殲術病院の危機~獅子頭の悪魔

    「院長、第2、第3殲術隔壁に敵勢力集中しています。第1殲術隔壁の勢力も以前健在、院内の戦力ではいずれ隔壁の維持も限界が来ると思われます」
     無機質な口調で報告するナースの言葉に、廊下の窓から外部を見下ろす背の低い女医が親指の爪をいらいらと噛む。
    「撤退はやっぱり無理ね……近隣殲術病院の現状は聞いたわね?」
    「はい、すでに隔壁を破られはじめている病院もあることです。そちらを陥落した後に本院への増援として到着するものと思われます」
     ナース長の感情を表さない言葉遣いに怒りをぶつけたくなったが、ただの八つ当たりだと思い直して飲み込んだ。
     改めて階下を見下ろすと、正面門の適正力の中心部にいる、体は人間のようだが頭部が雄獅子そのものの姿のダークネスをにらみつけた。
    「さあ私の可愛い子猫ちゃん達、がんばって攻め続けなさい! 一番がんばった子には特別なおまじないを教えてあげるわよ。恋の叶うおまじない、ライバルをけ落とすおまじない、相手を不幸にするおまじない……特別な自分になりたいなら、死ぬ気で攻め落としなさい!」
     甲高い男の声のその言葉に鼓舞された、40人を超える中高生の女の子達が奇声を上げて攻撃してくる。その子達の学校の制服はそれぞればらばらだが、一様にネコ耳の飾り物を頭につけていた。
    「ちっ……あの○○○○なロリコンソロモンの悪魔めっ! 悪趣味な眷属を従えてるわ」
     ぶちんという音を立てて、女医は爪を噛みちぎった。

    「みなさん、那須殲術病院はもちろんご存じですよね。同じような殲術病院が日本各地にあるんですが、ソロモンの悪魔・ハルファス、白の王・セイメイ、淫魔・スキュラが結託してそれらの病院に襲撃しようとしています」
     眉宇をひそめて深刻な面持ちで、神立・ひさめ(小学生エクスブレイン・dn0135)が話し出した。
    「いつもなら襲われても防御している間に他の病院勢力が救援に来て、ダークネスを撃退するという戦い方をしているんですが、今回はダークネスの共闘で、一斉に各病院に攻め込むことで互いに援護することもできなくなり、放っておけばたくさんの病院が攻め落とされることになってしまいます」
     このままでは病院勢力が壊滅してしまう、とひさめは告げる。
    「同じ灼滅者としてこのままにはして置けません。そこで、他の方々にも動いて貰っているんですが、みなさんにもある病院を助けに行って欲しいんです」
     地図を広げて説明する。
    「琵琶湖に近いこの病院にソロモンの悪魔・アデプトが攻めてきています。眷属として43人の中学生や高校生の女子を兵力としていますが、さすがに全員を相手にするわけにはいかないですので、このアデプトを倒すことで状況を一気に有利にすることができます。病院側もそれを見たら防御から攻勢に出ると思います」
     ここでひさめは顔を上げた。
    「アデプトは攻撃を続ける配下の戦力からかなり離れた最後尾にいます。自分が傷つくのをとてもいやがっていて、まわりに3人の配下をおき、危険が及べばその人達に対応させて自分は前線の配下の中に逃げ込んで身を守ろうとします。護衛をうまく誘導して孤立させれば有利に戦うことができると思います。ただ、引きつけ役が多すぎるとアデプトを倒すのに戦力が足りなくなるかも知れません。うまく誘導して引き離してあとから合流するか、護衛と戦いながらアデプトを灼滅できるように振り分けるか…その辺りはみなさんのやりやすいようにお任せします」
     ひさめは申し訳なさそうな顔をする。
    「もちろん引き離さないまま攻撃することもできますが、あまり戦いが長引くと前線から応援が来て手に負えなくなってしまうので、それまでに倒しきれなかったら撤退するしかありません」
     言葉を切って、ひさめは再び険しい顔になる。
    「今回の襲撃で攻め落とされてしまう病院もいくつが出ると思います。みなさんにはかなり厳しい戦いになると思いますが、少しでも多くの病院を助けられるよう、どうかよろしくお願いします」


