殲術病院の危機~亡者の声は冬風と共に

    作者:幾夜緋琉

    ●殲術病院の危機~亡者の声は冬風と共に~
     冬の気配が次第に強くなり行く11月末。
     某所にある、一見して普通の病院……しかしその病院の中は、騒がしさに包まれていた。
    「ハルファス軍!? くっ、第一種戦闘配備だ! 防護隔壁もすぐに展開しろ。いいか、迎え撃て!」
    「解った!」
     白衣に身を包んだ医師の男達が、指示を飛ばす。そしてその指示に殲術兵器を持ち、外に出る若い医師の男達。
     そして更に指示を飛ばした彼が、傍らの看護婦に。
    「おい、早く連絡しろ! このままではまずい! とにかく援軍を呼べ。援軍を呼んで、援軍が来るまで耐えきるんだ! 連絡を早くしろ!」
    「解ってます! でも今、各地の病院と連絡を取っていますが、他の病院も同様に一斉に襲撃が行われている模様なんです!! 近隣だけではありません、日本中の病院が、全て襲撃されているみたいなんです!!」
    「何だと!? くっ……那須殲術病院の襲撃以来、動きが無いと思っていれば……この機会を狙っていたのだろうか?」
    「解りません……どうされますか?」
    「仕方ない……籠城しか無い。大丈夫だ、援軍が無くとも、殲術病院は簡単に堕ちる事は無い!」
     覚悟を決めた医師、そして看護婦……さらには、入院患者達。
     そんな彼らの視線の先には……多数のアンデッド達と、大学生位の男。
     その身体の一部こそは水晶化しているが……姿形は普通の男なのだが。
    「くくく……呪われし生を受けしものどもよ。邪悪の根源たる我が声に従い、我等が敵に鉄槌を下すが良い。さぁ、全軍突撃っ!」
     アンデッド達に指示を飛ばし、病院を襲撃している……ノーライフキングの一人であった。
     
    「皆さん、集まって頂けましたね? それでは、説明させて頂きます」
     姫子は皆を見わたすと、真摯な表情で早速説明を始める。
    「今回は、皆様に緊急の以来になります。どうやら……複数のダークネス組織達が、武蔵坂学園とは別の灼滅者組織である『病院』の襲撃を目論んでいる模様なのです」
    「そのダークネス組織とは、ソロモンの悪魔・ハルファスの軍勢、白の王・セイメイの軍勢、そして淫魔・スキュラの軍勢の三つです」
    「皆様も色々な重いがあるでしょう。武蔵坂学園とも因縁のある相手……だからこそ、捨て置く訳にはいきません」
    「病院勢力は、殲術病院という拠点を全国に持っています。そしてその防御力は高く、どこかの殲術病院が襲撃されたとしても、殲術病院に籠城している間に他の病院から援軍を送って貰い、撃退するという戦いを得意としていたみたいなのです」
    「しかしながら、今回、病院勢力はダークネスの三勢力によって、殆どの病院が一斉に襲撃されてしまいました……結果、互いに援軍を出す事が出来ずに、孤立無援となってしまっているのです」
    「このままでは、病院勢力が壊滅してしまうのは間違い有りません。同じ灼滅者として、病院の機器をどうか救って貰いたいのです」
     そして姫子は、地図から場所を示す。山梨県にある、とある病院。
    「皆さんに救援に向かって欲しい病院は……ここです。この殲術病院は今、殲術隔壁を閉鎖し、どうにか籠城をしている状態です。しかし……既に幾つかの隔壁が破損し、白兵戦となってしまっている部分もあり、このままの体制維持は難しい所です」
    「攻めてきている敵は、最近ノーライフキングに目覚めたばかりの指揮官一人と、アンデッドの軍勢が40匹という軍勢です。まともに戦えば、皆さんの戦力で勝利を収める事は難しいでしょう……ですから、まずは殲術病院との戦闘中である隙を突いて、指揮官であるダークネスを仕留める必要があります」
    「また、指揮官のダークネスさえ倒してしまえば病院の灼滅者達も籠城を止めて眷属を倒す為に外に出て来る事でしょう。そうすれば、協力して残る眷属を撃破する事が出来るでしょう」
    「逆に、ダークネスを倒すのに失敗し、眷属の中に逃げ込まれれば手出しが難しくなります……その状況になったら、撤退もやむを得ません」
    「皆さんが病院に着く頃には、既にノーライフキングとアンデッド達は籠城している病院勢力を倒す為に、攻撃を嗾けてることでしょうから、背後には殆ど警戒をしていないものと思われます。ノーライフキングの周りには、2、3人の護衛のアンデッドがいるのみでしょう」
    「とは言えノーライフキングを攻撃すれば、周りのアンデッド達はノーライフキングを護ろうと反転して攻撃してきます。なので出来る限りの早急な撃破が望まれます」
     そして姫子は最後に。
    「今回はダークネスと病院の大規模戦闘に介入する危険な作戦です。私達の手が届かない病院も多数あります……皆様にも危険を強いる事になってしまいますが……一つでも多く助ける為に、皆さんの力を貸して下さい。宜しく、お願いします」
     と、深く頭を下げたのである。


