老人の最期の戦争

    作者:るう

    ●武蔵坂学園
    「シロノ王セイメイノアラタナ企ミガ確認サレタ。死体ヲアンデッドニスル儀式ノヨウダ」
     そんな事件の情報を語ったのは、エクスブレインではない。武蔵坂学園と協定を結ぶイフリート、クロキバであった。
    「申シ訳ナイノダガ、コレヲ知ッタ若イイフリートガ、事件ノ起コル場所ニ向カッテシマッテイル。彼ラガ暴レレバ、周囲ニ被害ガ出テシマウノデ、済マナイガ彼ラヲ止メルカ、彼ラガ来ル前ニ、セイメイノ企ミヲ砕イテクレナイダロウカ」
     協定とはつまり、人類の被害を減らしたい武蔵坂学園と、不用意に灼滅されて個体数を減らしたくないイフリートの思惑が一致したものだ。
    「ヨロシク頼ム」
     強大な敵のはずのクロキバが、弱小なはずの人間に敬意を見せる。

    ●教室
    「……というわけで調べたところ、各地で死体がアンデッド化する事件が発生することがわかった。今から説明するのはそのうちの一つだ!」
     神崎・ヤマト(中学生エクスブレイン・dn0002)の話によると、事件が起こるのはとある火葬場。棺桶が炉に入れられる直前、死んだはずの老人が起き上がってくるのだという。
    「アンデッドと化すのは斉藤老人、御歳九十三歳の大往生だ。たくさんの子孫に囲まれて、幸せに人生の幕を閉じたはずが、このままではその子孫が斉藤老人自身の手によって殺されてしまう!」
     そうなる前に事態を収拾するのが、灼滅者たちの今回の任務だ。
    「火葬場に入るだけなら、制服姿であれば場違いではないだろう。職員に不審がられたりはしないはずだ」
     棺がガタガタと鳴った瞬間に近付いてESPでも使っておけば、その場には棺だけが残される。複雑な作戦は必要ないだろう。

    「棺の中には、斉藤老人が使っていた木の杖が納められており、アンデッドはそれを用いて襲ってくる!」
     アンデッドとなる際、人生で最も強烈だった戦争の記憶が甦ったのであろう、斉藤老人は杖をまるで銃のように構える。発射されるのは銃弾ではなく、サイキックエナジーだ。
    「その威力は昔取った杵柄というもので、お前たちがよく目にする眷族のゾンビよりはだいぶ強力だ……が、素体が老人であるせいで、耐久力はそれほどでもない」
     なので、戦闘自体は決して困難ではないのだが、一つ、問題がある。
    「この事件を、既に血気盛んな若手のイフリートが嗅ぎ付け、近くまでやってきている! アンデッドが現れれば、周囲の迷惑など考えずに駆けつけてくるはずだ!」
     これではアンデッドより、イフリートの被害の方が甚大になり兼ねない。説得して引き返すなり協力するなりして貰うか、解決まで何らかの方法で足止めする必要があるだろう。
    「火葬場の敷地は広く、イフリートが火葬場の外にいる間は、周囲の被害は気にしなくていい!」
     なので、アンデッドとイフリートへの対応にだけ注力できるのが、不幸中の幸いだ。


    参加者
    黒守・燦太(中学生神薙使い・d01462)
    江楠・マキナ(トーチカ・d01597)
    嵯神・松庵(星の銀貨・d03055)
    アルカンシェル・デッドエンド(ドレッドレッド・d05957)
    秋山・清美(お茶汲み委員長・d15451)
    天草・水面(神魔調伏・d19614)
    チェスター・エース(自称スーパーヒーロー・d20879)