    参加者
    置始・瑞樹(殞籠・d00403)
    早鞍・清純(全力少年・d01135)
    笠井・匡(白豹・d01472)
    リーグレット・ブランディーバ(紅煉の獅子・d07050)
    夏渚・旱(無花果・d17596)
    識臣・晴之(魔弾の射手・d19916)
    天堂・櫻子(桜大刀自・d20094)
    久条・統弥(規格外の音痴・d20758)

    ■リプレイ


     山間にひっそりとそびえるその病院は、普段から普通の患者が来ることはなく、極限られた者のみに知られる特別な施設、殲術病院だった。
     バベルの鎖の影響下にあり、無関係な来客が来ることのないその病院は、現在数多くの猫耳飾りを着けた女子中学生や女子高校生に襲撃されていた。
    「ほほほほほ、私の可愛い子猫ちゃん達、がんばって攻め続けなさい!」
     病院から離れた丘の上から獅子の頭にスーツの上下を纏った男が甲高い耳障りな声で指示を叫んでいた。背後には3人の女子が護衛として控えており、3人とも当然のように猫耳型の飾りを頭につけていた。
     そのソロモンの悪魔・アデプトの声は、しかし、危険を嫌がって病院から遠く離れたところに陣取っている故に前線までは届いておらず、ほとんど自己満足だけのものだった。
     計画通りの一斉襲撃に、籠城による防戦一方の殲術病院が対応できていない事は明確で、時間の問題となった陥落に、アデプトは気分よく高みの見物と洒落込んでいた。
    「アナタ達、死ぬ気で攻め落と……なっ、なになにっ!?」
     声高らかに叫んでいるアデプトを、突然押しのけるようにして護衛の女の子が前に飛び出した。
     身を固めてアデプトの盾となった女の子に雷が走り、爆発した。続けて喰らいつく影の塊が襲いかかってくるが、別の護衛が身替わりとなった。
    「くっ……何者っ!?」
     慌てて女の子達の陰に隠れたアデプトが辺り歩見回す。すると、離れた所に人影が3つ現れた。
     颯爽と立つリーグレット・ブランディーバ(紅煉の獅子・d07050)は、クルセイドソードを解放して切っ先をアデプトに向ける。
    「名門ブランディーバの一族筆頭、このリーグレットが宿敵ソロモンの悪魔を狩りに参った。獅子を蔑ろにするクズめ、我が手によって灼滅されるがいい!」
    「灼滅者ですね……病院は封鎖したけど、まだ外にいたとは……子猫ちゃん達、任せましたよ」
     煩わしそうに目を細めると、アデプトは少しずつ後ろに下がってゆく。
    「はい、マスター」
     女子達は声をそろえてそう言うと、一斉にリーグレット達に飛びかかる。それを満足げに見送ると、アデプトは踵を返して襲撃の本体の方へと走り出した。
     アデプトが逃げ出すのを確認すると、早鞍・清純(全力少年・d01135)は仲間に頷いてそれを追いかけ出す。
     主を追いかけだした者を遮ろうとする女子達の前に、笠井・匡(白豹・d01472)が立ちふさがった。
    「君の相手はこっちだよ!」
     剣と盾を構えた匡は護衛達が抜け出す隙を与えないように斬りかかる。分断する計画は手はず通りに進んでおり、予定ではそろそろ仲間達がアデプトに接触する頃だった。