    参加者
    斎賀・なを(オブセッション・d00890)
    古室・智以子(中学生殺人鬼・d01029)
    裏方・クロエ(双塔のマギカ・d02109)
    叢雲・秋沙(ブレイブハート・d03580)
    葉月・十三(高校生殺人鬼・d03857)
    黛・藍花(藍の半身・d04699)
    三影・幽(知識の探求者・d05436)
    鏡・エール(黒烏焔舞・d10774)

    ■リプレイ

    ●亡者迫る
     姫子より話を聞きつけ、山梨県は某所殲術病院の一つへと急ぐ灼滅者達。
     武蔵坂学園とは違う殲滅者組織、病院……そのヴェールは、謎に包まれている。
    「病院……ですか。以前から名前は知っていましたし、気になります。が……今は、目の前の渉外を排除する事……ですね。同じ灼滅者……出来れば助けたい、です」
    「ええ……病院という組織の事は良く判りませんが、無事に助けて、何かしら助け合える関係になれれば良いのですが……」
     三影・幽(知識の探求者・d05436)と、黛・藍花(藍の半身・d04699)の言う通り、未知なる存在、病院。
     少なくとも、自分達と同様、能力を持った者達が居るという事と、その灼滅者達が居る病院へノーライフキングや、ソロモンの悪魔、淫魔といった三勢力に、全国各地の殲術病院が襲われているという事。
     ……少なくともその三勢力からは敵対していると思われている、という事にはなる。
    「しかしダークネス達が協力して、邪魔になる灼滅者などに牙を剥くとは……それだけ俺達を危険な存在であると考え初めているのだろうか? それともまだ裏に、何かがあるというのだろうか?」
    「そうですねぇ。吸血鬼にデモノイドロード、スキュラに刺青羅刹と来て、今回は病院の襲撃っと……ホント、面倒ごとっていうのは重なるもんですよねぇ……体、幾つあっても足りない感じですねぇ……」
    「でも、敵が大がかりな作戦を仕掛けてきたの。逆に考えるならば、これを挫けば敵戦力を大幅に減じる好機でもあるの。それに加えて、殲術病院と協力関係を築けるのなら、武蔵坂に利する所は大きいの。だから、必ず成功させるの」
    「そうですか。そうですねぇ……灼滅者は助け合い、って事で、ちょっと不死王狩りとしゃれ込むとしましょうかねぇ」
    「ああ。エクソシストとして、ノーライフキングによる襲撃は見逃す事は出来ないしな」
    「そうなのです。病院を死者が攻めるなんて光景は、ホラー映画だけで十分なのです。必ず病院の皆さんは開放して上げますよ!」
     斎賀・なを(オブセッション・d00890)、葉月・十三(高校生殺人鬼・d03857)、古室・智以子(中学生殺人鬼・d01029)、裏方・クロエ(双塔のマギカ・d02109)らの会話、そして決意に。
    「皆さん準備は宜しい、って事ですかね?」
    「そうだね……かなり厳しい戦いになるだろうけど……でも、みんな来てくれてる。だから……絶対に、この戦い、勝利を収めないとね」
     鏡・エール(黒烏焔舞・d10774)に、クリス・ケイフォード(小学生エクソシスト・dn0013)が、くすりと微笑む……と。
    「クリス君のおっ手伝い~☆ 今日もしゃきーんとマジカル・クルエルなのですよ♪ フラッパーサテライトのお仲間さんもいるし、俄然、本気の全力全開で行きますね!」
     瑠理他、サポートに来た10人の仲間達も微笑む。
     これは、負けられない戦い。
     全国各地で、同様の戦いが、ほぼ同時に行われているのだから……後も無い。
    「……ん、よし。それじゃ後ろで悦に浸ってるダークネスを横合いから盛大に殴り倒すよ。絶対に逃がさないんだから!」
     ぐぐっ、と拳を握りしめた叢雲・秋沙(ブレイブハート・d03580)に、藍花はこくりと頷き。
    「ええ……クリスさん、気合いを入れるのはいいですが、倒れないように気をつけて下さいね? ……回復役の方が倒れると、一挙に戦況が崩れる可能性もありますから」
    「大丈夫……ありがとう」
     安心させようと、藍花に微笑むクリス。
    「では……姿を隠して行くとしましょう。悦に入っているとは言え、不意打ちが察知されてしまえば、作戦は台無しになってしまいますから……ね」
     藍花の言葉に頷き、灼滅者達は障害物などに身を隠しながら、病院に向けて進み始めた。

