ろした。
    「それを通すわけには参りません」
     その攻撃の間に入り込んだのは、神元・睦月(縁の下の力任せ・d00812)だ。彼女は耕一の攻撃をわずかにそらし、被害を最小限にとどめる。
    「衝動に任せた攻撃ですか。自己管理がなっていませんね」
    「そんな奴は……絶対野放しにはできない」
     睦月と冠着・牧人(月と歌うジョングルール・d09691)はそう言いながら、睦月の傷を癒す。同時に睦月と戒理のサーヴァント、ライバーと蓮華が動き、機銃と霊撃で耕一に追い打ちをかけた。
     ヴァンパイアが来るまでの短い間に耕一を灼滅する、厳しい戦い。その最初の1分は、こうして始まった。

    ●学園の灼滅者
    「次はこれを受けてもらうわ」
     先手を取って動いた玉緒は、手にした剣で耕一の体を切り刻む。耕一の体を包むデモノイド寄生体の守りが、あっという間にズタズタにされた。
    「こいつも持って行け」
     続く戒理は氷弾を撃ち出し、耕一の体を凍りつかせる。最初に動きを止めたことにより、耕一は攻撃を避けることができず、ただ攻撃を受けるのを待つのみだ。
     それを皮切りに、灼滅者達は一斉に攻撃を仕掛ける。攻撃は、服破りと氷のエフェクトが中心だ。耕一の守りはズタズタにされ、体の大部分が凍りついていく。
    「準備オッケー! じゃあ、いくよ!」
     そして燈は槍を振り回し、真っ直ぐに耕一の体を突き刺した。狙ったのは、灼滅者の攻撃により防御が崩され、凍りつかされている部分。燈の突きは耕一の体に深く入り込み、体ごと砕けた氷が更にダメージを上乗せした。
    「グッ……テメェラ……!」
     耕一が唸る。まず相手の回避力を奪い、次に防御力を奪うことで、短期決戦を狙う。灼滅者達の狙いは、うまく機能していた。
    「イイ気ニ……ナルナ!」
     しかし、流石にまだ弱った様子は無い耕一は、燈に対して斬りかかった。だがこの攻撃も、戒理が間に入り、狙った相手に当たることは無い。
    「ぐっ……!」
     耕一の攻撃が、燈をかばった戒理の体にのしかかる。守りに徹していても、体力の多くを持って行かれるその威力に、戒理の口から苦痛の声が出る。
    「すぐに回復する!」
     戒理の状態に反応して、牧人はエンジェリックボイスで素早く彼を回復させる。すぐには直せない怪我もかなり負ってしまっていたが、体力の多くを回復できた。
    「さて、じゃあこいつも食らってもらおうかね」
    「……喰らい、尽くせ……」
     味方の回復の間も、灼滅者達の攻撃は止まらない。次々と繰り返される攻撃の間に、空はガトリングガンから炎の弾丸を撃ち出し、蒼は影を操って耕一を飲み込む。耕一の体に炎がまとわりついて、精神にも傷を負わせる。
    「ナ、ナンナンダ、コイツラハ……!」
     無駄のない灼滅者達の連携に、少し戸惑いを見せる耕一。その心の揺れを吹き飛ばすように、彼は蒼に斬撃を繰り出す。
    「ライバー、お願いします」
     淡々とした睦月の声に従い、ライバーは蒼をかばい、反撃に機銃を耕一にぶつける。相変わらずの重い一撃に、かなりのダメージを負うライバーだったが、主人の睦月はすぐに集気法を使い、傷を回復させた。
    「よくやってくれました、ライバー」
    「……ナニモノダ、オマエラ……」
     耕一は一歩後ずさり、そう言う。しかしその正面に玉緒が接近し、鋼糸を取り出す。
    「私達は灼滅者よ。『学園の灼滅者』」
     玉緒はそう言うと同時に、鋼糸を高速で操り、耕一を切り刻んだ。狙いは今まで与えてきた、数多くのエフェクト。
    「グ、ガァァァァァッ!?」
     ジグザグに傷口が開き、氷と炎が体を侵食していく。苦痛のあまり、叫び声を上げる耕一に対して、譲治は追い打ちをかけた。
