殲術病院の危機~躍る半仮面

    作者:牧瀬花奈女


     薄暗い廊下を、白衣姿の女が駆ける。彼女の後を、同じ格好をした女達がついて走っていた。
     ここは病院。走る彼女達は、看護師だった。しかし、彼女らの手にあるものは、医療器具とは程遠い。
     先頭を走る女が持つのは、大型エンジンを取り付けた無骨なハンマー。続く女達も、斧やガトリングガンといった武器を持っている。
     壁を叩く音が響き、武装した看護師達は一瞬だけ足を止めた。窓から見える駐車場には、肉体の一部が腐り落ちたゾンビ達がひしめいている。
    「50体はいそうですね、あのアンデッドたち」
    「とにかく、先生に連絡よ」
     暫しの時間を置いて、彼女らは2階へ続く階段の前にたどり着いた。
    「先生! 連絡が来ました!」
     看護師の声に、医師と思しき青年が振り返る。彼の手にはバスターライフルが握られていた。
    「助かった! 援軍は、いつ来てくれるんだ?」
    「それが……」
     顔を曇らせた看護師の言葉を、別の看護師が引き継ぐ。
    「『当院に襲撃あり、援軍を求む』……ここだけではなく、近隣……いえ、日本中の病院が襲撃を受けています!」
    「なんだと……那須殲術病院襲撃から動きが無いと思ったら、そういう事か!」
     バスターライフルをきつく握り締め、医師は吐き捨てるように叫んだ。
    「先生、どうしますか?」
     看護師に目を向けられた医師の唇が、決意を表すように引き結ばれる。
    「籠城だ。なぁに、援軍が無くとも、殲術病院が簡単に陥ちたりはしないさ」
     
     病院の駐車場には、一人の青年の姿があった。
     黒いコートを羽織った彼は、一見したところ普通の人間と変わり無い。
     顔の左半分が、水晶と化している事を除けば。
    「さあ、ゾンビども。セイメイ様のご命令だ! 灼滅者どもを狩り尽くせ!」
     ゾンビ達が意味を成さない声を上げ、正面玄関に向かって走る。
    「ったく、モヤシの癖にキレーなお姉ちゃん侍らせやがって……リア充爆発しろ!」
     遠目に見た医師の姿を思い浮かべると、青年は顔の右側を醜く歪めた。
     

     複数のダークネス組織が、武蔵坂学園とは別の灼滅者組織である『病院』の襲撃を目論んでいる。
     五十嵐・姫子(高校生エクスブレイン・dn0001)からそう告げられた灼滅者達は、さっと表情を強張らせた。
    「襲撃を計画しているダークネス組織は、三つあります。一つは、ソロモンの悪魔・ファルハスの軍勢。もう一つは、白の王・セイメイの軍勢。最後は、淫魔・スキュラの軍勢です」
     いずれも、武蔵坂学園と浅からぬ因縁のある相手。それだけでも、捨て置く訳には行かない。
     病院勢力は殲術病院という拠点を全国に持っている。その防御力は高く、どこかの殲術病院が襲撃を受けたとしても、籠城している間に他の病院から援軍を送り、撃退するという戦い方を得意としていたらしい。
    「ですが、今回は三つのダークネス勢力により、ほとんどの病院が一斉に襲撃を受けてしまいました。お互いに援軍を送る事ができず、孤立無援となっているんです」
     このままでは、病院勢力を待ち受ける未来は壊滅だ。
     同じ灼滅者として、病院を救っていただけませんか。姫子の眼差しに、灼滅者達は承諾の言葉で答えた。
     ありがとうございます、と微笑んで、姫子は説明を続ける。
    「皆さんに向かっていただきたい病院は、こちらです」
     彼女が示したのは、とある山奥にある病院だった。
     この殲術病院は殲術隔壁を閉鎖して籠城しているものの、既にいくつかの隔壁は破損し、白兵戦となっている箇所もある。そう長くは持たないだろう。
    「襲撃に来ている勢力は、ノーライフキングが1体と、眷属のゾンビが50体です。まず、戦闘中の隙をついて、指揮官のノーライフキングを撃破してください」
     まともにやり合えば、ここにいる灼滅者達だけで勝てる相手ではない。だが、指揮官を倒してしまったなら、病院の灼滅者達も籠城を止め、眷属を倒すために出て来る。そうなれば、病院側と協力して残る眷族達を撃破できるだろう。
     逆に、指揮官の撃破に失敗し、眷属の中に逃げ込まれてしまえば、手出しは難しくなる。そうなった場合は、撤退も止むを得ないかもしれない。
    「皆さんが到着した時、指揮官のノーライフキングは正面玄関から入ってすぐの、ロビーにいます。病院の灼滅者達と戦っている5体の眷属に、後ろから発破をかけているようですね」
     ノーライフキングは後方にあまり注意を払っていないため、破られた正面玄関から入った場合、背後を取る事が出来る。
     眷属と戦っている病院の灼滅者は3人。回復手段は持っていないようだが、こちらが指揮官と戦っている間、持ちこたえてはくれるだろう。ノーライフキングに命じられない限り、眷属が標的をこちらに変える事も無い。
    「指揮官のノーライフキングは、武器封じの力を秘めた黒い霧で、複数の相手を攻撃する事を得意としています。この攻撃は、射程も長いみたいですね」
     ノーライフキングは他に、射程は短いもののやはり複数人を凍り付かせる冷たい刃と、黒い光で自らの傷を癒す力も持っている。
    「皆さんに向かっていただく病院は、正面玄関と裏口の隔壁が破られています。病院の灼滅者達は玄関と、階段前に集まって襲撃を食い止めているようです」
     階段は正面玄関から見て、右手と左手に一つずつ。それぞれの場所で戦っている病院の灼滅者は、5人前後のようだ。
    「今回は、ダークネスと病院勢力の戦いに介入する、危険な作戦になります。気を付けてくださいね」
     お帰りをお待ちしています、と姫子は灼滅者達にもう一度微笑んだ。


