富士の麓に広がる青木ヶ原樹海。
一歩入ると出られないとも言われる広大な樹海の一角に、場違いともいえるような、異彩を放つ存在が姿を見せていた。
金髪を風に揺らす、白皙の美青年。
だが、白い西洋風の服の下からのぞく結晶化した肉体、そして背から伸びる結晶体。何より全身から放たれる死の気配は、その青年が死せる者達を統率するダークネス、ノーライフキングであることを明白に物語っていた。
「白の王の下僕たる死者どもよ、我が前に姿を示せ」
青年の声に応え、土が蠢く。そして土中から姿を現すのは白骨から作られた、おぞましき怪物……ノーライフキングの造り出した眷属たるアンデッド達だ。
それらのアンデッド達を一瞥し、青年は一人ごちる。
「この付近には、まだ損害は発生していないようだな。やはり、狙われているのは作られたばかりのアンデッドか……だが、何者が?」
青年はアンデッド達に再び土中に戻るよう命ずると、背から伸びる結晶塊に魔力を巡らせた。魔力は浮力へと変わり、青年の体は飛翔を開始する。
飛翔する青年の向かう樹海の別の一角では、白い光が降り注ごうとしていた。
光が降り注ぐ先にあるのは、一つの白骨死体だ。
かつては服だった布の残骸を取り込みながら、動き出す骨の群れを慈しむように、あるいは呪うように、どこからともしれぬ声が響き渡る。
「恨みに満ち満ちし自死せし屍よ。その身に宿す業をこの私に見せるのです。さすれば、その身に不死の力を与えましょう」
その声を受けて、白骨死体は形を変えていく。
『オ、オオオオ……!』
やがて何本もの鋼鉄の腕を持つ、奇怪な姿へと変貌した白骨死体は、失われた喉から恨みの籠った咆哮をあげるのだった。
●仄暗き樹海に死者は啼く
武蔵坂学園の教室には、灼滅者達が集まっていた。
長月・紗綾(暁光の歌い手・d14517)が掴んだ情報を彼らに語るのは、五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)だ。
「紗綾さんが、富士の樹海で強力なアンデッドが現れているという情報をつかんできてくれました。紗綾さんの予測が正しければ、この事件は、白の王セイメイの仕業だと思われます」
セイメイの力を受けて創造されるアンデッドは、ダークネスに匹敵する戦闘力を持ち、富士の樹海の奥に潜んでいるのだという。
「今回、こうしたアンデッドの1体の出現が確認されました。皆さんには、その討伐をお願いしたいのです」
アンデッドは富士の樹海に留まっており、今すぐに事件を起こすというようなものではない。だが、暗躍する白の王セイメイが、強力な配下を増やしていくのは阻止しなければならないだろう。
灼滅者達が戦うことになるアンデッドは1体で、生前は板金工場を経営していた男性だという。
詐欺事件にあって工場を奪われ、妻子からも見捨てられた男性は、一人孤独に樹海での死を選んだ。
「アンデッドは六本の鋼鉄の腕を持つ、阿修羅のような姿となっています。腕を変形させながら、近距離に強力な攻撃を行いますので、近接戦闘を行う人は気をつけて下さい」
相手は単体だが強力。さらに、その攻撃は、時間を追うごとに激しさを増していく。
短期決戦を挑むのが得策だろうと姫子は説明した。
「相手は死とアンデッド化によって、生者に強い恨みを持っています。話は通じないでしょう。気をつけて戦ってください」
そう言った姫子は、さらに一つの警告を付け加える。
「それから、これは完全に何が、とは言い切れないのですが……今回の件に関しては、このアンデッド以外にも嫌な予感がします」
完全に予測ができなかったことに不安を覚えた様子で、姫子は続ける。
「撃破後は、なるべく素早く撤退するようにして下さいね」
参加者 | |