    「受けろ」
     短い一言と共に、無数の連打が叩き込まれる。すでに耕一の守備力はゼロに近い。そして、体の凍った部分がどんどん砕けていく。与えたダメージは相当なものだろう。
    「あなた、気に食わないからって理由で人を殺していたらしいわね。本当に畜生以下だわ」
    「グ、ガ……ソレヲ、ドコデ、聞イタ……?」
     譲治に受けた衝撃によろめきながら、玉緒の言葉に驚く耕一。
    「知ってるさ。俺らがなんでこのタイミングでここに来れたと思う?」
    「桐生の手の内は、全て分かってる」
     空と譲治の言葉を聞き、耕一は愕然とした様子で棒立ちになっている。
    「俺達灼滅者は、いつでもアンタのことを監視してるからな。逃げ場はないぜ?」
    「グ……ガァァァァッ!!」
     灼滅者への恐怖を振り払うように、耕一は譲治に向かって斬りかかった。すぐに反応した蓮華が譲治をかばったが、その一撃は致命的な一撃となり、一撃で蓮華を消滅させてしまう。
    「蓮華!?」
     蓮華のパートナーの戒理が叫ぶ。対する耕一は、笑うような声を出していた。
    「ク、ク……灼滅者、一人倒シタ……ソウダ、俺ニ勝テネェ、ハズガネェ!」
     耕一は、体はボロボロだが、かなりの体力は残しているようだ。そう簡単に倒せる相手ではない。
     時計は、戦闘開始から5分経過を示していた。

    ●限界時間を超えて
     お互いの消耗が激しくなってきた頃、牧人の時計のアラームが鳴る。
    「みんな、7分経過だ」
     牧人はそう言い、影を操り攻撃に参加する。ヴァンパイアがこの場に現れるのは、耕一と会ってから10分前後経過してから。もうそろそろ、現れてもおかしくない時間なのだ。
    「(そろそろ防御役の体力もまずいさね……仕掛けるかな)」
     空はそう考え、すぐに行動に移す。ガンナイフを構え、接近して耕一に斬りかかったのだ。
    「この場でアンタを倒せなくとも、次はもっと悪い状況の時にゆっくり襲わせてもらうまでだ。俺を倒すなら、今しかないぜ?」
     接近した隙に、空はそう挑発して距離を取る。すでに錯乱している様子の耕一は、あっさり挑発に乗り、空に強酸の液体を撃ち出してきた。直撃を受けてよろめく空だが、高い体力に助けられ、何とか倒れずに済む。
    「こっちは心配ないよ。それより、攻めるなら今の内さね」
    「わかったわ。先に仕掛けるわね」
    「こっちも全力で行かせてもらう」
     空の提案に、まず玉緒が耕一を切り刻み、戒理がセイバーで攻撃を仕掛ける。
    「……動かない方が、いい、ですよ……」
     続けて、蒼が鋼糸で耕一を切り刻み、同時に燈が氷弾を生み出し、更に耕一を凍らせた。
    「譲治先輩、今がチャンスだよ!」
    「分かった」
     燈の合図に短く答え、譲治は武器に魔力を込める。そしてその武器を、譲治に全力で叩き付けた。
    「ガ、グアァァッ!?」
     体内で魔力が爆発し、体を震わせる耕一。もう力が残っているようには見えなかったが、灼滅される様子は見えず、彼の体はまだ動いていた。そして、ここで8分が経過した。
    「さて、どう致しましょうか。恐らくここで撤退しても、とりあえずの目的は達成できているようにも見受けられますが」
     睦月がそう言う。確かに耕一には、十分恐怖心を植え付けられているように思える。だが……。
    「……最初にも言ったけど、こいつは絶対、野放しにしちゃいけない。ここで、灼滅するべきだ」
    「もうちょっとで勝てそうだしね。このまま畳み掛けちゃおう!」
     牧人と燈は、そう主張する。反対意見は無く、灼滅者達は9分目の戦闘に突入した。
     辺りには、さっきまで響いていた癒しの歌ではなく、敵を催眠状態に陥れる牧人の歌が響く。その歌を背に、燈が槍を構えて耕一に飛びかかった。