    「あっ、超絶可愛いロリ顔猫耳JKがっ!」
     逃げるアデプトの気を引こうと清純が声を投げかける。それに対し手足を止めずにアデプトが言葉を返した。
    「ふんっ、ロリとロリ顔とでは天と地ほどの差があるんですよっ、そんなこともわからない輩と話すことなんてありませんっ!」
     そんなやり取りをしながら襲撃部隊まで後半分ほどの距離まで走ったその時、茂みの影から5人の灼滅者が現れて、アデプトの行く手を塞いだ。
     舌打ち押しながらアデプトは立ち止まり、後ろから来た清純もあわせて囲まれた状態になっていた。
    「私たちが相手するよ……にゃん」
     天堂・櫻子(桜大刀自・d20094)は相手の注意を引くためとはいえ、自分が何か間違っているような気がしながら、普段は出さない甘えた口調で話しかけた。
    「あら、なかなか可愛い子ですね。私の子猫ちゃんにしてあげてもいいくらいですよ」
     それなりに反応したアデプトに対し、置始・瑞樹(殞籠・d00403)が無言で庇うようにして櫻子の前に立った。
     識臣・晴之(魔弾の射手・d19916)が逃がさないために乗っていた空飛ぶほうきから飛び降り、芝居がかった仕草でアデプトに指を突きつけた。
    「貴様だな、ネコ耳好きとロリコンが同意語という間違った認識を他者に植え付けたのは!」
    「どうも私のことをロリコンと決めつけているようですけど、私はただ猫耳をつけた若くて可愛い女の子が好きなだけですよ」
     髭を震わせながら言うアデプト。その言葉に、久条・統弥(規格外の音痴・d20758)は妖の槍を構えながら頷いていた。
    「確かにネコ耳の女の子は可愛い、それは事実だろう」
    「話がわかる坊やもいるようですね……それじゃあまたっ」
     会話の隙を見て、アデプトが隙間を抜けようとしたが、夏渚・旱(無花果・d17596)が行く手を塞ぎ、サイキックで形作られた盾を叩きつけて逃げる勢いを殺した。
    「ここは通しません」
     強い意志を持って自分を阻んだ旱を、アデプトは苛立ちの唸りを上げながら睨みつけた。


     分断された配下の女の子達が3人同時に呪文を唱えながら手を頭上に上げて、魔法の矢を形成してリーグレットに狙いを定めた。
     彼女達が手を振り下ろすと3本のエネルギーの矢が飛び出し、標的を貫こうとする。
     リーグレットに当たる直前に匡が割って入り、クルセイドソードによる光の鎧を纏った体で魔法の矢を受け止めた。
     1人ずつ確実に倒すためにリーグレットと匡は同じ標的に攻撃をしているが、配下の女子達も互いにかばい合って巧みにダメージを分散していた。
    「君達に恨みはないんだけど、倒させてもらうね」
     体重を乗せてシールドを叩きつける匡。しかしその攻撃も別の女子が身替わりとなって受け止める。
     その匡の背後からリーグレットが不意に現れ、輝く刃で鋭く突いた。非物質化した刃は狙い通りの配下の高校生に突き刺さり、その魂魄を刺し貫いた。
    「ああぁぁっ……!?」
     積み重なる攻撃にとうとう少女は膝をつき、そのままうつぶせに倒れて動かなくなった。残る2人はその姿に一瞬視線を向けたが、まるで何事もなかったように主の敵へと攻撃を続ける。
    「……ふん」
     手強くまではないが手こずりそうな相手に対して、リーグレットは背筋を伸ばして剣を構え、身を翻して踏み込んだ。