    ●危機救うは
    「くくくく……いいぞ、いいぞアンデッド共よ。呪われし生命を受けしものどもよ。いいか。邪悪の根源たる我が声に従うのだ。そして従い、我等が敵に鉄槌を下すのだ!」
     そして灼滅者達が、殲術病院に向けて歩を進めて暫し。
     病院と、己達の進路の狭間に立つ、今時の若者の姿をした男が、目の前に並ぶアンデッドの集団に指示を出している。
     そして、彼は手をばっ、と掲げると。
    「さぁ、全軍突撃だっ!! 皆殺しにしてこい!!」
     その指示に、言葉無く、蠢き始めるアンデッド達。
     若者……いや、ノーライフキングの彼の元には、4匹のアンデッドが護衛に残っていた。
    「よし……行くぞ」
     なをに頷くと共に、エールが。
    「……Keepout」
     と、その場にサウンドシャッターを展開。そしてなをが。
    「アンデッドには悪しき者を滅ぼす光が効くだろう……我は照らす黎明の光」
     と、スレイヤーカードを解放すると、他の仲間達も同様に解放、そして接近する。
     そんな灼滅者達の接近に。
    『はぁ? ……どうやら要らないネズミがやってきたようだな。まったく……仕方ない奴らだ。さぁ、呪われし生を受けし者よ、我を護るのだ!!』
     と、ノーライフキングの言葉……その言葉に、クロエが。
    「……呪われし生を受けし者、ですか?」
    『ああ。我の呪われし生を受けし者達だ。所詮死するしかない者達だからな!』
    「……ふざけんな。本当にふざけるなよ、お前!!」
     ノーライフキングの言葉に、荒げた言葉を紡ぐクロエ。
     そして真っ直ぐに彼を睨み付けると。
    「お前……この多数のアンデッド達の皆さんは、殺された被害者です。呪われてなんかいない!! 人の死を冒涜するようなおまえらみたいな連中……ボクは、ボクは絶対に許さない!!」
     しかし、そんなクロエの言葉に対して、ノーライフキングは……笑う。
    『あはははは!! 笑える。笑えるぞ!! そんな甘い考え、我には効かぬ!!』
    「……!」
     クロエが睨んだその瞬間、不意を突いて智以子、なをが一挙に距離を詰める。
     そして、左右から黒死斬の一閃を叩き付ける……が、その攻撃は、咄嗟に立ち塞がったアンデッドが受ける。
    『ウガァァ……!』
     アンデッドの呻き声に、軽く唇を噛みしめるクロエ。
    「……クロエさん、気を確り持って……今は、倒す事だけを考えるんだ」
    「ええ……今、私達が出来るのは、倒す事です……」
     クリス、藍花の言葉に、そうだね、と頷き……そして、彼女はシールドリングを十三に付与。
    「ありがと。それでは最初から、全力全開で行くよ」
     そして十三は、幽、エールに視線で合図すると、ノーライフキングの退路を塞ぐように、大きく回り込み始める。
     その動きをサポートするように、透流が。
    「口にすることさえ忌まわしき数多の言の葉たちよ……禁じられしその炎にて、我が敵の体躯、精神、内より出でてその全てを燃やし尽くせ!」
     と、立ち塞がるアンデッドの群れにゲシュタルトバスター。
     流希がティアーズリッパー、ルカが除霊結界で動きを止めつつ、ダメージを蓄積。
     そして……その一方、宗次郎、瑠理、智寛、飛鳥は大きく外側から、殲滅病院に向けて走る。
    「ちょっと厳しいけど、出来るだけこっちに引き付けなきゃね。援護は頼んだよ!」
    「無論だ。言われなくともそのつもりだ」
    「そうなのです。さぁ、腐れた亡者共!! 魔砲少女・真剣狩る☆土星が相手をするです!! 宗次郎さんもよろしくなのですよ!」
    「ああ、了解だ」