    参加者
    リズリット・モルゲンシュタイン(シスター・ザ・リッパー・d00401)
    篠原・朱梨(闇華・d01868)
    リリシス・ディアブレリス(メイガス・d02323)
    ソフィリア・カーディフ(春風駘蕩・d06295)
    汐崎・和泉(翡翠の焔・d09685)
    東堂・秋五(君と見た夕焼け・d10836)
    來栖・識(虚妄アイデンティティ・d13756)
    白石・めぐみ(祈雨・d20817)

    ■リプレイ

    ●急襲
     吐く息は既に白かった。
     山奥にある病院の周辺は、冬の足音が近付いて来たせいか酷く冷えた。
     病院。その言葉から、白石・めぐみ(祈雨・d20817)は、子供の頃に優しくしてくれた看護婦の笑顔を思い出した。武蔵坂学園の生徒達が普通の学生とは少し違うように、この『病院』も普通の病院とは少し違うのだろうけど。
     やさしい人達だと、いいな。空色の瞳が、破られた正面玄関に向けられた。
     隔壁を破る際、ノーライフキングとその眷属は派手に暴れたらしい。壁の破れ目は広く、灼滅者達の突入を阻む事は無さそうだった。
    「ほら、どうした? もっと気合い入れて殴りに行け!」
     息を潜めて中の様子を窺えば、優越感を滲ませた青年の声が耳を打つ。
     黒いコートの背中の向こうに見えるのは、手足の一部が腐り落ちた5体のアンデッド。そして、懸命にロケットハンマーを振るう3人の看護師だった。
     病院の灼滅者。その外見を目にして、東堂・秋五(君と見た夕焼け・d10836)は微かな驚きを覚えた。
     短く切り揃えられた看護師達の髪。その隙間から、小さな角が覗いているのだ。
     例えるならばその姿は、闇堕ちした灼滅者。しかし彼女らは紛れも無く、理性ある人間だった。
     來栖・識(虚妄アイデンティティ・d13756)が、手にしたガンナイフを静かに構える。それが、突入の合図となった。
     真っ先にノーライフキングの背後を取った汐崎・和泉(翡翠の焔・d09685)が、硝子めいた縛霊手の爪で肩を抉る。誰何する間も無く青年が受けたのは、ソフィリア・カーディフ(春風駘蕩・d06295)が振り下ろした鉄塊の如き刀だ。
     なんだお前ら、と問う青年の腹を、非物質化したリリシス・ディアブレリス(メイガス・d02323)のクルセイドソードが貫く。体勢を整えようとした足元を、和泉の霊犬のハルは斬魔刀で切り裂いた。
     宵の空を思わせる色合いのワンピースを翻らせ、篠原・朱梨(闇華・d01868)が青年の側面に回り込む。華奢な足の下から伸びる影は、茨のように彼へ絡み付いた。
     めぐみの縛霊手から紡がれた霊力が青年を縛り、識が死角からガンナイフの刃を閃かせる。ようやく体ごとこちらを振り向いた青年に、秋五の無敵斬艦刀が容赦無く振り下ろされた。
    「な、何? 学生!?」
    「あなた達は?」
     何者かと問われれば、シスターと答えるのがリズリット・モルゲンシュタイン(シスター・ザ・リッパー・d00401)の流儀だけれど。今日はこう言わせてもらおう。
    「武蔵坂学園よ!」
     戸惑う看護師に赤の瞳を緩く細めて見せ、彼女は刃と化した影で青年を裂く。
    「俺達は敵じゃないよ」
    「援軍と思ってくれていいわ」
     識とリリシスの言葉に、看護師達はハンマーを握り直す。取り敢えず、敵対する意思は無いと判断して貰えたようだ。
     ノーライフキングの青年が崩れた体勢を立て直し、水晶化した顔の左半分を指でなぞった。右目が灼滅者達を捉え、怒りの形に歪む。
    「なんなんだよ……そっちもキレーなお姉ちゃん引き連れやがって……お前らもリア充か!」
    「あんまり興奮しない方がいいぜ、男の嫉妬は醜いってよく言われるぞ?」
     そう言う秋五の左手の薬指には、指輪が慎ましく収まっている。水晶化していない顔の右半分に、青筋が浮いた。
    「お前ら……ぶっ殺す! リア充は全員、爆発しろぉっ!」
     激昂した青年の叫びが、薄暗いロビーに響き渡った。