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神座・澪(和気愛々の癒し巫女・d05738) |
咬山・千尋(中学生ダンピール・d07814) |
神園・和真(カゲホウシ・d11174) |
イリス・ローゼンバーグ(深淵に咲く花・d12070) |
攻之宮・楓(攻激手・d14169) |
長月・紗綾(暁光の歌い手・d14517) |
靴司田・蕪郎(靴下は死んでも手放しません・d14752) |
狩家・利戈(無領無民の王・d15666) |
アンデッドの出現地点へと、灼滅者達は最短距離で樹海を急いでいた。
神座・澪(和気愛々の癒し巫女・d05738)の手にした地図の上では、自分達の居場所を示す光点が一直線に移動している。
それを可能としているのは、神園・和真(カゲホウシ・d11174)の活性化した「隠された森の小路」だ。
灼滅者達が近付くと共に、前方を遮っていた木々が左右に割れ、道を開いていく。
遮る木々が退いたことで富士の樹海に一瞬だけ日が差し込むが、イリス・ローゼンバーグ(深淵に咲く花・d12070)には人の侵入を拒むような重苦しい空気は一向に和らいだように感じられなかった。
「危険な感じがビリビリ伝わって来るな……」
「今回の依頼……なにかイヤな予感がするわね」
ぽつりと呟いた和真に、イリスが同意を示す。
「俺、樹海から帰ったらマラソンで知り合いのブルマ姿見るんだ……!」
「丁寧なフラグ立てでございますね」
力強く拳を固める狩家・利戈(無領無民の王・d15666)の言葉に、迷彩色のラバースーツを着込んだ靴司田・蕪郎(靴下は死んでも手放しません・d14752)が靴下以外には興味は無いとでも言いたげにそう評した。
「それにしても、また『あんでっど』ですの……」
アンデッドに苦手意識を持っている攻之宮・楓(攻激手・d14169)だが、ダークネス絡みの事件となれば放ってはおけないのは間違いなかった。
「特に今回の件は、ノーライフキング、白の王セイメイ絡みやしな」
「苦しみ、自ら命を絶ってしまわれた方の亡骸を弄ぶなんて……」
澪と同様、一連の富士周辺での事件を予測した長月・紗綾(暁光の歌い手・d14517)は、許しがたいものを白の王セイメイに感じていた。
苦しみ、自ら死を選んだ人々の亡骸を弄ぶ。
ノーライフキングの常套手段とはいえ、それに対する憤りは消えはしない。
「時間をかけるわけにはいかないだろ。今は、とにかく急ぐだけだ」
咬山・千尋(中学生ダンピール・d07814)の言葉と共に、前方の茂みが割れる。
瞬間、灼滅者達の目に飛び込んでくるのは、六本の腕を生やした骸骨の姿だ。
六本の腕を持つ、邪骨阿修羅と呼称されるアンデッド。
生者の気配に気付いたのか、虚ろな眼窩を灼滅者達に向けた邪骨阿修羅は、骨だけの喉から軋むような声をあげる。
『オォォォ……オォォ……』
いまや超常の存在と化した死者からの憎悪の念が、生者たる灼滅者達を貫いた。
●邪骨阿修羅
「残念だけど今回はあなたとゆっくり遊んでる暇はないのよ」
敵の憎悪に呑まれるまいと、イリスがサウンドシャッターを発動させる。これによって彼女の言葉も、そしてこれから始まる戦闘が織りなす音も、外に伝わることはなくなった。
「よし!」
気合一番、蕪郎が高々と叫びをあげる。
殲術道具を装着するための、スレイヤーカードの解除コードだ。
「ソォォォォックス、ダイナマイツッ!」
「……セクハラか? 一発いっとくか?」
「い、今は戦闘中ですし。ね?」
なんとも描写しがたい姿へと変じた蕪郎に胡乱な目線を向ける利戈を、紗綾がとりなす。戦闘終わったら再検討だな、と考えかけた利戈に切りつけんとする邪骨阿修羅の前に、和真が立ちはだかる。
『オオオォォォ怨ッ!!』
「くっ……!!」