     四人は大きく攪乱するが如く動く。素早い動きに、殲術病院に向けて進軍していたアンデッド達も、その足並みが僅かに崩れ始める。
     ……その動きで、多少ではあるが、殲術病院も持ちこたえれる事だろう……その間に、ノーライフキングを倒さなければ。
    「さぁ……この攻撃を喰らいなよっ!」
     回り込み終わった秋沙が先頭を切って鬼神変の一撃を叩き込むと、それに続き十三の黒死斬、幽と、彼女の霊犬での斬影刃と斬魔刀のコンビネーション。
     そして。
    「焼いて、Mr.Chronus!」
     エールのブレイジングバーストが、トドメとばかりにアンデッド達を焼き尽くし……護衛の内、2匹が倒れる。
     残るは二匹の護衛達……サウンドシャッターの効果もあり、その音は、中々進軍してしまったアンデッド達には伝わらない。
    『くくく……面白い。面白いぞ、お前達。さぁ、我の力にひれ伏せ!!』
     しかしノーライフキングは、その状況に対して決して怯みはしない。
     寧ろ、更に増長してしまっている様でもある。
    「まったく仕方ないですね。痛い痛い病はもうなおしましょーねー? ちゅーにびょーなだいがくせーさん?」
     そんなノーライフキングに向けて、エールが半ばからかい気味の言葉を投げかけるも……ノーライフキングは動じない。
     むしろ、その中二病的な力を悠々と構え、アンデッドの巻き添えを物ともせずに、闇の光を解放した、近接範囲攻撃を繰り出す。
    「っ……強力なの。でも……この位の攻撃に、負けていられないなの」
     智以子はくっ、と唇を噛みしめながら、その攻撃に耐えきる。
     そして次の刻。
    「クリス……回復を。手分けしていきましょう」
    「うん。クロエさんは、皆さんの強化を」
    「解った。回復はお願いするね」
     メディックの立場に立つクリス、藍花、クロエとナノナノがそう行動を手分けすると、智以子の回復と、シールドリングによる盾の付加。
     後方から優歌も、そのシールドリングの補助に加わり、前衛に立つ仲間達へ、着実に盾を付与していく。
     そして盾を付与されたクラッシャーの仲間達は、一切の手加減する事なく、立ち塞がるアンデッドを一匹、また一匹と灼滅。
     ……そして3刻目には、残るノーライフキングは後一人……いや、戻ってきていたアンデッドが一人居るが、その程度である。
    「アンデッドはこちらに任せてくれ」
     と、流希が言い、アンデッドに対峙すれば、フリーなノーライフキングを、9人の灼滅者達で対峙する。
    「穿て、黒弾!」
     とエールがデッドブラスターを放つと、藍花のビハインドも霊撃による一撃。
    『くっ……や、やるようだな!!』
     強がるノーライフキング……服がビリビリと破けつつあり、口端から血があると、強がっている様に見えなくも無い。
     そして、そんなノーライフキングに一切の容赦なく、更になを、智以子、秋沙、十三、幽らの単体強攻撃。
     ノーライフキングこそ、どうにか反撃をしようとしているが……護衛が居なくなってしまっては、最早多勢に無勢。
     みるみる内に押し込まれていくと、彼は。
    『おい、呪われし生を持つ物達よ、我を助けよ!』
     と声を上げるが……アンデッド達の過半数は、最初に受けた指示……殲術病院の攻略のために遠くに離れており、言葉は届かない。
    「所詮……お前は大局を見て人を動かす事も出来ない小物って事か」
    「……そうなの。これ以上は許さないの。死になさい……なの」
     なをに、智以子は最後の宣告と共に、渾身の轟雷を叩き付け……ノーライフキングは、サウンドシャッターに言葉を塞がれたまま、灼滅されたのである。