    ■リプレイ

    ●火葬場にて
     告別室での最後の焼香を済ませたら、斉藤家の人々は目の前の通路を通りかかるはずだ。その先の彼らの誘導路を火葬場内の案内図から組み立てながら、嵯神・松庵(星の銀貨・d03055)はぽつりと漏らす。
    「セイメイか……いまいち企みが見えてこないな」
     その名前が耳に飛び込むと、天草・水面(神魔調伏・d19614)の脳裏に、樹海での出来事がふとよみがえった。
    「くそったれ! まーたアイツの仕業かよ! ネチネチちまちまやってないで、とっとと決着つけたいッスわ」
     寺の息子である水面の、死者を冒涜する者に対する憤りは人一倍強い。その想いは、死者を悼む様式こそ違えども、宗教や文化を越え、チェスター・エース(自称スーパーヒーロー・d20879)とも通じ合うものだ。
    「爺さんには気持ち良くジョーブツして欲しいね……」
     見よう見まねで、ナムアミダブツ、と唱えるチェスター。彫りの深いアメリカ人が学生服姿で手を合わせる姿は、一見すると滑稽に見える。だが、それが真剣なものであることを疑う者は、仲間たちの中には誰一人としていない。
     必ずや、老人に安らかな眠りを……。だが彼らがその想いを抱くのは、何も感傷だけが理由ではない。
    (「もしも死者のアンデッド化が、この地でいつでも行えるのだとしたら……」)
     ヴォルフガング・シュナイザー(Ewigkeit・d02890)は想像する。アンデッドに殺された人々が、次々と起き上がり不死の軍団を作り上げる様子を。
    (「一人でも多く……いえ、必ず全ての人を救うために、アンデッドには誰一人殺させませんよ」)

     人々を先導するように運ばれてきた棺が、異音を立てた。
     火事だ――辺りへと響き渡ったヴォルフガングの声に合わせるように、秋山・清美(お茶汲み委員長・d15451)の結界が、人々をどこか遠くへと追い払う。
     今や火葬炉の前には、灼滅者たちのほか誰もいなくなった。そして棺の蓋はゆっくりと、ぎこちなく開いてゆく……。

    ●一方その頃
     大ヤマネコは纏った炎をたなびかせ、辺りをうろつき回っていた。
     時折じっと地に伏せ、耳だけを左右に動かして辺りの様子を覗う……その目の前で、一台のライドキャリバーがタイヤを鳴らして急停止する。
    「私は江楠・マキナ(トーチカ・d01597)、灼滅者だ……キミの名前、聞いてもいい? 少し、話したいんだけど」
     毛を逆立てるイフリート。けれど、敵意を見せず、まるで友人と話すかのようなマキナの態度に、彼は少しばかり首を傾げる。もっとも彼はすぐ、今は余計なお喋りをしている暇はないと思い出すのだが。
     邪魔をするな……そう言いたげに、肩で風を切ってマキナの脇を通り過ぎようとするイフリートの後ろから、今度は別の声が彼を引き止める。
    「安心してくれ。俺達はクロキバから、あんたの話を聞いた。俺達と一緒に、セイメイの手下と戦ってくれないか?」
     振り返った瞳に強く輝く興味の光に、黒守・燦太(中学生神薙使い・d01462)はにやりと自信を見せた。
    「不謹慎かもしれないが……きっと、その方が楽しいぜ。あんたのやり易いよう、敵を開けたところに連れてきてやる事も出来る」
    「私たちは以前もクロキバさんから依頼を受けて、キミのお仲間と協力して戦ったことがある。今回も同じようにしたい……どうだい?」
     マキナからもそう説かれ、値踏みするように灼滅者たちを頭の天辺から足の爪先まで睨めるヤマネコに向けて、アルカンシェル・デッドエンド(ドレッドレッド・d05957)はどんと胸を叩いた。
    「妾は以前、あるイフリートの雄々しき背に身を任せたこともある。我らの力、お主の戦いの邪魔にはならんと思うが」
     孤高の魔獣たるイフリートが、人間を背に……? 大法螺を。馬鹿馬鹿しい!
     不快げにその場から去ろうとした大ヤマネコだったが、クロキバ、という灼滅者たちの言葉は気にかかっていた。彼は、じっと三人の顔を睨みつけた後、じっと目を瞑る……そしてできる限り重々しく、ゆっくりと頷いた。
     交渉成立。まずはその報を仲間へと伝えると、三人と一頭は火葬場前の駐車場へと足を向ける……。