刃へと六本の腕から繰り出される嵐のような連打。三撃目で妖の槍が弾かれ、残る三腕を咄嗟に引き出した解体ナイフで凌いだ和真の眼前で、阿修羅の纏う怨念が一層高まる。
足元に落ちた妖の槍を蹴りあげ、身を振り回すようにして手に取った和真が、妖冷弾を撃ち出す。
だが、素早く振るわれた刃腕は、至近距離から撃ち出された妖冷弾を切って捨てていた。
「今のを防ぐのですか!」
「単体で現れるだけのことはありそうでございますね」
後衛から阿修羅の下腕が和真の一撃を防ぐ光景を見ていた紗綾と蕪郎は、思わず目をみはりつつも慎重に狙いを定める。
「俺やイリスさんでも保って三発だな」
「……成る程、こりゃ溜め込んだ恨みも相当なもんだ……!」
ぼそりと言う和真に、千尋は改めて敵の脅威性を認識する。
ノーライフキングのアンデッドは並みのダークネスと同等の力を持つというが、まさしくその通りなのだろう。
サーヴァントのバーガンディに機銃を撃たせながら、千尋はサイキックソードを構えると横合いから邪骨阿修羅に切りかかった。左腕三本の間を縫うようにして滑り込んだ紅色の切っ先が、阿修羅の纏った怨念を弱める。
「みんなと生きて帰るって約束したんや! らぴらぶ、和真くんを回復しぃ!」
ナノナノに指示を下しつつ、澪はマテリアルロッドを手に地面を蹴った。
「こちらからも行きますわよ。それっ!」
楓の妖の槍から撃ち出された妖冷弾を、邪骨阿修羅が切り捨てる。
次の瞬間、邪骨阿修羅の胸骨に触れた澪のマテリアルロッドの先端が接触。迸る魔力の衝撃が、灼滅者達の髪と蕪郎のソックスを揺らした。
「上出来やな」
「なんとも戦い甲斐のある相手みたいだな!」
導眠符を切り払う邪骨阿修羅に、利戈の顔に少女らしからぬ獰猛な笑みが浮かぶ。
「わたくしめは確実にいくとしましょう」
符を切り捨てた邪骨阿修羅に、蕪郎が切りかかる。
靴下への情熱を秘めたデスサイズで切り付けられた骸骨の虚ろな視線が蕪郎を貫き、六本の腕が血を求めて蠢く。
だが、続けざまに分裂した紗綾のリングスラッシャーが邪骨阿修羅を襲い、続けざまに飛び込んだイリスの光の盾が、邪骨阿修羅の顔面を強かに打ちつける。
「あなたの相手はこちらよ!」
敵の注意がイリスに向いた。
構えた光の盾を透かして、六本の腕が滅茶苦茶に振り回されるのをイリスは見た。
次の瞬間、豪雨を思わせるような連続攻撃がイリスへと降り注ぐ。
守りに徹していたイリスとて受け流し切れるものではなく、盾を貫いた攻撃がドレスを切り裂き、彼女の体を朱に染める。
「その辺にしとき!!」
怨念を強めていくアンデッドに向けて澪のアンチサイキックレイが飛び、アンデッドはイリスへの攻撃を中断すると身をひるがえしてそれを回避した。
「今度はこっちからだ!」
澪の指示を受けたナノナノが荒い息をつくイリスを癒すのを横目に、千尋はバーガンディを突撃させる。轍を刻みながらの突撃を六腕を軋ませながら邪骨阿修羅が受け止めた瞬間、それを牽制として千尋本人が急激に距離を詰めた。
連続で繰り出される紅いオーラを帯びた拳がアンデッドの刃腕と激しく打ち合う。オーラの飛沫が散る中を、影法師のように接近するのは和真だ。
死角から接近した和真に敵は気付いたように身を翻すが、和真自身の動きをフェイントとして足元から鋭い刃と化した影業が伸び、足の骨を削っていく。
「動きを鈍らせた方が賢明だろうな……しかし堅い。鉄骨というわけでもないだろうに」
「和真様、離れて下さい!!」
カカトの骨を傷つけられた邪骨阿修羅が動きを鈍らせるのを目にして、楓がすかさずマテリアルロッドを向ける。
「これでどうですの!」
和真が飛び退った瞬間、轟音を伴い降り注いだ雷がアンデッドを頭上から貫いた。いまだ雷が止まぬうち、利戈は大きく縛霊手を振りかぶりながら突進、殴打と同時に紅色の霊力が網のように放射され、アンデッドの体にまとわりついた。
