食欲の秋2013~横浜中華街に行こう!

    作者:志稲愛海

     秋といえば、スポーツの秋や読書の秋。
     でも、やっぱり!
    「食欲の秋だな」
     きっぱり言い放った綺月・紗矢(小学生シャドウハンター・dn0017)に、飛鳥井・遥河(中学生エクスブレイン・dn0040)も頷きつつ。
    「秋って美味しいものいっぱいだしねー。てか……紗矢っちは1年中食欲旺盛な気がしないでもないんだけど」
     ちっちゃい身体ながらも、実は驚くほど大食いな小学生女子に改めて訊ねる。
    「それで紗矢っちは、何か今食べたいものとかあるのー?」
    「そうだな……中華っぽい料理が食べたい気分だな」
    「中華かーいいねー! オレ、横浜中華街とか行きたーい!」
     そう言うやいなや、早速スマホで色々と検索してみる遥河。
     紗矢も自分のキッズ携帯を取り出しつつ、瞳を期待でキラキラとさせる。
    「中華街か、美味しいものが沢山ありそうだな……!」

    「やはりまずは定番の、肉まんなどだろうか?」
    「うんうん、すっごい大きな肉まんから、中華街らしいフカヒレまんやエビチリまんとかもあるんだって! あとは、焼小籠包やちまき、肉にらまんじゅうとかも有名かな……あ、見て見て! ハリネズミまんやパンダまんとかもあるんだって! ほら、かわいーよー」
    「大きい肉まんは勿論、全て制覇したいところだな。……わ、こんなに可愛いハリネズミさんやパンダさんのものまであるのか……!」
    「買い食いも勿論楽しそうだけど。食べ放題の店でお腹いっぱい中華を満喫したりとか、有名店で好きなものを注文して食べるもいいよねー」
     遥河が検索して出てきた、美味しかったり可愛いかったりする画像の数々を、夢中で眺める紗矢。
     そしてやはり、次に注目したのは。
    「スイーツも充実しているな。杏仁ソフトに杏仁クレープ、タピオカドリンクもマンゴーにいちごミルク、杏仁にココナッツ、その他にも随分たくさんの味があるのか。それに……プリンパイ、だと? これは是非たくさん食べなければ……!」
     甘い物は別腹ですよね!
    「甘い物、オレも大好きー! てかクレープも、北京ダッククレープとか、なんか変わったのもあるねー」
     遥河はプリンが大好物な紗矢に、たくさんって何個プリンパイ食べる気? と笑った後。
     さらにスマホに視線を落とし、続けた。
    「食べ物も美味しそーだけどさー、買い物も楽しそうだよー! 見て見て、かわいい雑貨や中国茶やチャイナドレスとか買い物したり、チャイナドレスをレンタルして写真撮影ができたり、占いの店もあるんだってー」
    「チャイナドレスか、着てみたいな。それにこの、パンダ雑貨の店にも是非行きたい」
    「オレもチャイナ服着たいー! パンダさん、かわいーよねー。花文字とかも綺麗そうー」
     キャッキャはしゃぎながら、ふたりは中華街の情報をいっぱい集めつつも。
    「何か色々見てると、早速行きたくなっちゃったよー」
    「休日の予定はどうだったかな」
     今度は、スケジュール帳と睨めっこするのだった。