    ●安息、そしてその先に
    「……良し。後は残るアンデッド達だけだな」
    「ん……そうなの。病院勢力と共闘し、殲滅するの」
     なをに頷く智以子。
     そして灼滅者達は、そのまま進路を病院へ……。
     病院勢力の者達は……遠くであるので良く判らないが、アンデッドの軍勢の勢いが無くなり始めたことには気がついたようである。
    「貴方達、貴方達は『病院』の灼滅者? なら……一緒にアンデッド達を吹き飛ばしましょう!」
     エールが大声で、病院に聞こえるように叫ぶと、クロエ、瑠理も。
    「私達は武蔵坂学園の灼滅者です。貴方達を助けに来ました!」
    「そうなのです。武蔵坂学園より援軍に来ました! ここから一気に逆転しましょう。貴方たちの命運はまだ尽きていない。私達と共に運命を切り拓くのです!」
     自分達は決して敵ではない事をアピール……そしてそのアピールを実証するかの様に、アンデッド達に向けて。
    「さぁ、喰らい尽くせ、鳴饗屍吸!」
     エールが月光衝で大群を吹き飛ばすと、秋沙が除霊結界、流希が鏖殺領域、透流がゲシュタルトバスターで、アンデッド達を掃討攻撃。
     ……そんな灼滅者達の動きに、殲術病院の中からも……一人、また一人と姿を現してくる。
     そして、灼滅者とは、アンデッドを挟む形となりながら、逆側からアンデッドの討ち漏らしを一人、また一人……と倒す。
     灼滅者と、病院組織の共闘……40匹居たアンデッドの軍勢は、着実にその数を減らして行く。
     そして……共闘開始してから、十数ターン経過。
    「これで、最後です……」
     藍花が、ビハインドと共に最後のアンデッドへ止めを刺し……全てのアンデッドが死滅する。
    「終わったか……」
    「うん……一先ず、お疲れ様だね。それと……」
     なをにクリスが頷くと……それに対して病院の者は。
    「……まずは、助けてくれて感謝する。しかし、君達は一体……?」
     その声に、クリス、クロエから。
    「僕達は武蔵坂学園の灼滅者……大丈夫。貴方達の敵ではありません」
    「うん……詳細については、後ほど学園から正式に連絡します。ただ……敵では無い、という事だけは確かです」
    「……そうか」
     嬉しさ、悲しさ……どちらともとれない言葉を紡ぐ病院関係者。
     とは言え正式な交渉は、学園がやるとの事……会話も早々に、灼滅者達は病院を後にする。
     ……その帰路で、流希は。
    「しかし病院か……一体、いつからダークネスと戦っているのだろうか。いや、それ以前にどうやって戦ってきたのかが気になる所だ。だが……今はそれどころではないのだろう。いずれはっきりとするだろうな。良くも、悪くも……」
     ……他の病院へ救出に行った仲間達も居る。
     そんな仲間達の勝利を祈りつつ、灼滅者達は帰路へつくのであった。

    作者:幾夜緋琉 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年12月6日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
    得票:格好よかった 7/感動した 0/素敵だった 1/キャラが大事にされていた 1
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