「動きが鈍りゃいいが、それでも当たると言いきれないのは困ったもんだな」
「少しずつでも、動きを鈍らせていくしかないわね」
ナノナノ達からの回復を受けたイリスが、黒死斬を繰り出す態勢に入りつつそう応じる。
だが、紗綾のアンチサイキックレイと蕪郎のオーラキャノンを防御した直後、消耗した敵は咆哮を上げ、身を縛る氷や霊力の網を振り払う。
「……速攻と行きたいのでございますがねぇ」
「ですが、回復まではしていませんよ」
紗綾の指摘の通り、先程蕪郎が繰り出したデスサイズの効果もあり、消耗した分はそのままのようだ。
「負けるわけにはいかへんな。絶対みんなで帰るえ♪」
マテリアルロッドを一振りすると、アンデッドへと接近戦を挑みかかっていった。
●決着
格上と言える相手に対し、灼滅者側は着実に戦闘を展開していった。
和真とイリスの黒死斬が機動力を奪い、時に利戈の縛霊撃が行動を封じると、敵の攻撃を完全にかわすとはいかないまでも次第に有効打の割合が増え始める。
それでも敵の反撃は、ディフェンダーの和真とイリス、バーガンディを確実に傷つけていった。
やがて守りを固めても耐え切れぬ猛攻に、千尋に代わって攻撃を受けたバーガンディが動きを止める。
「よくやった、バーガンディ!」
大きく車体を損傷させて動きを止めたサーヴァントを労わる千尋。蕪郎が仕掛けておいたアラームが鳴り響いたのは、その時だ。
「10分経過でございますよ!」
「よし聞いたな! あと一押しだ。さっさと終わらせるぞ!!」
敵の攻撃を引き受けていた和真とイリスは既に戦闘不能寸前だが、いまだ他のメンバーには余裕がある。
利戈の判断を受けて、灼滅者達は攻勢に出た。
千尋の足元から、影が邪骨阿修羅を飲み込まんと鋭く伸びる。
足元から喰らいつく影を回避せんと跳躍した邪骨阿修羅を、和真の狙い澄ました妖冷弾の一撃が撃ち抜いた。
バランスを崩した体を、邪骨阿修羅は地面に六本の腕と二本の脚を突き立てて蜘蛛を思わせる姿勢で制動。そのままの姿勢で前進しようとするところへ、澪が放ったアンチサイキックレイが降り注ぐ。
「喰らっときぃ!!」
清浄な光線が前進の勢いを削ぐも、なおも邪骨阿修羅は灼滅者達を引き裂かんとこちらへ迫る。全身の骨は既に砕かれんとしており、しかし、その身を覆っていた怨念はなおも消えずにいた。
紗綾は瞳に憐憫の情を浮かべつつも、その手を仲間達に迫ろうとするアンデッドへ向ける。自ら死を選ぶまでの経緯を考えれば、同情すべき境遇ではあるのだろう。だが、ここで倒さねば仲間達に、そして他の人々にも被害を及ぼすに違いない。選択の余地は無かった。
「ごめんなさい……こんどこそ、安らかに眠ってください」
掌に集まった輝きが、邪骨阿修羅へと解き放たれた。
衝撃が走り、大きく跳ねた邪骨阿修羅が灼滅者達の前に着地する。
「ひっ……!!」
間近に現れたアンデッドの姿に、楓の頬が引きつる。
振り上げられた腕が刃へと変じながらも楓の首を落とさんと迫り、しかし寸前に割って入ったのはイリスだった。
「呆けている場合ではないわよ……!」
楓を叱咤しながらも、舞い上がる血しぶきの中に崩れ落ちるイリス、同時に楓の視界が怒りと恐怖から真っ赤に染まった。
マテリアルロッドを振り上げると、自らアンデッドの腕の間へと踏み込み、術理を無視した動作で叩きつけ続ける。
「死にたいんですか死んでますわよね、死にましょう!!」
楓が腕を高速で振るうと共に骨の砕ける音が乾いた続けざまに響き渡り、邪骨阿修羅の体が地面に叩き伏せられるのを灼滅者達は見た。
「くわばらくわばら……」
蕪郎は思わず呟くが隙は隙だ。愛する靴下を頬張り精神を集中させると、靴下愛を秘めたオーラが全身を覆い尽くした。繰り出される拳が狙い過たず邪骨阿修羅を捉え、
「いい加減、消し飛びやがれ!!」