    ●再び火葬場にて
    「Hey! You old fart. Bring it on!(かかってこいジジイ!)」
     杖を片手に立ち上がった老人に対し、ミリタリージャケットを羽織ったチェスターの中指が天井を指す。その逆の腕には清美の姿。戦時中の女学生に扮するために得意な裁縫を生かし、汚れまでも極限までリアリティにこだわったもんぺ姿は、おさげ少女にはよく似合う。
     その清美を引きずるように、チェスターは悪辣そうな笑みを浮かべて少しずつ後退る。最初は呆れ顔をしていた彼のビハインド『ケイシー・ゼータ』も、小声で作戦を説明すると、合わせてにやり。
     その瞬間! 緩慢な動きをしていた老人が、杖を抱えて飛び掛かる!
    「うわあ! 滅茶苦茶元気ジャン!?」
     清美を抱えて逃げ出すチェスターを、杖から放たれる弾が追う!
    「早く此方へ!」
     彼らごと斉藤老人を入口へと導くべく、その欧風の容姿を生かして、ドイツ出身のヴォルフガングも声を張り上げる。
     弾が、彼の方へも向く。どうやらやはり予想の通り、斉藤老人にはドイツ人と米英人の区別はついていないようだった。
    「攻撃を止めて下さい! 殺されてしまいます!」
     流れ弾による周囲への被害を抑えるべく、清美は老人に呼びかける。けれど老人は、闇雲に敵へと弾を放ち続けるばかり。
    (「これでは、周囲の被害は予測がつかない……人的被害を避けるなら、今しかないな」)
     周囲の地図と人々の位置関係を頭に思い描きながら、松庵は囮組に向かって叫ぶ。
    「正面だ。入口まで来ずに、目の前のガラスを突き破れ!」

    ●駐車場の会戦
     自身を追い抜いた弾道が粉々に砕いたガラスの中から、チェスターは清美を抱えて建物の外へと転がり出る! その後ろから杖を構え、一歩、また一歩と踏みしめるように歩み出てくる死装束の老人。最早何も映してはいない瞳が、ぎらり、と光る……その時!
     真横から突如、地獄の業火が老人を襲う!
    「よもや自らの葬儀を台無しにしようとは。サクッと冥土へ送り返してやるのじゃ!」
     老人を指差しイフリートをけしかけたアルカンシェルの手に、スレイヤーカードから鎌持つ槍が実体化する。小柄な体からは想像し得ない膂力と共に、『シビュラの託宣』は哀れなる老人の体躯を貫く!
     しかし、アンデッドの素体がいかに衰弱しきった老人だとはいえ、流石にその一撃のみで崩れ落ちるほど脆くはない。まるで達人の銃剣道のように、杖の先に生み出されたサイキックの刃が突き出される!
    「……そう来ると思っておったわ」
     敢えて残しておいた余力を使い、致命傷を回避! この娘、好戦的ではあるが、決して猪突猛進だけが能ではない。
     杖を引き、じっと周囲を見回す老人の目の前で、チェスターは清美を解放した。ここまで連れて来れさえすれば、もうお芝居はお終いだ。
    「変身! レイジングフレイム!」
     スレイヤーカードの解放……ここからのチェスターは、鬼畜米英ではなくHEROだ! ま、ご当地ヒーローじゃないけどNE!
     チェスターの霊力を溜めた拳を、老人は柔道のように軽々といなす。倒れ込んだチェスターに振り下ろされる銃剣の切っ先を、ケイシーの霊撃が急所から逸らした。
    「サンキュー、Mr.ゼータ!」
     だが、ここまでアンデッドを誘導してきた彼の傷は決して浅くない。ヴォルフガングも併走して癒しの力をつぎ込んでいたものの、塞ぎきれぬ傷から炎が漏れる。
     人質であったはずの清美がそんな彼を庇うのを見て、老人は怪訝そうに首を傾げた。清美はチェスター回復をナノナノの『サムワイズ』に任せ、大きな声で敵の気を引く。
    「申し訳ありません。最後の最後でご迷惑をお掛けいたしますが、あなたの家族の為にも、あなた自身の為にも灼滅させていただきます」
     チェスターらを追って、激しい攻撃を加えた老人。そこには理性など欠片も残ってはいなかった。けれど清美には、その中に同胞を守らんとする衝動が確かにあったように思えた。老人の人生に、思わず頭を垂れる。
     頭を上げると同時に、清美は炎を纏った弾丸を老人に放つ! 無数の弾丸に肌を焼かれた老人は、すかさず地に伏せて匍匐前進へと移行する!
     その幽鬼のような迫力に、マキナは死線を潜ってきた軍人の体験を悟る。
    (「七十年の歳月を経てなおこの身のこなし……一体彼は、どんなに壮絶な戦いを生き残ったのだろう?」)
     ダークネスを相手にする自分の方が間違いなく強力な敵と戦っているにもかかわらず、マキナは老人に畏敬の念を禁じえなかった。補給線の途絶えた中でたった一発の銃弾に怯える戦場と比べれば、学園の支援があり、禁断の切り札さえ手札に握る灼滅者たちの戦いの、何と恵まれていることか!
     それゆえにマキナの視線は思わず、老人が極限状態で手に入れねばならなかった銃捌きに惹き付けられる。高速のボルトアクションと共にばら撒かれた弾幕が自らのキャリバー『ダート』を弾き飛ばすさますらも、マキナにとっては師の手解きに違いなかった。
    「今度は……私の番だねぇ!」