     櫻子が目を閉じて意識を集中すると、構えていたWOKシールドの防御フィールドが拡大し、仲間達を包んで身を守る障壁となった。
    「……にゃん」
     櫻子は恥ずかしそうに鳴いて見せたが、苛立たしげなアデプトに媚びる必要はもうなさそうだった。
    「配下にネコ耳をつけさせて……しかもそれが女子中高生って……変態かよ」
     鋭く捻りながら繰り出す統弥の槍の一突きがアデプトの肩に突き刺さる。続けざまに清純の剣が一閃して背中の一部を切り裂いた。
    「言っておくが、ロリコン度では匡先輩の変態度の足元にも及ばんぞ」
     この場にいない仲間を引き合いに出す清純に、アデプトは舌打ちしながら意識を集中した。
    「だから、私はロリコンでも変態でもないと言ってるでしょう」
     手の平を交差させながら前に突き出すと、そこから渦巻く風が巻き起こり、清純やその付近にいる灼滅者達に襲いかかった。魔力を帯びた風の刃が身を守るサイキックごと切り裂いてゆく。
     即座に反応した晴之が、こちらは癒しの風で傷ついた仲間達を包み込む。
    「ネコを愛する者として、僕の魔法を以て、完膚無きまで灼滅して差し上げようっ!」
     ネコ耳のアクセサリーを装着している晴之に、同じくネコ耳をつけている統弥も頷いている。
    「言っておきますけどね、男が猫耳をつけていてもまったく可愛くないですよ」
     無駄口を叩きながら、アデプトはそれでも逃げ出すチャンスをうかがっている。それを察している旱が砲台と化したデモノイド寄生体から死の光線を撃ち出し、当たらずとも逃げられないように牽制していた。
    「……申し訳ありませんが、ここから先には行かせません」
    「ほんとに生意気な小娘ですねっ」
     そう言って炎に包まれた魔法の槍を造り出し、旱に向けて投げつけた。その炎の槍は、しかし、素早く回り込んだ櫻子が盾となって受け止めた。
     そんな櫻子達の姿を横目に、瑞樹はいつものように自分が盾になるべきだったかと内心考えたが、そんな迷いを一蹴した。今回の敵はいかに早く倒すかが鍵となるはずだった。性根が腐っているとは言え、強敵と言えるダークネスに対して、普段から感情を露わにしない瑞樹だが、燃え上がる想いを拳に込めて振りかぶった。
     鋼のように硬くなった拳に渾身の力を込めてアデプトの腹にねじ込む。確かな手応えと共に、ダークネスの悶える声が漏れ響いた。
     攻防が続く中で、アデプトは合間を縫って自らを回復しながら頃合いを見計らっていた。
     今いる場所は殲術病院を取り囲んでいる配下の少女達からもぎりぎり目が届く位置であり、このまま耐え続けていれば必ず主の危機に気がつくはずだった。そうなれば40名近くの配下がここに駆けつけることになり、状況は一変することになる。
     この生意気な灼滅者達をなぶり殺しにする瞬間を心待ちにしながら、アデプトはじっと我慢し続けていた。


    「水魔よ、在れ!」
     アデプトが高らかに唱えると、四角を組み合わせた方陣が地面に浮かび上がってその空間を粘つく水で満たした。
    「……!?」
     範囲外にいた旱と晴之を除く4人が魔法にのまれ、水に締め付けられていた。
    「すぐ回復するっ」
     晴之が防護符を取り出し、一番傷ついていると見て取った瑞樹に飛ばした。癒しの護符はその力を発揮し、傷ついた体を一気に癒してゆく。晴之は次の仲間を癒そうと新たな護符を取り出そうとしている。
    「引きつけます」
     そう言うと旱はアデプトに突進する。ウロボロスブレイドを鞭状に伸ばしてダークネスの体を絡め取る。そしてぐっと引いて鮫の歯のような刃で引き裂いた。
    「痛っ……ほんとにひどい人達ですね、アナタ達は……」
     痛みに歯を食いしばりながら、それでもアデプトの表情は勝ち誇った様に歪んでいた。
    「しかーし、もう時間切れですよ、アナタ達の負けです……ほら、ごらんなさい」
     そう言って指し示した先には殲術病院があり、そこに攻め込んでいたアデプトの手下達がこちらを指さしながら騒ぎ出しているようだった。
     アデプトはピスピスと鼻孔を膨らませ、興奮で髭を震わせながら口元をゆるませて牙を剥いた。
    「すぐにでも子猫ちゃん達がここに駆けつけてくるでしょう。アナタ達、残念でしたね。さあ、これからは殺戮の時間ですよ!」
     ソロモンの悪魔・アデプトは芝居がかった大げさな動きで、指揮者のように両手を振り上げた。
    「ふん、果たしてそうかな」
     駆けつけざまに振り払った刃がアデプトを切り裂き、白く輝く破邪の光がリーグレットの体を包み込み、聖なる鎧となった。
     匡は円盤状に形成されたサイキックの盾を、驚いているアデプトの横っ面に叩きつけた。「まったく、猫耳女子中高生が眷属なんて羨ま……ごほん、いたいけな少女達になんて事をするんだ」
     思わず本音をもらしそうになりながら、匡は肩をすくめて見せた。
     護衛役の女子生徒達を倒して2人が駆けつけてきたことによって、状況は一気に傾いていた。
    「片を付けるぞ」
     リーグレットの言葉を合図に、それぞれが動揺するアデプトに襲いかかった。
     ふぅ、と息を吸い込んだ瑞樹の拳が集約したオーラで輝き、気合いを発しながら数え切れないほどの連打で拳を打ちつけた。
     弾かれるように揺れるアデプトの目の前にDCPキャノンを突きつける統弥。強毒性の光線を容赦なく放射する。
     清純が背後からマテリアルロッドを振りかざし、体ごと叩きつけると爆発音を響かせながら衝撃がアデプトの背中を打ち砕く。
     デモノイド寄生体と同化した櫻子の日本刀が上段に構えられ、一筋の軌跡を描いて振り下ろされる。重く鋭い刃が獅子の姿をした頭から胴体へとまっすぐ切り裂いた。
    「……そんな……私が……この私がこんな所で……」
     ふらふらと足下を泳がせながら倒れ込むと、アデプトの体が風船のように膨張し、すぐに収縮すると、次の瞬間に音もなく爆散した。