    ●激突
     青年の掌から生まれた霧が広がり、前衛を担う灼滅者達を包む。黒い霧に含まれた細かな粒が、彼らを傷付けた。
     ぱんと、乾いた音を鳴らしたのは、識のガンナイフ。鋭く飛んだ弾丸が青年の足首を撃ち抜いた。
     手の甲に貼り付いたコイン状の盾に指で触れ、めぐみは息を呑む。眷属やダークネスを前にすると、まだ足が竦むような気がした。
     オゥ、と響いた声に、彼女は顔を上げる。チョコレート色の尻尾を揺らして、ハルが青年へ刃を振るっていた。その一撃に続いて縛霊手で脇腹を打ち据えた後で、和泉は翡翠の双眸を緩めて見せた。
    「大丈夫、オレ達もいるからな」
     瞬きを一つして、はい、と頷き、めぐみはエネルギー障壁を広げ、自らと仲間を包む。まだ力も経験も足りないけれど。わたしは、わたしに、できることを。
    「そんな風に僻むから、りあじゅーになれないんだよっ」
     青年の背面へ回り込んだ朱梨が、言葉と共に聖剣を突き刺す。次いで青年に叩き付けられたのは、魔力を込めたリリシスのマテリアルロッドだ。
    「死者を持て遊んだ罪、その身に刻みこみなさい!」
     両手にオーラを集束させ、苛烈な連打を繰り出すソフィリアは、青年の側面へと移動している。彼は身を引いて避けようとするものの、撃ち抜かれた足首の傷と、絡む影がそれを許さない。
    「好き勝手ぶん殴りやがって、このリア充どもが……!」
     戦場を飛び交う単語に、リズリットは内心で首を傾げた。日々充実しているという意味では、彼女もリア充だろうか――否、空腹が満たされない事が多過ぎる。
     解せぬ、とリズリットの展開した夜霧が青年に傷付けられた仲間を包み、封じられた武器の機能を回復させる。
     空を切る重い音は、看護師達がハンマーを振るった音。ようやく出会えた病院の灼滅者達は、危機的な状況で、それでも諦めずに戦い続けている。
     絶対に見捨てない。だから、もう少し粘っていてくれよな。魔力を秘めた秋五の霧が、前衛の灼滅者達に力を与える。
     青年が水晶化した頬を撫で、黒い光が彼にまといつく。禍々しい光は灼滅者の与えた傷を塞いだものの、全ては癒しきれない。初手から叩き込まれた高火力の攻撃は、確実に青年の体力を奪っていた。
     識の足元から影が伸び、青年に絡む。和泉は魔導書の頁を繰って、否定の光を撃ち出した。
     ソフィリアの手首がしなり、刺繍を施されたリボンが揺れる。一拍の後に響いたマテリアルロッドのぶつかる音は、その動きの柔靭さに相応しく鋭利だった。リリシスが隙を逃さず、異形化した己の片腕を叩き付けた。
     病院の事は、まだよく分からないけれど。藍を帯びた朱梨の影は、先程とは違う方向から伸びた。犠牲は少ない方が、きっといい。幾つもの力で縛された青年に、また新たな影が絡み付く。
     周囲を探るように視線を巡らせた彼は、そこに至ってようやく自分が灼滅者達に包囲されている事に気付いたらしい。右の目に動揺の色が浮かんだ。
    「おい、ゾンビども! そいつらは後回しだ! こっちを手伝え!」
     リズリットから月の如き衝撃を受け、青年は病院の灼滅者達を攻撃していた眷属に呼び掛けた。緩慢な動きで眷属達が振り返る。
    「――ハル!」
     和泉の声に応じて、ハルは身を反転させた。六文銭が勢い良く飛び、ゆるりと腕を上げた眷属達を撃ち抜く。めぐみも行く手を遮るように立ち位置を変え、縛霊手の祭壇を展開した。秋五のマテリアルロッドが青年の脇腹を打ち、流し込まれた魔力が内側で暴れる。
     舌打ちして青年は、手に冷めた色の刃を紡ぎ出す。円を描くように放たれた刃は、青年を囲む灼滅者を貫きその体を凍て付かせた。
     床を蹴って接近した識が、身を捻って青年の腹を切り裂く。めぐみの構築した結界は、迫る眷属達を残らず捕らえた。
    「数で勝らなきゃ戦いも出来ないなんて、情けないねっ」
     死角から突き出されたのは朱梨の刃。後方から肩を貫かれ、青年が呻く。
     ソフィリアの無骨な一刀が青年を切り裂いた所を、リリシスが外傷を残さぬ一撃を加えた。幾重にも傷を負った青年の足が、ふらりと床を叩く。
     体勢を崩した瞬間を逃さず、秋五は影を伸ばした。滑るように青年の足を這い登った影は、彼を捕らえ、みしりと重い音を鳴らす。
     畜生、と掠れた声を残して、青年が崩れ落ちる。そしてそのまま、動かなくなった。
     和泉の魔導書より解き放たれた禁呪が眷属達を爆破したのは、それから暫しの後だった。ひとまずの戦いを終え、灼滅者達の中に安堵が生まれる。
    「大丈夫、ですか?」
    「あ、ありがとう」
     めぐみから盾の癒しを受け、看護師が瞬きをした。
    「まだ眷属は残っていますよね? 行きましょう」
    「俺達も手伝うよ」
     ソフィリアと秋五の言葉に、看護師達は改めてありがとうと頭を下げる。
    「右手の階段の所に、先生がいるの。まずそちらへ行きましょう」
     ロケットハンマーを握り直した看護師に続いて、灼滅者達は再び歩き出した。
     病院に残る死臭を、拭い去るために。