    ●冒涜に抗う者たち
    「シュヴール」
     戦闘のさなか、ヴォルフガングは、傍らにやってきた忠実な相棒の名を呼ぶ。
    「イフリートへは、一切手を出してはいけませんよ。倒すのは、あの老人だけです」
     敵に踊りかかる友の後姿を眺めながら、ヴォルフガングは顔をしかめた。
     人生の先達に対し、そのような事を言うのは本意ではない。けれど老人が本心から言葉を発せたのなら、きっとそれを望んだに違いなかった。
     ヴォルフガングの影が、アンデッドを大地へと縛める。それは同時に、死者の尊厳を穢す白の王の企みを必ず食い止めてみせるという、決意表明でもある。
     その決意を一層奮い立たせるかのように、松庵の奏でる三味線の旋律が戦場に響き渡る。その力強き音は傷ついた仲間らに勇気を取り戻させるが、最もその音色に親しんできたはずの老人の体だけは、決して癒えることがない。アンデッドは身じろぎし、音の主へと杖の先を向ける!
     させじと射線に割り込んだ灼滅者たちの間を抜けて、光条は真っ直ぐに松庵へと飛ぶ! だが松庵は涼しげな顔を崩す事なく、自らの影を持ち上げてその光を包み込んだ。
     眼鏡の奥で、鋭く光る瞳。演奏は、止まる気配を見せない。
     まるで忌々しいとでも言うように歯を剥き出しにするアンデッドの姿に、燦太は腹立たしげに呟いた。
    「楽しい記憶のままの大往生を邪魔してんのは、どこのどいつだよ」
     遣り残した事があったというならまだしも、ただ操られ、自らの最期を穢すだけの老人。その哀しき偽りの生へと速やかに終焉をもたらすべく、燦太の腕は渾身の力でアンデッドの胸を叩き潰す!
    「もう、あんたは戦う必要なんてないんだよ」
     ガクガクと痙攣するアンデッドに、そっと燦太は黙祷を捧げた。そして、その額に杖の先を向けようと手を伸ばすアンデッドの横顔が、清らかな光に照らされる。
    「この人の人生は、この人のものだ」
     穏やかに説く水面の背中から、まばゆい後光が辺りを照らしていた。
    「その人生を誰と分かち合うか決めるのも、この人なんだ。誰かと一緒に笑い、誰かのために泣いて……」
     瞑想にも似た半眼がカッと見開かれ、その腕に法力が集中する!
    「……誰かを守るために戦った! その誰かはきっと、この人の幕引きを見届けてくれたんだ!」
     振り上げられる大質量。清美が尊敬し、マキナが感服した老人を穢した力は遂に、アルカンシェルが築いた信頼のためにチェスターが整えた舞台で、松庵に拒絶され、燦太に否定され、ヴォルフガングの決意の通りに引導を渡される時が来た。
    「セイメイ! 人の死ってのは、お前が上から目線で勝手にチャチャを入れていいモンじゃねえんだよ!!」
     猛然と加速した水面の鎚が頭上へと迫り、アンデッドが苦悶のごとき表情を見せる!