     季節はまさに、食欲の秋!
     お出掛け日和の休日に、中華街に遊びに行きませんか。


    ■リプレイ

    ●美味日和
     中華街に漂う、美味しそうな匂い。
    「今日はいっぱい美味しいものを食べるんだー」
     ゆらり尻尾を揺らす雪郎も【あかいくま】の皆と、いざ食べ歩き!
    「これとこれと……あ、これも下さい!」
    「これもおいしそう……あ、こっちも……」
     月餅や長い揚げパンを買った司と美月も、再びお店に突撃!
    「どれも美味しいですねぇ……」
    「パンダまん、可愛いですし、エッグタルトも美味しいのですー♪」
     嘉月は見つけたベンチで、戦利品を皆と分け合いこ。
     迷子にならぬよう口解けの良いかき氷を探しつつ、甘い中華スイーツを存分に堪能する月夜。
     そして皆の案内役を担う春陽だが。
    「う、このエビチリまん、美味しいんだけどちょっと辛い……っ」
     慌ててジャスミン茶を!
     でも……まだまだ、おなかに余裕あるから。
     次は点心食べ放題で、目指せメニュー全制覇!
    「肉まんの買い食いは青春だと思う」
     ということで!
     貫の肉まん全制覇の野望に便乗して、【Quipu】の皆で買い食い!
     啓は何気にその野望が割と途方もない気がしつつも。
    「交換! しようしよう!」
     結理のココナッツ饅頭とごま団子を交換こ。
     結理は今度は、錠のパンダまんに目を向けるも。
     ばっくり真っ二つに割られたパンダさんに、涙目。
     いえ、美味しく食べるのがパンダのため!?
     そして葉は、ハリネズミまんと焼小籠包をお裾分けしつつ。
     皆の戦利品もスマホで激写、飯テロする気満々!?
     そして皆で肉まんを食べ歩き、噂の杏仁豆腐クレープを買いながら。
     気持ち良い秋風の中、ちょっと一休みすべく、山下公園へ。

     チャイナに着替え、【星空芸能館】の皆と中華街を巡る奏。
    「あっ! あれ、美味しそうですね?」
     その目的は、食べ歩き!
    「おお、杏仁を使った料理こんなにいっぱいあったんだ!」
     結衣菜は杏仁の多彩さに驚きつつも、全部頂きます!
     そして肉まん! ですが。
    「我ながら、なにを変に意識してんねやろ……」
     マンゴー系スイーツを食べつつ、自分の肉まんを意識しちゃう優希。
     杏仁クレープを選んだ紗里亜は。
    「ん、美味しいですね~幸せです♪」
     えりなのソフトと、分けっこ!
     くるみも、おいし~です~♪ とお目当てのスイーツを食べつつ思う。
     今度お家であの人に作ってみようかな、と。
     さらに、これはと思うスイーツを探したファルケだが。
    「……よし、全部行こう、それが甘味追及者の進む道だ」
     選べないから全部!
     それから皆にカメラを向けたファルケに、声を掛けるえりな。
    「あ、写真撮るなら皆で……」
     そして撮影の掛け声はやっぱり――はい、杏仁☆ なんてね♪ と。

     楽しみだねって笑う瑞樹に、わくわく頷く凪月は。
    「……つぶらな目で見られると食べづらい」
     ゴマの目が可愛いハリネズミまんゲット! 美味しく戴きます、頭から。
    「ぬいぐるみあったら買うのに」
     瑞樹もそう呟きつつ、ぱくり。シェリーは尻尾から派。
     そしてお目当ての杏仁ソフトを食べた後。
    「温かい物恋しくなっちゃった」
     次は肉まんもぐもぐ、食べ歩きつつ買い歩きへ!
     皆とチャイナを着て、澪に餌付けされつつ、もっくもく肉まん頬張る銀虎。
     そして虎鉄と腕組む赤兎は少し恥ずかしげだけど。
    「虎鉄ちゃん……はい、あーん」
     熱々の肉まんを、彼に!
     それを口の中ではふはふ転がす猫舌な虎鉄は。
     赤兎の揺れるポニテにじゃれつつも、中華街を練り歩く。
     ――その時。
    「ひゃぁんっ!? ぎ、銀ねえ、ソレは肉まんやないえ~!?」
    「もぐもぐ……ん、間違ったか? だが澪まんも好きだぞ?」
     銀虎が手を伸ばした先には。
     ジャンボ肉まんより大きく柔らかな、澪まんが。