     今にも主の所に駆けつけようとしていた猫耳姿の女子達が勢いを無くし、立ち止まった。中には虚無感からかへたり込んでいる女の子もいる。
     騒がしかった襲撃の声が止み、静まりかえった山中を揺るがすような大きな声が突然響いた。
    「どちらの方かは存じませんが、御助力に感謝します!」
     その声の主は子供のような背丈の白衣を着た女性で、殲術病院の3階の窓から乗り出すようにして叫んでいた。
    「これより当病院は攻勢に転じます! 可能ならあと少しの御協力をお願い致します! ナース長、各殲術隔壁開放! 全職員は兵装を解放して小娘達を蹂躙しなさい!」
     そう言うと、その女性は3階の窓から飛び降り、着地すると同時に手当たり次第にアデプトの配下達を殴り飛ばし始めた。
     再び戦いの音が響きだした病院だが、今度は立場が逆転して、指導者のいなくなったソロモンの悪魔の軍勢は見た目にも劣勢に陥っていた。
     それを硬い表情で見つめていた統弥は小さく溜息をついた。
    「できればあの子達も助けられればと思ってるんだけど、もうどうしようもないんだろうね」
     その言葉に櫻子も頷く。9歳とは思えない冷静さでその状況を見つめていた。
    「もう戻れないほど堕ちてしまっているみたいだから」
    「それに、まだ勝利が決まったわけでもないです」
     哀しそうな色を瞳に浮かべている旱は、ソロモンの悪魔対する怒りを押し殺しながら歩き出した。
    「最後まで相手をしてやるのが礼儀というものだろう」
     血を払うような仕草で剣を振るったリーグレットは、そのまま病院の方へと走り出す。同じように瑞樹も口を閉ざしたまま戦いの場へと向かっていった。
    「病院を助けないとな。それにねこみみJKが相手なんてめったにないぜ」
     そんな清純の隣で、晴之は自分の拳をばしんと手の平に打ちつけて気合いを入れた。
    「それじゃあ行こう!」
     仲間達と一緒に走りながら、匡は少しだけ口元をゆるませて肩をすくめてみせた。
    「女子中高生には、次は楽しい場で相手してもらいたいね」

    作者:ヤナガマコト 重傷:なし
    死亡:なし
    闇堕ち:なし
    種類:
    公開:2013年12月6日
    難度:やや難
    参加:8人
    結果:成功!
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