     声にならない断末魔と共に、老人の体に巣食っていたモノは弾けるように、サイキックエナジーの粒へと還元されていった。

    ●老人に再びの安寧を
    「斉藤老人を騙る屍は、これであるべき無へと帰しましたね」
     黙祷と共に、ヴォルフガングはほっと肩の荷を降ろす。辺りに漂っていた死の気配は、次第に薄くなっているようだった。もうしばらくもすればこの火葬場にも、再び厳かな静寂が戻ってくることだろう。
    「ならまずは、爺さんは棺に戻しとかねえとな」
     傷つき、みすぼらしくなった老人を抱え上げた燦太の奥歯が、ぎりりと軋む。ただでさえ老衰で軽くなっていた老人の体は、戦いの傷で何箇所も肉を失い、さらに軽くなっていた。
    「ええ、と……フクザツな気持ちだね……」
     再び棺に納められた老人に向かって、改めて手を合わせて一礼するチェスター。
    「ゴメーフクをお祈りします……だっけ?」
     老人を、傷だらけの格好で死出の旅路に送り出さねばならない。この戦いがいかに必要な事であったとはいえ、彼はその一礼に誠心誠意を込めることしかできなかった。

     白目を剥いたままの両の瞼を、マキナの手が閉じる。傷だらけの顔にそっと白粉を乗せるたび、老人はまるで安らかに眠ったように、次第に優しい顔つきへと変わってゆく。
    (「ばいばい、おじいちゃん……ごめんね」)
     今の自分たちを作ってくれた人を前にして、マキナは誓う。後のことは私たち、後の世代に任せて欲しいと。
     人々が再び戻ってくる前に、水面が本当に最後となる読経を捧げる。あまり長居するわけにもいかないので短いが、きっと、その想いだけは伝わったのだと思いたい。

    ●火葬場を眺める丘で
    「ようやってくれたな! お陰で大事に至らずに済んだ!」
     アルカンシェルが頬を寄せると、イフリートはくすぐったそうに炎を吹いた。こうして一度は心を通わせたダークネスとも、いつかは相まみえる時が来るのかもしれない……けれど今ばかりは、別れを名残惜しんでも罰は当たるまい。
    「では、クロキバによろしく言っておいてくれ」
     去り際のイフリートに呼びかけた松庵の声に応えるように、彼はもう一度、大きな炎を吹き上げる。しなやかな体躯は風のように、建物の屋根の上を駆けて去ってゆく。

     その輝きが小さくなって見えなくなった頃、大きなため息が清美から漏れた。
    「まったくセイメイは、何を考えているのでしょうか? こんな町中でアンデッド騒ぎを起こすなんて……」
     その隣では、水面が拳を振るわせる。
    「ノーライフキングだかノーモアキングだか知らないが……アイツはオラ達の手で必ず灼滅するっす!」
     ふと、清美が視線を上げると、火葬場の煙突から出てきた熱気が陽炎のように立ち上っていた。それはほとんど目には映らないが、確かにゆらゆらと天へと昇っていった。

    作者:るう 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年11月13日
    難度:普通
    参加:8人
    結果:成功!
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