     飲茶や饅頭、四川担担麺、にへらっと笑み零れたまぐろ饅が運ばれて。
    「う~♪ 美味しいね!」
    「お茶も最高! あとで買って帰ろうか?」
     嬉しさ最高潮な断に、そう訊ねるアイリス。
    「♪……手を繋いで……いっしょにいこうね!」
     勿論、買い歩きも存分に!
    「……お腹すいた」
     特大肉まん5個抱えた夜トが、お腹をすかせてきた理由。
    「約束通り、今回は僕のおごりですよ」
     今日は心太のおごりです!
    「しんちゃんのおごりー! 食いまくるぞー!」
     そんな律の様子に、心太に平謝りするゆまだが。杏仁アイスは頂きます!
     そして、タピオカココナッツ5杯に、各点心10ずつ頼んだ小次郎は。
     今度は律と、ごま団子を全種類8個ずつオーダー。まぁ、腹6分程度で……!?
     そんな食欲と燃費の良さに、ディートリヒは首を傾けつつも。満面の笑みで挨拶を!
    「森沢さん、ゴチになりました!」
     そしてやはりお土産も! ですが。
    「ちょっ……何で領収書俺の名前っ?」
     いつの間にか律が、おみや担当に!?
     そんな罠はあったものの。
    「元気は出ました?」
     【がれ庭】の皆を見つつ、律は頷く。ありがとね、しんちゃん――と。
     本日のミッションは、輪の財布を空にする事……!?
     というわけで、本当に遠慮なく食べ歩く【便利屋】の皆。
     そして明莉が部長へ恩返し……!?
    「神栄さん、日頃の感謝を込めて」
    「辛っ! でもうまい。辛っ!! 飲み物ー!!」
     輪の実費で、ハバネロ入激辛肉まんを。
     だがナディアやユリアが、砂糖大増量ミルクティやアイスでフォロー!
    「神栄さん、これを!」
    「あ、えと、アイスで冷やすって手も?」
    「……って、甘っ!辛みと甘味が交互に来るー!」
     部長、生きて……!
     そして何気にプーアル茶を渡されたかごめの提案で。
    「輪先輩、あーんしてあげて下さい」
    「それ一口はヤだ! ヤロウのあーんはもっとイヤだ!!」
     熱々の小籠包と輪のあーんを、明莉に。

     【吉祥寺 6年椿組】の皆も、少しずつ分け合いつつ食べ歩き!
    「パンダさん種類もいっぱいあるのですね」
    「かわいい! これをおみやげにするですよー!」
     真琴とヒオが見つけたのは、可愛いパンダまんやハリネズミまん。
     昂輝がまず攻める、定番の肉まんや点心や杏仁は勿論。
    「ええ、香りはすごくカニですぅ」
     カニソフトなど、変わったスイーツにも挑戦!
     昂輝は穂布留からカニソフトのお裾分けを貰って。
    「意外とウマいッ!?」
     なかなかイケる味……!?
     両手にスイーツ抱えたマナも、きょろきょろ、ぴょんぴょんしつつ。
    「んふふー♪ たっくさん甘いもの食べれて幸せなのよーう!」
     ひとくちちょーだい! と、仲良くみんなで交換こ。
     チョコにキウイ、色んなドーナツを前に。
    「ん、甘い食べ物は幸せだよね?」
     そう訊いた七葉に、勿論、紗矢と遥河も大きくコクリ。
    「肉まん美味しい、シューマイデリシャス~☆」
     今日の璃理は魔砲少女ではなく、土星出身のフードファイター!?
     太るは禁句です!
     京が入ったのは、目に付いた中華料理店。
     初めての北京ダックや水餃子の昼食を堪能した後も。
     大きな肉まんの買い食いを。
     芥も甘味の食べ歩き!
    「くっくっく……今日は一日使って全て食べつくす!」
     でも選ぶ店は、お得で本場の味の裏通り。
     真琴のお目当ては、月餅。
     想像以上の大きさに驚き、小ぶりの物を探して。
     迷った末に買ったバラエティセットを、食べ比べ。
     美味しい匂い漂う中、万が目指すは、焼き栗!
     でも、いざ栗を前に財布の中を見れば、不思議。
     小銭が足りなくなっている……!?