    「さぁ、そろそろ終わりだよ!」
     そう言って、燈は槍で耕一を貫く。牧人の歌も、燈の一撃もかなり効いているはずなのだが、まだ耕一は倒れない。
    「ヤラレテ……タマルカァッ!」
     最後の力を振り絞るように、耕一は蒼に斬りかかる。たった一撃で、蒼を戦闘不能に追い込む可能性のある、強烈な一撃だ。
    「ここは任せて下さい」
     蒼をかばって、睦月が2人の間に入り、攻撃を受け止める。睦月は攻撃の威力をそらそうとするが、しかしあまりの威力に、攻撃を完全にそらし切ることができない。
    「くっ……神宮時様、後はよろしくお願い致します」
    「……神元さん……!?」
     耕一の剣が振り抜かれる。攻撃の威力に耐え切れず、睦月は数メートル吹き飛ばされ、その場で倒れた。
    「ヨ、ヨシ……2人目……クク……」
     よろめきながら、そう言って笑う耕一。しかし、まだ目の前にいる蒼は、片腕を異形化させ、攻撃準備をしていた。
    「……あなたが、こんなことばかりするのなら……もう、こんなことを起こせないよう、あなたを倒す、です……」
     そう言って、腕を振りかぶる蒼。もう動く気力もないのか、耕一は棒立ち状態だ。
    「……奈落へ……堕ちろ……です」
     蒼の腕は正確に耕一を捉え、その体を吹き飛ばす。10m先で着地した耕一は、もうこれ以上立ち上がることもない。
    「望んで行っていたお前の悪行、ここで終焉だ」
     倒れた耕一に向かって、戒理がそう言う。やがて耕一は、黒く焼け焦げるようにして、その場から姿を消した。

    ●ひとまずの勝利
     戦闘が終わり、玉緒はペンダントを握り、殺意を鎮めた。他の灼滅者も少し気を緩めるが、まだひとつ問題が残っている。
    「ヴァンパイアが来る。撤退する」
     そう言って譲治は、意識不明の睦月を抱える。他の灼滅者も動きだし、すぐにその場を離れた。
     落ち着ける場所にたどり着いた頃、睦月が目を覚ました。
    「ここは……デモノイドロードは、どうなったのでしょうか?」
     目が覚めた睦月は、まずそう質問する。これに、燈と牧人が答えた。
    「大丈夫、睦月ちゃんのお陰で、きっちり灼滅できたから!」
    「ヴァンパイアにも会わなかったし、作戦は成功だね」
    「そうですか、それは良かった。しかし今回の成功は、やはり皆様の活躍あってのものかと」
    「皆様の活躍、か。もちろんお前もな、蓮華」
     睦月の言葉を聞いた戒理はそう言って、消滅から復帰した蓮華の方を向いた。
    「……でも、ダークネスも、だんだん、凶悪に、なってきています、ですね…。一体、何が起こって、いるのでしょうか……」
     そう口にしたのは、蒼だ。その不安に、空がフォローを入れる。
    「まぁ、確かに最近は、いろいろ大きな事件が起こってるさね。何かがあるのかもしれないけど……とりあえずは、目の前で起こってることから順番に片付けていった方がいいんじゃないかって思うよ」
    「……そうですね。でも……何事もなければ、いいのですが……」
     これからどうなるか。その答えは、まだ誰にも分からなかった。

    作者:時任計一 重傷:神元・睦月(縁の下の力任せ・d00812) 
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年10月19日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 9/感動した 0/素敵だった 0/キャラが大事にされていた 1
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