    ●収束
     指揮官を失った眷属達は、もはや烏合の衆に過ぎなかった。ソフィリアとめぐみの持参した明かりの照らす中、灼滅者達は着実に敵の数を減らして行く。
     ダークネスの撃破を知った病院の灼滅者達が戦いに加わった事もあり、そのペースは早かった。
    「組織としては、俺達と似ているのかな」
     龍砕斧を振り抜く看護師の背を見ながら、識がぽつりと呟く。4体の眷属をまとめて凍て付かせ、そうねとリリシスは瞬きをする。
    「独特の技術は持っていそうだけど、使っているサイキックは私たちと同じものみたいね」
     外見こそ闇堕ちした灼滅者のようだが、それ以外は武蔵坂の灼滅者達と変わりないように見えた。
     朱梨の刃が眷属の喉を裂き、秋五の叩き付けたマテリアルロッドがまた1体を地に還す。癒し手から攻撃手へと転じたリズリットも、日本刀を閃かせた。
    「あなた達、強いのね」
     看護師の一人が瞳を瞬かせ、ガトリングガンの引き金を絞る。仰け反った1体に、和泉が縛霊手の一撃を叩き込んだ。
     眩い光が迸る度、鋭い刃が閃く度、眷属達が倒れ伏す。病院内にはびこっていた死臭は、時間と共に薄れていた。
     ざん、と重い音を響かせて、最後の眷属を切り裂いたのはソフィリアの無敵斬艦刀。超弩級の一撃に砕かれた眷属は、骨の覗く手で宙を掻いた後、本来あるべき場所へと帰って行った。
     程なくして、外から戻って来た看護師達が、灼滅の完了を告げる。
     ダークネス勢力の襲撃により危機に瀕していた病院は、ようやく平穏を取り戻したのだ。
    「死亡者・重傷者ともにゼロです! 五日間くらい寝てなきゃいけない人は4、5人いますけど」
    「それって、重傷者なんじゃ……?」
     思わず首を傾げた秋五に、救援が来るまでの数はノーカンですと、年若い看護師は胸を張った。
     改めて武器を下ろし、医師と思しき青年が灼滅者達に向き直る。
    「君たちが来てくれなかったら、どうなっていた事か……本当に、ありがとう」
     ありがとうございます、と看護師達も言葉を重ねる。彼らの命を、笑顔を守ったのは、紛れも無く灼滅者達だ。
     病院との正式な連絡は、後日学園から行われるだろう。医師と看護師達に別れの言葉を告げて、灼滅者達は病院の外に出る。
     冷えた空には、穏やかな色の月が浮かんでいた。

    作者:牧瀬花奈女 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年12月6日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
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