    ●満腹幸福
    「うっし! 織羽早食いバトルしようぜ!」
     そう言った矢先に、中華まんを喉に詰まらせてジタバタ。
     そんな誠の背中を叩いてあげた織羽は、早食い勝負には乗らないけれど。
     1個だけのフカヒレまんは、どうして欲しいなら、と……ぱかり、半分に。
     七と慧杜の初おでえとは、リサーチも万全。
     マンゴープリンに杏仁豆腐、パンダまんも無事発見!
     タピオカジュースもゲットして。
    「ほら、志塚あーん」
    「衣幡も! あーん!」
     ハリネズミまんとパンダまんを、あーん。
     楽しいも美味しいも正義です!
     プリンパイに杏仁ソフト、ゴマ団子は外せません!
     ちょっと量が多くても大丈夫。二人で半分こすれば、無問題!
     そしてトゲトゲも甘いハリネズミまんを食べた後、修太郎が郁に差し出したのは。
    「はいこれ激辛ぱんだまん。そして水!」
     貴明が高級老舗店にエスコートするのは、服の裾を掴む小さなレディ。
     お目当ては、えび餃子にタンタアに腸粉。
     でも大根もちやお粥も捨て難いと、紅葉は悩むけれど。
    「食べきれなかったら私が食べるから大丈夫ですよ」
     二人で半分こすれば、無問題。

    「結構買い食いとか……する方?」
     タピオカミルクティを器用に飲む怜示のマスクを見つつ訊ねてみた後。
     エルメンガルトがすかさず見つけたのは、甘いエッグタルト。
     2種類のパイ生地はどちらも美味!
     でも次に探すのは……肉まんや飲茶や、辛いもの。
     逸れない様に離さない様に手を繋いで、肉まんを半分こ。
     そして氷空と皐が買ったのは。
    「皐……これ!」
    「僕を食べるの? とか訴えている様に見えてきた」
     食べるのが勿体無いアニマルまん達!
     味違いのソフトクリームも、美味しく仲良く交換こ。
     うん、おいしい、と……幸せそうに笑んで。
    「涼子さんも味見する?」
     エビチリまんを差し出すさくらえに、少し驚くも。
     すぐに破顔し、涼子もパンダまんのお返しを。
     そしてハッと頬を赤らめエビチリまんを割るさくらえに笑いながら。
     同じ様にパンダさんも、半分こ。
     上海レトロな店で、なつめまんをもぎゅもぎゅ。
     朗はそんな蘇芳を可愛いと、頬をつんつんして。売店で茶器選ぶその手に掌を重ねる。
     そして会計終えた蘇芳は、彼と並んで歩く。
     これで二人でお茶会するのですよ? と――握られた手を、繋いだままで。
     良い匂い漂う中華街は、沢山の人で賑やか。
     でも繋いだ手は……この喧騒のおかげ。
     そんな中、依子はふかふか可愛いパンダまんを。
     焼ける音と匂いに負けた篠介は、生煎包を買って。
    「ほいよ、火傷せんよう気ぃつけてな?」
     美味しさ2倍の半分こ。

     中華街に着いた綴の第一声。
    「食べ歩き禁止」
     でも、猫の様に襟首捕まえた星花の抗議のてしてしに。
     笑みつつも向かう先は。
    「此れ美味いで! えびちり!」
    「まじで。次とる!」
     茹でたてラーメンに胡麻団子、杏仁豆腐も食べ放題な中華バイキング!
     胡麻餡団子や杏仁豆腐、マンゴープリンに愛玉子ゼリー。
     武流とメイニーヒルトが攻めるのは、スイーツ!
     そしてふと首を傾げるメイニーヒルトに、彼が視線を向けた理由は。
     洋風吸血鬼な彼女が中華スイーツをぱくつく光景が面白くて……可愛いから。
     買ったチャイナドレスで歩くのは照れるけど。
    「あ、葎さんのそれも美味しそう。えへへ……お返しに私のもどうぞ」
    「は、はい。では……あーん……」
     点心は勿論、フカヒレスープや北京ダッククレープや焼きそばやスイーツ、甘栗も売られるままに買って。
     葎と菊乃も二人で色々、交換こ。
     ふと茶葉専門店でクリスが思い出すのは、初めて彼に淹れたお茶。
     そして今、その桃の香がする烏龍茶葉は――桃夜の掌の中。
     クリスは月餅や番餅も買った後。
    「ふふふ、美味しく淹れるから楽しみにしててね」
     肉まん食べ歩きつつ、そう約束げんまん。
    「ももは大好きなパンダを頭から食うんだね?」
     パンダまんを食べた百花はそう悪戯っぽく笑むエアンに。
     食べちゃいたいくらい好きなんだもん! と、彼の大きな肉まんも、あむっ。
     でも……ほっぺに降りてきた彼のキスは。パンダまんよりも、甘い味。
     顔を逸らし繋いでくれた侠助の手を、驚きつつも笑顔で握って。
     レーナが目指すは、大きな肉まん!
    「一人で食べるのは大変そうだな……」
    「ふふ、美味しいね」
     そして半分こし食べ歩く二人は、手を繋いだまま約束を。
     また一緒に、何処かに行こうと。
     パンダまん頬張りつつ、ちらりと光祐を見れば。人々の観察に夢中。
     そんな様子に何故かムッとし、腕を抓って。
    「っと、卯花さん? パンダ饅買いすぎました?」
     ぷいっとそっぽ向く深雪に光祐は首を傾けた後。
     はい、と差し出したのは、大きな掌。
     仲良く手を繋ぎ、腕を組んで。
     デートする樹里と凛子も、中華バイキングへ!
     美味しいものを食べつつ、沢山お喋りして。
     おなかも笑顔もいっぱい、満腹に。
     そして、土産を見たりチャイナドレスで記念撮影すべく。
     再び二人並んで、賑やかな街へ。