利戈の放った漆黒の弾丸が、邪骨阿修羅を貫いた。
ぼろぼろになった骨が、見る見るうちに崩れ落ちていく。
それでもなお動こうとする邪骨阿修羅へと、和真のナイフが一閃した。
「終わりだ」
頚骨が断ち切られる音が響く。
白の王の創り出したアンデッドの歪んだ生を終わらせていた。
●緑の森を去り行きて
「……あ、あら?」
「楓ちゃん、しゃきっとしぃ。はよ離れんと」
我を取り戻した楓に、周囲を気にしつつ澪がそう声をかける。サウンドシャッターの効果があったとはいえ、新たな危険が迫っていないとも限らなかった。
アンデッドとの戦いで消耗した現状で、連戦となれば苦戦は免れないだろう。
倒れたイリスに千尋がとりあえずの止血をする間、蕪郎と利戈がアンデッドの最初に居た付近に無線機と説明書、さらに加えて『ゾンビ駆除済み』と書かれた紙を設置していた。
蕪郎達は来る途中にも所々に中継器を設置しており、自分達が去った後に誰かが現れた際に、接触を望むならば出来るようにしてある。
「ま、あとは相手次第だな」
利戈は肩をすくめる。
「よし、急いで離れることにしよう」
仲間達が準備を終えたのを確認し、千尋は帰還を促す。
戦闘前の時間短縮が効いているのか、特に乱入者が現れる様子もない。
「姫子さんの感じたという嫌な予感……気のせいだったのでしょうか?」
首を傾げつつも、紗綾はアリアドネの糸を手繰り、帰路を往く皆の先頭に立つ。
周囲を警戒しつつも、灼滅者達は速やかにその場を離れていった。
そして、灼滅者達が去って少し。
戦いの場だった森に、水晶の翼を持つ青年が舞い降りて来る。
青年はアンデッドが滅ぼされているのを確認すると、その場に置かれていた通信機に目をやった。
「やはりアンデッドを倒している者は存在する……それは良い。だが、何もしていないアンデッドを倒しておいて、姿を消した上で連絡を求める、か」
アンデッドを倒した者達が残していった物品からは、その者達が『知性を持つ者がその後に現れることを察知していた』ことが分かる。
そのような高度な予知能力を持つ者と深く関わり合うリスクを負う必要性を、青年は感じていなかった。
周囲を観察すれば、単体のアンデッドに対し、複数人の敵との激しい戦闘が一定の時間を掛けて行われたことが見て取れる。
アンデッドと戦ったのがダークネスでないことは、戦闘能力からも明白だ。
「灼滅者か、他のダークネスに与する強化一般人か……」
強化一般人を多く使う勢力にはソロモンの悪魔があるが、彼らが今の段階で自分達に敵対する可能性は『ある事情』から極めて低い。
「灼滅者ならば、武蔵坂学園、あるいは『病院』。『私のような者が来ることを予期していた』のならば、可能性が高いのは前者か」
武蔵坂学園は、白の王を狙うイフリート『クロキバ』と手を結んでいる。
白の王の戦力を削ぎ落そうとしたなら、富士の樹海のアンデッドを襲ったのも、納得がいく動きではあった。
「相手がどの勢力にせよ、富士の樹海で手勢を増やすのは困難。次の手に移るべきか」
白の王勢力の策略の舞台は、富士の樹海を離れ別の場所へ向かおうとしていた。
作者:真壁真人 |
重傷:なし 死亡:なし 闇堕ち:なし |
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種類:
公開:2013年10月31日
難度:普通
参加:8人
結果:成功!
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得票:格好よかった 52/感動した 1/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 4
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