    ●買物三昧
     店に並ぶ色彩豊かなチャイナドレス。
     白と迷ったけど、雪花が茜に選んだのは夕焼けの赤。
    「じゃじゃ~ん☆どうかな、雪花ちゃんっ?」
     そして試着した彼女の姿に思わず一瞬固まる。
     その色やおだんご髪がいつもよりセクシーで……見惚れてしまったから。
     パンダさんに誘われた腕を、確りと翼に掴まれるも。
     離さないから安心してねと、腕を絡めてぎゅっ。
     そしてディアナは彼に、あるお願いを。
    「……俺は店員じゃないぞ、ほかを中ってくれ」
     思わず笑むほど注目される、翼のチャイナ服姿が見たくて。
     思えばこれが、初デート。
     千尋はゲイルの選んだチャイナドレスを、早速試着。
    「生地薄ッ! スリット深ッ! 体のライン出すぎッ!」
     ええ、仕様です!
     でもそ~っと、どう? と勇気をだしてお披露目すれば。
     お似合いですよ――そうスマートに重なる掌。
     デートの本番は、これからだから。

     ふわり足取り軽くはしゃぐのは、風に踊る木蓮のような白とお団子髪の赤のパンダさん。
     そんなイコとゆずるに目を細める十織も、喬市と仲良く軽口を。
     今日の【伽藍】の4人の『だぶるでーと』は――お土産の選びあいこ。
    「このセクシーエプロンはどう……三角巾付きでも駄目か?」
     そうじゃれる十織を黙殺しつつも、喬市は渡された土産に既視感を。
     そしてパンダさんのお店丸ごと! は無理だけど。
    「大事にするね」
     そうあったかい笑顔を灯したゆずるの掌には、イコが選んだまあるい可愛い子が。
     良い烏龍茶葉を求め、やって来た流希は、賑やかな店々をふと見回して。
     少し変わった飲茶の食器セットが並ぶ店へと。
     優歌は、調理器具が所狭し並ぶ店で、小さな中華鍋を手にして。
     使い方を習い馳せるは、積み重ねられた伝統のなかでの工夫。
     迷子気分で下調べする優志が、天然石の店で出会ったのは。
    「んー……これなんか良さそうだな」
     白と赤の、瑪瑙のブレスレット。
     胸元のわんこ財布を揺らし、ぐいぐいと。
     クロウを引っ張る里桜は、彼への贈り物を品定め!
     手にしたお花ネックレスは少し、男子には可愛すぎたけど。
    「あ、そや。折角やしお揃いとかどう?」
     そうクロウが差し出したのは、煌く翡翠のブレスレット。
     中華風雑貨店でわんこの様にはしゃぐ伊鳥は、亨にこう提案を。
    「なーなー、おみやげのとりかえっこしようぜー!」
     そして互いに選んだのは、それぞれ黒と赤の二色が効いた、龍と鳳凰模様のキーケース。
     合縁奇縁――お互い心の鍵を開ける存在になれたら、と。

    作者:志稲愛海 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年10月28日
    難度:簡単
    参加:101人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 0/感動した 0/素敵だった 19/キャラが大事にされていた 7
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